とりかえ風花伝/柳原望
95 名前:とりかえ風花伝[sage] 投稿日:2006/03/10(金) 16:34:16 ID:???
永正6年

戦で窮地に立たされた乾山。
城主の娘である風花は、人食いと噂されているが
かなりの腕を持つという白鬼丸に単身で協力を求めに行く。
白髪に赤眼の白鬼丸の風貌に風花は怯える。
しかしここで白鬼丸の協力を得なければ戦で負けてしまう。
断る白鬼丸ともみあううちに2人は崖から落ちる。
目覚めると、何故か2人の人格が入れ替わっていた。
風花と同じように戸惑う白鬼丸を見て、
風貌こそ異形だが同じ人間なのだと風花は感じる。

白鬼丸の姿の風花は、なにをしなくても会う人会う人に
恐れられ逃げられ、ひどく傷つく。
そして、自分も初対面の時に同じような態度を取った事を反省する。
城の者たちを心配させるわけにはいかないからと言われ
風花の姿で白鬼丸は城に行く。
異形の姿であるがために畏れられ続けた白鬼丸は
風花の姿ではじめて得た温かさに動揺する。
そこに、戦に立っていた風花の父が瀕死の状態で運ばれた。
「私が死んだら誰がお前を守ってやるんだ」
風花の姿の白鬼丸にそう語りかけ、絶命した。
俺が守ってやる、そう考えた白鬼丸は鎧に身を包む。
兵たちに的確な指示を与え、とうとう敵の総大将の首を取った。
その姿を皆が『鬼姫』と称えた。

血まみれの白鬼丸を、風花の弟は恐がり泣き出す。
忌み嫌われるのは姿形のせいではないんだなと落ち込む白鬼丸。
風花は、それでも自分たちを救ってくれたのは白鬼丸だとキスをした。
その途端、2人は元の体に戻った。
何故かはわからないが、キスによって2人の人格は入れ替わるようだった。
どうやら崖から落ちる瞬間に唇が当たっていたらしい。

96 名前:とりかえ風花伝[sage] 投稿日:2006/03/10(金) 16:35:46 ID:???
色んなエピソードを重ねつつ仲を深める2人。
風花の昔馴染みでもある織田信貞が求婚してくる。
風花と同じ黒髪黒眼で衣の衣を来た信貞に白鬼丸はコンプレックスを感じる。
それだけではなく、信貞は白鬼丸に名を与え剣技を教えた人でもあるので、
剣の腕も恐らくは信貞の方が上だ。しかし風花は白鬼丸を選ぶ

三角関係展開に行くかと思いきや、打ち切りのため急展開に。
女領主の風花は周りの国にあまりよく思われていなかった。
風花に身の危険がないようにと、白鬼丸は体を入れ替えて警戒する。
暗殺されそうになった白鬼丸は、逆に相手を殺してしまう。
相手は乾山とも関わりの深い他国の城主だ。
暗殺されかけたという証拠もなく、このままでは風花が追われる身になってしまう。
白鬼丸はすぐに自分の体に戻り、鬼である自分が妖術によって風花を操ったと叫び逃げていく。
人々はそれを信じて白鬼丸を追っていく。
白鬼丸は皆を上手く騙し風花の嫌疑を晴らせた事を感じながら、
初めて異形の姿に生まれてきて良かったと微笑んだ。

逃げていた白鬼丸を見つけた風花は一緒に乾山に帰ろうと笑いかけ、
風花の嫌疑を晴らすために白鬼丸が演技をしたのだと知る乾山の人々は
帰ってきた白鬼丸を笑顔で受け入れた。
その後どうなったかは不明だが、とりあえず2人の間に子供が生まれた。