押し入れ/山岸凉子
350 名前:押し入れ1/2 投稿日:04/10/08 21:14:01 ID:???
山岸凉子「押し入れ」は読み切り実話ホラーで、昔に美内すずえから
聞いた話を作者が記憶に基づいて構成した話。

美内さんのところの常連アシスタントの一人が夜中に突然姉と二人で
泊めて欲しいとやってくると言う。もう電車もない時間だったが
彼女たちの住んでいるアパートは電車で一駅ほどのところだった。
それで、大抵アシスタントというのは先生宅に泊り込みになるのを、
彼女だけは自転車で通いだった。
そのアシスタントと姉がやってきて説明したのが以下の話。

彼女(アシスタント)は、その職業にありがちな夜型の不規則な生活で、
大体仕事明けの朝や昼に帰ってきて眠るというパターン。普通のOLの
姉とはすれ違い気味だった。彼女は姉のいない昼間の部屋で時々妙な事に
気づくが、起きたらすぐに職場へ戻らねばならない生活で忘れてしまって
いた。それは押し入れの襖が5pくらい開いたままになっていたり、春先
だというのにコタツが布団もかけないままついていたりしたことである。
押し入れの襖の件は姉も時々不安そうに訴えていたのだがいつも慌しい
彼女は「今度ゆっくり聞くから」と後回しにしていた。
ある時やっときついスケジュールの仕事が終わりアパートでゆっくりと
眠った後、夜更けにふと目を覚ました彼女は隣の布団で姉が目を覚まして
緊張していることに気づく。

姉は部屋の中、その押し入れの中に誰かがいると言ってきかない。
そんな馬鹿なと思いつつも彼女も恐々電気をつけ、思い切って押し入れを
開けてみる。もちろん誰もいないし、おかしなところもない。

351 名前:押し入れ2/2 投稿日:04/10/08 21:16:05 ID:???
姉も一応落ち着いたが「前からこの部屋が怖かった、その押し入れの襖が
いつも自然に開いてしまう」と話し始める。彼女は古いアパートで
立て付けが悪いから襖も開いてしまうと思っていたのだが、姉は5cmも
開くのはおかしいし、なんとなくそこから誰かに見られているような気が
してならないと訴え続ける。その時彼女はコタツのことをふと思い出して
聞いてみると、姉はもう暖かいし最近コタツのコードに手を触れたことさえ
ないと驚き、そこで二人は怖くなってしまい、美内さんに電話をかけて
泊めてくれるよう頼んできた…というわけだった。

その後二人は別のアパートに引っ越したのだがその前に不動産屋に
しつこく問い質したところ、実は以前に殺人事件があったという。
水商売の女性を恋人の男が痴話喧嘩の末に殺してしまい、死体を布団で
くるんで押し入れに入れていたのだった。

山岸さんは仕事中に眠気覚ましとしてこの話を持ち出したところ、
アシスタントの一人が「コタツはなんだったんでしょう?」と言い出し、
反射的に「死体を包んだ布団がコタツ布団だったりして?」と答えて
瞬間全員がきゃーっと叫んだという。もちろん真偽は不明のままだが。

あと後日談として山岸さんが実際の犯罪を扱った本を読んでいたら
その件らしき事件が収録されていて、犯人が「押し入れからずっと殺した
女が自分を見ていて怖くなって逃げた」と供述しているらしいことや、
山岸さんが上京して不動産屋で部屋探しをしていたら街中で安い物件が
あったがほんの少し前に殺人事件のあった部屋だということで、東京
には本当にそんなことがあるんだなあと感心したこと、などが描かれて
いる。

--本が手元になくて記憶で書いたので細かいとこ違ってたりするかも
しれません。