Landreaall/惣領冬実
436 :Landreaall その1 :04/03/14 23:37 ID:???
舞台はエカリープという歌う樹が護る街で、その樹には歌を捜して旅をする洞(本当の字は同から棒を取ったもの)詠士のマリオンの魂が
魔の山の火竜を封じるために宿っている。
そして、主人公のディクスン(作中ではDXと呼ばれてる)の両親は魔の山の火竜を退治したと言う噂があるが、両親はその事について多くを語らない。
ちなみにDXの父親はエカリープの領主である。

ある日、DXは自分の部屋で手紙を読んでいると妹のイオンに父親がお見合いのことで呼んでいるということで呼ばれたが、DXはいないという事にして逃げた。
そして外に出てDXは護衛の六甲に倉からマリオンの琵琶を盗んでくるように頼んだ。
その日の夜ロッコーは頼まれた通りに盗んだが、部屋の窓からイオンが落ちてしまったので六甲がイオンを助けたら
イオンが悲鳴を上げて母親が剣を持ってすっ飛んできたため盗みがばれてしまった。
次の日の朝、DXは六甲と待ち合わせをしていたが、待ち合わせ場所には六甲ではなくイオンが来た。
イオンはDXを問い詰めた。そして、DXはぼろを出してしまいDXが盗みの真犯人だとばれてしまった。
その後、父親になぜマリオンの琵琶を持ち出したのかと聞かれてDXはマリオンに琵琶を返そうと思い、
そして琵琶があればマリオンがもっと人間に近くなるんじゃないかと思ってやったと言った。
しかし、持ち出したマリオンの琵琶は復元したもので本物ではないとの事だった。
それでもDXはイオン、両親と共に歌う樹のもとへ行きマリオンに琵琶を返したが、やっぱり本物ではないとばれてしまった。
そしてDXはマリオンに「好きだ」と言った。その場にいるイオンと両親は目が点になった。
しかしマリオンは泣いている。その理由ははDXがマリオンを愛したために、マリオンの魂が人に近くなり火竜を封じた歌が弱まっているからである。
そして、火竜が目覚めると街が大変なことになってしまうのでマリオンは火竜を封じるために眠ると言った。
しかしDXは眠ろうとするマリオンに「きっと君を呼ぶ」と叫びマリオンを呼び戻すことを誓った。
そして、マリオンを呼び戻すための手がかりをバチカン公国で捜すためにDX、イオン、六甲は旅立った。

437 :Landreaall その2 :04/03/14 23:40 ID:???
バチカン公国へ向かう道中イオンは1匹の猫を見つけた。その時1人の女(アン)が現れた。
そしてイオンが見つけた猫はアンのものだった。そして、アンはエカリープに向かう途中、野盗に襲われその時にアンの護衛が怪我をしてしまったので
アンが囮になって護衛たちを逃がしたため一人になってしまい、その上アンの大事なものを野盗に盗られてしまったので一旦西交易街に向かうとの事だった。
DX達3人もちょうど西交易街に向かうのでアンと一緒に行くことにした。
その時一行は野盗の襲撃を受けたがDX達3人は野党を蹴散らした。そして、野盗に奪われたアンの大切なものも取り返した。
アンの大切なものは武器であり、呪文を詠唱することで猫を召喚するものであった。アンの召喚した巨大な猫に恐れをなした野盗たちは尻尾を巻いて逃げていった。
一行はしばらく行ったところでアンと別れた。そして、エカリープに着いたアン(アンがエカリープに行く目的はDXとのお見合いのためだった)はDXの父親から
DXが既にバチカンへ旅に出たことを知らされる。そこで写真を見ると途中まで一緒に旅をしていたのがDXだと分かりショックを受け、バチカンへとんぼ帰りをした。

439 :Landreaall その3 :04/03/14 23:43 ID:???
一方、DXとイオンはバチカン市街の地図を買い求めた。そして、DXは地図屋の親父にアトルニアの外交官は公宮にいるのかと聞いた。
すると地図屋の親父はアトルニアの外交官は主国兵とトラブルを起こし謹慎中だとのこと。そして、窓口には代理人がいるが話は通じるかどうか分からないとも言った。
(DX達の住むエカリープはアトルニア王国の一部である。また、バチカン公国はパンテルイモノス王国の一部で、この王国は6つの公国と1つの主国からなっている。)
その情報を聞き出すとDXとイオンは店を出て町に繰り出した。そして偵察に行った六甲も戻ってきた。
六甲の報告も終わったとき街の市場でイオンが主国兵(主国から派遣された兵士)をのしていた。
イオンは主国兵が身体に触ろうとしたと言ってるが主国兵はかんかんに怒っていた。
そこでDXが主国兵の一人に皮肉を言ったことで主国兵がキレてDX達は主国兵と一騒動起こすこととなった。
DX達が主国兵を蹴散らした後、DXは日没に地図屋の裏で落ち合うと約束し六甲をイオンの護衛にさせ、イオンと別れて逃げた。
日没後、イオンと六甲は地図屋の裏に行った。するとそこにはバチカン公の女官長がいてDXは既に公宮にいるとの事だった。そしてイオン達も公宮へ行った。
公宮でDXとイオンはバチカンの公主ウールンと面会した。イオンは昼間の事でウールンに噛み付くが、
DXはイオンに「思ったことと反対のことを言うのが外交ってもんだ」と言ってなだめた。
しかし、DXがウールンに対し軽口を叩いたことでウールンの近衛兵が2人に襲い掛かるがウールンは「やめい!」と言って近衛兵を一喝した。
そして、ウールンはDXとイオンを昼間のことの侘びのしるしと言うことで次の日の夕食会に招いた。
その頃アンはもう少しでバチカンという所までたどり着いていた。

440 :Landreaall その4 :04/03/14 23:45 ID:???
次の日、バチカンに着いたアンはDXを捜しに外交庁へ向かったが外交官代理は全く話にならなかったので外交庁を出て行った。
外交庁を出て行ったとき門番が外交官の自宅に行ったらいいと言った。アンは外交官の自宅に行くことにし、
何か怪しいと思ったアンは猫を召喚してバチカンの内情を調べさせた。
一方夕食会に招かれたDX(ちなみにイオンは着替え中)はウールンにバチカンの聖峰にいる神竜に会う許しを得ようとした。
しかし、ウールンはDXが神竜に会うのを許さなかった。そして2人は色々と話していると着替えを終えたイオンがやって来た。
そこで2人の会話は終わり、夕食会はつつがなく行われたのだった。
その頃アンは外交官の自宅へ行きDX達に会ったかどうかを聞いた。しかし、外交官は会っていないとの事だった。
しかし、外交官はアトルニア人の女性が誘拐されそうになり、その犯人を主国兵が取り逃したとの事。
また、外交官が思うに公国内部で賊とつながってるものがいるのではないかと。そのことを聞いた後、アンはついでに外交官の家で宿泊した。

そして、料理を食べ疲れた外に出たイオンは庭を散歩中、何者かに誘拐されてしまった。

441 :Landreaall その5 :04/03/14 23:46 ID:???
イオンが帰ってこないことを不審に感じたDXと六甲は公宮を捜し始めていた。そして、DXは六甲に公宮内を捜すように言い、六甲は捜しに行った。
一方、イオンがさらわれたことはウールンにも伝わり、大騒ぎとなった。
また、外交官の家に泊まったアンのもとに昨日放した猫が戻ってきた。アンが呪文を詠唱すると外交庁での会話が聞こえてきた。
その会話はイオンの誘拐についての会話であった。これを聞いたアンは外交官代理を問い詰めた。
すると外交官代理は四十団長(おそらく主国兵の隊長のこと)がイオンを誘拐したとしゃべった。

公宮内ではウールンが風水師の力でイオンを捜していた。そして、イオンの居場所が分かった。イオンは聖峰の洞窟内にいるとの事だった。
その時、公宮にアンがやって来た。自己紹介の後、アンは前にイオンが触った猫がイオンのにおいをたどれるとの事。
そこでDXは六甲に猫を託し、先に行けと命じた。そして、DXとアンはほかの猫を使って六甲に託した猫の匂いを追いに行こうとした。
公宮の前では主国兵と近衛兵がもめていた。そこでDXは人だかりの中に潜り込み主国兵と近衛兵の乱闘騒ぎをけしかけ、そのどさくさにまぎれてアンをまいてしまった。
その頃、六甲はイオンの救出に成功した。そして、六甲とイオンはDXと合流した。
DXは「じゃあ行くぞ」と六甲とイオンに言って、イオン捜索の時のどさくさにまぎれて場所を聞いた神竜の祭壇へ向かった。

442 :Landreaall その6 :04/03/14 23:49 ID:???
3人は祭壇に到着した。その時ウールンも祭壇を訪れた。そして、イオンを祭壇の中央に招き神竜の降臨の儀式を行うといった。
降臨の儀式を行うためには処女を生贄にしなくてはならないとウールンは言った。
DX「他に方法は無いんですか」
ウールン「処女なくして降臨はかなわぬ」
DX「…やってみてもいいけど多分無理です。イオンは処女でないので」
ウールン「イオン姫!まことか!!どこの誰とちっ契ったというのじゃ。身分ある姫が約束をかわしたとあらば恥じる相手であるわけがない!」
DXがイオンは処女ではないと言ったのは真っ赤なウソである。そして、苦し紛れにイオンは「お兄ちゃんです…」と言った。
しかし、処女が必要だというのはウールンがついたウソであった。本当は処女は必要ないとのこと。
イオン「お兄!!恥のかき損よ私たち」
DX「イオン…だまされっぷりをばらして喜ばせることはない」

そして、ウールンは神竜を降臨させた。DXは神竜にたずねた。「狂った火竜から人の魂を解放する方法を」と。
神竜はDXに「均衡に立ち向かう勇気があるか」。それにDXは答える。
「マリオンを助ける。火竜を必要なら倒す」「絶対にマリオンを助ける」
DXの決意を聞いた神竜はDXに剣を授けた。そして、この剣で火竜の逆鱗に触れればマリオンの魂は正しい流れに導かれるだろうと言った。
そして、マリオンの魂は解放と選択を得るだろうと。

443 :Landreaall その7 :04/03/14 23:50 ID:???
DX達は無事に聖峰から戻り、ウールンなどに挨拶をしてバチカンを発った。
エカリープに戻って、DXとイオンがガチンコ勝負をしたり、火竜退治の準備などをした。
そして、DX、イオン、六甲は火竜退治に出発した。

3人は歌う樹のもとへ到着した。
DX「マリオン、迎えに来た」
マリオン「呼ばないで…火竜が目覚める」
DX「大丈夫。俺は君の望みを知っていいる…多分ね」
マリオン「だめ。止められ…ないわ。DX…ごめんなさい」
そして火竜が目覚めた。3人は火竜に向かって突進する。火竜の攻撃をかわしDXは逆鱗に触れようとする。
しかし、朽ちている火竜が崩れてDXは巻き込まれる。そして六甲はDXを助けに行き、イオンは大泣きしていた。

444 :Landreaall その8 :04/03/14 23:52 ID:???
火竜に巻き込まれたDXは何とか剣を支えに潰されるのをまぬがれていた。しかし、火竜の重みで潰されかかっていた。
その時六甲の「DX様!」の声に火竜が反応して動いたために空間が広くなった。その隙にDXは逆鱗に触れることに成功した。
逆鱗に触れると神竜の力によって光と共に竜が崩れていった。そして、六甲はDXを助けに来た。
しかし、DXは光に包まれて19年前のマリオンの故郷に飛ばされてしまった。そして、少しDXが歩いていくとパン屋の前にマリオンがいた。
DX「いい匂いだね」「きっと今でも君のために美味しいパンを焼いてるよ」
マリオン「DX、私が歌を見つけて帰るまで待ってるって言ってくれたの」
DX「帰ろ。マリオン」
DXとマリオンは光と共に元いた所へ戻ってきた。そして、火竜が本当の姿を現しそして言った。
マリオンの魂は元いた所に戻ることも可能であると。
DX「好きだなんてさ本当だけど…君の望みを知ってる」
マリオンはごめんなさいと言って19年前のマリオンの故郷に戻っていった。
DXはイオンたちに言った「ふられた」と。
そして火竜はこれより2000年あらゆる悪意からエカリープの地を守ることを誓い眠りについた。

その後DXは火竜との戦いで受けた傷の影響で熱を出した。
熱が下がった後、DXはマリオンからの感謝の手紙(一番最初にDXが読んでいた手紙)を焼き捨てた。
この手紙はDXが六甲に琵琶を盗んでくるように頼んだ日に届いたものであった。しかし本当は予定よりも早く着いていたのであった。

そして、DXとイオン(六甲も護衛で)は王立学校で学ぶために王都へ旅立っていった。

445 :マロン名無しさん :04/03/14 23:56 ID:???
以上がLandreaallの単行本3巻プラス手元にあったゼロサムの1話分です。
分かりにくい所があるかもしれませんがご容赦を。
446 :マロン名無しさん :04/03/14 23:57 ID:???
つまり、DXって人は最初からふられることを知っていながらも
好きな人のために頑張っていたのだった、ってオチなのかな?

447 :マロン名無しさん :04/03/15 00:02 ID:???
>>446
まあ、そんなところです。

625 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 00:59:20 ID:???
1〜3巻の内容を書いた方とは別の人間ですが続き補完していきます。
わかりにくいところがあれば言ってください。

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主な登場人物
DX、イオン、六甲は1〜3巻の内容を参照、ちなみにDXは王位4位継承候補。

フィル(フィリップ・グレイ) 外周長屋(フィリッジエリア、いわゆる貧民層)出の奨学生。
リド(竜胆・濤、りんどう・とう) DXのルームメイトでウルファネアからの留学生。
五十四(いつよ) リドの護衛、女忍者。小さいのに大きい。
ライナス・カディス 王国屈指の大商家カディス家の息子。野心家。やけにDXにつっかかる。
ルーディー・サレー ライナスのルームメイトで従兄弟。女好き。DXを嫌っている?
ティ・ティ 王位16位継承候補。フィルとは表向き「貴族のお気に入り」関係。デブキャラ。
カイル・タリーズ 正規軍の訓練に参加したこともあるエリート騎士候補。女子にもてる。

その他
・アカデミー フォーメリー・ロイヤル・スクールの通称。アルトニア王国が騎士と聖職者
育成目的で建設した王国最大の学校。DXとイオンは高等部に編入する。
フィル、ティ・ティは中等部から、ライナスとルーディーは初等部からいる。

・カディス家 もとは王宮出入りの馬商だが、先代当主が戦争に異議を唱え王の不興を
買うと危機を感じとり一族総出でパディウス王国に出奔、商売を成功させる。
終戦後帰国し経済的に多大な貢献をした。

・サレー家 宝飾職人の名門。カディス家が馬商だった頃の専属馬具職人の家柄で、
カディス家が貿易で成功したときに宝飾を手がけて成功した。貴族の子女憧れの銘柄。

・ウルファネア バチカン公国よりもさらに西にある国

626 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 01:02:13 ID:???
王都へ出てきたDX、イオン、六甲の3人はアカデミーへ向かう途中
スリ騒動に出くわし、たまたま外に出ていたフィルと知り合う。
フィルの案内で着いたアカデミーで3人を待っていたのはR・ケリーという
厳しい寮監。全寮制のアカデミーではDX、イオンは別行動となる(昼食は一緒)。
DXと六甲は自室でリドとその護衛である五十四と顔を合わせた。
五十四は本格的な忍者で身体が小さいが胸が大きい。
本来六甲は女子寮に、五十四は男子寮には入ってはいけない。
「竜殺し」「高位継承権持ち」などの噂で生徒の話題の的となる、
典型的貴族マクディのグループに「仲良くやろう」などと絡まれるなど、DXは
初日から学校生活に疲れを見せていた。
しかしその晩、男子寮のホールで「天馬の夢羽(ペガサスホワイト)」と名のつく
枕投げの洗礼を受けたDXは、そのように騒ぐことも楽しいかもしれないと思い始める。
また「竜殺し」の噂もその場ではっきりと否定し、やはり絡んでくるマクディ達に
「友達は選ぶ」と言い切る。
フィルは1番目の友達、2番目はリド、他はまだわからないがマクディ達は最後だろう、と。
ホールからリドとともに自室に戻る途中、隣室のライナスが廊下でDXを待ち伏せていた。
ライナスはDXが右腕に竜創を持つことなど、噂ではないあらかたの真実を知っていて
つっかかる。
その場ではルーディーが巡回が来たと注意を促しそれぞれの部屋に落ち着いた。
一方イオンの方は同室のソニア、チルダを初めとして初日からうまくいっている。

627 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 01:05:08 ID:???
DXは剣術の授業に参加する。
講師は正規軍より派遣された、DXの父親を尊敬する教育熱心で厳しいゼクスレン。
父の存在により剣の腕を周囲から期待されるDXは、エリート騎士候補である
カイルと手合わせをするよう言われる。
実力を測るため、のものだったが、DXはあっという間にカイルを地面に倒してしまう。
しかしそれは正規軍の剣の型ではなかった。
DXは父親に正規の型を教えられてはいないのだ。
ゼクスレンは自身でDXと手合わせをして、DXの剣の形をすべてを攻撃に連ねるものと
見極める。そうして「すぐに追いつく」と、正規軍の剣の基本の型からを学ばせるようにした。
DXは自分は剣を操るにまだまだ未熟だと自覚する。
イオンは裁縫や礼儀作法といった授業にテンションを低くしつつ、ウールンに手紙を出すなどと
アカデミーでの日々を楽しむ。また、2人は体がなまるという理由で隠れて鍛錬もしていた。

ある日、フィルやティ・ティ、ルーディー、ライナスは補習授業へ急ぐイオンが廊下でカイルと
ぶつかる場面を目撃する。
カイルに「かわいい」と言われ、イオンはカイルを好きになった。チルダやソニアの協力もあり、
イオンはカイルと親しくなっていく。
その一方でフィル達はその経過を隠れ見て慌てたり面白がったりしていた。
DXはと言うと、イオン本人の口から「カイルに恋をしている」と聞かされて大きなショックを受ける。
ティ・ティの双子の妹トリクシー(女子監督生)から「女子ネットワーク」ではカイルはイオンを
気に入っているともっぱらの噂だと聞かされ追い討ちもかけられた。

628 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 01:08:08 ID:???
護衛官用の練習場でいつものようにDX達が鍛錬をしている時、ノアルドという
カディス家の護衛官でライナスとルーディーのお目付役の男がやってきた。
彼の話でDXはカディス家について詳しく知る。

授業を終えてDXと六甲の2人は廊下を歩きながら、階下をカイルが不審な挙動で
歩いていくのを見つける。気になった2人はこっそりと後をつけ、カイルがマクディと話すのを
聞いた。
マクディは口でもっともらしいことを言いながら、カイルにわざとイオンと親しくさせ、
頃合を見てふらせようとしていたのだった。
その会話の内容に六甲は怒りを覚えるが、それ以上にDXは怒っていた。

DXはティ・ティに試合の基本の型を今すぐに教えて欲しいと頼む。
そして剣術の授業、DXはティ・ティに基本の型を習ったので実力を見て欲しいとゼクスレンに
言う。その際、相手を初めの授業で打ち合ったカイルにしてほしい、とも。
DXの技術は基礎とはいえカイルが「初心者とは思えない」と言うほど上達していた。
打ち合いながら、DXは少しずつ力を強くしていく。と、その強さにカイルの剣が手を離れ
マクディの傍に飛んで突き刺さった。
「もう1度」とDXはカイルに打ち合いを申し込む。徐々にペースを上げながら、DXはカイルの
体の向きまでも誘導していく。再びカイルの剣が宙を舞ってマクディの傍に突き刺さった。
様子を見極めるゼクスレンはすでにDXがそう誘導していることに気づいている。またそれは
ライナスも同じだった。
3度目、カイルの剣がDXによってはじき飛ばされた。剣の飛ぶ先はもちろんマクディの元。
違うのはDXの行動だった。DXは心臓を狙ってカイルを地面に倒すと、真剣な顔でカイルに
告げた。「結果はどうあれ、妹には相応の敬意を払ってくれ」と。
DXはゼクスレンに自分は戦うためじゃない剣を持つのはまだ未熟、と言いそのまま授業を
ボイコットした。

629 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 01:11:47 ID:???
ティ・ティはDXの行動の理由を知っていた。カイルがマクディに利用されていること、
DXはそれをイオンに知られたくないこと、またフィルについても気にしていること。
だから王位継承権を持つDXやティ・ティのような立場なら使うことのできる「楽な方法」を
使わないことも。
剣術の授業の後、ティ・ティはカイルに言う。自分達は将来軍を率いるであろうカイルを頼る
立場にある、自覚無く利用されないでくれ、と。
カイルは自分が利用されていることを悟り、またイオンを騙していたことにうなだれ、
深く後悔する。後にカイルはイオンと話し、結果的にイオンはふられてしまった。
その一方で、ライナスとルーディーがマクディに接触していた。
ライナスはマクディにDXから手を引けと言う。ライナスは誰の味方でもないが、マクディの
やり方は気に入らなかった。2人はマクディの父親が愛人にいれこんでサレーの宝飾のため
つぎ込んだ金額を示し、脅すような形でマクディをおとなしくさせる。
フィルは結局ティ・ティを通してDXの行動の理由を知り、DXが自分に黙っていたことを
問い詰めた。
フィルのこととDXのことは関係がないからつまらないことはするな、と。
見下されているのは慣れているとも言うフィルに、DXは見下されるのになど慣れるなと言う。
その時は一緒に怒ってやるから、と。その言葉にフィルは顔を赤くして逃げ出した。
とともに隠れて聞いていたティ・ティが笑いながら出てくる。
DXは疲れた顔で、やっぱり学校は自分に向いてない、と呟く・・・。
自室に戻ったDXはリドに、カイルも含め守るべき名誉をすべて守ったことを褒められる。
しかしDXはつまらないことをしたかもしれないと呟いた。それにリドは意外そうな顔をする。
DXにとっては火竜と戦ったことくらいがたいしたことで、友人や妹のために怒るのは
それよりもつまらないと思うのか、と。
そうは思わない、というリドの言葉に、DXはリドがいてよかったと感謝の言葉を言った。

631 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 22:12:01 ID:???
Landreaallの続きいきます


+登場人物
レイ・サーク 中等部・高等部の生徒の相談役(チューター)で官僚候補生。
アン(アニューラス・バラライカ) DXが見合い相手と思った人。レイとは腐れ縁。

その他
・玉階(ぎょくかい、キングメーカー) 円卓に並ぶ王位継承権持ちを決める人物。
玉階1人につき継承権持ちから1人を王に推挙する

・円卓 玉階に選ばれた12人の王位継承候補の中から王を決める方法を決める会議

・天恵 ルーディーは喚起(石(ジェム)が持つ特性を引き出す力)、ティ・ティとトリクシーは
お互いの心が読める力を持つ

・聖名(ホーリートーン) 王族に連なる家系の長男は本名を隠す風習があり、その本名。
知っているのは本人と名づけた大神官長ぐらいで王にも正しい発音で名乗らない。
普段はDXやティ・ティ=TTなど公共名(パブリックネーム)を名乗る。

632 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 22:14:29 ID:???
カイルとマクディに関する一件が終わった後、鍛錬中のDX達のもとをライナスと
ルーディーが訪れた。ライナスはDXに剣の打ち合いを申し込む。初めは拒否した
DXだが、無制限でならいい、と受け入れた。結果、DXが剣の柄でライナスの頭を突き
DXの勝ち。DXは正規軍の剣では勝てないから無制限でならいいと受け入れたのだった。
脳震盪を起こすライナスにルーディーが宝石で治療ジェム(治癒)を使う。
話しをしながらイオンには優しいルーディーは、DXが男だから嫌いなわけではないと言う。
一方的に嫌われているDXだったが、ルーディーからは本気で嫌われている感じがしていなかった。
それを口にすると、「お前のそういうところが嫌いだ」と殴られてしまう。
ルーディーは損得でつき合う人間ではないからなにか理由があるはずだ、とライナスは言うが、
DXにはやはり嫌われる理由がわからなかった。

DXが午後の講義を受けている間、六甲は地面に埋め隠していた果実酒を探していたが
見つからない。そして六甲は地面を探りながらどこかへ続くドアを見つけてしまう。
そこへ慌ててウィフテッド教授(植物学の講師)が駆けつけてくる。
知られてしまったからには、と教授は六甲をドアの向こうへ連れて行った。
そこはアカデミーで屈指の秘密の1つである場所で、アルトニアでは自生しない植物、
滅多に輸入しない植物、条約上あるはずの無い薬草などが保管される場所だった。
教授は(無理に六甲を部屋に招いたのだが)知ってしまったからには一蓮托生、
と六甲に助手になるように言った。

633 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 22:16:46 ID:???
夜、DXはリドに、イオンが窓から部屋に入ってくることがあるだろうと話していた。
と、その時、上の部屋から大きな音が響く。?となるDXに、リドは部屋が崩れたのでは
ないかと言う。DXは様子を見ようと、窓から外に出て上の階の窓につかまり室内を
覗き込む。本で溢れる室内は、確かに崩れていると表現できた。
部屋の住人はレイ・サーク。本分は研究生だが中等部・高等部の生徒の相談役も
している男だ。
DXを部屋に招いたレイはDXについて冷静に分析する。
この平和な時勢に火竜退治という武勲を持ち、バチカンという隣国との親密な関係があり、
カリスマ的な父親がいる。DXが王都へやってきたことは円卓に関することでも緊張状態に
させることだと。
またレイはもう1つの切り札としてアンの名前を出した。アンがDXを気に入ってるという、
名門の家の庇護があることを。
DXはアンとは何もないし(見合いについて)彼女の申し出は断ろうと思っているが、
レイはDXに拒否権は無いと法律で決まっている、と言った。
翌日アンのことについて、DXは元々見合い話を持ってきたオズモおじさんに会って
話しをするため出かけようとする。それと同時に、レイが連絡を入れてアンがアカデミーへと
やって来ていた。2人は一旦軽く話をし、DXは六甲とともに出かける。
オズモおじさんに会いアンとの見合いについて話すDXだったが、2人の会話はどうにも
食い違った。アンは、オズモおじさんが言っていた見合いの相手ではなかったのだ。

634 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 22:18:41 ID:???
アンの正体は、アカデミーに戻りあっさりと判明した。
アンは玉階の名門バラライカ家の人間であり、玉階としてDXを王に推挙しようと
しているのだ。玉階に選ばれては断れない、DXは本当に王になる可能性もあった。

DXが玉階のアンを見合い相手と間違えていたという噂は瞬く間にアカデミー内に
広がっていた。
消灯前のホール、アンの存在に頭を痛めるDXに、ライナスは商人というあくまで
中立の立場とカディス家が王家御用達ということから情報が欲しいなら取引するという。
そしてルーディーの方は、DXが玉階に選ばれようが王にろうが絶対に認めないと
言い切る。そんなルーディーに、やはりDXは嫌われる理由が思いあたらない。
ぶち切れたルーディーは、DXを嫌う理由をその場でぶっちゃけた。
DXとルーディーは10年前、初等部の頃にアカデミーで会っていた。ライナスが
祖父のキャラバンに行っていていなかったのでルーディーは普段ライナスを
怖がっていた子供に腹いせにいじめられていた頃で、DXがいたのは一週間だけ。
ルーディーを庇って上級生にぼこぼこにされたDXに石(ジェム)で痛みを
止めてあげたことから、2人は親しくなる。ルーディーはDXを親友のように
思っていたのだが、DXがアカデミーを去るとき、DXはルーディーに「結婚して」と
言ったのだった。
それによって傷ついたプライドを長年かけて癒したルーディーだったが、再び
ルーディーの前に現れたDXは一連のことをまったく覚えていない。それが
ルーディーがDXを嫌う理由だった。
反応の薄いDXにルーディーはさらに彼が忘れているであろうことを口にする。
DXは止めようとするが、ルーディーは言ってしまった。「自分はDXの本当の名前を
知っている」と。
その瞬間、ホールの灯りが突然落とされた。その隙にルーディーを始末しようと動く
六甲に、「そのセンは今も今後も無し」とDXは命令する。

635 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 22:21:26 ID:???
ルーディーがDXの本名―――聖名を知っているということで、DXは助言を求め
ティ・ティ達を自室へ招く。そこでルーディーは初めて、聖名によって命に関わるほどの
呪術をかけることができると知る。それを知るティ・ティやライナスは、DXを狙う人間に
ルーディーの方が狙われる可能性、またDXを守ろうとする六甲や玉階(アン)が
ルーディーにどう対処するかということで頭を悩ませる。
少なくともアカデミーは生徒を公平に扱うので学長にDX、ルーディーの連名で書簡を
送ることを決めその場はお開きとなった。
5日たち、噂はアカデミー内にも広まっていないことで安全であるような空気が流れた。
しかしその後、ルーディーがアカデミー内のジェム(石)鉱で、イオンとノアルドの
目の前で誘拐されてしまう。
アカデミー内のジェム鉱は外につながるもので、DXとライナスは様子を見にジェム鉱に
入り、置き残されていた短剣などを回収する。そこにリドがやって来て、アンがDXと
ルーディーに会いにアカデミーに来ていることを報せた。
ルーディーが目印に落としていった星銀石を辿りジェム鉱の中を3人は進んでいく。
その途中、DXは埃をかぶった眼鏡が落ちているのを見つけた。そこでDXを追ってきた
六甲が追いついた。そして、そんな場所にヒューイというアカデミーの生徒がやってくる。
彼はルーディーが誘拐される際に一緒にいた生徒で、宝石細工職人を目指す
授業免除付の奨学生。
ジェム鉱はロイヤルマイルのすぐ近くにつながっていた。DXは落ちていた眼鏡を
ヒューイに返し、リドとヒューイをアカデミーに戻らせる。
リドは自分にもすることはわかる、と言った。

636 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 22:24:00 ID:???
アカデミーではフィルとティ・ティが現在の状況を話していた。そこにアンがやってきて
DXの居場所を尋ねるが2人は知らないと嘘をつく(ルーディーの居場所を探している
のは知っているが本当に実際の居場所は知らない)。
が、レイが現れて「ルーディーがDXの聖名を知っている」という微かな噂が真実として
アンに知らされた。
ティ・ティはルーディーの安全と引き換えに情報を与えるとアンに取引を持ちかけるが、
それはできないとアンは言い切る。ティ・ティとアンの貴族的な駆け引きにじれたフィルは
どうせ全部ばれるのだから知っていることは全部話す、とアン達を連れて宝石細工を
作る工房へ向かった。
工房にはリドとヒューイがジェム鉱から戻っていた。
リドはヒューイに、どこまで加担しているのかと問いかける。ホールにいたこと、灯りを
落としたことなどを問い詰められるヒューイは逃げようとするがリドはヒューイを
押さえ込む。
説明を求めるとヒューイはDXは安全だと言い、加担した理由はルーディーが事件に
巻きこまれ宝飾の製作に集中できなくなると思ってしたことだと吐露した。ルーディーは
カディスとサレーの後ろ盾がありその前ではヒューイの作品は品評会での評価が
脅かされる。生まれの差のためにと激昂したヒューイはリドの隙をつき押さえつけから
逃れると宝飾の製作に使う刃物をリドに投げつけるが、間一髪フィル達がやってきて
リドは難を逃れた。
アンによると、ヒューイはタリオ家という王統派にDXの聖名の件を伝えていた。
ヒューイはDXを守るためにルーディーが連れて行かれたのだと思っていたのだが、
それならば誘拐のような真似はしない。狙われているのはDXの方だと結論が出る。
アンはヒューイから場所を問い詰め、フィル達はその場所へ向かった。

653 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 17:32:09 ID:???
+登場人物
メイアンディア・クラウスター DXの本当の見合い相手。アンと知り合い?詳細不明。
学長(ビッグハンド) アカデミーの学長。

ユリアナ・タリオ タリオ家の夫人で夫は王位継承候補。
レンディル・リスデン 貿易商。ユリアナとは不倫関係。カディス家を敵視している。
呪い師(まじないし) クレッサールの人間(?)魂の緒(エコー)で体は器にすぎない。

その他
・竜創(りゅうそう、ドラゴンウンド) 「寿命の半分私の場所を護ると誓う」という
火竜との契約の証。DXの右腕にあり普段包帯で隠している。

・クレッサール アトルニア王国の東にある国

654 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 17:34:25 ID:???
誘拐されたルーディーは貸屋敷で顔を隠す2人の男女(レンディルとユリアナ)、
異端の容姿の呪い師と対面した。ルーディーは呪い師を見て『太陽と在れ友よ』
と異国語で呟く。
聖名を言うか考えろと1人にされたルーディーの前に呪い師が姿を現す。先ほど
の言葉について問われ、ルーディーはクレッサールの挨拶?と答える。
ルーディーは昔クレッサールに行き言葉をわずかに覚えていた。
再び1人になるルーディーの部屋に、次は屋敷まで辿りついたDXが忍び込んで
くる。DXは聖名のことで危険な目にあうことは2度と無いと約束する。
DXが去った後、ルーディーは落ち着かず部屋から出て屋敷内を歩いていく。
そして誘拐を依頼した張本人である男女を見、その会話を聞く。
2人の計画はこうだった。
ヒューイを泳がせ、ルーディーを追って玉階がやってくる、その前で『DXを
呪おうとしたルーディーと呪い師を殺し、ユリアナの証言で自分達が正義の側
である』と証明する大芝居をうつこと。結果カディス家は王制派を敵に回し
王家御用達剥奪、リスデン家がその座を手に入れる。
それを聞いたルーディーは元いた部屋に駆け戻った。

外で待機していたDX、ライナスは六甲からルーディーが応接間に移動させ
られた報告を受け屋敷内に派手に侵入する。室内の傭兵達はすぐさまDXに
のされ、レンディルはルーディーに剣をつきつけ聖名を言うよう脅す。
DXはそれに「ルーディーが死ねば自分は助かるのにどうして自分が従うと
思うのか」と冷めた表情をし、ルーディーも「言えるわけが無い」と叫ぶ。

655 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 17:36:42 ID:???
そこにアン達が辿りつく。それを待っていたDXは、はっきりと、自ら聖名を
口にした。DXは右腕の竜創を示して自分に呪いは効かないと告げる。
レンディルは呪い師に呪いをかけるよう促すが、呪い師は竜創が本物と拒否
する。そんな呪い師に怒り剣を向けるレンディルだがルーディーが呪い師を
庇い、またDXは実際にやればレンディル達も納得すると自分に術をかける
ように言う。呪い師は言われたとおり術をかける。術を受けてもDXは
立っていた。右腕をかざし、効かない、と。
ユリアナは傭兵の息子が王になどと憤るが、DXはそんな彼女に言った。
「偉い人がみんなあなたみたいだとして 俺がなった方がマシだなんて
思わせないで下さい…」と。
茶番だと呪い師は姿を消し、レンディルとユリアナは隠し扉から逃げていく。
2人はアンが追いかけた。アンが追いつく頃にはレンディルは姿を消しており
顔を隠すベールなどをとったユリアナのみが。夫の権力を盾に高姿勢を
崩さないユリアナだが、そこにメイアンディア・クラウスターがやってきた。
今夜にも内々の会議が行われると告げ、ユリアナに用意された馬車を示す。
アンはユリアナを告訴すると言うが、メイアンディアは言った。
「アカデミーは秘密を守り、彼らは公平に護られる」

DXがアンが来るまで竜創について触れなかったのはなるべく大勢に「竜創
があるので聖名を知っても呪いは効かない」と宣伝するためだった。
安心と歓喜に沸くフィル達だが、次の瞬間DXが倒れた。呪い師が姿を現し
呪いは効いていると言う。竜創が呪いに勝れば死なないが呪いが勝れば死ぬ。
呪い師はルーディーに1つのジェムを渡し『太陽と在れ、友よ』と姿を消した。

656 名前:(補完)Landreaall おがきちか[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 17:40:53 ID:???
DXはアカデミーに運ばれ、呪い師が渡した石は呪素を集めるジェムだった。
リドの頼みで五十四が持つ同じ石をルーディーに渡し、喚起の力で呪素を
引き出す。五十四は呪いはDXに指向性があるため戻らないよう呪素を
浄化する植物で石を遮蔽する必要性を言うがアルトニアには無い植物だった。
そこで六甲はウィフテッドを通し、温室からその植物の葉を一枚貰った。

日付をまたぐ頃、石も遮蔽しなんとか安心の空気が流れる場に、アカデミー
学長が姿を現す。学長は王城からの通達について話す。
秘密は秘密で購うもの、ルーディーの誘拐とタリオ家が継承権を放棄した
ことは無関係であること。秘密会議ではルーディーも疑われたが学長にDXと
連名で書簡を送ったのが賢明だったこと。ルーディーを喚問すべきという
貴族の説得にアンが苦心したこと。
(ティ・ティの継承権は15位にあがり、またティ・ティは自分の名で
ルーディーを保護すると妙な憶測がつくためアンがティ・ティの取引に
応じなかったことを悟った)
学長はDXの行動は立場をわきまえないものと言うが、同時に、何事もそこ
からしか学べないことがありそうして糧を得ていく、そのためなら生徒のため
アカデミーは頭を下げることを恥とは思わないと言った。
部屋に戻り、ルーディーはライナスに今回の本当の目的、カディス家が標的
だったことを告げる。ライナスはそれに憤りと悔しさを露にし、翌日父親と
交渉をして、カディス家がリスデン家を潰すことを頼み込んだ。


聖名編ここまで