MONSTER/浦沢直樹
42 :マロン名無しさん :03/12/24 00:30 ID:???
・MONSTER

あなたのとなりにいます

281 :Monster-1 :04/04/11 21:50 ID:???
1986年ドイツ・デュッセルドルフのとある病院に天馬賢三という天才外科医がいた。テン
マは院長のお気に入りでその娘エヴァと婚約中、将来は院長の座も約束されていた。そん
なある日院長の命令で、先に行われていた一般人の手術より後から来た有名人の手術を優
先させ、その一般人を死なせてしまったテンマは院長の方針に疑問を覚える。しかしそん
なテンマに返ってきたのはエヴァの「人の命は平等じゃないんだもの」という言葉だった。
そのころある民家で銃撃事件が起こる。警察が家の中に踏み込むと、そこには既に死んで
いる両親と頭を打たれて倒れている少年、そして無傷だが放心状態の少女がいた。この一
家はつい最近東ドイツから西側に亡命してきた東ドイツの役人リーベルト一家だった。
病院にかけつけたテンマは運び込まれた少女アンナ=リーベルトが「ころして…」とつぶ
やくのを聞く。そしてテンマは少女の双子の兄である重体の少年ヨハンを助けるために手
術に臨もうとするのだが、その時市長が倒れたという連絡が入る。院長は市長の手術を優
先するよう命令したが、テンマは先日の一件が思い出され少年の手術をすることを選ぶ。
ヨハンの手術は成功し市長は死んだ。その結果院長はテンマの医者としての成功の道を潰
し、エヴァはテンマとの婚約を解消した。院長に対して怒りを募らせたテンマは依然意識
が戻らないヨハンの病室に行き「命に上下なんかあるものか!!」「あんな奴死んだ方がまし
だ!!」と怒りの言葉を吐き、最後に医者としての目を開かせてくれたヨハンに礼を言って
出て行った。そして誰もいなくなった部屋でヨハンは静かに目を開いた。

それ以来テンマは以前の地位を奪われ、院長にこき使われ、エヴァは他の医者と付き合う
ようになっていた。警察は事件について事情聴取をするためにアンナの元に訪れるが事件
のショックからかアンナは外界に対して何の反応も示さない。そこで警察や院長は、双子
を対面させてみることに。するとアンナは叫んで卒倒し、逆にヨハンは涙を流しながら妹
に手を差し伸べたのだった。
その日の夜テンマは警察から院長と2人の医者が死んだことを知らされた。テンマが急い
で病院に駆けつけると何故か双子も病院からいなくなっていた。


282 :Monster-2 :04/04/11 21:51 ID:???
院長達は毒入りのキャンディーを食べて死んだということをBKA(ドイツ連邦警察)のル
ンゲ警部から知らされたテンマ。政治テロも考えられるこの事件の主導権は州警察から
BKAに移っていた。しかし双子の行方は未だ分からずじまいだった。院長が死んだせいで
病院では大幅な人事異動が行われ、テンマは外科部長に任命された。そんなテンマにエヴ
ァは再び言い寄ってくるが、テンマはエヴァに対してもう何の感情も持っていなかった。

9年が経ち、外科部長として働くテンマは天才的な技術と患者への心配りから誰からも信
頼される医者となっていた。時を同じくしてドイツでは裕福な中年夫婦が殺されるという
連続殺人事件がおこっていた。事件の調査をしていたルンゲ警部はある男を犯人の一人と
みて調べようとするが、その男は何かから逃げるように車道に飛び出したところを車に轢
かれてしまう。手の施しようのない状態の男を助けるためテンマが呼ばれ、そこで9年ぶ
りにルンゲ警部と再会。警部はテンマの背中に向かって「殺人事件のあと最も利益を得た
のはどう考えてもただ1人。Drテンマ、あなただけなんだ。」とつぶやいた。
手術は成功したが男は一言「モンスターが来る」というだけ。警察が男に事件の依頼者を
聞くと男は叫びだし、何かにおびえるように体を震わすだけだった。
テンマがある夜病院を訪れると、男を監視していた警官が死んでいた。死体の傍らにはキ
ャンディーの包み紙が。そして男は部屋からいなくなっていた。外に出たテンマは男がビ
ルの中に入っていくのを見て追いかけるが、そこにいたのは男と成長したヨハンだった。
男はヨハンこそが連続中年夫婦殺人事件の依頼者で、ヨハンの過去を知れば殺されるとい
う。ヨハンは男を殺すが、命を助けてくれたテンマだけは特別で9年前テンマのために院
長達を殺したのも自分だと言った。
警察署でルンゲ警部にありのままを話すテンマだが、テンマを見る警部の目は何かを疑っている様子であった。


283 :Monster-3 :04/04/11 21:53 ID:???
ドイツ・ハイデルベルグ大学に通うニナ・フォルトナーは10歳以前の記憶がない。そん
な彼女にある日「もうすぐ迎えに行く」というメールが届く。メールの差出人を探すニナ
だが、人ごみの中佇んでいた男の顔を見て倒れてしまう。それはヨハンだった。その
後ニナのもとに「誕生日の夜会おう」というメールが届く。

独自にヨハンの経歴を調べ始めるテンマ。ヨハンは次々と名前を変え、殺された夫婦たち
の養子となっていた。しかし誰もヨハンのことを詳しく覚えておらず、妹のアンナの事を
知っている人は見つからない。ただ1人彼のことをよく覚えていた老人は彼が20歳にな
ったらハイデルベルグへ妹を迎えに行くと言っていた事を告げる。過去の資料を調べ、双
子がフォルトナー家に引き取られその後ヨハンだけが姿を消したことを突き止めたテンマ
はフォルトナー家へ向かう。ニナはアンナだった。フォルトナー家ではニナの20歳の誕
生会の準備が行われていた。ニナがメールで指示された場所へ行った事を知り、ニナの元
に駆けつけたテンマ。二人で家に戻るとニナの育ての親は殺害されていた。その光景を見
て放心状態になったニナは「あの時あたしがお兄ちゃん殺したのに!!」と口走る。
ヨハンが来る前に逃げようとしていたところに二人の警官がやって来る。二人は保護され
たがテンマはこの二人がニナの両親を殺したことに気付き、ニナをつれて川に飛び込んだ。
二人はうまく逃げきり、ニナはなくしていた記憶を取り戻した。9年前リーベルト夫妻を
殺したのはヨハンで、そのヨハンを撃ったのはニナだった。テンマは真実を話そうと1人
警察に向かうが、そこにはニナの両親を殺した二人の刑事がいたため近づくことが出来な
い。再びニナの元戻ったが、ニナは手紙だけを残していなくなっていた。
一方、事件現場で発見されたネクタイがテンマのものだとかつての婚約者エヴァが証明し
たため、警察はテンマを重要参考人として確保しようとする。しかし既にテンマは病院に
辞表を出して姿を消していた。
5ヶ月後、世間ではテンマは指名手配されていた。銃の訓練を受けたテンマはヨハンの
手掛かりをつかむため新たに中年夫婦殺害事件が起こった街へと向かう。
懐の銃を握り締めながらテンマは「行かなくちゃならないんだ」とつぶやいた。


285 :Monster-4 :04/04/11 21:55 ID:???
テンマはヨハンの手がかりを得るため、新たに起こった中年夫婦殺害事件の現場に行き、
そこで空き巣をしていた男ヘッケルと出会う。ヘッケルは事件の犯人を知っていた。犯人
の家には男が1人いて、ヨハンから夫婦を殺すよう頼まれたのだと話す。そして事件現場
にヨハンからのメッセージがある事を言い残して、男は笑顔で自分の頭を打ち抜いた。
事件現場に戻ったテンマとヘッケルは壁に書かれた「僕を見て!僕を見て!僕の中のモンス
ターがこんなに大きくなったよDrテンマ」というメッセージを見て、ヨハンが楽しんで
いるのだと確信する。
旧東ドイツのリーベルト一家がかつて住んでいた家を訪れたテンマだがそこには手がかり
は何もなかった。近所の人から双子は孤児院にいてリーベルト夫妻に引き取られた事を聞
いたテンマは、ヨハンのいた孤児院511キンダーハイムの元関係者だったハルトマンとい
う男の家を訪ねる。しかしハルトマンは預かっているディーターという少年に虐待をして
いたのでテンマはディーターを病院につれていく。
ディーターを預かってもらうためにテンマはアンナがいた孤児院を訪れた。テンマはそこ
で511キンダーハイムが子供達を冷徹で完璧な戦士に育てるためのプロジェクトが行われ
ていた実験場だったと聞く。そしてハルトマンはそのプロジェクトを観察していた人物だ
った。また511キンダーハイムではかつて教官や子供達全てのメンバーが殺し合い全員死
亡するという事件がおこっていた。その事件を引き起こしたのが当時10歳のヨハンだっ
た。ハルトマンはヨハンに心酔し、彼は作られた兵隊などではなく生まれながらの指導者、
人間以上の怪物のような存在だと言う。そんなハルトマンの元を離れ、ディーターはテン
マについていく事を選んだ。

院長が死んで以来エヴァは何回も結婚離婚を繰り返し酒びたりの生活を送っていた。そし
てこんな生活をしているのもテンマのせいだと恨むエヴァは自宅を放火し、テンマを逮捕
するために執念深く調査を続けているルンゲ警部へ協力を申し出たのだった。


286 :Monster-5 :04/04/11 21:55 ID:???
テンマはかつてニナの両親を殺した刑事の1人メスナーの居所をつきとめた。彼は警察を
やめ『赤ん坊』という極右の大物の元で働いていた。テンマより先にニナが彼の元に訪れ
ていて、『赤ん坊』に会いに行った事を聞きテンマも『赤ん坊』に会いにいく。そしてテン
マは『赤ん坊』通してヴォルフ将軍という人物に出会った。将軍は昔、チェコ国境近くを
瀕死の状態で歩いていた双子を保護し、ヨハンにその名前与えた人物だった。将軍は当時
ヨハンを偉大な指導者にしようと考えていたが、彼の恐ろしさに気付きテンマに殺害を依
頼するのだった。
一方『赤ん坊』の紹介でヴォルフ将軍の仲間に会ったニナは、そこでヨハンによっておこ
された惨劇を目の当たりにする。現場に残されたメッセージが示す場所へ行くとそこには
ヨハンからのメッセージが書かれていた。
ニナはテンマと再会するがそこに警察がやってくる。あわただしく去っていくテンマに向
かってニナは「ヨハンは1人じゃない。ヨハンは二人いる!!」と叫ぶ。だから自分がもう
一度ヨハンを殺すのだとニナは心に誓った。そしてテンマはヨハンのメッセージが残され
た場所へ向かう。そこには「助けて!僕の中のモンスターが破裂しそうだ!」という言葉
が残されていた。


353 :MONSTER−6 :04/04/13 20:28 ID:???
テンマは大学時代の同級生で、犯罪心理学者のDr.ギーレンのもとを尋ねた。
テンマは彼にヨハンの残したメッセージを見せ、多重人格かどうか意見を求めるがギーレンは
協力すると言いながらもテンマの言うこともヨハンの存在も信用しておらず警察に通報してしまう。
しかし自分の調査している老婦人殺害事件の現場にテンマから見せられたメッセージと同じ文面の
手紙を見つけたことから、ヨハンの存在を信じるようになる。
そしてギーレンは犯罪心理学者としてヨハンは殺人者を見分け、彼らの孤独に入り込み、
操る事が可能だと分析した。そしてヨハンは理想の家族を見つけるため様々な夫婦の元で暮らし、
そうでなかった夫婦は自分の過去を知るものとして殺しているのだと予測した。
その後ギーレンの協力で上手く警察をまくことが出来たテンマは彼の元から去っていった。

かつてニナの両親を殺した刑事のうちの1人ミハエルは大金を手に入れ幸せに暮らしていた。
しかし内心はヨハンの影におびえ、探偵を使って独自の調査をさせていた。
そんな中雇っていた探偵が何者かに殺され、そこにニナが現れる。
数日前からミハエルを監視していたニナは、ミハエルのボディーガードであるロベルトという男が
探偵を殺したのだと告げ、探偵の集めた資料と共にミハエルをつれて逃げ出した。
しかし家族を人質にとられたミハエルは資料と共に再びロベルトの元へ。
ロベルトはヨハンに心酔していて、彼のために行動しているのだった。
資料を手に入れたロベルトはヨハンが理想的な家族と共に幸せに暮らしているとニナに告げ去っていった。

一方家を飛び出し、テンマを地獄に落とすため追い続けるエヴァのもとにロベルトが現れた。
実はテンマとヨハンが再会したあの日、エヴァも物陰からヨハンを目撃していたのだが
自分を捨てたテンマを不幸にするためにエヴァはその事を警察に言わないでいた。
ロベルトはヨハンの顔や過去を知っている彼女を殺そうとするが、そこにテンマが現れ一命をとりとめる。
そしてその後再びテンマはエヴァの前から姿を消した。


354 :MONSTER−7 :04/04/13 20:28 ID:???
バイエルン州に、財界の超大物で「バイエルンの吸血鬼」と呼ばれるシューバルトという大富豪がいた。
その彼の屋敷でアルバイトとして働く大学生カールは、かつて彼と娼婦の間に出来た子供だった。
しかしカールは彼に息子として名乗り出るつもりなどなく、素性を隠して彼の元で働いていた。
そんなある日シューバルトの前に彼の息子を語る人物が現れる。その男の正体を暴くために
友人のロッテと男の家に乗り込んだカールは彼が自殺しているのを発見。
そして事件後、落ち込むカールとロッテの前にヨハンが現れた。
彼もカールと同じくシューバルトの元でアルバイトをしていたのだった。
シューバルトは探偵を雇い自殺をした息子について調査させるが、ほどなくして自殺をした男は
偽者だということが判明。しかし調査をしていた探偵は、事件は自殺ではなく他殺だという事に気付き
さらに事件の陰にヨハンという存在がいることに気付いたため、ヨハンによって殺されてしまう。
一方でヨハンはカールとシューバルトを親子として引き合わせ、シューバルトの信頼を獲得し
彼の秘書という地位につくことに成功した。

殺された探偵の知人であり、彼からヨハンの事も聞いていた精神科医のライヒワインは彼の死に疑問を持つ。
そんな折、ライヒワインの教え子で、テンマと別れてから
ずっとヨハンについて調べていたDr.ギーレンが彼の元を訪れた。
二人は協力してヨハンを探しだそうとするも、ヨハンを知りすぎたため突如現れた
ロベルトに命を狙われてしまう。そんな彼らを、ヨハンの手がかりを辿ってディーターと共に
バイエルンまでやって来ていたテンマが助ける。
ライヒワインとギーレンはテンマに共に協力してヨハンを警察に引きずり出そうと提案するが
テンマの目的は自分の無実を証明することではなく、自分が蘇らせてしまったモンスターを殺すこと。
誰も巻き添えにしたくないという気持ちから、ディーターをライヒワインのもとに残し
ひとりヨハンを殺すために去っていった。


355 :MONSTER−8 :04/04/13 20:29 ID:???
ディーターたちと別れたテンマはヨハンを殺すために狙撃銃を入手し、ひとりその機会をうかがっていた。
その間にもヨハンは何人もの人に洗脳まがいの事をして死人を出していく。
そんな中、シューバルトがある式典に参加する事を知ったテンマは、そこでヨハンを殺そうと計画する。
式典当日、あらかじめ会場に忍び込んでいたテンマはヨハンに狙いを定め引き金を引こうとするが
どうしても指が動かない。その時ロベルトが現れふたりは争いになる。
一方ニナも情報収集のためにバイエルンにやってきていた。そこで偶然ニナはロッテと知り合いになる。
ロッテは、ヨハンとそっくりなニナを見て二人が双子ということに気付き、
以前ヨハンが「なまえのないかいぶつ」という絵本を見たとたん倒れてしまった事を教えた。その絵本を
みて不思議な懐かしさを覚えたニナは、まだ思い出せていない記憶があることに気付く。
そしてヨハンを殺すため、銃を片手に式典会場に向かった。

式典会場はヨハンの手により火の海になっていた。式典に参加していた多くの人が逃げようとするが、
入り口には鍵がかかり外に出ることが出来ない。人々が恐怖し逃げ惑う中で満足そうな顔をうかべる
ヨハンに、シューバルトは「お前はどこから来たんだ」と尋ねる。「僕はおとぎの国のような街で生まれた」
「世界にボクら二人だけみたいだった」「僕らには名前がなかった」と答えるヨハン。
そこにロベルトを倒したテンマが駆けつけ、ヨハンに向けて銃を構える。時同じくして駆けつけたニナも
ヨハンに銃を向けるが、あと少しという所でヨハンは逃げてしまう。
その後テンマはニナやシューバルトや式典の参加者の達を助け、再び姿をくらましてしまう。
事件の調査に当たったルンゲは、ずっとヨハンはテンマのもう一つの人格だと考えていたが
何人かの証言からヨハンが実在の人物であるということ信じ始める。
ニナはDr.ライヒワイン達と知り合い、そこでまだ思い出せないでいる記憶の断片を取り戻し
その記憶を手がかりに、ディーターと共に旅立った。
そしてテンマもシューバルトから「双子の母親はプラハで生きている」というメッセージをもらい
プラハに向かった。


356 :MONSTER−9 :04/04/13 20:38 ID:???
プラハに向かう列車の中で、テンマはグリマーというジャーナリストと出会う。
彼はテンマの素性を知っておりテンマが警察に捕まりそうなところを助け、その後二人は別れる。
プラハにやってきたグリマーは、そこで昔511キンダーハイムの院長だった老人と接触するが院長は
何者かに殺害され、死ぬ間際に実験記録と511キンダーハイムを破滅に導いた怪物の声をおさめた
テープの隠し場所を言い残した。目撃者の証言より、元院長を殺した犯人は若い女ということだった。
事情聴取のため警察を訪れたグリマーは、その帰り道二人組みの男に襲われる。
男達は事情聴取のとき会った刑事の一味で、テープを売って大儲けをしようとしていのだ。
グリマーは刑事から拷問を受けるがテープの場所を答えようとしない。
そして消え行く意識の中、銃を持った女がやってきたのを見た。
再び目覚めた時、グリマーの前には3つの死体が転がっていた。1人は銃で殺されていたが
後の二人はめちゃめちゃに殴り殺されていた。そしてグリマーの手は人を殴ったかのように血だらけだった。

警察は三人の殺害の重要参考人としてグリマーの捜索を開始する。
上司が殺されて落ち込むスークという新人刑事の前に、女装をしてニナと瓜二つとなったヨハンが現れた。
ヨハンの助言により、いち早くグリマーと接触したことに成功したスークは
グリマーと共に例のテープを聞くことに。
そんな中、警察署の署長を含めた三人の刑事が毒入りウィスキーボンボンによって殺害される。
テープの内容は、薬物投与された少年の尋問だった。テープの中の少年はヨハンと名乗る。
ヨハンは質問される。「一番怖いものは何?」「僕の中の怪物がどんどん大きくなる。
バリバリムシャムシャバキバキゴクン!僕が一番怖いもの、それはね…」
しかしここでグリマーは激しい吐き気をもよおしテープを止めてしまう。
その後グリマーと別れたスークが自宅に戻ると刑事が待っていた。なぜかスークの家から
署長殺しの証拠が発見されたためスークは連行されることに。しかしスークが一度自室に戻り
再び出てくると刑事達は射殺されていた。そして再びスークに会うために彼のアパートにやってきた
グリマーは階段の途中で女装したヨハンとすれ違うが、彼を見たグリマーは恐怖に体を振るわせた。

17 :MONSTER-10 :04/04/21 18:45 ID:???
スークの家でおこった殺人事件はスークの手によるものとみなされ、チェコ警察は
スークの捜索を始める。しかしスークはいち早くグリマーと共に逃亡していた。
一方チェコまでやってきていたテンマは新聞でこの事件を知り、『3名毒殺』『毒入りお菓子』
といったキーワードからかつて自分の病院で起こった院長ら殺人事件と似ている部分があることに気付き
事件の陰にヨハンがいるのではないかと疑う。
テンマはスークの居場所を知ろうとして彼の母親が入院している病院に行く。
彼の母親は痴呆症でまともな会話ができないが、彼女の話すスークの昔話の中から
スークが隠れている場所のヒントをつかんだテンマは彼の元へと急ぐ。
そしてテンマが去った後の病室では、スークの母親がテープを聞きながら
「なまえのないかいぶつ」の一節をつぶやいていたのだった。

グリマーと共に逃亡したスークは例のテープを母親の元に送り
廃墟で身を潜めていた。180度変わってしまった自分を取り巻く環境に錯乱するスークだが
グリマーの「自分を信じろ」という言葉で落ち着きを取り戻す。
グリマーはこの事件が10年前ドイツのある病院でおこった殺人事件(テンマが容疑者となっている事件)
によく似ていることに気付いていた。
その時窓辺に近づいたスークが何者かに銃撃された。二人がいる部屋はいつの間にか数人の人間に
包囲されており、彼らはテープを要求するがグリマーが「ここにはない」と答えると
わざと急所を外して何発もスークに銃弾が打ち込まれる。
何とか彼を助けようとするグリマーだが、彼もまた狙撃銃で狙われていて動くことが出来ない。
絶体絶命の状況に陥った彼は異常に呼吸が荒くなり頭を抱え込んでしまう。

二人のいる廃墟にたどり着いたテンマは、離れた所で二人のいる部屋を狙っていた狙撃手から
事情を聞きだし、二人の元へと駆けつけた。静まり返った部屋に乗り込むと
そこには顔をぐちゃぐちゃにされた男達と、両手を血まみれにしたグリマーが佇んでいた。


18 :MONSTER-11 :04/04/21 18:46 ID:???
グリマーは「超人シュタイナーが…またやっちゃった…」と独り言のようにつぶやき、
テンマは彼が以前自分を助けてくれた男だということに気付く。
そして我に返りテンマに気付いたグリマーは、自分が511キンダーハイムの出身で
この惨劇は自分の中のもう1人の自分がやった事だと話し出した。
グリマーが覚えている唯一の幼い頃の記憶は「超人シュタイナー」というアニメ番組だけだった。
そのアニメの主人公はひ弱な青年だが、ピンチに陥ると自分でも気付かないうちに超人シュタイナーとなり
悪者を倒す。そんなアニメを見ているうちに、いつの間にか自分がピンチになった時にも
超人シュタイナーが現れるようになり、気付くと悪い奴らは倒されていたと彼は話す。
そしてそれ以外の記憶は全て511キンダーハイムに奪われたとも話す。
スークらに応急手当を済ませ救急車を呼んだテンマは「自分も511キンダーハイムに関係がある」といい
二人は現場から姿を消した。

ホテルにたどり着いたテンマはグリマーに511キンダーハイムについて尋ねる。
グリマーは断片的にしか残っていない記憶を元に自分の過去を話し出した。
彼は14歳ごろ511キンダーハイムを出て両親役の人間に引き取られた。そして名前が与えられ
スパイ教育として様々な外国語を覚えさせられたり笑顔をつくる訓練を受けさせられたのだった。

スークの無実を証明するため、スークの収容された病院を訪れた二人だが
彼は何者かに連れ去られていた。そして二人の前に男が現れ同行するように言われる。
車で連れて行かれた先にいたのは旧チェコスロバキア秘密警察の大物カレル・ランケ大佐という人物だった。
彼がスークを連れ去った張本人で、例のテープと引き換えにスークを返そうと言い出す。
彼はテープをビジネスの道具として欲していたが、グリマーが511キンダーハイムの出身者として
あんな事を繰り返してはいけないと言う。すると大佐は急に一枚の写真を取り出し「この子を知らないか?」
と尋ねた。写真に写っていたのは大佐の甥である少年で、少年もかつて511キンダーハイムに
いたのだという。しかしグリマーはあの頃の事を思い出せないのだった。


19 :MONSTER-12 :04/04/21 18:46 ID:???
結局話し合いは決着がつかず次の機会に先送りされることになった。
そしてその場から立ち去ろうとするグリマーだったが、ふいに「思い出した…」とつぶやく。
グリマーは再び大佐の元に戻り「あいつはココアが好きで、絵を描くのが好きで、虫が好きだった」
と話し出し、その名前を口に出した。
それを聞いた大佐は目に涙を浮かべ「私の甥だ」と一言言い残し去っていった。

かつて幼い双子とその母親が住んでいたと思われるチェコのある家にやってきたニナとディーター。
しかしニナは断片的な映像しか思い出す事が出来ない。「なまえのないかいぶつ」、見知らぬ男、
ドアを開けて帰って来た自分、それを迎える自分、そんな映像が頭に浮かぶ。

次の日再び大佐がやってきた。
15年前にヨハンとその母が秘密警察により当時住んでいた所から連れ去られた事を調べ上げていた
テンマは、その真相を聞き出そうとする。大佐は何も知らないと言うがその代わりに
自分の知らないところで行動することが出来た唯一の人物であったフランツ・ボナパルタ
という男の名前をあげ、彼が関係しているかもしれないと話した。
結局テープは渡せないが、中身を聞くことを許された大佐は二人と共にスークの母親がいる
病院へやってきた。スークの無事も確認され三人はテープを聞くことに。
「僕が一番怖いもの、それはね…アンナを忘れてしまうこと。毎日毎日おかしな授業で
記憶がなくなっていくんだ…お願い…アンナを忘れさせないで…
世界には、アンナと僕二人だけなんだ……この記憶だけは…お願い…」
しかしここで少年の言葉は途絶え、なぜか現在のヨハンの声が流れ出した。
ヨハンは三人が病院にやってくるよりも前に女装をしてスークの母親の元を訪れ
テープの上から自分の声を録音していったのだった。そしてテープの中のヨハンは語る。
「聞かせてあげられるのはここまでだよ。このテープを聞いて、やっとわかったんだ。
僕がどこへ行くべきか…やっとわかったよDr.テンマ。」

409 :MONSTER−13 :04/05/02 01:06 ID:???
仕事ばかりで家庭を全く顧みなかったため妻と娘に家出されたルンゲ警部は、仕事でもミスを犯して
干されてしまったので、長期休暇をとりチェコのプラハにやってきた。
以前「なまえのないかいぶつ」という絵本にヨハンのメッセージと同じ文があることを
偶然見つけたルンゲは、チェコ警察の知人を訪れチェコ語の絵本をドイツ語に翻訳してもらうように頼む。
その時スークの事件の詳しい情報を耳にしたルンゲは、この事件がテンマの事件に似ていることに気付く。何となくスークのここ最近の様子を彼の友人らに聞いてみると、近頃スークはアンナ・リーベルト
という女性(実は女装したヨハン)に好意を抱いていたという。
ヨハンの双子の妹であるアンナの名前に、ルンゲは興味を示すのだった。

「なまえのないかいぶつ」の出版社を訪れたルンゲ。この絵本の作者エミル・シューベは
他にもいくつかのペンネームを持っていた。
その中の一つ「クラウス・ポッペ」の名前が書いてある段ボール箱を開けてみると、
中には妊婦、二人の赤ん坊、男の子と女の子の双子などのラフスケッチが入っていた。
その後知人から翻訳が済んだとの連絡が入り、ルンゲは気になっていた絵本の最後のページのセリフを知る。
『せっかくなまえがついたのに、だれもなまえをよんでくれるひとはいなくなりました。
ヨハン、すてきななまえなのに』
「ヨハン」とつぶやいたルンゲは、見る見るうちに仕事モードになっていった。

殺害された511キンダーハイムの元院長は自宅で孤児院を開いていた。そしてその孤児院の子供達は
元院長を殺害した犯人と思われる長い金髪の女を目撃していた。
その子供達はグリマーの事を慕っていたので、グリマーの疑いを晴らすために金髪の女を捜し始めた。
その中の1人の少年ミローシュが偶然女を見つけ、後をつけるが逆に見つかってしまう。
女の「何をしているの?」という問いに、ミローシュがとっさに「お母さんを探していた」と答えると
女は「お母さんがいるはず」と言ってミローシュを娼婦街へ向かわせた。


410 :MONSTER−14 :04/05/02 01:21 ID:???
グリマーはテンマと共に孤児院の子供達が引き取られた施設を回るが子供達が自分を慕っている事に
戸惑いを覚える。彼は511キンダーハイムで感情を奪われ、その後いろんな感情表現を覚えさせられたが
こういった時どういう顔をすればいいのかわからないと言う。
かつて結婚をして子供が産まれたが、その子供が死んでしまった時も
自分がどんな反応をすればよかったのか今でもわからないとも話した。
そんな時、ミローシュがいなくなった事を少年達から聞いたテンマ等は街の人達に聞き込みをする。
女は近所の人にアンナと名乗っていた。テンマは、もしアンナと名乗っている人物がヨハンならば
彼はミローシュにとって一番残酷な事をした後ミローシュを殺すだろうと考え
グリマーと共に娼婦街へ向かう。

ミローシュは母親が自分を見ればすぐに声をかけてくれる思っていたが、誰も見そんな事はしない。
娼婦街を歩きながら、アンナに言われた「誰に望まれたの?」という言葉を思い返す。
そしてこの世に絶望し橋の上から川へ飛び込もうとする。
そこにテンマとグリマーが駆けつけるが、グリマーはこんな難しい感情は教わってないと言う。
どうにかミローシュを保護することが出来たが既にミローシュは心を閉ざしてしまっていた。
そんなミローシュを見たグリマーは演技ではない涙を流し「お前は誰かに望まれて生まれてきた」と言う。
グリマーの言葉にミローシュは心を取り戻したのだった。

絵本の作者のペンネームの1つであるフランツ・ボナパルタという名前から彼の屋敷を突き止めたルンゲ。
そこは「赤バラの屋敷」と呼ばれていた。ここに来る前に彼はランケ大佐と会っていたが
ある日この屋敷にいた人間全員が消えてしまったのだと教えらた。
イバラで覆われ廃墟となった屋敷に入ったルンゲは、まるで封印するように隠されていた扉を見つける。
その扉を開け部屋に入ったルンゲは、この部屋で20人以上の人間が死んだことを感じ取った。


411 :MONSTER−15 :04/05/02 01:22 ID:???
その部屋には以前見たラフスケッチに描かれていた双子の母親らしき女性の肖像画が飾ってあった。
その絵の裏には双子の母親に宛てたと思われる『怪物から美女への恋文』と書かれた手紙が隠してあった。
ドイツ語で書かれたその手紙には相手への想いや懺悔のような気持ちがつづられていた。
「君の全てを食い尽くすために見ていた。だが、逆に君の全てが私を侵食した」
「一番罪な事は…人の名前を奪い去ること」「君に名前を返そう」「今はただ悲しい…悲しい…悲しい…」

グリマーはスークの罪をかぶって警察に追われる身になることを選びテンマと別れた。
その後グリマーは事件の真犯人を語って警察に手紙を出し、それによってスークの疑いは晴れることになる。
そして二人が別れた直後、テンマは市民の通報によって駆けつけた警察に拘束されてしまうのだった。

Dr.ライヒワインのもとにアルコール中毒患者として、テンマの元恋人エヴァがやってきた。
ちょうどその時TVでテンマ拘束のニュースが流れ、お互いがテンマの知人だということを知る。
二人はテンマに会いにチェコへ向かうが、警察はドイツに強制送還するので面会は許さないと言う。
その頃、テンマの元患者やシューバルト親子といった今までテンマが助けてきた人達は
テンマを助けるために、法曹界の寵児フリッツ・ヴァーデマンに弁護を依頼していた。
スパイと疑われ、無実の罪をきせられたまま死んだ父親をもつヴァーデマンは今まで様々な冤罪を
覆していて、今回もテンマの無実を信じバウルという弁護士と組んでテンマを担当する事を決めた。
しかしバウルという弁護士は、あのロベルトだった。

ルンゲはチェコの警察署でテンマと会うが、すれ違いざまなぜかテンマに
「警察が取り調べの時一番苦労するのは、何もしゃべらず表情を変えない奴だ」と教えていた。
その教えに従って黙秘し続けていたが、ロベルトが面会に来て「エヴァを消す」と言ったため
エヴァを助けるために脱走を決意する。



412 :MONSTER−16 :04/05/02 01:23 ID:???
ヴァーデマンはライヒワインやエヴァにも事件について聞き込みを始める。
しかしエヴァはテンマを不幸にしたいがため、ヨハンを目撃していながらも法廷での証言を承諾しない。
だがそんな彼女にも良心が残っていたのか、証言する事を了承する。
そんな時テンマが脱走したことがTVで報道され、同時にエヴァの前にロベルトが現れた。
テンマは脱走したその足でエヴァの泊まっているホテルの部屋に駆けつけるが
すでに部屋にエヴァの姿はなかった。

ルンゲがヴァーデマンをたずねて来た。彼は「なまえのないかいぶつ」の著者について調べているうちに
その著者とヴァーデマンの父親が赤バラの屋敷で会っていた事を突き止めていた。
ヴァーデマンが何も知らないと言うとルンゲは帰っていくが、ヴァーデマンは動揺したそぶりを見せる。

その後ヴァーデマンは車に乗り外出しようとするが、いきなりテンマが乗り込んできて銃を突きつけて
「エヴァはどこだ」と言う。テンマはヴァーデマンをロベルトの共犯者だと疑っていた。
しかし彼は本当に何も知らないようなので、ロベルトについて説明する。
するとヴァーデマンは「信じてもいいのか」とテンマに尋ね、自分の父親について話し出した。
彼の父親はスパイ容疑をかけられていたが、後に冤罪が立証された。その後ヴァーデマンは
冤罪がこの世からなくなるようにと必死に勉強をしていたのだが、ある日父の遺品から
スパイ活動の記録や、フランツ・ボナパルタといった名前が綴られたメモ帳を見つけた。
父親は本当にスパイだったのだ。その日からヴァーデマンは人を信じられなくなっていた。
その話を聞いたテンマは、ロベルトの本当の目的はその手帳を手に入れることだと気付き
ヴァーデマンの自宅に向かう。
自宅は既に物色された後で、「赤バラの屋敷に来い」という置き手紙が残されていたが
幸いメモ帳は無事だった。ヴァーデマンはテンマを信じることに決め、テンマにメモ帳を託す。
メモ帳を受け取ったテンマは、単身赤バラの屋敷へ向かった。

10 :MONSTER−17 :04/05/03 23:26 ID:???
ニナはディーターと共におぼろげな記憶を探りながらプラハを歩き回っていた。
そしてあの時ヨハンがどこへ連れて行かれたのか(No.12でテンマが大佐に尋ねた事件)を
直接ヨハンが教えてくれたことを思い出し、二人がその道順を辿るとそこは赤バラの屋敷だった。
屋敷の中に入り込み、ルンゲが見つけた隠し部屋の前までやってくるが
ニナはその部屋を見て震えはじめる。ためらいつつも扉を開けるが、その瞬間
部屋の中に何十人もの人が死んでいる映像を見て、ニナは倒れてしまうのだった。
倒れたニナを見てあわてるディーターの前に、リプスキーという男が現れた。
リプスキーは二人を自宅まで連れて行き、ニナを手厚く看病してくれた。
彼は路上で人形劇をしており創作のイメージを膨らませるために赤バラの屋敷によく行っていると言う。
彼の家にはなぜかフランツ・ボナパルタ(絵本の作者の名前は以後これに統一)の書いた絵本が
たくさんあった。
かつてボナパルタは赤バラの屋敷に子供たちを集めて自分の絵本の朗読会を開いて、
自分もその朗読会に出席していた生徒だったが、自分は優秀な生徒ではなかったので
朗読会から追い出されたのだとリプスキーは話した。
リプスキーがボナパルタの絵本を朗読し始めると、ニナはあの日のことを思い出し始める・・・

あの日リーベルト家をある人物が訪れた。そして銃声が響く。
目を覚ました10歳のニナが銃声の聞こえてきた部屋に入ると、
そこには頭を打ちぬかれた育ての親であるリーベルト夫婦、そして銃を持ったヨハンが立っていた。
「お兄ちゃんがやったの?」と問い詰めるニナにヨハンは「今日は特別さ…」と答える。
「だって今日は…怪物がやってきたんだ…」そういってヨハンはニナに自分の持っていた銃を持たせ
自分の額を指差し、ここを撃つように指示する。そして撃った後は銃の指紋をふき取り窓から投げ捨て
怪物につかまらないよう逃げろとも言った。
「大丈夫…僕が死んでも……君は僕で……僕は君……」
そしてニナは引き金を引いたのだった。

11 :MONSTER−18 :04/05/03 23:27 ID:???
ヨハンが赤バラの屋敷の例の部屋にやってきた。そして母親の肖像画の前に立ち
まるで母親に話しかけるように喋り出した。
「全ての記憶が繋がった」「やっと会えたね…僕だよ、母さん…」
「やっとわかったよ…僕らがどこから来て…どこへ行くのか…」
そしてヨハンは屋敷に火をつけ、ふたたびどこかへ消えてしまう。屋敷は炎に包まれていった。

置き手紙にしたがって赤バラの屋敷にやってきたテンマだったが、屋敷は全焼し警察がやってきていた。
そこにヴォルフ将軍(No.5参照)の部下が現れ、テンマを将軍の入院している病院へ連れて行った。
テンマが再び出会ったヴォルフ将軍はすっかり老衰していた。彼もまたヨハンに手紙で呼び出されたと言う。
将軍の周囲の人物は次々とヨハンに殺され、ついには自分を自分と知っているのは
ヨハンだけになってしまっていた。将軍はヨハンに名前を奪われたのだと話す。
そして燃え落ちた屋敷からは、自分と同じように名前を奪われた者達が白日の下に現れるだろうと話した。
1981年あの屋敷ではある実験が行われていて、そして46人の人間が姿を消した。
おそらくあそこであの子供が生まれたのだと話した。

チェコの国境付近、草木も枯れた見渡す限りの荒野を飢えて弱りきった幼い双子が歩いていた。
やがてニナは倒れてしまう。「お兄ちゃん…名前を…呼んで……」ボロボロになったニナがそう言うが
ヨハンは「僕たちには……名前がないんだよ」と答える。
強く吹き付ける風の中でついに二人が動かなくなった。
そこへ若き日のヴォルフ将軍が通りかかり双子を保護する。ヴォルフ将軍は二人が持っていた荷物の中にあった「なまえのないかいぶつ」の中にあった『ヨハン』という名前を見て、少年にその名をつけたのだった。

「私が名前がつけなければ…彼はあのまま死んでいたかもしれない…」
過去を思い出しながらヴォルフ将軍はつぶやいた。

12 :MONSTER−19 :04/05/03 23:30 ID:???
その後将軍は、自分達の組織のとある人間がエヴァを保護していて
組織は彼女を利用しようとしていると話した。
(組織の人間は将軍の意に反してヨハンを自分たちのリーダーにしようと目論んでいる。)
将軍は最後にテンマに「名前を呼んでくれ」と頼む。テンマは将軍の名前を何度も呼ぶが
将軍の目には、あの日双子たちが歩いていた何もない荒野が映っていた。
「これが…ヨハンの見た風景か……名前のない世界だ……」
そう言って、ヴォルフ将軍は静かに息を引き取った。

火事のあと、再び屋敷を見に来たニナ、ディーター、リプスキーの三人だったが
すでに門には警察により鍵かかけられ、立ち入り禁止となっていた。
将軍の言ったとおり、屋敷の敷地内からは大量の白骨化した死体が発掘されていたのだ。
それによって最初にここに来たときにニナが見た幻影は本当に起こっていた事だと証明された。
そしてそれはヨハンから聞いたことだった。もしその場所にいたのがヨハンでなく自分だったら
怪物になっていたのは自分だったのかもしれないとニナはおびえる。
リプスキーもボナパルタにとって優秀な生徒になれなかった悲しみを語った。
しかし不思議と大切に思っていたはずの屋敷がなくなっても、何とも思わないと話した。
その後リプスキーによって元気付けられたニナはディーターと共に旅立っていくのだった。

二人が去っていった後、リプスキーの家の扉を誰かが叩いた。
リプスキーはニナが戻ってきたと思い扉を開けるが、そこに立っていたのはルンゲ警部だった。
「捜しましたよ、リプスキーさん。あなた、赤いバラの屋敷の主、フランツ・ボナパルタの息子さんですね?」
ルンゲはリプスキーにそう話しかけた。

13 :MONSTER−20 :04/05/03 23:31 ID:???
フランクフルトの街を飛ばしながら走る車の中に
腹を血に染めて今にも死にそうなマルティンという男がいた。
マルティンは心の中で「あんな仕事を引き受けるんじゃなかった」などと不平を言いながら、
運転手にテンマの元へ急ぐよう頼んだ。息も絶え絶えに彼はつぶやく。
「本物の怪物の話を……早く知らせなくちゃ……Dr.テンマに……」

その2ヶ月前
マルティンは「赤ん坊」に連れられある人物の元にやってきた。その人物からエヴァを迎えに行き
しばらく彼女の身の回りの世話をするよう指示される。言われたとおりエヴァをホテルまで迎えに行くと
彼女は丁度ロベルトの陰におびえていて(No.16の時の話)ヤツに殺されるくらいならと
マルティンについて行く事に決める。
エヴァの食事に付き合っていたマルティンは、エヴァが元恋人を殺したいほど憎んでいると話すと
自分は10年ほど前彼女が他の男とベッドの上にいるのを目撃し、二人とも撃ち殺してしまったと話した。
その後マルティンは指示を下した男の下へエヴァを連れて行く。
話を終えたエヴァは、与えられた金をつかって着飾り
いくつかのパーティーに出席するよう依頼されたのだと話した。
マルティンもエヴァの護衛のためパーティーについて行くが、彼女は早々と引き上げてしまう。
彼女は手を震わせながら「このパーティーにはいなかったわ」と言う。
そしてその帰途でエヴァは、この仕事が終わったら自分は殺されるのだと話し涙を浮かべる。
そんなエヴァを見て、マルティンは彼女を守ってやりたいと思うのだった。

マルティンのなじみの店にテンマが現れた。店主はここ最近マルティンの事を嗅ぎまわっていると言う。
マルティンがテンマに話しかけると、テンマはエヴァになにをさせるつもりだと聞く。
しかしマルティンは話をする暇も与えずテンマをボコボコにし、店から追い出してしまった。