私を月まで連れてって!/竹宮惠子
440 名前:私を月まで連れてって! 1[sage] 投稿日:2007/09/21(金) 22:25:06 ID:???
<プロローグ>
NASAに勤務するA級宇宙飛行士の主人公、ダン・マイルド(26才)はある日、
火星−地球間の定期便で爆発事故に遭遇する。
必死の救出作業の中、最後の乗客である少女を救命艇に送り届けたところで、
命綱が切れてしまいダンは宇宙空間に放り出されてしまう。
遠のく意識の中、死を覚悟した直後、ダンの耳に少女の声が聞こえる。

「ダン・マイルド、あなたのことが好きよ。私のことを忘れないで」

…そしてその次の瞬間、気付けば何故かダンは救命艇の中にいた。
奇跡の生還を果たしたダンは、NASAから久しぶりに長期休暇を取ることを許される。
意気揚々と自宅のメゾン(団地)に帰ってきたダンを待ち受けていたのは、
超能力で彼の命を救ったあの少女、ニナ・フレキシブル(10才)だった────

441 名前:私を月まで連れてって! 2[sage] 投稿日:2007/09/21(金) 22:27:27 ID:???
<登場人物紹介 その1>
・フレキシブル家の人々
ニナ・フレキシブル
 ヒロイン。テレポート、テレパシー、催眠術などESPが使える超能力少女。
 聡明でおしゃまな性格だが、年頃の女の子らしいロマンチストな面もある。
 女心に鈍いダンとはよくケンカをするが、毎回最後には元のさやに収まっている。
アーチボルト・フレキシブル(アーチー)
 ニナの兄。発明が趣味。天才児のみが集う特別校に通っており、
 両親から多大な期待を受けている。しかし実は特別校に行きたくないニナが
 知能テストの答案を取り替えていただけで、アーチー自身はただの凡人。
ニナの両親
 両親ともにごく普通の一般人。ダンとニナの交際は余り快くは思っていない様子。
SABURINA
 アーチーが発明したロボット。一度は捨てられるが、おヤエさんに拾われ再調整される。
 おヤエさんのプログラミングの賜物か、ロボットの割に反応がやたらフレキシブル。

442 名前:私を月まで連れてって! 3[sage] 投稿日:2007/09/21(金) 22:29:21 ID:???
<登場人物紹介 その2>
・その他の登場人物
ダン・マイルド
 主人公。NASAのA級宇宙飛行士。フレキシブル家と同じメゾンの一角に住んでいる。
 仕事に関してはドライな現実主義者である一方で、
 子供心も忘れないユーモアのある性格。アンティーク物には目が無い。
おヤエさん
 メゾン全世帯の面倒を見ている、超有能ハウスキーパー。ある意味影の主人公。
 家事・機械工学・精神分析学・文学などなど、あらゆることに通じている。
 本名は温泉(おんぜい)八重で、やんごとなき家柄の出身。
ハリアン・シェラトン
 シェラトン財閥の跡継ぎ。大金持ちで頭が良く、金髪碧眼の美男子。
 おヤエさんにしつこく求婚を続けているが、断られ続けている。
ブライト・シェラトン 
 ハリアンの双子の兄。故人。学生時代におヤエさんと恋人関係だった。
ジョン・ヘイグ
 特別校に通うアーチーの悪友。アーチーとは違い、本物のESP。
ガイア
 人間の思考を吸い取り、異空間を作り出す四次元コンピューター。
 非常に気まぐれな性格で、度々騒動を引き起こす。

443 名前:私を月まで連れてって! 4[sage] 投稿日:2007/09/21(金) 22:31:18 ID:???
基本的にストーリーは一話完結型。
ダンとニナの16才(!)年の差カップルを中心に
二人の周囲で起こる騒動を描いたドタバタSFコメディで、
古典SFなどのパロディが随所に織り込まれています。

途中でダンの初恋の相手の話が出てきますが、
実はこれは16才(6年後)のニナだったということが分かります。

経緯はちょっと複雑なのですが、
自分の誕生日に仕事を取ったダンとケンカをしてしまい、
「一度でいいから夢のような恋がしたい」と願ったニナ(16才)は
ガイアの力によって14年前にタイムスリップしてしまい、18才のダンと出会います。
そこで若かりし頃のダンと恋をしたニナ(16才)は、当時赤ん坊のニナ(2才)に
「あなたはいつかダン・マイルドに恋をする」と刷り込みます。
つまり、この二人の恋は最初から運命付けられていたということです。

最後の方はアーチーに美人の彼女ができたり、
おヤエさんが突然ハリアンの求婚を承諾したりしつつ、
ハリアンとおヤエさんの間に双子の子供、ブライト(♂)と七重(ななえ・♀)が生まれて終わり。
このブライトを主人公にした「ブライトの憂鬱」という続編もあるようです。
(こちらは残念ながら、読んだことがないのですが)