最強伝説黒沢/福本伸行
223 名前:最強伝説黒沢 1[sage] 投稿日:2005/10/30(日) 02:58:02 ID:???
高校卒業後穴平建築に就職し、気づくと44歳の立派な中年になっていた黒沢。
同世代の人間は出世やリストラで消えて行き、現場は黒沢より若い者だけだ。
20代にして様々な資格を持ち、可愛い妻子持ちでイケメンの赤松に嫉妬を抱いている。
なんとか自分の株をあげようと奮闘する日々だが、自然体で人気の出る赤松には敵わず、
逆に現場のみんなに引かれたりする。棒振り人形・太郎に話しかけるむなしい日々。
そんな黒沢が『俺による俺のための感動』を模索する物語。

ある日、黒沢は上のミスでほぼ一日中働くはめになった。発熱し、急いで家路につく。
そこにたまたま通りかかった若い同僚たちから、太郎が車に追突されたと聞く。
首が折れ全身に傷を負いながらも電気系統は壊れておらず、無言で棒を振りつづける太郎。
誰にも評価されない、出来て当たり前の創造性のないこの仕事を、太郎はこんなになってもやり続けてもいるのだ……!
涙しながら太郎を抱きしめる黒沢。その姿に同僚たちも心を動かされ、同じように感涙した。

太郎の一件が良い方へと評価され、同僚たちとファミレスにまで行く仲になった。
黒沢がトイレに行っている間に、不良中学生四名が同僚たちに近づいてきた。
いきなり頭を小突いてきた狂暴そうな中学生にどう接すべきか悩んでいると、
戻ってきた黒沢が酒に酔った勢いで、中学生の喫煙と姿勢の悪さを叱った。
退散して行く中学生。黒沢が上機嫌で帰ろうとしていると、
先ほどの不良中学生のうちの一人の少女が話しかけてきた。車に乗れと言ってくる。
(ひょっとして逆ナンッ!? 逆ナンか? これが噂に聞く……
 ガツンときたってことか? 俺がさっき仲間たちを男らしく諭す姿に…)
どうしようかと悩む黒沢を、残りの男子中学生三名が無理矢理車に押し込む。
その段階でようやく自分の妄想が有り得ないと気付くが、時既に遅し。
中学生の運転する車はどこかに走り出していた。
どうにか諭そうとするが、運転手以外は皆携帯ゲームに夢中で会話不能。
恐らくはこれから集団暴力を受けるのだろう。場合によっては、生還すら出来ないかもしれない…
絶望する黒沢。気付くとどこかの野球グラウンドらしきところに来ていた。
勝ちようのないゲームを挑まれた結果大金をせびられるが、黒沢の財布には3000円しかなかった。

224 名前:最強伝説黒沢 2[sage] 投稿日:2005/10/30(日) 02:59:47 ID:???
憤る中学生に、家にも1〜2万円しかないと言う。「いいや もう金…!」
その言葉を合図にしたかのように、突如黒沢に暴力を奮い始める中学生。
女子中学生・しづかはバットで頭を殴れと言う。「頭いった奴にやらせてやる…!」
土下座して謝れば許すと言われるが、声が出ない。
そうこうするうちに頭をバットで殴られた。(死ぬ…まじで死ぬ…)
身動きできないまま走馬灯を見る黒沢に、中学生たちはニ撃目を決めようとする。
30年ローンで1000万だって払うから許してくれ、なんなら裸踊りだってすると
泣きながら服を脱ぎ許しを乞う黒沢。しかし気付くと、不良中学生たちは消え同僚が目の前にいた。
黒沢が意識を朦朧とさせている間に、拉致に気付いた同僚たちが駆けつけ中学生は逃げたのだった。
「病院なんていらねえ切腹する」「オレを尊敬しろ」「もう会社になんて行かねえ」
フルチンのまま黒沢はそう叫ぶと、ズボンを上げその場から走り出した。
同僚の浅井(やや頭が弱い)が後を追う。泣きながら逃げる黒沢、同じように泣く浅井。
泣きつづける浅井を置いて、黒沢はどこかへと去って行った。

あんな姿を見られたらもう黒沢は会社にこないだろうかと心配する同僚たち。
日曜日の夜、ファミレスに集まれと黒沢から連絡があった。皆集合する。
そのファミレス内には、最近人生がつまらないと感じるアルバイターの男・中谷(28)や、
両親にもう学校に行きたくないと相談する不登校少年・孝志などがいた。
黒沢は皆に、あの不良中学生たちと決闘すると宣言した。
隣のテーブルで話を聞いてしまった中谷は、三人相手に決闘しようとする黒沢を
ものすごい男だと尊敬し、話に耳を澄ます。(スゲェ…この人はスゲェ……!)
決闘は明日、中学校前に待機して敵が来しだい行う予定だ。それを止める同僚たち。
黒沢は失踪後、始発で伊豆へ向かった事を話す。黒沢はそこの宿である本に出会った。
それは『シートン動物記』だ。ラグは敵から逃げても卑屈に思ったりしない。
生きているだけで勝者だからだ。そう書かれていた。
「生きてこその人生…!…一度はそう思った…!
 でも気付いちまった。…とってもいい本だけどあれ、動物記なんだよ…!
 生きてりゃいい、生きてりゃ勝利なんてのは動物の話だ…俺は…人間だ…!」

225 名前:最強伝説黒沢 3[sage] 投稿日:2005/10/30(日) 03:03:48 ID:???
それを聞きながら感涙する中谷。
(懸命に真摯に、自分の存在を賭けて…戦ってないから行き詰まってるんだ…!)
しかし同僚たちは落ちついてよく考えろとあくまでも冷静。その態度に中谷は怒り立ち上がった。
「先生っ…!こんな泥濘ヤローどもに期待するのはやめましょう…!
 無理ってもんですぜ…こんな腑抜けどもに…先生の魂を理解させるのは…!」
他の客がうるさいとクレームをつけてくるが、盛り上がった中谷は止まらない。
「聞けっ…! ここにおられる…この先生は…明日…命を賭けた、決闘をするのだ…!」
ファミレス中がどよめく。決闘を見守りたいと言い出す者が続々と出てくる。
撮影班、医療班、重傷時の緊急輸送班なども決まって行く。
孝志も見たいと言い出す。「もらえるかも…勇気…!行けるかも…学校…!」
呆気に取られる同僚をよそに、ファミレス中を巻き込んだ酒宴は盛り上がって行った。
翌日目覚めた黒沢は冷静になった。一人でならともかく、見世物のように大勢の前で戦うなど無理だ。
しかし逃げるわけにはいかなかった。新品のジャージを身につけ怯えながら校門前に立つ黒沢。
向かいの建物から皆が見守る中、黒沢は勢いで男子中学生のうちの一人を撃退した。
「まだ校内にいるはず…!呼べっ…」びびった残りの二人はそう叫んだ。
やがて黒沢の前に、190cm以上はあるだろう長身の男が現れた。
中学生とは思えない巨躯の男の名は仲根。評判の札付きのワルだ。
「先生が大和なら…向こうも間違いなく戦艦クラス…!それも若い分高性能で…
 ミサイルやらを搭載した…今流行りのイージス艦…米のアーレイバークってところか…!」
場所を変えようと言う仲根。
ファミレスでの集団も後を追う。同僚たちも仕事を切り上げやって来た。

ついた先で、致命傷は与えられないものの仲根から殴る蹴るの暴力を受ける黒沢。
しかしふと気づくと、仲根の拳はある一定のリズムで繰り出されており、
一度防いでしまうとリズムを戻すためにその後の攻撃が一瞬止む。
また、蹴りの寸前に唇を締める癖があり、振りもモーションが大きく避けやすい。
黒沢はそれらの事を発見し、隙を見て仲根の顔に平手を当てふっ飛ばした。
しかしそれでは終わらず、置きあがった仲根はイった目で黒沢をにらみつける。
「……ぶっ殺す!」

------------------------------ 425 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 19:02:10 ID:???
じゃあ最終話だけ

酔い潰れてた所をホームレスに介抱された黒沢は、ホームレス狩りをしていた暴走族を撃退する。
だが今度は集団で攻めて来ることになり黒沢は仲間とホームレスを集めて撃退しようとする。
だが土壇場になりホームレス達は怯えて動かない。
果敢に戦う黒沢だが頭部に一撃を食らってしまう。
黒沢の雄姿を見てホームレス達も立ち上がる。
それを見て黒沢は勝つ事より戦う事をホームレス達に知って欲しかったと仲間に語る。
だがホームレス達の勢いは止まらず暴走族を撃退してしまう。
黒沢は戦って勝つなんてヒーローに自分達はなれたのかと号泣する
戦勝会に湧くみんな。そんな中、黒沢はふらつく意識の中、子供の頃蟻を叩き潰してたのを蟻の視点から見る
蟻から見て強大な存在である子供それは今の黒沢にとって社会だった。
蟻は最後の瞬間、子供の頃の黒沢に噛み付き泣かせる。
それをみて黒沢は自分は果たしてあの蟻のように強大な存在(社会)に噛み付けたのだろうか?
そして倒れてしまう黒沢、異常に気付き駆け寄る仲間達は黒沢に呼び掛ける。
それを聞き黒沢は思う「あったけえ、最後にこんなあったけえ」