のだめカンタービレ/二ノ宮知子
91 :のだめカンタービレ1 :04/04/04 22:15 ID:???
桃ヶ丘音楽学園の生徒である、有名ピアニストの息子・千秋真一(ピアノ科3年)は自身も才能に
溢れるプライドの高いピアニスト。同じ大学の生徒からは「千秋さま」と呼ばれるほどのカリスマ
的存在である。しかし千秋の本当の夢は、外国に行き、幼い頃に出会った指揮者ヴィエラの弟子と
なり指揮者になることだった。指揮科に入らずピアノ科に入ったのは、指揮をヴィエラ以外の人か
ら教えてもらいたくなかったからで、現在指揮は独学で練習中。
そんなある日、指揮科の生徒がドイツに留学することを聞いた千秋は、それに比べて自分は何も
出来ないことに苛立ち、担当教師と喧嘩になって「もうオレのレッスンには来んでえぇ」と言われ
てしまう。そんなイラついた気持ちのまま構内を歩いていた千秋の耳に、ふとピアノの音が聞こえ
てくる。すっごいデタラメな演奏なのに、何だかやたら上手いぞ!と、思わず音のする方へ行こう
とした千秋だが、そこで彼女である声楽科のマドンナ多賀谷彩子(3年)に呼び止められ二人で飲み
に行くことに。彩子は煮え切らない千秋に「さっさと留学すればいいのに」と言うのだが、千秋は
実は飛行機と船が怖くて乗ることが出来ないので外国に行けないのだった。弱気な発言をする千秋
に、彩子は「負け犬はキライ」と言い残し去っていってしまう。
自宅のマンションの部屋の前で酔いつぶれて眠ってしまっていた千秋は夢の中で昼間聴いたピア
ノの演奏を聴き目を覚ます。そこには大量のごみの中、美しい音色を奏でる女が。彼女の名前は野
田恵(通称のだめ・ピアノ科2年)。「千秋先輩!昨日の事覚えてましゅか〜?」とほざく、ちょっと
いっちゃってる感じののだめと、虫の湧いたやばいくらい汚い部屋に恐怖を覚えた千秋は部屋を飛
び出した。そこは自分のお隣さんの部屋だった。
最悪の気分のまま学校に行くと、のだめが纏わり付いてきたり『落ちこぼれ専』教師と言われて
いる教師が自分の担当になっていたり、彩子が指揮科の男(ドイツ留学が決まっている)と親しくし
ていたりでますます苛立ってしまう。ヤケになった千秋は、なぜかのだめの部屋の掃除を始める。
すっかりキレイになった部屋でのだめがピアノを弾きだすと、改めてのだめのピアノの素晴らしさ
を千秋は実感するのだった。


92 :のだめカンタービレ2 :04/04/04 22:19 ID:???
実は担当教師が同じ人だった千秋とのだめは、その先生から連弾をするよう言われる。楽譜を正
確に弾く千秋と、かたや楽譜にとらわれない(というか楽譜が読めない)のだめ。二人は幾度となく
衝突する(もっぱら千秋が1人でキレる)が、いろいろとのだめの世話をしているうちに、千秋はの
だめに特別なものがあると確信する。そして先生の前で披露する日となり、千秋はのだめに自由に
弾く事を許す。のだめの自由な演奏にあわせてピアノを弾く千秋はいつしか楽しい気分に。そして
感動の身震いを感じていたのだった。実はこの連弾は、千秋に壁を越えさせるために先生が計画し
たものだった。なにか吹っ切れた感じの千秋はやる気を取り戻し、そしてのだめは千秋にフォーリ
ンラブ。「はうー胸がキュ〜ン…って苦しい…」と気持ちをあらわにする。

ある日の桃ヶ丘にどこからともなく聞こえるエレキヴァイオリンの音。弾いているのはクラシッ
クよりもロックを愛する男・峰龍太郎(ヴァイオリン科2年)。彼は今度の試験で、自分の伴奏をし
てくれるピアニストを探していた。そこに偶然通りかかったのだめに伴奏を依頼する。自信だけは
人一倍で、のだめに負けず劣らず我が道を行く(ようするに下手)龍太郎と自由奔放なのだめの演奏
は何故か結構上手くいく。しかし試験当日のだめはカゼをひいてしまい、かわりに千秋がぶっつけ
本番で伴奏をすることに。好き勝手過激に演奏する龍太郎に教師達もあきれるが、千秋の絶妙な伴
奏に教師達も龍太郎本人もうっとり。そんな千秋を尊敬し始めた龍太郎は、ロックは諦めクラシッ
ク一本で行くことを決意する。


93 :のだめカンタービレ3 :04/04/04 22:22 ID:???
またとある日の桃ヶ丘にどこからともなく聞こえるティンパニーの音。叩いているのは自他共に
認める「打楽器の女王」奥山真澄(管弦楽科3年※男)。密かに千秋を想っている、ヒゲがチャ−ム
ポイントの男の子である。真澄は最近千秋の周りをうろちょろしているのだめの存在が気に食わな
い。そして次第にエスカレートしていくのだめの行動にいつしか殺意を覚える。そこで様々なイタ
ズラをのだめに仕掛けるが龍太郎の協力により捕まってしまったため、逆に開き直って「私と勝負
しなさい!」といいつける。龍太郎の提案で、クリスマスイブに千秋とデートできた方が勝ちとい
うことになり、二人ともいろいろ頑張るが、千秋の機嫌が悪かったため全て失敗してしまい落ち込
む二人。いろいろとグチをこぼしあっているうちになぜだか龍太郎も入れて三人で千秋の作った曲
でアンサンブルすることに。その曲につられてやってきた千秋は、内心喜びながら「腕一本でよか
ったら参加するけど?」とぶっきら棒に言う。嬉しさのあまり真澄失神。結局クリスマスイブは完
璧主義の千秋のせいで夜遅くまで四人で練習に明け暮れたのでした。

またまたとある日の桃ヶ丘にスケベで怪しい外国人のおっさんが現れた。おっさんとひょんな事
で知り合いになったのだめは何故か千秋の家に招待する。おっさんの名前はミルヒ・ホルスタイン。
(ドイツ語で『牛乳・乳牛』)明らかに偽名であるその名前に、千秋は訝しがりおっさんを家から追
い出してしまった。
そんな折、桃ヶ丘に世界的に有名なドイツの指揮者シュトレーゼマンが講師としてやってきた。
ちょうど指揮科への転科を考えていた千秋は戸惑いながらもシュトレーゼマンを一目見るために職
員室へ。しかしそこにいたのはなんと昨日家から追い出した怪しいおっさんミルヒだった。ミルヒ
改めシュトレーゼマンは桃ヶ丘にAオケ(優等生ばかり集めたオーケストラ)とは別に特別にオケを
作りたいと言い、彼の目にかなった生徒達がメンバーに選ばれる。その中には真澄や、何故かコン
サートマスター(通常一番上手な人がする役目)として龍太郎が、マスコットガールとしてのだめま
でいた。


94 :のだめカンタービレ4 :04/04/04 22:25 ID:???
一方、指揮科に転科することを担当教師に申し出ていた千秋はその場にいたシュトレーゼマンに
転科は認めないと言われてしまう。実はシュトレーゼマンはその昔、千秋の心の師ヴィエラとくだ
らないケンカをしていたため、その弟子だという千秋にも意地悪をしているのだった。
シュトレーゼマン・スペシャル・オケ(通称Sオケ)のメンバーは、合コンばかりで練習をしない
シュトレーゼマンに次第に不信感を抱き始める。ついに何人かが帰り始めたその時、のだめが千秋
を連れてきてかわりに指揮をすると言い出す。とりあえず千秋の指揮で全体を合わせてみるが全く
上手くいかない。どうやらシュトレーゼマンはアクの強い生徒ばかり集めていたようで、千秋が耳
の良さを生かした的確な指示を出しても、上手くなるどころかどんどんダメになってしまう。千秋
も諦めかけたその時、その様子を見ていたシュトレーゼマンが指揮を交代。彼の指揮によってSオ
ケは先程とは比べ物にならないほどの出来になる。そんな様子を見て千秋はシュトレーゼマンに弟
子入りを希望し、シュトレーゼマンも千秋の指揮者っぷりを気に入ったので千秋はめでたくピアノ
科に在籍しながら指揮の練習も出来ることになった。

シュトレーゼマンが一ヵ月後の定期公演にSオケも出演すると言い出した。そして同伴に忙しい
シュトレーゼマンは千秋をSオケの副指揮者に任命する。毎日毎日クラブに入り浸るシュトレーゼ
マンに業を煮やした千秋は現場に乗り込むが、そこで女の子にモテモテだった千秋にシュトレーゼ
マンは嫉妬し、「Sオケは脱退しAオケに専念することをここに誓いマス」と宣誓し、「定期公演で
恥をかかせてあげマス!」と言い残し去っていってしまう。いったんは解散しそうになるSオケだ
が、やたらと熱い龍太郎を中心として「打倒Aオケ」と燃え上がり、千秋はめでたくSオケの正指
揮者となった。


95 :のだめカンタービレ5 :04/04/04 22:25 ID:???
その後千秋の厳しいレッスンは続きついに定期公演の日、Sオケはその個性を活かした演奏で観
客から拍手と笑いをとる事に成功した。それに対してAオケはシュトレーゼマンが出番直前に帰っ
てしまい、彼の生徒が指揮棒を振ることに。当然のごとく演奏はボロボロ。Sオケは見事Aオケを
打倒することが出来たのだった。喜ぶSオケのメンバーだが、その様子を見ていたシュトレーゼマ
ンは嫉妬の炎に包まれながら「千秋…次はどうしてくれようか…」とつぶやくのであった…

261 :のだめカンタービレ :04/04/11 18:51 ID:???
第4巻いってみます。
巨匠シュトレーゼマンの来日理由がついに明かされた。
彼は桃ヶ丘の理事長に頼まれ、千秋のために来日したのだ。
巨匠はまた、天才的才能を持ちながら「千秋の嫁及び幼稚園の先生になりたい」などとぬかすのだめの事も心配し、
「今のままでは千秋と一緒にいられない」と告げて微妙に脅してみたりする。
そして千秋に出された次の課題は『ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番』
今さら何故?と巨匠の言動に疑いを抱く千秋に、巨匠のマネージャーは「彼が弟子をとるなんて一度も無かった事」と言う。
巨匠の真意を測りかね、考え込む千秋。
そんな折、千秋、のだめ、龍太郎、真澄に、長野でのニナ・ルッツ音楽祭参加が言いわたされた。
龍太郎の車で長野に向かう4人。
けれど千秋が居眠りから覚めると、そこは新潟の海だった。
泳げない事を知られたくなくて肌が弱いとウソをつく千秋。だが彼は、のだめと真澄の策謀にはまり海に落ちてしまう。
「殺される」そう思った千秋はガングロギャルをナンパ(?)し、一人長野へ向かった。
一方龍太郎は、寝ている間に音符型の日焼け残りを胸に作られ、のだめと真澄を置き去りにして長野へ・・。
こうして4人は全く楽しくない夏の思い出を手に入れたのだった。
ニナ・ルッツ音楽祭開催。だが龍太郎はレベルの高さに愕然とし、のだめは一人空回って講師に退場を言い渡され、
千秋は巨匠の臨時マネージャー(世話係)をおおせつかってしまう。
そして二日酔いで「ダメぽ」(巨匠の言葉)な巨匠に代わり、千秋は再びタクトを握った。
それは龍太郎を発奮させ、音楽雑誌記者を興奮させた。
最終日、のだめは人知れず自分なりのバルトークを完成させる。
そして千秋は、ラフマニノフに取り組む決心をするのだった。

300 :のだめカンタービレ :04/04/12 00:15 ID:???
第5巻いきます。
10月、桃ヶ丘音大は学園祭の準備に入っていた。
今回の学園祭は、音楽誌「クラシック・ライフ」にニナ・ルッツの記事が載った事で、外部からかなり注目されている。
龍太郎達Sオケがコスチュームにこだわる中、シュトレーゼマンのAオケとピアノの千秋はほぼ真面目に練習に励んでいた。
だが、巨匠の千秋への注文は「色っぽく、もだえるように弾け」と中々に難しい。
11月、ついに学園祭が始まった。
Sオケは黒の紋付きもの軍団と化し、見せる演奏をこなしてSオケの本領を発揮する。
一方のAオケは、帰国の迫ったシュトレーゼマンと千秋の最後の共演になるこの演奏に、持てる全ての力を注ぐ。
その演奏は多くの人に感動を与え、「クラシック・ライフ」の音楽評論家を完膚なきまでに叩きのめし、
のだめにはかつて無いほどの衝撃を与えた。
シュトレーゼマン、帰国・・・そして再び元カノ彩子登場。
彼女はライバルにbPの座を脅かされてヘコんでおり、その上千秋に未練があったのだ。
だが、寝食も風呂も忘れて一心に協奏曲を練習するのだめの世話をやく千秋を見て愕然とする。
ほとんどヤケで自分の感情を素直に歌に出した彩子は、この時ようやく壁を一つ越えたのだった。
一方千秋はやる気を見せたのだめの教育に意欲を燃やす。
が、千秋との連弾ですっかり満足してしまったのだめにその気は全く無いのだった。


463 :のだめカンタービレ :04/04/17 00:28 ID:???
第6巻です。
年も明け、4年の学生達は卒試や就職活動で忙しい。
飛行機も船もダメな千秋は院へ行くが、「日本でいったい何をするのか?」が問題なのだった。
ある日、ニナ・ルッツでコンマスだった三木 清良(ミキ キヨラ ♀)が訪ねて来る。
オーケストラをつくらないか、という誘いだった。 千秋はようやくこの日本でやりたい事を見つけた。
3月、卒業演奏会や飲み会で盛り上がるSオケメンバー。 全員が再び集うことはもう無い。
そこには様々な思いがあり、様々な別れがあった。
その後、千秋のもとに叔父、三善 竹彦から連絡が入る。
千秋の両親は離婚しており、12歳の時から母の実家、三善家の世話になっていた。
叔父の竹彦は三善商事の二代目社長でとても裕福、千秋の援助をしてくれている。
子供は二人。 長男俊彦14歳、長女由衣子10歳。 妻、千春は家出中。(らしい)
そして竹彦が千秋を呼んだのは、飛行機船舶恐怖症を治すべく催眠療法を受けさせるためだった。
だが催眠療法はすでに三度目、いずれも失敗に終わっており、今回も千秋は催眠にかからなかった。
夕食の時、「音楽はやめて自分の会社に入れ」と誘う竹彦に、千秋は「プロの指揮者になる」と反発する。
だが、千秋に憧れていながら皆に気にかけられている事が羨ましい俊彦は
「飛行機にも船にも乗れないくせに、いつプロになれるんだ」と言って千秋を追い詰めるのだった。
夜、飛行機事故の悪夢にうなされて目覚めた千秋は、のだめと共にエルガーのソナタを演奏する。
ヴァイオリンとピアノの美しい音色に惹かれた竹彦と俊彦は、千秋の才能を再確認した。
音楽に溢れた暖かな、昔の三善家が戻ってきたようだった。
4月、夏の公演に向けて新オケの構想は着々と進んでいった。
そしてのだめはピアノ科4年、新担当は以前の千秋の担当者、エリート専門の江藤 耕造(通称ハリセン)だった。  

469 :のだめカンタービレ :04/04/17 19:02 ID:???
第7巻です。
のだめとハリセンの相性は最悪だった。 逃げるのだめ、追うハリセン。
千秋を捕まえその対処法を伝授されたハリセンは、
のだめをエサ(アニメのフィギュア付菓子や弁当)で捕獲することに成功する。
そして「もじゃもじゃ組曲」のラスト1曲を共に作り、その後はレッスンを受けるという協定を結んだ。
一方千秋のオケは、曲目も決まり練習に入る。
『モーツァルト オーボエ協奏曲(K.314)ハ長調』
オーボエソロの黒木 泰則、彼の音はいぶし銀。 その黒木がのだめの性格を激しく勘違いして恋をした。
その上龍太郎とコンマス三木が何やら甘い雰囲気を醸し出し、一瞬にしてピンクのモーツァルトが誕生する。
千秋の苦労は絶えないのだった。
さらに、幾人かが出場するコンクールが近づくにつれ集中力が欠けてくる。
どうせ長く続くオケではない。 皆それぞれに将来のことを考えているのだ。
千秋はコンクールが終わるまで練習をやめることにした。
今の千秋には、先の短いこのオケしかない。 それを考えるとさすがに落ち込むのだった。
夜、シュトレーゼマンのコンサートビデオを見た千秋は、寝食も風呂も忘れて勉強した。
今の自分ができる最高の演奏を作りあげられればそれでいい、千秋はそう思ったのだ。
そんな千秋の世話をしようと懸命になるのだめ。 彼女がいかに千秋を好きであるのか知った黒木は失恋した。
コンクールで、黒木は演奏以前に自滅、三木は寝違えて優勝を逃がす。
オケの練習が再開された。 三木も黒木も立ち直り、千秋は鬼の如く皆をしごいた。
オケの名も「ライジング・スター・オーケストラ」と決まり、全ては順調に進んでいく。
だが千秋は頻繁に飛行機事故の夢を見るため寝不足が続く。
そう語る千秋に、のだめは懐中時計を取り出して催眠術をかけてみる。 なぜか千秋はあっさりかかった。
しかし恐怖症が治れば千秋は外国へ行ってしまう。 そう思うと、のだめは千秋に言えないのだった。

485 :のだめカンタービレ :04/04/17 22:40 ID:???
ライジング・スター・オーケストラ公演当日。 その演奏はスタ・オベの大絶賛を博した。
千秋の音楽を世に出すため、のだめはついに催眠療法を試みる。
本を片手に怪しげな術をかけるのだめ。 そして千秋の記憶がよみがえる。
その事故の時、千秋の右隣には唯一の死亡者となった老人が座っていた。
コンサートのパンフを持ち、「また来年も行こう」と隣の夫人に何度も話していた音楽好きの老紳士。
だが飛行機が決死の着陸態勢に入った時、老人は発作を起こしてしまう。 
苦しむ老人。 通路を転がっていく薬ビン。 夫人の声が薬と叫ぶ。 
千秋はビンを掴もうとしたが、それは呆気なく前方へと消えていった。
老夫婦に『来年』はもう無いのだ。 老人を救えなかったという思いが、千秋に飛行機を遠ざけさせていたのだった。
のだめは「千秋のせいではない」と優しく語り、飛行機に乗れるよう暗示をかける。
目覚めた千秋は催眠術にかかったことなど覚えてはいなかった、が…。
千秋はいとこの俊彦と共に空港に来ていた。 俊彦にかじりつきながらも搭乗する千秋。
なぜか北海道に行く気になり、飛行機は無事離陸。 虚脱状態ながらも北海道の土を踏む。
その上なぜかカニを買い、ラーメンを買い、メロンを買い、白い恋人を買い、
これまたなぜかのだめに渡したくなるのだった。
当ののだめはハリセンの家に泊まりこみ、コンクールに出るため燃えていた。
「今のままでは千秋と一緒にいられない」と言ったシュトレーゼマン。 
それが現実となった今、のだめは留学を決意したのだ。
9月。 のだめは素晴らしかったりテキトーだったりとムラのある演奏ながら、見事コンクール予選を通過する。
一方ライジング・スターは再演も好評を博し、新たな人材が集まりつつあった。
留学などでオケを出ていく者を引き止めることはできない。 
だがオケを残したい龍太郎は、真剣に将来のことを考え始めていた。
刻一刻とのだめのコンクール本選が近づく。
予選でノーミスの演奏を見せつけたチビッ子瀬川 悠一に触発されたのか、一心不乱にピアノを弾き続けるのだめ。
けれど無理がたたり、熱を出して倒れてしまう。 うなされて見た『昔行った、ある部屋』の夢――。
いったい何があったのか…?