西の善き魔女/原作:荻原規子  漫画:桃川春日子桃川春日子
395 名前:西の善き魔女 投稿日:04/07/19 23:17 ID:???
冒頭。引き裂かれる恋人達。王女エディリーンを拐かした罪としてギディオンなる男が捕らえられようとしている。
抵抗するエディリーン。「女王陛下に伝えなさい、今に誰もが気づくでしょう。星仙女王(アストレイア)こそが真実に背く不自然な存在だという事を!」

二十年後。明るく快活な十五歳の少女フィリエルは、育ての親のおかみさんとだんなさんから伯爵家の舞踏会で着る為のドレスをプレゼントされて幸福いっぱい。
研究以外の事には目も向けず、天文台にこもりっぱなしの父に晴れ姿を見せようと彼の元を訪れる。

「世捨て人の塔」と呼ばれるそこで暮らすのは、父と、弟子のルーンの二人きり。旅芸人の一座から暗算の才能を見いだされて引き取られたルーンは、少年だが、博士とともに研究に没頭して寝食も忘れるほど。
ルーンは博士から預かっていた青い石のペンダントをフィリエルに渡す。驚くほど高価そうなそれは、幼い頃に死んでしまった彼女の母親の形見らしい。
ドレスを着て首飾りをつけ「お姫様みたいじゃない?」と無邪気に喜ぶフィリエル。
だがルーンは「絶対にその首飾りをつけて伯爵の舞踏会に行ってはいけない」と厳しく戒めるのだった。
父が教えてくれない母の事を、ルーンは何か知っているのだろうか…?


396 名前:西の善き魔女 投稿日:04/07/19 23:20 ID:???
友達と舞踏会に出かけるフィリエル。「シンデレラのお城みたい」とはしゃぐが、誰にも通じない。
フィリエルが知っている童話は全て母が手書きで残してくれたもので、他の人は知らない物語なのだ。

舞踏会で「宝石ひとつ身につけないで」となみいる貴婦人達に嗤われたフィリエルは、思わず母の形見のペンダントを取り出してしまう。
伯爵の長男・ユーシスが彼女にダンスを申込み、楽しそうに踊る二人。微笑ましくそれを見守っていたユーシスの妹・アデイルはフィリエルの首飾りに気づく。

青い石のペンダントはこの国の第二王女・エディリーンが失踪した時に持っていた王家の宝物・「女王の試金石」?!
どこから盗んだのか、と騒然となる城内だが、フィリエルは首からペンダントを引きちぎり、こんな石ひとつで自分と父の潔白を疑われてはたまらないと啖呵を切る。
鎖で傷ついたフィリエルの血を受け、輝き出す試金石。

その場をおさめたのはアデイルだった。
フィリエルは自分の友人だと嘘をつき、彼女を城にひきとめようと誘うが、そこへルーンが現れる。
ルーンの名をユーシスに聞かれて「ルンペルシュルツルツキン」と答えるフィリエル。名を持たなかった少年にフィリエルがつけたその名は、母の残した童話の中の小人の名前だった。
誰も知らない筈の物語をアデイルは何故か知っている…。

博士に言われてフィリエルを迎えに来たルーンだったが、貴族を罵倒する事ばかりを言ってフィリエルを怒らせてしまう。
意地になって城に残ったフィリエルは、アデイルが次代の女王候補と言われていること、そして彼女と自分が従姉妹の関係にある事を知らされる。
女王の試金石は正当な女王の血を継いだ娘の血に反応して輝くのだという。果たしてアデイルの血にもペンダントの石は反応した。

女王家の娘達は皆、国内の有力者の家で養女として育つならわしを持つ。アデイルは伯爵家の令嬢といっても、ユーシスの実の妹ではなく、女王家からの養女だったのだ。
自分も女王家の血筋「消えた第二王女・エディリーン」の娘である事を知って驚くフィリエル。


397 名前:西の善き魔女 投稿日:04/07/19 23:21 ID:???
彼女を保護したいと申し出るユーシスに、ルーンは「駆け落ちした姫と博士を捕らえて幽閉したのは伯爵その人だ」とつっぱねる。
もうフィリエルは荒野に帰らず、王宮に行ってしまうのかと案ずるルーンだが、フィリエルは荒地での暮らしを望む。ホッとして見上げる空には「変革の星」。何か大きく世界が変わる前触れ…。

荒地に戻ると、育ての親とも言えるだんなさんが謎の死を遂げていた。ディー博士は海に逃げてもう戻らないという。
博士が逃げたのは、異端審問官が粛正に来る事を感づいたからではないか。だんなさんはそれを逃がそうとして殺されたのではないかと恐れるおかみさんは、ルーンに研究所の書物を全部燃やしてしまうようにと忠告する。拒んで飛び出していくルーン。

フィリエルは彼を説得に行くが、ルーンは亡き母の手書きの童話を「これも異端なんだ」と突きつける。君に燃やせるかい、と言われ、フィリエルは両親の思い出の詰まった本を暖炉に放り込む。
ルーンの命にはかえられないというフィリエルの言葉に、ルーンはこれまでの研究の成果をすべて消却した。
「僕は博士の弟子だ。君を守る事が博士の願いなら、僕は君と共に生きる。約束するよ」

そこへ現れた謎の男達。「エフェメリス」を燃やしたのかと詰問し、二人を縛り上げてしまう。
何とか隙を見てフィリエルを逃がすルーン。男達を足止めしたルーンは、彼が盗賊団の一味に育てられた事、未だ彼らの「主領様」の手の内にあるのだと言われてもなおひるまない。ルーンの中には「闇の種子」があると言われても、考えるのはフィリエルの事だけだ。

逃げだしたフィリエルはおかみさんの家にひた走るが、懐かしい家は炎に包まれていた。
呆然とするが、気力を振り絞って歩き出す。助けを求めて、伯爵家のアデイルの元へ…。

賢者の予測した未来を謳う詩人と、星仙女王。フィリエルをどう思う、と言われて「ただの乙女だ。世界の行く末を左右するとは思えない」と一蹴する詩人。
「この世界の終末を止める術は何ひとつ残されていない筈なのに」女王は呟く。「何かが変わる予感がするのです」


398 名前:西の善き魔女 投稿日:04/07/19 23:31 ID:???
小説読んでないんで何か変だったらすみません。

フィリエル・ディー。喜怒哀楽の激しい典型的ヒロイン。ちょっと高飛車なプリンセスモードあり。博士が研究ヒッキーの為におかみさんとだんなさんに育てられていたらしい。

ルーン。メガネ美少年。メガネをかけているのはこれまでの自分と決別(区別)する為の博士から貰ったアイテムだかららしい。過去はかなり薄暗そう。

ギディオン・ディー。博士=フィリエル父。実の娘も「お父様」と呼ばず「博士」と呼んでいるので紛らわしくも寂しい。

アデイル。蜂蜜よりも淡い髪と瞳のお姫様らしいが、あまりにも淡いペンタッチで描かれている為、最初幽霊か透明人間かと思った。ステルス・シールド搭載のお嬢様。


155 名前:西の善き魔女(2) 投稿日:04/12/19 17:08:03 ID:???
助けを求めて伯爵家のアデイルの許へ駆け込んだフィリエル。
その痛々しさに胸を打たれるロウランド家の兄妹は、彼女の保護を申し出るが
フィリエルが懇願するルーンの救出には難色を示した。
騎士であるユーシスにとって、異端の研究に手を染めたルーンの為に私兵を動かすのは
許されない事だからだ。
ボゥのおかみさんの追跡によってルーンが捕らわれている屋敷の場所を知ったフィリエルは、
伯爵家の力を借りずにルーンを救出に行く決意を固める。
ところが、その一途さに胸を打たれたアデイルが、なんとついてくる事に。

どうしてここまでしてくれるのかと訝るフィリエルにアデイルは、女王候補としての孤独を打ち明ける。
ユーシスは妹として大切にしてくれているが、それは伯爵家に預けられた女王候補の娘であれば誰であっても同じ事。
女王の血以外の存在価値のない自分にとって、同じ血を引きながら自由に生きるフィリエルの生き方に憧れるのだと。

屋敷の中に忍び込もうとした三人は、見知らぬ男達に取り押さえられる。
アデイルの身を案じてがむしゃらに暴れるフィリエルだが、男達の正体はなんと伯爵家の私兵。
フィリエルの腕を掴んだ男はユーシスだった。
ユーシスはフィリエルとの約束を守って、突入の機会を窺い屋敷を包囲していたのだ。
姫君自ら危険に飛び込もうとした勇気を知って、俄然やる気を出した兵士達。
ユーシス自ら正面突破の役を買って出て、出撃となった。

156 名前:西の善き魔女(2) 投稿日:04/12/19 17:09:32 ID:???
屋敷は星仙女王コンスタンスの唯一の男子、リイズ公の居城だった。
そこに異端の紋章を見つけ、訝しむユーシス。
ガーランド隊長の機転によってルーンは無事救出されたが、ルーンは
「捕まる相手が伯爵家になっただけで同じことだ」とユーシスを睨み付ける。
しかし、フィリエルの名を出すと一転して涙をこぼし、ひどい焼き印を押された事を彼女には
言わないでくれと懇願した。

ようやくルーンと念願の再会を果たすフィリエル。
だが伯爵その人が帰ってくるしというので難問は山積みだ。
伯爵にルーンを異端審問に突き出されては困る。
アデイルは博士とルーンの異端の研究が世界を変えるというのならそれほど価値のあるものを
伯爵が手放すわけがないというが、ルーンの頑固さでは伯爵家にも研究の秘密を明かすとは思えない。
それに伯爵はフィリエルの実の父と母エディリーン王女を幽閉した張本人だ。どんな顔をして会ったらいいのだろう。
ルーンに研究とは何かと尋ねると「天文歴だよ」と他愛のない返事が返ってきた。
どうしてそんなものが異端とされるのか、ルーンはそれ以上何も教えてくれない…。

思い悩むフィリエルをアデイルが乗馬に誘う。
初めての乗馬体験で笑顔を取り戻したフィリエルに、アデイルは
「一番大切なものが何なのか、貴女自身がわかっていれば」
そのままのフィリエルで伯爵と対峙できると励ました。
「ルーン、私、どんな事があってもあなたを守ってみせるわ!」


157 名前:西の善き魔女(2) 投稿日:04/12/19 17:11:05 ID:???
伯爵と対面するフィリエル。
「ルーンをこの先どうなさるおつもりですか」
フィリエルの物言いはエディリーン王女に似ているといい、伯爵は彼女の肖像画の前でしばし過去を語った。
次代の女王に相応しい姫君だったというエディリーン。
伯爵は彼女と兄妹の様にして育った。
ところがエディリーンはある時、異端の研究に手を染めたディー博士と出会い、博士が追放されるにあたって自分もともに逃げてしまった。
女王は二人を反逆者として死罪にするよう命じたが、それが出来なかった伯爵家は二人を荒野の塔に幽閉した。
「我々のした事を悪事だと思うかね?」
伯爵の問いにもフィリエルは無駄な憎しみを持たず「わかりません」と答えた。過去にとらわれる事のないフィリエルの真っ直ぐな瞳。
「私は、あの少年を組織からも異端審問からも守ろう」
伯爵は約束した。
その交換条件は、フィリエルがアデイルの側にいる事。
いつか彼女が王宮にあがる時は、フィリエルも共に…。

「私はフィリエルが来て下さると嬉しいわ」
アデイルは実は女王になる自信がない事を打ち明ける。
彼女の姉、もう一人の女王候補レアンドラは全てに優れ、類い希な美貌の持ち主。でも、
「悪魔みたいな人よ!」
領土拡張論者であるレアンドラが女王に選ばれればこの国は戦争になる。それを防ぐためにも、アデイルは女王にならなければいけない。
そばにいてくれと手にすがるアデイルにフィリエルは言った。
「私があなたのそばにいるのは、ルーンを守るための伯爵との取引だから。
でも、友達として約束できる。私はアデイルが好きよ。あなたに女王になってもらいたい
その貴女を裏切ることは決してしないつもりよ」

158 名前:西の善き魔女(2) 投稿日:04/12/19 17:12:30 ID:???
フィリエルの取引を聞いてルーンは「みすみす手駒になったのか」と皮肉る。
しかし伯爵の言葉によれば、将来アデイルが女王になれば彼女の名において法律を変える事が出来る。
異端の研究も続けられる様になるかも知れないのだ。
「そうなったら博士だって戻って来られるのよ!」
「僕の事はもう放っておいてくれ!」
誰よりも自由であって欲しかったフィリエルが、自分の為に自由を奪われていく。
ルーンの苛立った言葉に傷ついたフィリエルは、泣きながら飛び出していき、ユーシスに慰められるのだった。
暗い部屋から二人を見下ろすルーン。

回想。
反逆者として追われるディー博士と、王宮を飛び出したエディリーン王女。
「皆が私を希望と呼ぶけれど、私一人では終末への道を止められない。
あなたと出会って初めて絶望以外の運命が見えた。私ではないの。
光と闇から生まれた者だけが新しい変革をもたらすのです。
連れて行って、ギディオン」
博士は王女の手を取った。

二巻終わり。


191 名前:西の善き魔女(3)[sage] 投稿日:2005/04/11(月) 22:24:34 ID:???
ルーンの保護とひきかえに、いつかアデイルとともに王宮にあがることを伯爵と約束したフィリエル。
淑女としてふさわしいマナーやしきたりを学ぶために、トーラス女学校に編入することになったが、アデイルは「危険」「横暴」と大反対。
それもその筈。持ち前の前向きさでトーラスに行ったフィリエルは、初日から学校を牛耳っている生徒会に目をつけられてしまう。
庶民の生まれに違いないのに、高価なレースの下着を持ちこんでいるなんて、学園をさぐるスパイに違いない、というのだ。
さらにフィリエルを敵視する生徒会長のラヴェンナは、下級生のロゼリットをフィリエルの監視役につける。
一途にラヴェンナを慕うロゼリットを、フィリエルは嫌いではなかったのだが、彼女は夏至祭の最中なにものかによって高い櫓から突き落とされ、非業の死を遂げた。

一緒にいたフィリエルに容疑と非難が集中。窮地に陥ったフィリエルの前に現れたのは、二人の編入生。
村で親友だったマリエと、黒髪の少女ルーネット…女装したルーン!
伯爵の城が刺客に襲われ、もはや城も安全ではないと踏んだユーシスによって彼も身を隠すためにここに送り込まれたのだ。
…というのはマリエの説明。
フィリエルはそれが、女学校に行くためにわざと自分の存在を敵にアピールし、危険な目に遭ってみせたルーンの策略のうちだと見抜いていた。
マリエの「手みやげ」はもうひとつ。王宮でも学院でも大人気の、正体不明の謎の小説家「エヴァンジェリン」の直筆新作小説だ。
憧れの「エヴァンジェリン」が、フィリエルにメッセージを寄せたと知って、急に態度を変える学園の生徒達。
「赤毛の騎士と黒髪の異端の少年」の激しく切ないラブストーリーを描いたヘボン作家の正体は実はアデイルなのだ!
エヴァの正体を知る数少ないひとり・ヴィンセントは、アデイルが「愛しい旋風」と呼んだフィリエルこそ、膿んだ学院を一掃する新しい風なのだと期待を寄せる。


192 名前:西の善き魔女(3)[sage] 投稿日:2005/04/11(月) 22:25:21 ID:???
ヴィンセントは、剣の名手・イグレインの指導でフィリエルに剣を慣わせ、一ヶ月後の乙女祭でラヴェンナに挑むようけしかける。
反射神経やバネはズバ抜けた天性のものを持つフィリエルだが、闘争心や勝利への執着心はいまひとつ…。
それは今のフィリエルに欠けているものだが、王宮に入るには必要なものだとルーネット(ルーン)も指摘する。
それはさておき、学院には驚くべき授業もあった。男を色仕掛けの手練手管で惑わし、外交に生かすためのノウハウだ。
講師は「慈愛の聖母」と呼ばれる、人形のようなシスター・レイン。
グラールは星仙女王の国。女性が自らの魅力を武器にするのは当然とヴィンセントは言う。

ルーネットには奇妙な手紙が来ていた。「慎み深いあなたの本当の驚異を知っている」差出人はL(エル)とのみ。
謎のシスター・Lは、ルーネットを生徒会に入るよう誘う。
「秘密をわかちあいましょう。あなたの持っているエフェメリス。そしてあなたの追っているヘルメス・トリスメギストス…」
その夜、ひどくうなされるルーン。
「怖いならずっと手をつないでいてあげる」と無邪気なフィリエルを、警戒心がないと叱って、ルーンは激しいキスをしてしまう。

ルーンが遠くへ行ってしまったようで戸惑うフィリエルだが、彼の体に押された焼き印を偶然見てしまい、激しい怒りにとらわれる。
フィリエルをどす黒い憎悪から遠ざけたいルーンは「関係ない」とつっぱねるが、フィリエルは一歩も退かない。
「それ以上関係ないって言ったらひっぱたくわよ」
「あなたが殺したい人なら私が殺しても不思議はないの」
ルーンを傷つけた者を決して許さない。その日から、フィリエルの剣が変わった。


193 名前:西の善き魔女(3)[sage] 投稿日:2005/04/11(月) 22:26:16 ID:???
生徒会に連れ出されるルーネット。
シスター・レインは尼僧の姿とはかけはなれた妖艶さで彼を誘惑する。
エフェメリスは、現在では星仙女王だけが知る太古の占星術の秘密。
それを持つものは星仙女王と同じ力を手に入れる。
レインはそれを渡せとルーンに迫る。そのかわり「ヘルメス・トリスメギストスの正体を教えてあげる…」
ラヴェンナ達の前で、魅惑の手管を披露するレイン。陥落寸前のルーンの元に、フィリエルが飛び込んでくる。
「ルーネットから離れなさい、そこの色魔みたいな人!!」
レインはフィリエルに自分の正体を問う。フィリエルが直感で答えたのは思いがけぬ正答だった。
「レアンドラ!」
アデイルとは正反対の姉。もう一人の女王候補。
レアンドラはラヴェンナとフィリエルの決闘の結果、ラヴェンナが勝ったらルーネットを生徒会に貰うと宣言する。

流星雨の夜、ルーネットはフィリエルに打ち明ける。
エフェメリスの隠し場所は、フィリエルの母の墓。博士とルーン以外は誰も知らない場所だ。
「いつか行こう。僕が死ぬ前に、必ず…」
ルーネットの言葉にひっかかるものを感じながらも、フィリエルは星空の下、彼とキスを交わす。

祭の日を間近に控えて、フィリエルと生徒会それぞれに脅迫状が届く。フィリエルが挑戦を諦めないなら再びいけにえが出る…。
ロゼリットを殺したのは生徒会ではないとレアンドラ。一体誰が…反生徒会側の人間…まさかヴィンセントが…?
心は千々に乱れながらも、引くに引けないフィリエルは決闘の舞台に立つ。


194 名前:西の善き魔女(3)[sage] 投稿日:2005/04/11(月) 22:29:10 ID:???
補足。

今巻、女装のルーン以外はみんな女性キャラだけです。
ヴィンセント、イグレインも紛らわしい感じだけど女の子。
イグレインはロゼリットとちょっとラブい仲だったけれど、ラヴェンナの魅力に負けた…という過去があったらしい。

あと、フィリエルが平民の娘だとばれたきっかけ(召使いの少女に気さくに声をかけたから)はシザリアという女の子でした。

30 名前:西の善き魔女(4)[sage] 投稿日:2005/10/10(月) 16:22:20 ID:???
フィリエルとラヴェンナの一騎打ち。
劣勢を強いられるフィリエルだが、ラヴェンナがルーンを利用しようとしている
のを知って頭に血が上り一発逆転。
勝者には花が捧げられる。渡しに来たシザリアは、しかし、やおらフィリエルに
ナイフをふりかざした!
星仙女王に信奉する彼女は、学院を私物化する生徒会を憎み、無駄に生徒達に
騒がれるフィリエルもまた同類だと言った。
ロゼリットの墜落死も彼女の仕業だった。

フィリエルを討ち取ることに失敗したシザリアは勝手に「学院を浄めるいけにえになる」
と言って崖から飛び降りる。
渋々とそれを助けたルーン。だが、全生徒の前で、ラヴェンナに男である事を
ばらされてしまう。
立て続けに起こる醜聞で、大騒ぎのトーラス女学校。そこに現れたのはアデイル。
人気作家のエヴァンジェリンだと生徒達からは歓声があがる(正体不明の
小説家じゃなかったっけ…)
彼女は、学院には陰謀が渦巻いていたこと、そしてその企みは失敗に終わったことを
宣言した。
ルーンは駆けつけたユーシスの馬に飛び乗り逃走。
エヴァンジェリンのBL小説と同じ展開に、学院は総腐女子化で大喜び。
フィリエルは退学させられた。


31 名前:西の善き魔女(4)[sage] 投稿日:2005/10/10(月) 16:23:01 ID:???
トーラスでも手に負えないのならと、フィリエルは王宮にあがることになった。
秋にはアデイルが女王候補としてデビューする。それに付き添うのだ。
ルーンは王宮内の王立学院に入ることになる。
ロウランド伯爵夫人(ユーシスの母、アデイルの義母)はフィリエルを呼び出し
王宮にあがるのならルーンと馴れ合うことを慎めと釘を刺す。
しかし「自分が王宮へあがるのもルーンを守るためだ」と一歩もひかないフィリエル。
フィリエルにかつてのエディリーン姫の面影を見た伯爵夫人は、彼女にバラを
一輪譲った。
アデイルは「フィリエルはお義母様に気に入られたのね、このバラは門外不出の
異端の花よ」と言う。バラが異端…?

詳しく聞く間もなく、ユーシスの友人・ロットが駆け込んできた。
星仙女王の長男・リイズ公爵が王位を狙い、それに動じたレアンドラ陣営が
ロウランドより先に女王候補擁立を宣言したという。
もはや一刻の猶予もない。アデイルは王宮にあがり、女王候補として宣言
しなければならない。女王争いの戦いの火蓋は切って落とされた。

入城するアデイル。しかし可憐な美しさは、レアンドラの強烈な個性の前では
いささか霞んで見えるようだ。
続けて、ルアルゴー伯爵じきじきのエスコートで入城するフィリエル。
謎の美少女の登場で、宮廷人はにわかにアデイル陣営に注目する。
負けじと現れたレアンドラは、リイズ公との婚約の予定を発表。
二つの勢力に統合されては、アデイルの負けは目に見えている…。

陰謀渦巻く宮廷で、高原育ちのフィリエルが傷つきはしまいかと案じるユーシス。
フィリエルを守りたいという気持ちが日増しに強まっていく。
一方でフィリエルは、学院に入ったルーンを心配していた。
予感的中で、寮に入れられたルーンは集団生活に馴染めずトラブルばかり。
ユーシスの推薦で研究所を持つコーネル博士の助手となり、そこから学院に
通うことになった。

32 名前:西の善き魔女(4)[sage] 投稿日:2005/10/10(月) 16:24:02 ID:???
王宮で、アデイルはその人柄で人望を集めていくが、レアンドラは異端の存在
である火薬をブッ放し、タカ派をアピールする。
そんな中、フィリエルとユーシスの婚約話がもちあがる。
「ロウランド伯爵夫人になれば、星仙女王(おばあさま)に会える身分も手に
入る」とアデイルもすっかりその気だが、フィリエルはこんな噂がルーンに
どう思われるかと気が気ではない。

連日のパーティーに疲れ気味のフィリエルにリイズ公爵が忍び寄る。
彼女がエディリーンの娘だと知っているらしい公爵は
「君を王妃にと望んでいる」「異端にまみれた娘」とフィリエルを脅す。
ユーシスの機転によりその場は事もなく済んだが、怯えて泣きじゃくる
フィリエルを守るために、ユーシスも真剣に婚約を提案する。

揺れるフィリエルをルーンは突き放す。
研究者は女性を幸福に出来ないとコーネル博士にも忠告されていた。
ロウランド伯爵夫人はフィリエルを次期伯爵夫人と認める、と言うが
条件として二度と異端に関わらないこと、ルーンにも会わないことを
誓えと迫る。

ブチ切れたフィリエルはルーンと逃げようと決意する。ルーンに会えないなら
王宮にいる必要なんかない。ルーンが好き。だがルーンは、別の覚悟でフィリエル
のもとを訪れていた。
殺しても飽き足らない「蛇の杖(ヘルメス・トリスメギストス)」の首領と
リイズ公が同一人物であることを知り、彼に復讐するためにレアンドラと手を
組んだのだ。
「君の側にいたかったよ。ずっと好きだった」
フィリエルを薬で眠らせて立ち去るルーン。
翌朝、リイズ公が殺害された。容疑者はルーンだという…。(以下次巻)

33 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2005/10/11(火) 01:30:38 ID:???
乙。小説版も同じ話なのかなこれ

34 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2005/10/11(火) 01:53:13 ID:???
漫画版は小説(原作)よりエピソードを省いたりして構成が簡略化されてます。
でも漫画描いてる人が原作かなりスキーみたいなのでそこらへんは愛でカバー。