地球ナンバーV-7/横山光輝
189 :地球ナンバーV-7 :04/05/06 05:50 ID:???
無限の宇宙に地球が誕生し、母なる海は生命を宿した。生命は地球上にちり、
その環境に順応し、生活にあった体を作り始めた。
人間もまた同じであった。

 全ての人間に番号が割り振られた未来。登録番号V-7ことディック牧は地球政府評議会へ呼び出された。
 それは地球と火星の関係についてだった。火星はもともと地球の移住先として発展して
いったが、そのうち火星の住民たちに超能力を持つものが現れ始めた。人間が優秀な上
に資源も豊富な火星がいつまでも老衰した地球の管理下に置かれるのが納得のいかない
火星政府は、密かに超能力者を地球に送り込み、重要拠点をテロ行為で破壊しまくって
いた。しかし宣戦布告をすると強力な平気で地球も火星も一瞬の内に全滅してしまう。
そこで地球にも優秀な超能力者がいることを火星にしらしめ、彼らの野望を打ち砕く
任務をV7に与えたのであった。

 秘密警察本部でV7はなぜ自分が超能力者と決めてかかるのか問う。彼は確かに超能力
者だが、そのことはひたかくしにしていたからだ。しかし、それは11年前の飛行機事故
でV7とその姉だけが助かったことからバレていたのだった。
 V7は任務を断るが長官はいう。「受けようが受けまいが、ここに来たからにはもう
火星の超能力者は君を狙っている。」
 事実、V7の車には既に爆弾が仕掛けられていたのだった。

 自宅に戻る途中にも発火炎人キャンドルに襲われるが、より高熱を発し返り討ちにする。
 自宅に戻ったところで、すぐに次の追っ手が襲ってきた。V7は嫌々ながらも生き残る
ために戦うことを決意する。

テレパスのガトリック、電気人間、睡魔人間ジョンの3人を相手に戦うV7。包囲からは
逃れるがジョンに待ち伏せされる。ジョンに睨まれると普通の人間はたちまち催眠
状態になってしまう。しかしV7は並の超能力者ではなかった。顔をジョンそっくりに
変型させ、その能力をもってこれまた返り討ちに。V7はそのままガトリックらと支部へ
戻る。

190 :地球ナンバーV-7 :04/05/06 05:51 ID:???
 支部長は超能力者が3人もいてなぜ取り逃したのかと憤る。ガトリックはV7の考えを
読もうとしたが大きな壁に遮られているようでまるで読めなかったことからV7はテレパ
スではないのかと言う。
「ひとりの人間が2つも3つも超能力を持つことはありえない。もしV7がそんなのならヤツは化け物だ!」
ガトリック他の超能力者は再びV7捜索に出る。しかしジョンだけが残っていた。
「貴様はなぜ仲間と行動をともにしない?」
「あなたと話がしたくてね」
「げえっ! V7!」

V7はなぜこんな戦いをするのか聞いた。答えは前述のとおり、あらゆる面において優秀な
火星が地球を支配するのは当然のことだと。
「その後を考えたことがあるか?」
「その後?」
「地球政府も火星政府も今は我々を便利な道具にしか思っていないだろう。しかしこの
戦いが終わったらどうなる。偉人と思うだろうか? 恐らく化け物と思うだろう。君は
化け物が目の前にいたらどうする? 退治しようという気が起きないか?」
「火星政府も我々を恐れだすというのか!? そんなことがあるものか! 我々は火星政府を信じる!」
「交渉決裂だな」
支部長は自身の能力・毒虫操縦をV7に放つ。V7は発火能力で防ぐ。
「過去に虫使いと発火能力者との戦いでどちらが勝ったか知っているかね?
  虫使いさ。どうしてもエネルギーが持たずに、虫に毒されちまうのさ!」
部屋からガシャーン!という音がした。支部長が覗くとV7は窓を破って飛び降りていた。

191 :地球ナンバーV-7 :04/05/06 05:52 ID:???

「こんなことの出来るのはフライング能力をもった者だけだ。まさかV7は…」
床にはV7からの手紙が落ちていた。
「貴方たちがこれからも警告を無視し破壊工作を続けるならば私はそれを食い止めねばならない
 この時は多数の犠牲者が出ることを覚悟していただきたい。 おたまじゃくしへ」
「おたまじゃくしへ…? どういう意味だ…」
そこへ火星政府からロックウッドロケット工場を襲撃せよとの指令が入った。
超能力者たちはそこへ向かう。V7も追跡するが、保護色になって姿を消すカメレオン人に
襲われる。すんでのところで銃を掴み、電撃で撃退する。
ロックウッドでは支部長達が警備員を皆殺しにし、爆弾を仕掛けていた。しかしその
超能力者は達はV7にことごとく倒されていった。
複数の超能力者がたった一人に倒されたことが信じられない支部長たち。
「超能力者には一つしか能力がもてないんだ! そんなことってありうるものか!」
「ぼくがあなたたちをおたまじゃくしと呼んだのは、まだ手も足も生えてないおたまじゃくし
程度の能力しかもっていないからだ」
「それでは貴様は成長したカエルだというのか!」
「そのとおり」
支部長は毒虫をけしかける。
「まだ信じてもらえないのですか…」というとV7は虫を自在に操り支部長を襲わせた。
「私の命令のほうがあなたより強いんですよ。これで納得いただけましたか?」
「さあ、いま見たことを君たちの命令者に報告するのです。そして自分たちだけが
 優れているという考えを捨て去るようにとね。」

自宅に戻ったV7は姉の治療を受けていた。しかし超能力者が1つの能力しかもっていな
いというのが通説の今、果たして影の命令者が彼らの報告を信じるのであろうか。
直接見せつけでもしあいと信じないのでは、と姉はいう。そしてV7は火星へ行く決心をする。

230 :地球ナンバーV-7 :04/05/06 19:28 ID:???
 火星政府の地球支部長デミル(先の虫使い)は上司カシムにV7のことを報告するが、
案の定超能力者が複数の能力をもつことを信じてもらえず、失敗の言い訳としか取ってもらえない。
そこへV7が火星へ来る報告が入る。カシムは慌てて更に上司のXに報告する。Xもデミル
の報告を半信半疑だが、カナーリの連中を使ってはどうかと提案する。

カナーリ。それは砂漠の果てに建つ牢獄。ここには凶悪犯人、そして特殊犯罪者が
収容されており、特に後者は日の目を見られない地下奥深くに閉じ込められている。
特殊犯罪者とは想像以上の強力な超能力を持って犯罪を犯した連中のこと。

 地球から来るV7という超能力者を倒せば罪を軽くする、しかしもし倒さずに逃げ出し
たりすれば妻子を殺す、という条件で、マウスキッド、ニクロムスキー、ギャロップ、
ジョルダン、ジャンセンの5人は出獄する。

231 :地球ナンバーV-7 :04/05/06 19:30 ID:???
 その頃V7が乗ったロケットは火星まで1万フィートというところまできていた。そこで
V7は非常口から火星へ向かって飛び降りた。空港ではきっと暗殺者が待ち伏せしている
に違いないからだ。空港ではV7に密かについてきた秘密警察の職員が殺される。
そしてカシム達は普通のフライング能力者でも300フィートが限界なのに、1万フィート
の高空からでも無事なV7(V7が自殺してもなんの意味もないため、この判断しかできない)の
能力に改めて恐怖を感じるのであった。

 V7は火星のド田舎、ユマ砂漠に住む友人ブレランドの家を訪ねた。彼もまた利用される
のが嫌で田舎にひきこもり、ひっそりと一生を終えるつもりだった複数の能力を持つ超能
力者だった。5年ぶりの再会に喜ぶブレランド。そしてV7はことの次第を全て話し、ブレ
ランドも協力してくれることになった。そこへ一人の男がやってきた。ブレランドが出る。
「V7を渡せ」
「いやだといったら?」
「そんな口答えができないようにしてやるさ」
男は念動力でブレランドを空中に放り投げては地面に落とす。

その顔をみてブレランドはこの男がマウスキッドであることを思い出した。強盗をし、
その強大な念動力で大混乱を引き起こしたが、町中に眠りガスを放出するという荒業で
逮捕され、カナーリの牢獄にいるはずの男。
マウスキッドはブレランドの家をバラバラに壊した。が、V7は脱出していた。
V7が戦おうとするとブレランドが止める。
「こいつは俺にやらせてくれ。今のお礼を返さないとな」
ブレランドがマウスキッドを睨むと、ブレランドは何体にも分身した。マウスキッドの
念動力は狙いが決まらないと発揮できない。どれが本物かわからないマウスキッドは
手当たり次第に攻撃するが全てハズレ。遂にマウスキッドはブレランドに捕まり、電撃
で倒された。
「ディック、こいつはカナーリの牢獄にいるはずの男だ。それがなぜこんなところに現れて
お前を狙う? もしお前を倒すためにカナーリの連中を使ったとすれば、それはこの男だけでは
あるまい。そしてそんなことが出来るのは政界の大物だろう。俺はそこに恐ろしいものを感じる…」
 
 そして二人はとりあえず町を目指し、そこからカナーリの牢獄へ向かうことにした。

234 :地球ナンバーV-7 :04/05/06 20:52 ID:???
 マウスキッドが倒された報告は残りの4人にも通達された。町へ向かう途中、砂漠の
オアシスで一休みするディックとブレランド。しかしそこには早くもジョルダンが待ち
構えていた。ジョルダンの能力は髪の毛を自在に操ること。V7は髪の毛に絡まれ、オア
シスに引きずり込まれるがブレランドが水を凍らせ、V7を救出し町へ向かう。
 町についたブレランドは車を手配し、ホテルへ戻る。そこをつけられていたが軽く
倒し、カナーリの牢獄へ。砂漠の途中で車を隠し、おそろしい仕掛けがあるという
牢獄に近づいてゆく。いきなり砂漠の中から壁があらわれ挟まれそうになる二人。
なんとかかわすもお次は自走爆弾の群れがやってくる。透視してみると、温度に反応
して探査、爆発するということがわかった。二人は体温を砂漠と同じ温度にまで下げて
爆弾をやりすごす。
 牢獄のモニターから催眠術で担当者を操り牢獄に侵入した二人は一気に所長室を目指す。
そこで黒幕が火星一の大金持ち、ハワード・クロームであることを知る。
 牢獄から脱出した二人をニクロムスキーが襲う。こいつの能力は電気を思い通りに
放出することだ。V7は何発もくらって大苦戦。さらに例の自走爆弾がやってくる。
V7は発火能力で火炎をまとい、爆弾を呼び寄せる。爆弾がV7とニクロムスキーの周囲に
集まったところで我慢できなくなったニクロムスキーが爆弾を破壊。すると連鎖反応で
大爆発が起き、ニクロムスキー死亡。V7は大ダメージを受けながらもなんとか生きていた。

236 :地球ナンバーV-7 :04/05/06 21:16 ID:???
 回復力が常人の数十倍のV7も休息を取らざるをえなくなり、砂に隠れる。そこへギャ
ロップとジャンセンが現れるが、二人に気づかず去ってゆく。
 8時間後、体調の戻ったV7とブレランドはカナーリの牢獄を後にする。
牢獄の所長はいぶかしむ。
「カナーリの牢獄の機能を使えば弱った二人など簡単に捕らえられるのになぜ手出しを
するなというのだ。ともかく牢獄から映したフィルムをカシム様にお届けしろ」
 そのフィルムはカシムの手からハワード・クロームの手に渡っていた。V7達の恐るべき
超能力を目の当たりにした。
「なぜあの時V7達を捕まえなかったのですか?」
「証拠集めのためだ。わしは以前から言っているとおり、やつらを怪物と思っておる。
世間の人間が超能力者に寛大なのは、その恐ろしさを知らないからだ。しかし今後こう
いう人間が増えてきたらどうなる? 地球も火星もやつらに支配されるだろう。そして
何もできぬ普通の人間は人間扱いされなくなるだろう。今こそこういった証拠を集め、
人々の目を覚ます警鐘となるのじゃ!」
そこへ二人が町に入ったとの報告が入る。
「直ちにカナーリの連中を回せ。ふふふ、これでまた証拠が増えるぞ。」

237 :地球ナンバーV-7 :04/05/06 21:32 ID:???
 ディックとブレランドはボロボロになった服を新調するために服屋にやってきた。
「あぶない! ふせろブレランド!」
試着室から毒針が飛んでくる。
「そこか!」
ブレランドが向かうが、毒針をまともにくらってしまう。
そこにはオアシスで倒し損ねたジョルダンがいた。
V7はブレランドをかついで脱出し、医者に見せる。猛毒に侵されていてサジを投げられ
るが、こいつは回復力が並じゃないと説明し、解毒薬を飲ませるとみるみる回復して
いった。しかしまだブレランドはまだ動けない。

 解毒薬をもらい、ブレランドのいる病院から引き離すため外に出るV7。トラックの
上に立ち、目立つようにしてジョルダンをおびきよせる。V7を発見したジョルダンも
トラックの上に立ち対峙する。小競り合いの後、ジョルダンは車の死角を使ってV7の
トラックまで移動、毒針をまともにくらわせ、V7は車道に落ちる。
「やった! 俺はこれで自由だ!」死体を確認しにいくジョルダン。
しかしV7はあらかじめ解毒剤を飲んでいたのでまだ生きていた。ジョルダンは殴られ、
吹っ飛ばされた先にやってきた大型トラックに轢き殺されてしまう。
 V7はそのままトラックの上で回復を待っていた。そこにギャロップが現れる。
「V7、だいぶまいっているようだな」
「!!」
「お前の息の根はこの俺が止めてやる ふははははは」
そういうとギャロップは消えた
「車は普通に流れている…あれは僕だけに見えたのか…? しかし襲ってこなかった
 ところを見ると幻には攻撃能力はないようだな」

285 :地球ナンバーV-7 :04/05/07 20:16 ID:???
 V7が乗ったトラックは山道にさしかかった。そこで運転手の目の前にギャロップの
幻影が現れる。驚いた運転手はハンドル操作を誤り、ガードレールをブチ越えて崖下に
落ち大爆発をおこす。V7は脱出して死んだフリをする。ギャロップの幻影が現れるが
中々本体が現れない。長い時間が過ぎた。すると銃を持った男が数人現れた。ギャロッ
プはV7本人に近づくのは危険と感じ、直接の手は部下に下させるよう命令したのだ。
 銃を持った男たちはV7に簡単にいなされる。V7は車を奪って逃走するが、ギャロップ
の幻影にやられ、またも車ごと崖下に落ちてしまう。今度は足を怪我して本当に動けな
くなる。しかしギャロップは直接手を下さない。マウスキッドを捕らえたようにガス
で眠らせて生け捕りにしようと、ガス車を手配する。その考えを読んだV7はブレランド
にテレパシーで救出を頼む。
 病院でもうすっかりよくなったブレランドはV7のテレパシーを受けると即座に病院を
飛び出した。運のいいことに、丁度ガス車が山に向かうところにでくわす。先頭の一台
を奪うとガスを放出し後続を眠らせる。山を上っている途中でギャロップを発見、これ
も眠らせる。V7を見張っていた銃の連中も眠らせ、V7を救出する。二人は一旦町へ戻り
足の治療を受けてからハワード・クローム邸へ向かおうとする。
 帰り道、またもやギャロップが幻覚攻撃を仕掛けてきた。しかしガスで体が不十分な
ため、ブレランドに簡単に倒されてしまうのだった。

286 :地球ナンバーV-7 :04/05/07 20:30 ID:???
 V7とブレランドはハワード・クローム邸へやってきた。こっそり侵入するつもりだっ
たがブレランドのミスでバレてしまう。ロボット警備兵を倒し、数々のワナも罠の根元
から無効(罠に電力供給している部分を壊すとか)にし、ハワード・クロームの部屋に到達。

「こんな乗り込み方をして申し訳ない。あなたと話がしたくね」
「無断で乗り込んでくるような連中の話など聞く耳持たんな」
「あなたが聞く耳を持たなくても承知させるまでです」
「無理だ。君たちとの間には鉄より硬いガラスの仕切りがあるんだ」
「わしらの超能力を甘くみちゃいけないよ。こんなものなんの役にもたたないんだ」
ブレランドは催眠術でハワード・クロームを操り、仕切りを開けさせる。
「ほらね」
「さあ、そこに腰をかけて下さい。話し合いをしましょう」
そこへカシムとロボット警備兵が現れた。
「まて! 変なことをするとハワードの命はないぞ!」
カシムはニヤリと笑う。
「カシム! ま、まさか! 約束が違う!」
「やれっ!」
警備兵の銃が火を噴くとハワードは蜂の巣になった。V7とブレランドはガラスの仕切り
を降ろして助かった。
 二人がハワードだと思っていたのは、ジャンセンが変身した影武者だったのだ。


287 :地球ナンバーV-7 :04/05/07 20:45 ID:???
カシムは言う。
「本物のハワード・クローム氏はいまごろ地球評議会で大演説をぶっている頃だ。
君たち超能力者の運命を大きく変える演説だ。そしてそれは議会を通過する。ある
程度の評議員は買収してあるからな」
 地球政府の許可が要るほどの大きな動き、殺し屋として雇ったジャンセンが不要にな
るということはその目的もほぼ達成に近いこと。そして自分たちをここに引き止めてお
かなかえればならないことなどから、演説がとてつもなく気になるV7であった。

 そしてハワードはカシムの言ったとおり、地球評議会で演説をぶっていた。先に書い
たように、このままでは普通の人間は超能力者に支配されてしまうという内容だ。
「地球も火星も恐るべき危機にあるのです! めざめなければならない! めざめて
はやく対処しなければ取り返しのつかない時がくるに違いないんじゃ!」

 一方、V7とブレランドは閉じ込められたままだった。酸素の供給も止められ、次第に
息苦しくなってくる。そしてV7はやっと配線を探し当てる。ガラスの仕切りを開いた
一瞬に配線からエネルギーを逆流させ発電機を破壊した。罠もロボット警備兵も全て
止まった。二人はゆうゆうとハワード・クローム邸から脱出した。そして二人はその足
で空港へ向かい、地球へ旅立った。

289 :地球ナンバーV-7 :04/05/07 21:20 ID:???
 二人の乗ったロケットが地球へ到着した。そこへV7の姉からテレパシーが入った。
なんだか様子がおかしいので充分に用心するように、と。二人は一芝居うつことにする。

 ブレランドが空港のトイレから出てくると、二人の秘密警察官にV7はどこにいるのか
聞かれる。トイレにいるよ、というと催眠術で一人を操り、トイレに向かわせる。
トイレでV7は警察官に変身し、男は気絶させ入れ替わった。
 変身したV7はトイレにはいなかったと報告。とりあえずブレランドだけを秘密警察長
官のもとへ連行する。
連衡された理由をブレランドは尋ねる。
「君はテレパシー能力ももっているだろう。しかしどうしても説明して欲しいというな
らしてやろうか。」
「評議会で超能力者は我々の世界から隔離することが決定した。もちろん理由は君たち
が危険だからだ。お気の毒だが私は法を守るしもべだ。それ以上説明もいるまい。」
「そういうわけでございます。どうぞこちらへ。」
ブレランドは地下牢に放り込まれる。そこには他にも超能力者もたくさん閉じ込められ
ていた。扉が開いた瞬間に脱出を図る者もいたが、なんのためらいもなく射殺される。
そして彼らは食料どころか水すらも与えられてなかったのだ。
ブレランドは激しく憤る。「さんざん人を利用しておいてそのお返しがこれか!」


290 :地球ナンバーV-7 :04/05/07 21:23 ID:???
 その頃V7は姉のテレパシーによる呼び出しを受け合流し、これまでのいきさつを聞い
ていた。ブレランドのテレパシーによる報告を受けた姉はその内容をV7に話す。
「それじゃ隔離するなんていって全員殺す気じゃないか! 姉さん、僕は地下の連中を助けるよ」
「助けてどうするの? 戦うの?」
「いや、戦いはしない。地球と火星を合わせても普通の人間のほうが多い。そして僕た
 ちは最新兵器だってない。戦っても勝ち目はない。新天地をどこかに探すんだ。静か
 に平和に暮らせるところを!」
 そこで姉と仲間は空港を襲い長距離ロケットを奪う、V7と催眠術師が地下牢の人々を
救うという分担で行動に移る。
 V7と催眠術師は秘密警察長官室へ向かう。長官を催眠術にかけて牢を開放しようとい
う作戦だ。しかし、長官室にはV7と入れ替わった男が報告に来ていた。
「君という人間をよく知っていながらうかつだったよ、V7君!」
V7は二人に取っ組みかかるとエネルギー衝撃波で殺す。
 作戦変更し、催眠術師にはロボット警備兵の操縦者を操ってもらうことにした。
作戦は簡単に成功した。ロボット警備兵は牢を開け、脱出の邪魔をする警官にも攻撃を
始めたのだ。警官隊は操縦室に乗り込み、催眠術師を殺す。異変を感じたV7も部屋に入る。
V7は警官の服装をしているので今際の催眠術師に声がかけられない。
「そうか、こいつが操っていたのか…」といいつつ、顔を確認するために近づいた素振
りをする
「V7、み…みんなは…」
「お前の働きで脱出できた」
「そ、そうか…みんなによろしくな…」
催眠術師はそう言い遺すと息を引き取った。


291 :地球ナンバーV-7 :04/05/07 21:38 ID:???
 V7は警官隊のトラックやパトカーを破壊しつつ空港へ向う。しかし警官も次から次か
らやってくる。だがV7の行動をテレパシーで感知した超能力者達がV7のフォローをして
くれ、警官隊は空港へ近づけないのだった。

 空港では超能力者達がロケットに乗り込んでいた。管制塔の職員は全て催眠術で操作
済み。あとはV7が来るのを待つのみとなった。

 そしてV7は現れた。
「さあ、君が指揮してこのロケット編隊を新天地へ導いてくれ」
「その前にみんなに一言いっておきたい。これから我々のいこうとするところはまだ決
 まっていない。何年、いや何十年宇宙を漂流するかわからない長い長い旅になるだろう。 
 しかし努力をすればきっと新天地に巡り合える。それまでみんなで助け合い励まし
 あっていきたいと思います。」
「それでは出発!!」

いくつものロケットは轟音を上げ大地から放れていった。

「さようなら地球…我が故郷よさようなら…」

V7を指揮者にロケット編隊はなつかしい地球をあとに別天地を求め宇宙にとびたったのだった
いつの日か別天地にたどりつけることを夢みながら……………

地球ナンバーV-7 完