ザ・ワールド・イズ・マイン/新井英樹
99 名前:マロン名無しさん 投稿日:04/06/18 23:33 ID:???

やっちゃいけないこととやっていいことの区別が付いてない、
命には平等に価値が無い、を信条にしているゴッツイ連続殺人鬼がいて、
そいつのある種純粋な"強さ"みたいなのにあこがれた一人の常人がいて、
その常人はゴッツイ殺人鬼を独り占めにしたって勘違いして
どんどん増長していくんだけど、結局常人は常人でしかなくて
それ相応の報いを受けた挙句地獄を見る羽目に。

ゴッツイ殺人鬼のほうはずっと一緒に行動してた前述の常人のことなんて
実は全く気にすら留めてないような人間で殺して殺して殺し続ける。
そんな彼にも唯一心を許した女性がいたんだけど
そいつが警察官に過って撃ち殺されてしまい、彼はひとしきり慟哭した後姿を消す。

んでその後姿を現したときにはなんか悟った風になっちゃってて
無意味な殺しとか暴力とかはなくなってんだけど、
カリスマ性だけは過剰なまでに肥大していて世界中が彼のとりこになる。
んで、支持者とかこいつの言葉を拡大解釈したがる
テロリストなんかが日本中のみならず世界中にあふれ出しちゃう。

100 名前:マロン名無しさん 投稿日:04/06/18 23:39 ID:???
時を同じくしてヒグマの化け物ヒグマドンってのがいて
そいつは殺人鬼が日本殺戮行脚をしてる最中
ちょくちょく挿話的に、これまた日本中をパニックにしてる様が描かれてたんだけど
自衛隊の頑張りによってなんとか捕獲され、アメリカに輸送されることになる。
そいつはアメリカに輸送される最中に、
海の真ん中でどんどん巨大化していってて
アメリカはそいつに核ミサイル五発を打ち込んだりする。
この辺どう解釈するかはわかれると思うけれども、
まぁ主人公たる殺人鬼の拡大と偶然にもこいつの巨大化が合致するのは
なんらかの寓話的意図をはらんでいるのやもしれん。

101 名前:マロン名無しさん 投稿日:04/06/18 23:40 ID:???
んでそのあと、カリスマは病気で死んじゃうんだけど
その死体はハッキングされたロケットで宇宙に打ち上げられる。
カリスマの死後、カリスマのシンパによって核戦争が引き起こされて世界は滅ぶ。

カリスマの死体は何年か何万年か何百万年か後に
外宇宙の名前の無い星にたどりついて、それからさらに数億年、
そのカリスマの死体のタンパク質だのなんだのから進化した新たな生命が生まれ
それからさらに数億年後、その生命が文化を持つに至って最終回

「神はあなただ」

みたいな話。意図的に省いた部分も多いから、読める機会がありゃ読むといいと思いますよ。