夢幻街/水沢勇介
567 名前:夢幻街[sage] 投稿日:2005/12/27(火) 00:33:34 ID:???
夢幻街 水沢勇介 エニックス 全七巻

退廃的な東京を舞台にした所謂「退魔」もの。あやかし奇譚。
人形店「夢幻」の店主、牧豹介。祖父から継承した人形師としての腕もさる事ながら、
もう一つ継いだものがあった。人が天狗になるための術「狗法」がそれである。
豹介は天狗の血筋を引く子孫で、狗法を受け継いだ十七代目「夢幻」として、それを使い
副業に「拝み屋」の仕事をやっている。狗法には、飛翔・剛力・念動・読心・隠行・透視
水歩・風刃・霊波・幻視などの能力があるが、豹介が使うのは飛翔、剛力、風刃の3つで
その力を操り、奇妙な事件に挑む。
普段は、お昼過ぎごろまで寝てて、近所の子供たちと遊びながら人形を作っている。
本人的には人形の仕事のほうをメインにやりたいのに、裏の世界でばっかり有名で
そっちの仕事ばっかり依頼されてしまう。
心優しいお兄さんだけど、「地獄に墜ちろ」が決め台詞で人殺しもやったりする。

一話完結形式で、メイン主人公・豹介。主人公その2白神仁、その3斎木美夜という
感じで一話毎のメインが変わったりしている。全員集合のときもあったり。

ガンガン掲載とは思えないくらい青年漫画っぽい絵柄と内容。
地味で大人向けな良作という感じ。民俗学的。
やや後半パターン化して精彩を欠いて終わった感あり。

【主要登場人物】
牧豹介:人形店「夢幻」の店主で人形師。副業で狗法を操る拝み屋をやっている。
     性格は温厚紳士のんびり屋。眼鏡の優しいお兄さん。女にもてる。
牧源三:豹介の祖父。会津の魔天狗と呼ばれた稀代の狗法使い。
     現在は牧豹介に術を施させて自分の首をかたどった人形に宿っている。
白神仁:「なんでも屋」を営む符術師。豹介の友人で大の病院嫌い。
斎木美夜:豹介の幼馴染の私立探偵。姉御肌。狗法仙術のほとんどを使いこなせる。
千葉礼子:豹介に想いをよせる少女。人形店「夢幻」でアルバイトをしている。