屈折リーベ/西川魯介
130 名前:屈折リーベ[sage] 投稿日:2006/03/18(土) 21:31:15 ID:???
ヒロイン、大滝篠奈(おおたき すずな)が、下級生の秋保宣利(あきう のぶとし)に
交際を申し込まれるところから物語は始まる。
「何故私なのだ」と大滝に問われ「大滝先輩がメガネっ娘だからっスよ」と即答する秋保。
彼は「メガネの女の子でないとダメ」と公言して憚らぬ眼鏡っ娘フェチであった。
彼氏など作る気はないという大滝だったが、子犬のように懐いてくる秋保を適当にあしらう内
情が移ったか、秋保の贈ったセルフレームの眼鏡を掛けてお付き合いすることに。
秋保を妬む文芸部の先輩たちに絡まれたり、秋保に横恋慕するミリヲタ少女の唐臼毬夏(からうす まりか)に
襲撃されたりといった事件を経て進展していく二人の仲。だが大滝は唐臼に
「あんたなんか、たまたまメガネだっただけじゃない!」となじられたことを機に
存外に秋保に惹かれている自分と、二人の関係が眼鏡という一点に支えられている事実に動揺する。
一方の秋保は、ある日発作的に「眼鏡を外した先輩の顔が見たい!(←彼にとっては極めて背徳的願望)」と考え
大滝を海に誘う。ゴーグル着用で頑として素顔公開を拒む大滝だが、偶然にゴーグルの外れた顔を晒してしまった。
それを見た秋保の「やっぱ眼鏡の方がいいっすね」という無遠慮な発言で、大滝は傷付いてしまう。
実は秋保は、素顔の大滝にも惹かれる自分に煩悶していたのだが、眼鏡っ娘フェチの彼はその欲求を認められず
「そんなに眼鏡でなきゃ駄目なのか!?」という大滝に「ダメだ!絶対メガネ以外認めない!」と叫んでしまう。
大滝は秋保から貰っためがねを叩き返し、翌日からコンタクトを着用し始める。
秋保の方も、当て付けるように唐臼と付き合ったりするが、どうしても違和感がぬぐえない。
悩んだ果てに“「メガネだから好きになった」んじゃない!好きになった人が「たまたまメガネだった」だけだ!”
と気付いた秋保は、頑なに秋保を無視する大滝を捕まえて自分の気持ちを伝えようとする。
会話を拒み、泣きながらその場を立ち去ろうとして階段で転びかける大滝。それを庇った秋保は
階段から転げ落ちて怪我をしてしまう。秋保を保健室に運んだ大滝は、去り際に「好きだよ」と呟くのだった。
間もなく大滝は再び眼鏡を掛け、秋保との交際も再開。振られた唐臼の嫌がらせも再開するが
それなりに幸せそうな二人だった。

131 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/03/18(土) 21:32:09 ID:???
「屈折リーベ」 作:西川魯介 月刊少年キャプテン96年1月〜7月号連載
単行本は白泉社ジェッツコミックスより全一巻。

眼鏡っ娘をテーマにしたラブコメの傑作であると同時に、10年も前にツンデレ萌えを極めていた珠玉の一作。
「ああ、柔肌と硬質なフレームの調和による至上の美!」
「メガネってのはそんなじゃない!(中略)『かける人間の内面のさらなる延長』なんだよ!」
「メガネという『美の可能性』がそこにあるというのに!何故低劣な次元にとどまろうとするのだバカ共があ!」
などのメッセージ(全て、作中の秋保の発言)に共感できる方は是非ご一読を。

なお、結局振られた唐臼のその後については、「昇天コマンド(ワニマガジン社)」を参照。
ただし18歳未満は閲覧禁止。なんというか、その、つまりそういう漫画だ。