ママは小学4年生/中森衣都
273 名前:ママは小学4年生[sage] 投稿日:2005/04/28(木) 23:23:30 ID:???
『水木なつみ』は小学4年生。父親の転勤でロンドンに引っ越すことになっていました。
明日出発という日の放課後、雷と共に赤ちゃんが降ってきました。
一緒に降ってきた通信コンパクト(ひみつのアッコちゃんのコンパクトみたいな形)によると、母親は15年後の2007年のなつみで赤ちゃんはなつみの子だと言います。
15年後のなつみによるとカミナリが落ちたショックで出来た空間のひずみに赤ちゃんが落ちてタイムスリップを起こしたようです。
信じられないなつみでしたが、コンパクトの声の主が現在のなつみの秘密などを次々に当て、
さらに赤ちゃんの髪飾りは去年なつみが作った七宝焼きだったことから信じることにします。
2007年のなつみは連れ戻す方法が分かるまで1992年のなつみに赤ちゃんのことを頼むと
通信コンパクトはバッテリー切れで通じなくなりました。
なつみと両親がロンドンに行っている間、留守番にきた『いづみおばさん』は未来からきた赤ちゃんなんて警察に連れて行けないのでなつみに面倒をみるようにいいます。
なつみは未来から来た赤ちゃんに『みらい』と名付け
みらいが元の時代に帰れるまで3人で暮らすことになりました。

274 名前:ママは小学4年生[sage] 投稿日:2005/04/28(木) 23:25:06 ID:???
なつみは小4で子持ちなんて不良〜と思われると思い
クラスメイトにはみらいのことを隠します。
が、クラスメイトの『山口大介』にバレてしまいます。
大介はなつみが何か秘密にしていることがあると気づいて
クラスメイトと大勢で家に押しかけてきたのです。
みらいを隠さなきゃ!と慌てるなつみでしたがみらいは2階の窓から落ちてしまいました。
途中で木に引っ掛かったみらいを助けていると
家を抜け出した大介となつみの片思い相手でクラス委員の『深沢龍一』くんがやってきてみらいが見つかってしまいました。
焦るなつみでしたが、龍一くんは親戚の子を預かってると勝手に思い込み
一人で納得してしまいます。
なつみは二人にこのことを秘密にするように頼むのですが
あっさり了承した龍一くんと違い大介は秘密を握ったと意地悪そうに笑うのでした。

275 名前:ママは小学4年生[sage] 投稿日:2005/04/28(木) 23:26:25 ID:???
キャンプの日、なつみは「友達の家の子で親は旅行、友達は盲腸で自分が預かってる」
と嘘をつきみらいを父方の祖母に預けることにしました。
みらいは具合が悪くぐったりとしていましたが、浮かれているなつみは全く気づきませんでした。
キャンプ場に着くと龍一くんに母親が無事に着いたかと携帯に電話をかけてきます。
過保護だと呆れる大介でしたが、大介も母親に傷薬や胃薬など沢山薬を持たされていました。
他のクラスメイトもドテラやマフラーを持たされていたり、水や遭難した時用にチョコレートなどを持たされていてどこも似たようなものねとなつみは思いました。
そんな時あの通信コンパクトから音がします。
また喋り出すかもとずっと持ち歩いていたのでした。
コンパクトには苦しそうなみらいが写っていました。
おばあちゃんの家に電話をしても誰も出ず心配になったなつみは急いでおばあちゃんの家へ向かいます。
近所の人から病院に行ったと聞いたなつみは朝から様子がおかしかったのに気づかなかった自分を責めて病院へ向かって走りました。
どうしよう あたしのせいでみらいが死んじゃったら
クラスメイトの母親達を思い出し、ママっていのちをあずかってるからあんなに心配性だったんだ・・・
あたしなんかママの資格ないー!!と泣いているとおばあちゃんとみらいの乗ったバスが通りかかりました。
みらいはちょっと熱が出ただけでもう元気になっていました。
落ち込むなつみに甘えるみらいを見てなつみちゃんはいいママになるねとおばあちゃんは言うのでした。

276 名前:ママは小学4年生[sage] 投稿日:2005/04/28(木) 23:28:05 ID:???
夏休み、なつみはみらいも連れて学校行事で禅寺に来ていました。
なつみをからかう大介と言い争ってるうちに板を踏み抜いて古井戸に落ちてしまいます。
井戸には横穴があり進んでいくと古いツボが祭ってありました。
そこに宝さがしに来て道に迷ったという小父さんが現れました。
小父さんはこのツボは聖徳太子がかくれんぼをしたという由緒ある品だと言います。
帰り道を教えてくれという小父さんでしたが
道はたくさんありなつみ達も迷ってしまいました。
数時間後お腹がすいたなつみは、
ママなのに赤ちゃんにひもじい思いさせちゃうなんて
としゅんとしていました。
そんななつみを見て大介は
「気をつけろ〜みらい。ゆだんしてるとなつみに食われるぞっ」
とからかうのでした。
そんな時天井に穴が開いているのを発見します。
途中のでっぱりを支店にして縄の両端にツボと岩をくっつけて
岩をがけ下になげてツボをでっぱりまであげようと大介は提案します。
なつみとみらいがツボに入ってでっぱりまであがって叫べいう大介に
わしの宝物のツボを返せと小父さんは怒りますが、
なつみの宝物と比べられるわけがないと言う大介に
本当はすごくやさしい・・・?と戸惑うなつみでした。
上がる途中、ツボにひびが入りみらいは大声で泣き出してしまいます。
けれどその声を聞いてかけてけたクラスメイトによって助けられたのでした。
翌日、大介は「こいつときたら泣くわ、わめくわ、ハナミズたらすは
しまいにはオシッコ・・・・・・」とあることないこといいふらすのでした。

277 名前:ママは小学4年生[sage] 投稿日:2005/04/28(木) 23:29:14 ID:???
ある日の朝、コンパクトからみらいを戻す方法が見つかったと
2007年のなつみから連絡が入りました。
みらいがいなくなっちゃうなんて考えられない!!とコンパクトを机の奥にしまい込み、
返すことを考えないようにするなつみでした。
が、みらいが子どもを亡くした女の人に連れ去られてしまいます。
クラスメイトも手伝いみんなで探しますが全くみつかりません。
心配で何ものどを通らないと言うなつみに
「―――なんだかなつみくんって みらいちゃんのホントのママみたいだねえ」と
龍一くんはいいます。
なつみはその言葉を聞いて、
実際にみらいを産んだ15年後のあたしはずっとこんな思いをしてたんだと気づき
自分のしたことを反省するのでした。
「早くみらいを見つけなくっちゃ!!」
そして・・・かえしてあげなきゃ本当のパパとママのところへ・・・・・・!!
なつみは走り出しました。
するとずっと遠くでみらいが泣いているのがなつみにだけ分かりました。
クラスメイトはなつみを追っていきましたが見失ってしまいます。
すると今度は大介にも聞こえました。
やっと見つけたみらいはぐずって泣いていました。
返さないというおばさんでしたが
迎えに来たなつみを見て顔をぐちゃぐちゃにして喜ぶみらいに
おばさんはあきらめて返すのでした。

278 名前:ママは小学4年生[sage] 投稿日:2005/04/28(木) 23:31:11 ID:???
12月24日・・・みらいを返す日がやってきました。
2007年のなつみによれば赤ちゃんがタイムスリップする原因となった異常現象が
1992年の12月24日午後8時に再びおこるので
その時生じるはずのワープ空間に赤ちゃんを入れれば
2007年に戻ってこれるというのです。
みらいの荷物をまとめるなつみは、
みらいがいなくなったら砂場のおどうぐセットもおフロのアヒルも
ねる前の絵本もみんないらなくなっちゃうんだ・・・と別れを実感し寂しくなります。
時間までふたりっきりでクリスマスパーティーをしてすごしていると
雷がなり空間の穴が現れました。
泣きながら穴にみらいを入れるなつみでしたがその時、「ママ!!」となつみを呼ぶみらいに
行かないでとなつみも穴に入ってしまいます。
うっすらと15年後のなつみと夫らしい男の人が見えました。
男の人は左耳にピアスをしていました。
その時、なつみを心配して様子を見に来た大介に呼ばれなつみは穴から落ちてしまいます。
みらいが行っちゃったと泣くなつみに、
みらいにはパパとママを、みらいの親には赤ちゃんをプレゼントしたサンタクロース
と言ってなぐさめる大介の左耳にピアスがあることになつみは気が付きます。
が、今はいろいろ知るよりもあたしの未来にはみらいがいる。15年後にまた会おうねと
なつみは思うのでした。終わり

279 名前:特別編 ママ大好き![sage] 投稿日:2005/04/28(木) 23:33:34 ID:???
みらいは小学四年生。弟で赤ちゃんの太介を放り投げて遊ばせていると
ママに赤ちゃんはオモチャじゃないと叱られ、
あたしも太介も楽しんでたのに怒るなんて・・・子ども嫌いのママなんて大っキライ!!と
家を飛び出してしまいます。
気が付くといつもの公園がいつもと違っていました。
すると、突然太介が泣き出してしまいます。
さっきの様に振り回したり放り投げてあやしても余計に酷くなるばかりで
一向に泣き止みません。
困っていると、みらいと同じくらいの歳の女の子がやってきて
赤ちゃんはオモチャじゃないのよとママと同じことをいいます。
ムッとするみらいでしたが女の子は手際よくオムツを取り替えて
太介をごきげんにさせてくれました。
赤ちゃんのお世話グッズを持ってるなんて?と不思議に思い尋ねると
「うん・・・こないだまでうちにも赤ちゃんがいたものから
なんとなく手放すのがつらくて
奇跡でもおこってまた会えないかなって・・・
毎日毎日そんなことばかり考えちゃう」と女の子はいいます。
そんなに大好きだったの?と聞くみらいに
「でもいつまでもこんなじゃいけないよね。前向きになんなきゃ!
今度あの子と会うときまでに立派なオトナになれないもんね!」と女の子はいいます。
みらいは初めて会ったときから女の子が懐かしい感じがしていましたが、間違いない!
このコと会ったことあると確信しました。

280 名前:特別編 ママ大好き![sage] 投稿日:2005/04/28(木) 23:34:14 ID:???
これあげるとお世話グッズをくれた女の子の名札を見ると
「4−1 水木なつみ」と書いてありました。
ママと同じ名前!?偶然!?
ママが小4の頃タイムスリップしてきたみらいの面倒をみてたといづみおばさんに
聞いたことがあったみらいは女の子に赤ちゃんの名前を尋ねようとします。
その時、「みらいっ!?」男の子がやって来ました。
「おっ、おいなつみ!! みらいはこないだ未来に帰ったはずじゃ・・・」
みらいをなつみ、太介をみらいと間違えたのです。
二人は水木なつみ、山口大介と自己紹介しました。
みらいはきっとママがあたしを呼びよせちゃったんだ。
こんな奇跡をおこしちゃうほどあたしのことを愛して―――
とママの気持ちが分かりました。
「ママあ!!」みらいがなつみに向かって走りだすと、声が聞こえました。
「みらいっ!!」後にはママがいました。
もうさっきの二人はいませんでした。「さっきはゴメンなさいママ!!」終わり