よからぬ話/Tonoうぐいすみつる
309 名前:291・「よからぬ話」一話分抜粋。[sage] 投稿日:2005/07/21(木) 12:30:13 ID:???
>291でああ書いたが、不親切なので少しだけ説明します。
うろ覚えだから台詞などは実際と異なりますのでご了承を。
あんまり怖くないかも。

「通り魔」TONO
その日偶然、家族がそれぞれ外で夕食を食べてくることになった。
夕方、TONOが荷物を置きに帰宅すると一本の電話が。
男の子の声で「いまからいくからね」と。
「もしもしボク?どこにかけてるの?
ウチ誰もいなくなるから来ても困るわよ」
間違い電話だと説明するが、「かせのひらたでしょ」と言う。
…確かにウチは加瀬の平田だ。
この通称を知っているなら、間違いではないのだろうが…。
「そうだけど、だからねボク、来ても誰もいなくなるんだってば…」
もう家を出ないといけない時間だ。いい加減イラついてくる。
何度説明しても同じ調子で「いまからいくからね」とくり返す…薄気味悪くなってきた。
「…ボクねえ、とにかくおウチの人に変わってちょうだい。お父さんかお母さんは?」
「いないよ。事故で死んだの」
………………っ!
とにかく私も出かけるから、来てもムダだからねっ、じゃあっ!!」
無理やり電話を切り、急いで家を飛び出した。
早くしないと「やつら」が来るような気がして。

後日談
この話を友人たちとしていたら、友人のひとりが急に叫んで立ち上がった。
「ちょっと、ヤバいよ!もうこの話やめよう!
…この話してたら誰もいなくなっちゃったよ!」

建物のフロア内のレストランなのに、さっきまで騒がしかったフロア内にもレストラン内にも、誰もいない――。

「ウェイターやコックまでどこ行きよった…」