るろうに剣心/和月伸宏
東京編
224 :るろうに剣心 東京編 1/4 :04/03/04 01:32 ID:???
「今から約140年前黒船来航から始まった『幕末』の動乱期 
 渦中であった京都に『人斬り抜刀斎』と呼ばれる志士が居た
 
 修羅さながらに人を斬り その血刀を以て新時代『明治』を切り開いたその男は
 動乱の終結と共に人々の前から姿を消し去り 時の流れと共に『最強』という名の伝説と化していった
 
 そして浪漫譚の始まりは 明治十一年東京下町からーーー」
 
東京で流派・神谷活心流の剣術道場を営んでいる17歳の少女・神谷薫。
最近、自分の家の流派を騙って辻斬りを繰り返している自称「人斬り抜刀斎」を捕らえるため
東京の夜の見回りをしていた彼女は、刀を持ち歩く剣客に出会う。
頬に十字傷を持ち、赤毛優男風の彼は自分を「流浪人(るろうに)」であるといい人を斬ることのできない逆刃刀を持っていた。
最初辻斬りと間違えて彼に襲いかかった薫だが、その後本物の辻斬りが現れてピンチに陥り彼に助けられる。
次の日使用人を連れて買い物をしていた薫はるろうにと再会する。

その夜、道場に一人居た薫のもとに辻斬りと手下達が登場。なんと黒幕は神谷家の使用人であった。
神谷道場の土地屋敷を手に入れようとしていた彼らは、神谷活心流の名を騙って辻斬りをすることで流派を貶め
人離れを起こさせて土地を得ようと画策していたのである。
「人斬り抜刀斎」と名乗る辻斬り野郎に追いつめられ、もはやこれまで、というとき、るろうに登場。
のほほんとした彼は、逆刃刀を抜くやいなや目にもとまらぬ早さで剣を奮い、顔まで豹変、
鬼のような強さで悪党共を蹴散らした。(逆刃刀なので死人ゼロ)
そして人斬り抜刀斎が使っていた剣は「飛天御剣流(ひてんみつるぎりゅう)」だぞと告げる。
そう、彼こそは伝説となった志士「人斬り抜刀斎」そのものだったのである。(←ってバレバレなんだが)

彼は出来れば知られたくなかったと言って去ろうとするが、薫は自分は過去などにこだわらない、今の彼に居て欲しいと言う。
彼は自分を緋村剣心と名乗り、しばらく神谷道場に厄介になることとなった。

そして物語のはじまり。

225 :るろうに剣心 東京編 2/4 :04/03/04 01:35 ID:???
神谷家でおさんどんの役割を担って毎日をのほほんと過ごす剣心。
薫はなぜ維新の英雄である剣心が「不殺(ころさず)」を誓い流浪人などやっているのかと不思議に思うが、
彼が悪党や悪徳警官と戦ったりして弱いもののために剣をふるうのを見て、弱者のために自由に戦うことを選んだのだ
ということを理解する。
さらに薫一人だった神谷家には、剣心が居着いて色んな事件が起こることで人が集まってきた。

ある日、二人はスリをしていた元士族の少年・明神弥彦と出会う。
親を亡くした彼はヤクザ者に拾われスリとして働かされてきたが、本来誇り高い彼はそんな生活に嫌気がさしていた。
そして剣心と出会ったことで足を洗おうとするが、ヤクザの親分に袋だたきにあい、最終的に剣心に助けられる。
己の無力を嘆き「強くなりたい」と願う弥彦を、剣心は神谷家に連れ帰り神谷活心流に入門させる。
始めは女の薫に教えられることを拒否っていた弥彦だが、薫のことを認め剣術に励むようになる。ケンカ師弟の誕生。
こうして やひこがなかまになった!  

また、街で“喧嘩屋”斬左こと相楽佐之助と出会った剣心達。
“悪”一文字を背負う佐之助は、短気で気持ちの良い喧嘩野郎として名を馳せており、金で請け負った喧嘩を繰り返していた。
弱い者イジメを嫌悪する彼が喧嘩屋などという職についていることをいぶかる剣心は、
かつて神谷道場を手に入れようとしていた小悪党に依頼された佐之助と戦うことになる。
そして戦いの中で明かされた佐之助の過去。
彼はかつて維新政府に捨てゴマにされた部隊「赤報隊」に属しており、敬愛する隊長を維新志士に処刑されていた。
明治維新のために戦っていたハズの自分たちに汚名を着せ、隊長まで殺された佐之助は当然ながら維新志士を憎んでおり、
やり場のない怒りと共に喧嘩を繰り返していたのである。
そんな佐之助を剣心は戦いで倒し、「維新はまだ終わっていない」とパンチと喝を入れる。
八つ当たり喧嘩三昧で新時代を過ごしてきた佐之助は、今でも弱者のために戦い続けている剣心との差を感じて負けを認め、
喧嘩屋を廃業。肉体派バカの彼は以後常に剣心と共に第一線で戦うようになる。
こうして さのすけがなかまになった!

227 :るろうに剣心 東京編 3/4 :04/03/04 01:49 ID:???
佐之助も加わり賑やかになってきた神谷道場。
そこに剣心にある依頼が舞い込む。なにやら維新志士のお偉方を狙って鵜堂刃衛という暗殺者が暴れているらしい。

予想以上の剣術と妖しげな催眠術を駆使する刃衛相手に、剣心は高官は守れたものの剣術&殺人バカである刃衛に
ストーカーされる羽目に。刃衛はかつての強さを誇った抜刀斎と戦いたいと思い、薫を攫って剣心の怒りを煽る。
劣勢の剣心をさらに煽るため、刃衛は薫に催眠術をかけ命の危機に追い込んだ。鬼畜である。
怒りの臨界点を突破したらしい剣心は、忌まわしい過去の自分、冷酷な殺人者の抜刀斎に立ち戻り刃衛を倒す。
土壇場で薫に止められて抜刀斎→剣心へとリターンでき、刃衛も殺さずに済んだ剣心だが当の刃衛は自害。
剣心の中には決して消すことの出来ない「人斬り」の本性が巣喰っている、と告げて死んだ。
暗示めいた言葉は剣心の心にのしかかる。

なにやら見た目アンバランスな「剣心組」が揃い踏みしてきたところに、またもう一人。
ある集団に追われて逃げ込んできた美女・高荷恵を助けた剣心達は、次の争いにまたも巻き込まれる。実に忙しい。
恵は街の有力者である武田観柳によって阿片を無理矢理作らされており逃げ出してきたのだった。
そんな彼女を取り戻そうと襲来してきたのは、観柳が雇った集団で幕末に幕府側についていた元江戸城の隠密・御庭番衆の4人。
その時は撃退するも、観柳の脅しに屈した恵は結局観柳邸に戻ってしまい、剣心達は恵を救いに観柳邸に攻め込んだ。

御庭番衆の御頭・四乃森蒼紫とその部下が守る観柳邸において、ガチンコ勝負で恵の元を目指す剣心達。
暗めの色男・蒼紫は観柳に対する義理などなく、「最強」の称号を持つ剣心を倒すことで
幕末に戦えなかった御庭番衆に華をもたせてやりたい、という一心で剣心に勝負を挑んできた。御頭は部下想い。

228 :るろうに剣心 東京編 4/4 :04/03/04 01:56 ID:???
しかし蒼紫は剣心に負ける。
乱入してきた観柳は蒼紫と剣心達を共に葬ろうと、回転式機関砲ようは新式のすごい武器で攻撃してくる。
ネチネチと遊びで撃ちまくってくる観柳に、なすすべもなく逃げ回る蒼紫と剣心達だが、蒼紫は足を撃たれてしまい倒れる。
逃げられない蒼紫に観柳はトドメをさそうと攻撃するが、蒼紫の部下が一人一人盾になり死んでいく。
が、遊びで弾を撃ちまくったため観柳の方も弾が尽き(アホじゃ)、剣心にぶっとばされる。
部下が皆自分を守り死に絶えてボーゼンとする蒼紫を置いて、剣心達は恵を助けに行った。
こうして めぐみがなかまになった!

警官達が観柳邸に押し入ってきて観柳は逮捕される。
しかし突入してきた時にホールに人はおらず、4つの首ナシ死体が残されていた。
外に出てみると蒼紫は部下の首を持ち逃亡しようとしていた(お前動けたのかよ!だったら逃げ(ry )。
このままでは蒼紫はヤヴァイと思ったらしい剣心は、自分を倒して最強の証を手に入れて部下の墓に添えてやれ、と言う。
目の前に餌をぶら下げて生きる目的を与えようという剣心のとっさの配慮だ。
蒼紫は「俺がお前を殺すまで殺されんなよゴルァ」てなことを言い残し姿を消した。

その後はしばらく平穏な日々が続く。弥彦のバイト先(焼き肉屋)で働く少女・燕。
彼女の主人でゴロツキっぽい男が焼き肉屋を強盗しようとしている騒動を弥彦少年が見事返り討ち、解決する。
少女・燕を守った少年・弥彦が少しずつ剣客として腕をあげていく成果がみられる。
弥彦の良きライバルが出来るお話では、薫の出稽古先に「かまいたち」を使う道場破りが現れる。
剣術がなまっちょろいものに堕ちていく現状を嘆くらしいそいつは剣心に協力を求めるが、断られて逆ギレし闇討ちしてくる。
その道場破りを師と慕い、剣術に希望を馳せていた少年・由太郎は、そのいざこざで重症を負い剣を握れなくなってしまった。
マジギレした剣心にあっさりやられてどん底の道場破り。ザマーミロと。
落ち込む由太郎を立ち直らせたのは、ケンカ友達となっていた弥彦だった。
由太郎は再び剣を握るため、ドイツへ治療のため渡っていった。

そしてしばらく平和に過ごした日々は、ある人物の来訪で破られる。 そして京都編へ。

京都編
251 :るろうに剣心 京都編 1 :04/03/06 22:46 ID:???
神谷家で平和に日々を過ごす剣心は、人を斬り新撰組の隊士と戦い続けていた頃の、幕末の夢を見る。
「ずっと思い出していなかったのに、どうして今頃…」

一方、剣心達の留守に神谷家に来訪した薬売り。応対した佐之助はその男がただ者ではないことを見抜く。
人の良さそうな顔をしたその男は、見抜かれた途端に人相豹変。極悪顔になって、置きみやげと攻撃を加えてきた。
帰宅して倒れている佐之助と残されたメッセージを見て、その相手がかつて戦った新撰組隊長・斉藤一だと確信する剣心。
迫り来る戦いの予感に身構えるが、その胸には不安があった。
斉藤一の剣腕は幕末の頃から全く衰えていない、逆刃刀で戦いからも離れていた自分が対抗できるだろうか?

そして政府の密偵で警官として働く斉藤は、剣心に対し刺客を送り込む。
剣心がその刺客と戦っている最中に、堂々と警官として神谷家に上がり込む斉藤。ここの住人人信じすぎ。
勝って帰ってきた剣心は、斉藤と対面する。
以下それぞれの言い分。
斉藤「あんなショボイ刺客に手こずりやがって、お前弱くなりすぎ。逆刃刀?ハァ?
   人斬りと新撰組は刀で人を守るもんだろが。それが正義。甘えたこといってんじゃねーこの偽善者が」
剣心「それでも目の届く範囲の人を守りたいし人殺したくねーし。文句あっかでござるゴルァ」
斉藤「身近な人守るとかいって、お前いない間に俺がここの少年少女ぶった切ってたらどうすんだゴルァ。
   口先男はカコワルイんだよ。悪・即・斬マンセー」
剣心反論できず。

斉藤に立ち向かおうとする剣心に、薫は彼が遠くにいってしまいそうな不安を覚える。そして戦いは始まった。
斉藤の猛攻に(斉藤曰く)ヘタレ化した剣心は劣勢続きだったが、戦いが進むごとにかつての強さを取り戻していく。
しかしそれは幕末の頃の冷酷な人斬りに立ち戻って、剣心→抜刀斎と変貌していくことでもあった。
薫は剣心が人斬りに戻っていくのを止めようとするが、剣心には届かず戦いは頂点へ。
このままマジでどっちか死ぬ、と言うときに二人を止めたのは、維新の立役者・内務郷の大久保利通だった。
斉藤が剣心の元に来たのは、剣心が剣客として使い物になるかを確かめるためだった。
そして大久保は剣心に依頼を持ち込む。

252 :るろうに剣心 京都編 2 :04/03/06 22:48 ID:???
それは剣心の後に「人斬り」の役目を受け継いだ男・志々雄真実(ししおまこと)が大兵団を築き上げ、
明治政府に対し復讐戦争を仕掛けようとしている、というものだった。
幕末に剣心の後継者となった志々雄は、手に余る危険思想をもっていたため政府によって暗殺されたハズだった。
しかし大火傷を負いながらも生き残った志々雄は闇に潜伏して勢力を蓄え、国盗りを開始したのである。
それを止めるべく京都に入り込み志々雄を暗殺して欲しい、と依頼してくる大久保に、
薫達は剣心を人斬りには戻らせないと拒否。大久保は一旦退散し剣心は考える時間を与えられた。

しかし一週間後、大久保は志々雄の手の者によって暗殺されてしまう。
斉藤と戦ったことで、自分の中に消せない人斬りが住んでいるということを実感した剣心は、
これ以上皆を巻き込むまいと、薫を抱きしめ別れを告げ、闇に消えていった。

置いていかれて怒りまくる佐之助、泣いて落ち込みまくる薫、フォローに走りまくる弥彦。
剣心の後を追おうとする佐之助に、斉藤は今のお前が行っても足手まとい役立たず来るなバーカと攻撃を加えるが、
そのしぶとさに放置を決め込んだ=勝手にしろと。
佐之助は自分の無力を認め、今より強くなるという決意を胸に秘め京都へと向かった。
一方寝込んでいた薫は弥彦や恵にハッパかけられ、ようやく剣心を追うべく京都へいくことを決める。
自分も落ち込んでいながらも薫を励まし、かつ一人で留守番という貧乏くじを引いた恵。
さらに悲惨なことにかの御庭番衆の御頭・四乃森蒼紫まで再登場である。
もはや目がアブない蒼紫は恵を脅迫し、剣心の居場所を突き止めようとする。
そこに斉藤が現れ“使えるものはなんでも使え”とばかりに剣心の行方を教え、蒼紫もまた京都へ向かった。

京都へ向かっている剣心は野宿している最中に、追いはぎをしているパワフルな忍者娘・操と出会う。
彼女は元隠密御庭番衆の一員だった。
蒼紫達の行方を追い旅している操は、剣心が彼らの手がかりを持っていることを知りしぶとくついてくる。
その根性に負けた剣心は操と共に京都まで旅することになった。

253 :るろうに剣心 京都編 3 :04/03/06 22:52 ID:???
二人京都に向かう途中、剣心は志々雄によって占拠された村に辿り着く。
志々雄は既に国取りを始めており、いくつかの村が政府に見捨てられ志々雄の恐怖政治の下に置かれていた。
そこで斉藤と合流した剣心は、一足早く志々雄と対面する。
志々雄自身は様子見と称し戦わず、剣心はその側近・瀬田宗次郎と抜刀術で戦うことに。
喜怒哀楽の“楽”以外の感情を持ち合わせず剣腕もケタ外れの宗次郎に、剣心は逆刃刀を折られてしまう。
剣心の実力を重くみた志々雄は、精鋭部隊“十本刀”を招集し、今後の戦いに備えることにした。

一方その頃、京都への山道で迷子になっていた佐之助は、不思議な技を使う破壊僧・悠久山安慈と出会う。
“二重の極み”という粉砕技を会得している安慈に、その技を教えれという佐之助。
安慈は出来なかったら氏ねといい、佐之助は必死こいて修行し夢で隊長に会ったりして“二重の極み”を会得する。
さわやかに別れた佐之助と安慈。その直後に安慈に“十本刀”として招集がかかった。

また剣心と操が京都に着くと同時に、薫と弥彦も船路で京都へと入っていた。
料亭・葵屋で操の育ての親の爺・翁に出迎えられた剣心は、ある二人の人物を捜してもらうことにする。
一人目は逆刃刀の鍛冶師。折れた逆刃刀の代わりを打ってもらおうと思い、剣心はその人物
(死んでいるので息子)に会いにいくが、それが元で十本刀の刀マニアに目をつけられてしまう。
先代の鍛冶師が残した刀を狙ってきたその十本刀と対戦した剣心は、戦いの中で刀を手に入れた。
それはもう一振りの逆刃刀で、逆刃刀・真打。つまり本体である。結果オーライ。

二人目は剣心の師匠で飛天御剣流の伝承者・比古清十郎。十五年前、幕末に師匠の元をとびだした剣心は
飛天御剣流の奥義を会得していなかったため、奥義の継承を願って比古の元を訪れたのである。
しかし自分の言うことをきかずに戦いに加わり、自由であるはずの剣“飛天御剣流”を権力のために使用した剣心に
比古は奥義伝授の資格はないと厳しく言い渡す。
そこに操と会って剣心の行方を突き止めた薫と弥彦、操が登場。再会に揺れ動く。
薫達から剣心のるろうにとしての生き様をきいた比古は、奥義の伝授を果たしてやることを許す。
そして特訓開始。

254 :るろうに剣心 京都編 4 :04/03/06 22:54 ID:???
剣心が師匠にボコられている頃、操は薫と弥彦から御庭番衆の顛末をきいていた。ショック操。
そして蒼紫は翁に剣心の行方をきくもフラれ、志々雄一派から勧誘を受ける。
剣心との対戦しか頭にないターミネーター蒼紫は、その誘いを受け志々雄のアジトへ。
蒼紫が修羅道に堕ちたことを知った翁は蒼紫に戦いを挑むが、返り討ちにあい瀕死。
現場をみた上、蒼紫に「二度と姿みせんな」と言われた操はショックで真っ白になってしまうが、
強気の彼女は代わりに自分が御頭となって志々雄一派と戦う、蒼紫も倒すぞと立ち上がる。

その頃京都に着いていた佐之助は牢屋に入って、剣心の情報を得るべく斉藤との接触を待っていた。
そして同じく牢屋に入っていた刀マニアの十本刀と三人でやりとりし、志々雄の企み「京都破壊計画」の情報を得る。

また、剣心は師匠から、お前には奥義の伝授に欠けているものがあると言われ悩んでいた。
比古は考えてもわかんねーならお前ここで氏ねといい、剣心は激マッチョな師匠と本気にビビる。
そして生と死の狭間で、自分に欠けていた「生きようとする意志」と奥義“天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)”を
会得した。生きようとする意志は剣心の人斬りの本性を凌駕し、もう自分を見失うことはないだろう。
山を降りるリニューアル剣心。

そして警察署で佐之助に再会した剣心は、斉藤と三人で京都破壊計画を阻止すべく志々雄の元へ向かう。
京都破壊計画は、志々雄が海上から戦艦で攻撃し、十本刀が京都に乗り込んで大火を起こすという計画になっていた。
京都大火を知った操は御庭番衆として立ち上がり、薫や弥彦も加わって活動開始し未然に防ぐ。
巨大戦艦に辿り着いた三人は再び志々雄と対峙する。ところが佐之助の活躍によって戦艦は大破し沈没(ダセー)。
志々雄はアジトで待つといって引き返した。かくして京都大火は未然に防げて終わった。

薫達の待つ葵屋に戻った剣心は、蒼紫が志々雄に加わっていることをきく。そして翁は蒼紫殺害を頼んできた。
剣心は蒼紫の良心とやらを信じてそれを断る。
内心ハラハラだった操は、剣心の蒼紫を連れ帰るという発言に乙女の涙ホロホロである。
薫は皆で東京に帰ろう、と剣心に告げ、剣心、佐之助、斉藤の三人は志々雄のアジトへと向かった。



255 :るろうに剣心 京都編 5 :04/03/06 22:56 ID:???
アジトでの案内役は、志々雄の女・由美。
その先に待ち受けるのは十本刀の安慈、宇水、宗次郎とそして蒼紫、ラストに志々雄である。

一番手に待ち受けるのは安慈。佐之助は因縁を感じ“二重の極み”対決をするが、オリジナルには到底及ばない。
そして安慈は自らの過去を語る。
子供達を引き取り暮らしていた安慈は、明治政府の画策によって寺を焼き討ちされ皆を殺されてしまったのだ。
仏に祈るだけでは何も変わらない、自らが変えるのだという怒りに対し佐之助は拳で応えた。
子供達の願いは安慈の幸福にあるのだ、と諭された安慈は拳を落とし泣く。

そして十本刀の二番手らしい男、盲剣の宇水と斉藤が一騎打ち。
盲剣の宇水は相当強いらしいが、いかんせん相手が悪かった。
斉藤は冷静に宇水の心情を看破し、悪・即・斬で圧倒的な余裕で葬り去る。キメすぎて怖い。

そして剣心はとうとう蒼紫と再戦。修羅に堕ちた蒼紫の猛攻に大ピンチである。
しかし剣心は蒼紫の傷をえぐって突きつける。
「おまいはあの四人のためではなく、あの四人のせいにして凶剣ふるってるんだゴルァ」。
図星をつかれるとイタいもの。能面だった蒼紫はうろたえ、八つ当たりパンチを繰り出してくる。
そこにとどめ「操殿が泣いてたぞ、目をさまさんかいでござるボケェ」
そして修羅だった蒼紫はかつての御頭の自分を取り戻す。
剣心とマジ勝負して奥義の前に敗れたが、ぐったりさっぱり蒼紫であった。結局悪役にはならないタイプだ。

その頃葵屋は残りの十本刀に襲われていた。薫と操VSオカマ、弥彦VSコウモリ男、その他VSデブ と
それぞれ戦いが繰り広げられるが、結果はこっちの勝ち(そりゃそうだろ)。
終わったバンザーイと喜んでいる最中に現れたのは、最後の十本刀・巨人の不二と頭デカい爺であった。
家よりデカい巨人にもはやなすすべもなく、皆があきらめかけたとき、
そこに激マッチョで剣心を越えて最強の師匠・比古清十郎、堂々登場! もっと早くこいよオメー。
比古は巨人と正々堂々と勝負してこれを破る。敵なしだ。そして薫達は剣心達の無事を祈って帰りを待つ。

256 :るろうに剣心 京都編 6 :04/03/06 23:00 ID:???
由美に案内された剣心は、十本刀最強で志々雄の側近・宗次郎と対戦する。
ニコニコして感情も剣気をもたない宗次郎は、さらに才能“縮地”を併せ持つ“天剣”で剣心を攻撃する。
飛天御剣流を超えるスピード、超神速の“縮地”で背後をとられ、防戦一方の剣心。
しかし圧倒的有利とみられた宗次郎は、思うように剣心を攻撃できないことに違和感と苛立ちを感じ始める。
それは捨てたと思われていた宗次郎の感情が、息を吹き返してくる予兆であった。

そして明かされる宗次郎の過去。
私生児で引き取られた宗次郎は家族に虐待されており、感情を封じ込め常に笑って何も感じないように過ごしていた。
それが生き抜く術だったのである。しかしある夜、明治政府に追われ全身に火傷を負った志々雄を納屋に匿うことになり、
「この世は全て弱肉強食。お前が弱いから虐められる、弱い奴が悪いんだ」と聴かされる。
そして雨の夜、犯罪者を匿っていることが家族にバレ宗次郎は殺されかける。
志々雄の「強いものが生き弱い者が死ぬ」という言葉のまま家族を斬り殺し自分を守った宗次郎は、
そのままあらゆる感情を押し込めてしまったのだった。

剣心と戦い、「不殺」や「弱いものを守る」という信条に触れるうちに、
過去を思い出す宗次郎は感情を取り戻しとうとう錯乱。
何が正しいのかもーわからん、となり本気で剣心に勝負を仕掛けてきた。
抜刀勝負で剣心の奥義の前に破りさった宗次郎は、これからは自分で正しい道を探してみる、と志々雄の元を去った。

そしてとうとう剣心は志々雄と対峙する。
志々雄の側には由美、参謀の方治がその戦いを見守るべく控えていた。
その残忍さ、圧倒的な強さの前に剣心はまるで歯が立たない。火薬、特殊な刀を駆使しいたぶってくる志々雄。
剣心が気絶→佐之助が二重の極みで攻撃→斉藤が乱入 と次々に攻撃を加えるも、志々雄は化け物並みに強い。
もはやこれまでと見えたが、蒼紫まで登場。時間かせぎしている間に剣心達が復活する。


257 :るろうに剣心 京都編 7 ラスト :04/03/06 23:05 ID:???
そして戦闘時間が15分を超え、焦り出す由美。
火傷によって発汗コントロールを失っている志々雄は、長く戦うと体温調節がきかず体に異常を来してしまうのだ。
余裕こいていた志々雄は剣心の奥義に前にぶっとばされ、さらに体温が上がりすぎたらしく苦しみ出す。

驚く剣心達の前に由美は、これ以上志々雄は戦えない見逃せと懇願してくる。刀を納める剣心。人良すぎ。
しかし当の志々雄は由美ごと剣心を串刺しにする。
由美は志々雄の役に立てた、と満足して死んでいき、剣心は深手を負いダウン。もーダメ…。
そこで思い出したのは師匠に言われたこと。生きようとする意志と薫との約束だった。

最後の力をふりしぼり立ち上がった剣心に志々雄は剣を振り下ろすが、体温上昇の限界を超えたらしく人体発火。
幕末の生んだ修羅は炎となって消滅した。
志々雄が死んで錯乱した側近の方治は、動力をぶっこわしてアジト崩壊。
剣心、佐之助、蒼紫は脱出するが斉藤は一人取り残される。おーい。
三人は葵屋へと戻っていった。

一ヶ月後、剣心は回復し、蒼紫は座禅三昧、京都で騒ぎまくる一行。やっぱり無事だった斉藤。
そして逃げた十本刀のデブ。何か企んでいるようだ…。

傷が癒えた剣心は、小さな墓にお参りしにいく。
それが誰の墓なのかはまだ分からないが、これは剣心の過去につながっていく。
皆に別れを告げ、東京へ帰る一行。
二度と戻らないと思っていた場所へ戻ってきた剣心を、薫は「おかえりなさい」と迎える。
剣心は帰る家を得た。「ただいまでござる」

再び訪れた平和な日々。
そして剣心にとって過去に向き合う、最大の試練がやってくる。 →人誅編へ

人誅編
340 :るろうに剣心 人誅編1 :04/03/12 03:41 ID:???
京都の戦いからしばらく。流浪人だった剣心も帰る家を得て神谷家に落ち着き、平和に日々を過ごしていた。

一方、京都の小さな墓には上海からある人物が訪れる。
白髪のその青年は剣心が供えた花を踏み散らし、剣心の頬に十字傷が残っていることをきいて
「姉さんはまだ、あの男を許してないんだね」と暗く笑む。

馴染みの焼き肉屋・赤べこで楽しく騒ぐ薫達の前には、幕末に剣心に片腕を奪われた巨漢・鯨波が現れる。
離れた裏山で白髪の青年と合流した鯨波は、巨大アームストロング砲を装備し赤べこを狙撃した。
既に赤べこを出て河原で遊んでいた薫達だが、砲撃の音をきき街に戻る。そこには瓦礫の山となった赤べこが…。

剣心と佐之助はすぐに裏山に向かうが、既に誰もおらず「人誅」と書かれた紙が落ちていた。
維新志士が好んで使った言葉「天誅」に対する言葉「人誅」
例え天が裁きを下さずとも、自らの手で裁いてみせる、という復讐の意志表示である。
剣心は自分の侵した人斬りの罪を裁こうとする者達がとうとう現れたと言い、罪を受けとめる覚悟を決める。

敵は自分と関わりのある場所を攻撃してくるのだろうと踏んだ剣心と佐之助は、懇意にしている場所に
目を配って警戒していた。ところが次に襲われた場所は剣心が一度しか行ったことがないような場所。
敵が少しでも自分と関わった場所を全て攻撃するつもりだと知った剣心は、相手の狂気と憎悪を思い知る。
佐之助と剣心は手分けして敵と応戦するが、爆弾で全て吹っ飛ばし彼らは行方をくらましてしまった。
また戦いに置いていかれた弥彦は、さらなる強さを求めて薫に神谷活心流の奥義の伝授を頼み込む。

自分を仇と狙う敵にどう対抗すれば良いのか、と罪の意識に苛まれる剣心の前に、かの白髪の青年が現れる。
剣心は「縁」と彼の名を呼び、さらにその横に女性の幻を見た。
「巴」と彼女を呼んだ剣心を、縁は「貴様には姉さんの幻を見る資格などないんだ」と罵る。
縁は十日後に神谷道場を襲撃すると予告し、復讐の仕上げを楽しみにしてろと言い捨てる。
「お前から姉を奪った罪を償う方法はないのか」と問う剣心に、縁は「せいぜい苦しめ」と笑って立ち去っていった。

341 :るろうに剣心 人誅編2 :04/03/12 03:46 ID:???
さらなる罪の重圧に押しつぶされて、かつてないほど憔悴して帰ってきた剣心に薫達は何も言えない。
どうすればよいのか分からず罪の償い方だけを考えていた剣心だが、大切な者達のことを想い、
とりあえず目の前にある現実を守ろうと戦うことを決意する。
そして今回の事件について薫達に話すことを決めた。

「今回の事件の首謀者は雪代縁。拙者が惨殺した妻・緋村巴の弟でござる。」
ついに剣心の口から、十字傷にまつわる過去の罪の話が語られ始めた…。

幕末に人斬りとして暗躍していた剣心は、ある夜幕府側の重要人物の暗殺を行い、その警護の青年と戦った。
青年は必死に抵抗し剣心の頬に傷を負わせるが、やはり敵わず殺されてしまう。
「やっと祝言なのに…」と女の名を呼びなお生きようとする青年に、剣心は容赦なくトドメを刺した。

そうやって暗殺を繰り返して心までどんどん荒んでいっていた剣心の前に、一人の女性が現れる。
暗殺者に襲われ返り討ちにした現場を見られた剣心は、倒れてしまった彼女を宿に連れ帰る羽目になる。
その謎の美女・巴は、人を斬り狂気に傾いていく剣心を徐々に癒していく存在となっていった。

やがて二人は祝言をあげて共に田舎で暮らし始める。人斬りながらも穏やかな生活が続いていた。
そこに巴の弟の縁が現れる。縁は巴に、とうとう剣心を打つ機会がやってきたんだ、と報告にきたのである。
巴の婚約者を斬り殺した剣心に復讐する時がやってきたのだ、と。
しかし縁の期待とは裏腹に、巴は縁に帰れといい二度とこんなことに手を染めるなと告げた。
縁は姉が変わってしまったことを感じ、剣心に憎悪の目を向けて帰っていく。

そして剣心に、巴は今まで話したことがなかった自分のことを語り出した。
優しい父と可愛い弟の縁と暮らしていた巴は幼なじみの青年に求婚されるが、感情を表に出すことが苦手な巴は
求婚された喜びを上手く表現できなかった。青年は巴のためにもっとビッグになって帰ってくると
動乱の京都に身を投じて戦いに巻き込まれ、還らぬ人となったという。
あのとき自分が上手く喜びを伝えられていれば、彼を止めていれば、と巴は後悔し苦しんだことを泣いて語った。

342 :るろうに剣心 人誅編3 :04/03/12 03:50 ID:???
そして憎しみのまま、愛しい男を殺した剣心の暗殺計画に身を任せた。
しかし共に暮らすうちに、巴は剣心を本気で愛してしまったのである。
一方剣心は、巴と暮らすことで一人一人の幸せこそが大切なことなのだと気づいたと告げ、
新時代がくるまでは人を斬らなければならない、けれど自分が君を守ってみせる、と伝えた。

一夜を過ごした後、巴は家を出て剣心暗殺一派のアジトへと向かった。
彼女は剣心を守ろうと、相手に嘘の弱点を教える。ところが剣心の弱点は巴だと相手は見抜いていた。
スパイとして巴を剣心の元へ送り込んだのは、巴自身が剣心の弱点となることを見越しての計画だったのである。
巴はそれに気づき一矢報いようとするが、殴られて気絶。

剣心は巴を取り返しに暗殺集団の元へ出向く。
クールな人斬り抜刀斎とも思えないがむしゃらな戦いっぷりに驚愕する暗殺一派だが、一人一人確実に
剣心にダメージを与え散っていく。五感を奪われた剣心は満身創痍でラスボスに辿りつき勝負するが、
相手の強さと自分のダメージに死を覚悟した。さらば巴、と目を閉じ相手に剣を振り下ろす。
しかし剣心が斬ったのは巴だった。目が覚めた巴は、剣心のダメージを見て取り相手にタックルをかけた。
そして共に斬られたのである。またその瞬間を見ていた縁は プチン と何かキレてしまった。

巴の持っていた刀が落ち、剣心の頬にもう一つ傷を付けた。
泣いてなぜこんなことを、と問う剣心に、巴は「これでいいんです、だから泣かないでください」と微笑み息絶えた。

死ぬならむしろ俺だ、と自分を責め家で考え続ける剣心は、巴の日記帳を見る。
そこに書かれていたのは斬り殺された婚約者の名前。
その名前に、剣心はとうとう自分が巴の婚約者を殺したことを知った。
驚愕しショックを受ける剣心の前に現れた上司・桂吾郎は、剣心のせいではなく不運が重なっただけだと慰める。
憔悴する剣心に、この後に及んでなお人を斬れという命令が下されるが、剣心は今ここで自分が人斬りをやめれば
巴の死も数々の犠牲も無駄になる、とその命令を呑む。そして新時代になったら自分は二度と人を殺したりしない、
人々を守って生きていくと決意し、巴と暮らしたその家を去った。

343 :るろうに剣心 人誅編4 :04/03/12 03:55 ID:???
その後剣心は表だって人斬り抜刀斎として新撰組などと戦い、維新側は勝利を収める。
戦いの最中に、剣心は白髪となって自分を憎悪する縁を見た。
そして明治維新が始まり、剣心は流浪人となって神谷家に辿り着いたのである。

長い昔語りを聴いて、それぞれ思い思いに寝る面々。
男のために死んでいった巴に対し、薫は剣心のためになんとしても死なない、と決意する。
さらに縁に届くのは巴の声だけだと思った薫は、京都の寺に預けてある巴の日記帳を縁に見せようと思い立ち
日記帳を取ってきてもらうよう蒼紫と操に手紙を送った。その頼みを受けて京都を出発する蒼紫と操。
一方過去を語った剣心は、未だ罪を償う答えは出せないけれど戦おうと再び心に決める。
その答えがこの戦いの果てにあると信じてーーー。
戦いを前に薫は剣心に想いを伝え、「家」を得た剣心も応えた。

十日後、気球でやってきた縁のほか六人の敵を加え、神谷道場で戦いは始まった。

一番手の鯨波は剣心の姿を見るなり我を失い特攻してくるが、剣心にあっさり返り討ちに合い悶絶気絶。
また二人目の人形使い・外印は「からくり芸術家」を自負しており、自分の作った戦闘マシンで攻撃してくるが、
人形相手に剣心も容赦ゼロで挑み撃退。奥義・天翔龍閃で人形を破壊した。

三人目、四人目の敵とそれぞれ戦うのは佐之助と弥彦。
その二人は剣心に対して仇というより単なる戦闘狂として挑んできた。佐之助は単純に戦闘を楽しむその男に、
強さとは何か、犠牲にするものは何かということを、破壊の奥義・二重の極みでもって対抗しこれを撃破してみせた。
そして弥彦もまた、暗器を使う快楽戦闘狂に奥義を放ちこれを倒す。ガキに倒されザマーミロといったところだ。

五人目の敵は、剣心が巴を助けにいったときに戦った暗殺一派の生き残り・八ツ目だった。
化け物の姿の八ツ目は、元は金鉱で働く金堀の一族だった。金鉱が掘り尽くされて仕事がなくなった一族は
幕府側について戦っていたという。が、結果は幕府の負け。金堀族はその日も危うい生活をしているという。
化け物の姿を見られ、さらに維新志士に敗れ居場所を失った一族の恨みを全て剣心にぶつけてくる八ツ目に
剣心は応えようとする。 そこに不死身ダークヒーロー斉藤一の再登場。

344 :るろうに剣心 人誅編5 :04/03/12 03:57 ID:???
私闘でもって剣心に戦いを挑んでくる人誅集団に、斉藤は私怨のためにしか戦えない奴などくだらん、
とクールに言い放った。八ツ目はキレて斉藤に勝負を挑んでくる。
しかしまたも相手が悪かった…。
斉藤に口でも腕でもコテンパンにやられてしまってただの可哀想な化け物になってしまった八ツ目は、
剣心に一族の元へカエレと優しく諭され、泣いて落ち込む。
斉藤「倒そうと思ってた相手に助けられてりゃ世話ねーな」  ……。

そしてようやく縁と剣心の戦いが始まる。
剣心と戦いながら己の凄惨な過去を語る縁。巴を奪われて上海に渡った縁は親切な日本人一家に拾われた。
だが幸せな家族を憎悪した縁は、一家を惨殺し金目のものと武術について書かれた本を強奪。
そして新武術・倭刀術を拾得し、その武術と執念でもって上海の武器マフィアにのぼりつめたのだという。
それをきいて言葉もない薫達。一方、剣心は未だ煮えきらず劣勢である。
そんな戦いの中、縁は薫に意味ありげな視線を送り薫は何かを察知する。ここで逃げとけば良かったものを…。

そしてとうとう決着をつけるため奥義・天翔龍閃を放った剣心に対し、縁は奥義・虎伏絶倒勢で対抗する。
罪の意識を背負う剣心に対し、罰の意識で臨む縁。答えを出すものと出さないものの差が、勝負の明暗を分けた。
剣心の奥義は破られ深手を負い、縁は巴の魂は俺に微笑んだのだと満足げに告げる。
そして薫の方に向かって歩き出した。「これより真の、人誅の仕上げに入る」

縁の究極の復讐、それは最愛の姉を自分から奪った剣心に同じ思いを味合わせることだった。
そのために薫には犠牲になってもらうこと、それが今回の全ての目的だったのである。
それだけは許さんと一気に容赦なくなった剣心は縁を攻撃しまくる。
ところが、もう寝ろと縁にラスト一発を繰り出す前に意識復活していた鯨波が剣心に奇襲。
巨漢の鯨波に押さえ込まれて動けない剣心を尻目に、縁は悠々と薫を殺すべく動き出す。

その間に薫は恵に連れられ逃げようとしていたが、外印のはった煙幕の中視界を見失う(モタモタしてっから)。
その前に現れたのは縁だった。抵抗しようとする薫をなんなく後から捕らえた縁はあきらめろといい口をふさぐ。
そして薫の意識は途切れた。

345 :るろうに剣心 人誅編6 :04/03/12 04:04 ID:???
必死で鯨波の押さえから逃れた剣心は、薫を求めて煙幕の中ダッシュ。正気を失った鯨波は斉藤に倒される。
視界の途切れた煙幕の中、香ってきたのは巴のつけていた香水・白梅香。
縁は剣心に、この香りを辿っていけばお前の求めていた答えがある、と言い姿を消す。
そして辿り着いた剣心がみたものは、頬に十字傷をつけられ胸に刀を突き立てられた薫の惨殺死体だった。
剣心は逆刃刀を取り落とし、自分はまた一番大切なものを守れなかった、といい涙を落とす。

後日、薫の葬儀が執り行われるが剣心の姿は見あたらず、佐之助、弥彦、恵、燕は彼の行方を探していた。
そして見つけた場所は、世間から見捨てられた村・落人村。ようはホームレスの溜まり場のようなものだが。
そこで逆刃刀に鎖をつけ封印し、死人のような目で剣心は座り込んでいた。
変わり果てた剣心に戸惑う佐之助達は、薫の仇討ちをするぞとハッパかけるが、剣心は「もう疲れた」と完全にダウン。全ての気力を失ってしまった剣心は、このまま眠らせてくれと落人村に堕ち続ける。

薫も剣心もいない状況に今更ながら涙を落とす弥彦の元に、ようやっと京都から蒼紫と操が参上。
全て終わってしまったと落ち込む弥彦に、操は日記帳を縁に見せて薫の墓前に謝らせるんだと喝を入れる。
そうして弥彦を元気づけて動かす操だったが、夜には薫を思い涙に暮れていた。そしてなにやら思う御頭・蒼紫。
また佐之助は、剣心に愛想つかし(キビシー)荒んで去っていく。
弥彦は佐之助に「このままでは終わらせない」と叫び、操と共に剣心の元へ向かい、剣心を待っていると告げた。

その頃、蒼紫は恵に今回の事件の顛末を聞いて現状分析していた。
そしてある一つの疑問を抱き、薫の墓を暴くと言い出した。反発する恵、弥彦に対しその疑問を明らかにする。
目の前で薫殺す方がダメージデカいのに、んな回りくどい真似するなんて、ぶっちゃけその死体偽物なんじゃねーのと。
その夜薫の墓を暴き、死体を解体して人形だというころを確認する蒼紫達。
薫が生きている、と喜びに湧く弥彦達は、剣心にすぐに知らせようとするが蒼紫はそれを止める。
剣心が自ら人斬りの罪を償う答え、それを本当に見つけない限り何も変わらないだろうと。

346 :るろうに剣心 人誅編7 :04/03/12 04:09 ID:???
剣心が自力で立ち上がることを信じ、こっちはその前に薫のいる場所を突き止めておこうということで、
縁の情報をもっていそうな斉藤の所に尋ねていく弥彦達。当の斉藤は薫が生きていることをとっくに推測していた。
弥彦は薫はこっちが勝手に探すから縁の情報を教えれといい、情報ゲット。お子様コンビはアジトを探し駆けめぐる。

一方蒼紫は、薫の屍人形を取りに来る奴がいると踏んで罠をしかけ待っていたところ、外印が本当に登場。
屍人形を隠した蒼紫に、私の最高傑作を返せと詰め寄ってくる。薫の居場所と交換だと蒼紫はいい戦闘開始。
外印から情報をゲットする。屍人形を燃やされたと知り、怒った外印は蒼紫の周りを火の海にするが、返り討ちにあい
自分が焼死。蒼紫は墓穴に潜って無事だったポカーン。

そして生きていた薫は縁のアジトで目を覚ます。孤島のアジトから脱出する術もなく、敵の縁と共に過ごす薫。
復讐を果たしたはずの縁は、自分の見る幻の姉が微笑んでいないことに混乱(こいつはビョーキだ)、
薫を本気で殺そうとするが、拒否反応を起こしまたも失敗。
薫は姉の死がトラウマとなって、縁が若い女性を直接手にかけることが出来なくなっていることに気づく。
しばらくしてそのアジトに縁の仲間、武器マフィア組織のNo.2の男・呉黒星(ウーヘイシン)が現れる。
縁は今回の私闘を終えたら組織を黒星に譲ると約束しており、その確認にきたらしい。

一方警察署の牢屋に入れられていた鯨波は脱走。抜刀斎の名を呼びながら街を破壊する。
それを止めようとしたのは弥彦だった。正気を失った鯨波に対し、気迫でもって戦い抜く。
そして燕は「弥彦が死んでしまう」と剣心の元へ走っていた。
落人村で今も身を沈める剣心に、弥彦君を助けて、と必死に懇願する燕。
仇討ちの声や励ましの言葉には応えられなかった剣心は、助けを求めて自分を呼ぶ声に反応を見せる。
罪を償う答えがまだ出ないんだ、という剣心に住人のオイボレは(彼は実は巴と縁の親父)
「今もそうして刀を握りしめていること、それが答えじゃ」「君を待っている者がいる」と言う。
仇討ちは剣心の真実ではなかった。誰かを守り剣をふるい続けることこそ罪を償う答えだ、
ととうとう導き出した剣心は立ち上がる。そして街へ走り出した。

347 :るろうに剣心 人誅編8 :04/03/12 04:10 ID:???
ついに剣心は復活して鯨波の前に登場。鯨波は正気に戻り、なお剣心にとどめをさせと詰め寄ってくる。
そんな彼に喝を入れたのは弥彦だった。
侍が侍を恨む道理などない、その言葉に感銘した鯨波は涙を落とし、捕縛された。

剣心復活より少し前、クサって東京をおん出てきた佐之助は田舎村で荒れまくっていた。
その頃、その田舎の宿場町はある権力者によって牛耳られようとしており、村人が反抗を続けている状況だった。
乗っ取ろうとしている権力者は佐之助の腕を買い、反抗勢力と喧嘩して欲しいと依頼してくる。
そこで佐之助は、反抗勢力の代表である自分の親父と再会する。
佐之助にそっくりで短気で剛気な父親と話し、さらに妹弟と再会した佐之助はその街の状況を細かにきき、
結局は反抗勢力の方に加わる(まあ当然)。
そして権力者一派何百人をぶっとばし、さらにお偉いさんもぶっとばしスッキリ。
街と家族を守りふっきれた佐之助は、愛想づかしをして出てきたが東京のメンツのことを思ってとんぼ帰りする。
そして佐之助の弟もまた、兄の背中を見て強い男を目指すのだった。

佐之助が戻ってきた頃、長い落人生活から立ち直った剣心は眠り続け、夢の中で巴の笑顔を見た。
そして目覚めた剣心は、薫を助けるために動き出す。

佐之助、弥彦、恵、蒼紫、操、斉藤の仲間(かどうか微妙な奴もいるが)とアジトのある島に降り立った剣心。
縁は剣心を殺そうと狂喜し、血湧き肉躍っている様子だ。
ところが抜け駆けして組織のNo.2・黒星とそのボディガードが剣心達に戦いを挑んでくる。
ようは先に獲物を倒してしまって、縁に嫌がらせしようという腹づもりだったらしい。
(まあたんに剣心以外の仲間に見せ場が必要だったということだろうが)
当たり前だが勝負はこちらの圧勝。逃げようとする黒星に縁の怒りの鉄拳が下る。

348 :るろうに剣心 人誅編9 :04/03/12 04:12 ID:???
とうとう縁と剣心の最後の戦いが始まった。
今度は縁は剣心を本当に殺そうと挑んでくるが、剣心もまた答えを得て巴の笑顔を取り戻したため迷いはなく、
戦いは熾烈を極めた。限界を超えて戦う縁は、自分の守りたかったものは既にお前に奪われている、と
剣心に悲しみパワーMAXの攻撃をぶつけてきて手をゆるめない。
そして剣心は、決着をつけるために再び奥義を放つ。
今度放った奥義は、前に答えを模索しながら放った奥義とは違っていた。
力強く迷いのない奥義の威力の前に、縁の武器は破壊される。勝負はついた…。

しかし縁の憎悪は全てを失ってもなお止まらない。
ところがそこに縁に殴られて気絶していた黒星が再び横槍を入れる。
癇癪を起こし、満身創痍の剣心を銃で狙い撃ち。それをかばって薫は剣心の前に躍り出た。
その光景に過去の光景をダブらせた縁は黒星を攻撃し、薫を守る。
なおも黒星を殴ろうとする縁に、剣心は「これ以上命を奪い続ければ、お前は巴の笑顔を永遠に失ってしまう」と諭し、薫を守ってくれてありがとう、と告げた。呆然とする縁は、自分が本当に守りたかったものは…と号泣する。

捕らえられた縁に、薫は巴の日記帳を渡す。船を降りた時、縁は姿を消していた。
縁は落人村に堕ちていた。オイボレに少し休んでいけ、と言われた縁はこれからそこで何を考えるのか…。

そして訪れるそれぞれの別れ。
蒼紫と操は京都に帰り、斉藤は抜刀斎でなくなった剣心と戦っても無意味、と永遠に剣心の前から姿を消す。
恵も会津の田舎へ帰り、佐之助に至っては田舎でお偉いサンをぶっとばしたためお尋ねものとなって海外逃亡。
そして弥彦も神谷家を出て自立し始める。

5年後、剣心と薫の間には息子の剣路が生まれ、弥彦は神谷活心龍の師範代として世間に名を馳せていた。
無理が祟ったため今では殆ど剣をふるえなくった剣心は、15歳になった弥彦を呼ぶ。
そして一本勝負。弥彦の腕を見極め、逆刃刀を譲り渡した。己の志を継いでいくものとして。
弥彦はその重みを受け取り、次の逆刃刀の後継者として歩み出す。
薫は剣心に今までお疲れさまでした、と微笑んだ。
                              <完>