西洋骨董洋菓子店/よしながふみ
785 名前:西洋骨董洋菓子店 1/4[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 03:51:47 ID:???
橘少年は高校の卒業式の後に同性の小野に愛の告白を受ける。
「ゲロしそうに気持ちわりーよ!早く死ねこのホモ!!」
キッパリと拒絶しそれ以来彼の詳細は知らない。

やがて成長した橘は会社をいきなり辞めてケーキ屋を開くと宣言した。
親が呼んだ凄腕のケーキ職人は小野だった。
小野は今や魔性のゲイと呼ばれる存在となっており、
素晴らしき才能で名店を渡り歩く一方で、
いつも店を離れる原因は男性関係の事件だという。
どんなノンケも瞬時に落とす彼だが、橘だけは何故か落とせないらしい。
それに今は特に未練も恨みもないとの事。
かくして男二人のケーキ屋が開店される事に。
橘は営業マン時代はやれなかった渋い髭面で接客できるとうきうきしていた。

ボクサーの神田エイジは網膜剥離のため引退する事に。
ケーキ好きの彼は橘の開く洋菓子店「アンティーク」の面接を受ける。
小野のつくる『おケーキさまさま』と呼びたくなるほど美味いケーキにベタ惚れ。
販売店員を募集してたはずなのに小野の下につき製菓の勉強をする事に。
小野は好みじゃないとの事でエイジには手を出さなかった。

ケーキ屋の常連の50代男性(小野の好みのタイプ)の忠宏はかつて警察庁に勤めていた。
彼は男児の誘拐事件が発生した際に犯人を逮捕できず、エリートだったがあっという間に窓際行きになった。
閑職をたらい回しにされたあげくに、もっと暇な社団法人の管理職に就かされている。
が、妻はいい人だし暇を利用してケーキに舌鼓を打てるしそこそこ楽しい日々を送っていた。
ちなみに犯人は逮捕されなかったものの、誘拐された少年・圭一郎は無事解放されている。

ある日アンティークにサングラスをかけた長身の怪しい男がやってくる。
彼は小早川千影。彼の母親は橘家のすみ込み家政婦だった。
(橘の家系はめちゃくちゃ金持ちで、橘は財閥会長の祖父に一番気に入られている孫)
母を亡くした千影は他に身内がいないからと橘一族の会社で雇われたが
あまりの仕事の出来なさに解雇、家で働かされてるが家事もできないだめ人間らしい。
しかも魔性のホモの小野に落とされてしまう。千影もアンティークで働く事に。

786 名前:西洋骨董洋菓子店 2/4[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 03:53:32 ID:???
親族がくる事になったので髭を剃って接客する橘。
いつもとは違い猫かぶりでやたらと優しい態度を取っている。
そこにやってくる忠宏は髭無しの橘の顔に既視感を感じる。
「君は橘圭一郎くんか」
橘はかつて誘拐された圭一郎少年だった。
発見された時の橘の着衣には血がついていたが、怪我をした様子はなかった。
帰ってきた橘は誘拐されていた間の記憶はなにもないと証言した。
犯人を逮捕できなくてすまなかったと謝罪する忠宏。
「ちゃんと生きて帰ってきて23年経った今
 こうして元気にケーキを屋やってる それで十分でしょう」
誘拐事件以来親族は腫れ物にさわるように橘を扱った。
いまだに心配で30過ぎた息子にお目付け役の千影を送ってくるぐらいだ。
元々はこんなに過保護じゃなかったが、これで本当にぐれてしまったら誰も救われない。
だから橘は親族相手には異様にいい子な態度を取っているのだ。
「俺を誘拐した犯人についてたった一つ覚えてる事がある。
 ケーキが好きで毎日俺は奴が買ってきたケーキを食ってたんだ」

小野の昔の男が尋ねてきて一悶着あったり。
小野は中学時代、母親が担任と寝ているところを目撃した。
幼い妹たちに隠れてひっそりと、嫌悪感と初恋の相手の担任を取られた嫉妬で号泣した。
この事を幼い妹にはひた隠しにしていたが、
妹は妹で、幼い頃に小野の知らない父の不倫を知っててやきもきとしていたと判明する。
今はだいぶ薄れてきたが、小野は母との事が原因で女性が苦手。
しかしゲイなのはそれ以前からなので天性のものらしい。

親に心配をかけさせないために優等生に育った橘は当然女にもてまくりの日々を送っていた。
が、優しすぎるのがダメとか、AVで勉強してただけなのに上手すぎて遊び人扱いされたりと
ふられ率が異様に高かった。小野に告白されたのは丁度はじめての彼女にふられた直後で鬱々としていた時だった。

千影を訪ねてロングヘアーの美少女がやってくる。
橘とも親しい様子。どういう関係だとびびる小野とエイジ。
実は千影の実の娘。ただし種を提供しただけである。身長160cmだがまだ小4だ。

787 名前:西洋骨董洋菓子店 3/4[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 03:55:03 ID:???
最近エイジの製菓の腕がかなり上がってきた。エイジ作のケーキも店に出すようになった。
一方、橘は昔から見る悪夢に苦しんでいた。
幼い自分が男の足に刃物を突き刺し、必死で逃げる夢だ。
恐らくは誘拐の時の記憶だろう。

アンティークでケーキを買っていく初老の女性。
家で待っていた初老男性は、そのケーキを妄想の中の子供に食べさせる。
「あんたの子供はもう…20年以上も前に死んでるじゃない!」
男はその言葉に刃物を取り出すが、一緒に逝こうという女の言葉に刃物をしまう。
男は足を引きずりながら、どこかへ出かけて行った。

ケーキ職人になるためにエイジはフランス語を習いに行かされる事に。
巷で幼児誘拐殺人事件が起きる。いずれも男児。
橘がかつて誘拐された時と同じ年の9歳から10歳ほどの。
死体の胃の中から検出された内容物はケーキだと判明する。
ケーキ好きで有名な忠宏は協力を求められる。
幼児が食べさせられたケーキはアンティークのものとわかる。
少なくとも過去2度、犯人はアンティークにケーキを買いにやって来ている。
そして今、三人目の子供がいなくなった。犯人はまたやってくるはずだ。
『俺はこの日を待っていたんじゃないか? 美味いケーキ屋にしようと思った
 どんなに遠くからでも洋菓子を好きな人間なら必ず一度は訪れたくなるような
 小さな店にしようと思った店内全てに自分の目が行くように
 そして営業時間はなるべく遅くまでどんな人間でも気軽にケーキが買える店に
 そういう店にしようと思ったのは 全てこの日の』

誘拐犯はまだ24歳の青年だった。橘を誘拐した犯人ではなかった。
青年はケーキは母親に買わせていた。
半ばカンで橘は犯人の家に踏み込み、男児は衰弱していたが命は無事に帰ってきた。
犯人はケーキを食べさせたらすぐに男児を殺すつもりだったという。
「ケーキを食べさせたのは子供達が安らかな気持ちで
 天国に行けるようにするための儀式だと言っていました」

788 名前:西洋骨董洋菓子店 4/4[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 03:57:23 ID:???
エイジは2週間フランスに行く事になった。
フランス語教師の実家がパン屋で時々ケーキも焼くので
教師の里帰りについて行きそこで手伝いをさせてもらうのだという。
また、あと何年かしたら本格的に海外で勉強したいらしい。
あっさりフランスへ行くエイジに、留学する時もあんな風に
あっさり行っちゃうのかなと空港で小野は泣く。

千影も店を出るという。
「若はもう私がいなくても大丈夫だからです」
むしろ無能は千影こそ橘がいなくては大丈夫じゃなさそうだが。
千影がいなくても戦力的には全く困らないが小野と二人で少し気の抜けた日々。

初老の男は、今は使われていない代々医者の家系だという立派な屋敷を売り払った。
越した先で、男はケーキを買う。ケーキ屋の名はアンティーク。
「プレゼントでしたらリボンをおかけしましょうか?」
「いい年の女だ。ピンクや黄色のリボンはやめてくれ」
会話はそれぐらいだった。

立派な屋敷の中で、必死に幼い橘をすがりつくように抱きしめた男。
刺された男は大量の血を流して崩れ落ちた。
死んでしまうと怯える橘に男は言った。
「どっか行け! お前なんかどっか行け!
 行け! 早く言ってみんな忘れろ!
 …早く 家へ帰りなさい」
橘は無我夢中で逃げ出し、全てを忘れた。

今まで橘の部屋に住んでいた千影は一人暮しをはじめたものの
橘の部屋から50メートルしか離れていないアパートであまり一人立ちした感じではない。


「さて! メシ食って今日もケーキ売るか!」

799 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 22:56:16 ID:???
スレ違いだが、ドラマはどんなのだった?

800 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 23:07:06 ID:???
>799
とりあえず一番の違いは、
魔性のホモ→本人は全くのノンケ、周りが騒ぐ
…だったような。

801 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 23:43:20 ID:???
女が苦手になった原因の過去のトラウマも、
「高校生の時に年上の女と関係を持っており、ある日敬愛していた兄に呼ばれて
兄の婚約者を紹介してもらったらその女だった」
という話に変えられてた。