からくりサーカス/藤田和日郎
456 :からくりサーカス :04/02/01 12:46 ID:???
話を分かりやすくするため、物語を刊行順ではなくて作中での時系列順に書きます。

時は中世、1780年頃、中国に二人の兄弟がいた。兄の白銀(バイイン)と弟の白金(バイジン)。
二人は有名な人形遣いの一族で、子供の頃から人間に限りなく近いからくり人形を作ることを目的としていた。
そして、二人はその手段を錬金術に見出し、錬金術を学ぶために百塔の町プラハへと旅だった。
8年後、ようやくプラハに辿り着いた兄弟はある老いた錬金術師の弟子となる。
二人は才能もあり、非常に勉強熱心だったので順調に錬金術を学んでいった。
そんなある日、二人はリンゴ売りの女性フランシーヌと偶然出会う。
朗らかで活発な彼女に惹かれていく白金。
次第に3人で行動を共にするようになるが、真面目な白銀は、女性は学問の邪魔になるとしてフランシーヌをよく思わなかった。
だが、三人でカーニバルで遊んだ後、酔いつぶれた白金の代わりにフランシーヌを送ることになった白銀は、彼女が貧民街で天使として慕われていることを知る。
他人の為に自らの身をひさいでいたフランシーヌの優しさに触れた白銀もまた、彼女に惹かれていった。
自分たちの目的のためだけに行う錬金術に疑問を感じ、次第に大きくなるフランシーヌへの気持ちを抑えられなくなった白銀は、ある日教会で彼女にプロポーズをする。
それを喜んで承諾するフランシーヌ。二人は晴れて夫婦となったのだが、その光景を白金は偶然目撃してしまう。
「自分の方が先にフランシーヌを好きになったのに、兄さんは裏切って彼女を自分のものにしてしまった。」
嫉妬の炎に狂った白金は、白銀の元からフランシーヌを攫ってプラハから消えてしまった。


457 :からくりサーカス :04/02/01 12:47 ID:???
9年後、弟への恨みと執念で、白銀はようやく白金の居場所を見つけだした。そこはフランシーヌの生まれ故郷クローグ村。
クローグ村で悠々と錬金術の研究をしていた白金に対し、積年の恨みをぶつけ、フランシーヌの居場所を尋ねる白銀。
そこで彼は、フランシーヌが原因不明の病にかかり、感染を恐れた村人から監禁されていることを知る。
フランシーヌが監禁されている小屋へと辿り着いた白銀は9年ぶりに彼女と再会するが、白銀に病が移ることを恐れて彼女は小屋から出ようとはしなかった。
そこで、病気さえ治すことができれば再び一緒に暮らすことができると考えた白銀は、再び錬金術を研究しはじめる。
目的は錬金術の至宝「柔らかい石」、その石から生成できる「生命の水」を飲めば、あらゆる病気が治り、さらに4年に1度しか年を取らなくなり、大抵のケガなら自動的に治る、限りなく不死に近い身体となるのだ。
何日も眠らず、ほとんど不眠不休で研究を続けた白銀はついに、柔らかい石の生成に成功する。
喜びいさんでフランシーヌの元へ駆け付けたが、小屋から火の手が上がっていた。
白銀と一緒に暮らすことができず、また9年間も白金といた罪を悔いて、フランシーヌ自らが小屋に火を付けたのだった。
「私を一人にするな、フランシーヌ!」
必死に説得するも、とうとうフランシーヌは焼け死んでしまう。
そこに白金がやってくる。彼もフランシーヌを助けようと柔らかい石の生成に成功していたのだった。
呆然としている白銀に白金は言う。
「兄さんは、僕の欲しい物を最初から全部もっていたんだ・・・。」
「違うさ、フランシーヌの心はお前にも注がれていた。お前が気付かなかっただけだ。」
そして、二人の兄弟は別れ、二度と会うことはなかった・・・。


458 :からくりサーカス :04/02/01 12:48 ID:???
それから10年後、フランシーヌを失った悲しみと村人への憎しみ(フランシーヌは自殺だったが、白金は村人が焼き殺したと思いこんでいた)とで、白金はほとんど正気を失っていた。
そこで彼は、フランシーヌが残した髪の毛を培養し、生命の水を使ってフランシーヌそっくりの生きた人形(オートマータ)、「フランシーヌ人形」を作り出すことに成功する。
だがフランシーヌ人形には一つ欠陥があった。それはどうしても彼女は笑うことができないことだった。
そこで白金は考えた。彼女が笑えないのなら、誰かに笑わしてもらえばいい。
彼は、誰かを笑わせないと呼吸困難で次第に死に至る恐ろしい病気「ゾナハ病」を作り出す。
そして、村人への復讐を込めて、村人をゾナハ病に感染させ、「さあ、彼女を笑わせろ。笑わせないと死ぬぞ。」と殺して回った。
しかし、それでも笑うことができないフランシーヌ人形に彼は絶望する。
「さよなら、フランシーヌと違う者。」
白金は全てに絶望して、フランシーヌ人形を捨ててどこかへと消え去った・・・。


459 :からくりサーカス :04/02/01 12:49 ID:???
造物主である白金に捨てられたフランシーヌ人形は、自分が本物ではないから、笑うことができないから捨てられたのだと考えた。
そこで彼女は、付き人である「最古の四人」パンタローネ、アルレッキーノ、ドットーレ、コロンビーヌ達にも疑似体液によって意志を与え、また同じようにオートマータの仲間を増やしていった。
そして、フランシーヌ人形率いるオートマータの集団は「真夜中のサーカス」と名乗り、笑う方法を見つける旅に出た。
旅先で人間達を襲い、ゾナハ病を撒き散らし、いつか笑うことができると信じて・・・。


460 :からくりサーカス :04/02/01 12:50 ID:???
時同じくして1810年頃、白銀は極東の国日本にいた。彼もまたフランシーヌを失った悲しみから、死に場所を求めて世界を彷徨いながら日本に辿り着いたのだった。
そこで彼は、正義感が強く、一本気な少年正次郎と出会う。
白銀は、異人である自分とも分け隔てなく接する正次郎と次第に親しくなり、彼に異国の文化などを教えていった。
正次郎と接している内に、白銀は忘れていた物を取り戻していく。
そして、逃げてばかりではなく、自分の運命と決着をつけないといけない、と決心した白銀。
正次郎は白銀に、日本での呼び方「しろがね」という名前を与え、二人は再会を約束して別れた。


461 :からくりサーカス :04/02/01 12:55 ID:???
フランシーヌを失い、白金と別れてから29年後、白銀はクローグ村に戻ってきた。
だが、そこには白金はおらず、ゾナハ病にかかり苦しみながら辛うじて生き残った村人達が転がっているだけだった。
持っていた生命の水を少量与え、村人の一人ルシールを介抱し、彼女から事情を知って戦慄する白銀。
白銀は彼の弟である白金が、オートマータを使って村人を虐殺して回ったことに強い責任を感じた。
兄弟として、同じ錬金術師として、オートマータ達は殲滅しなければいけない。だが、年を取り老いてしまった自分にはそれができないと感じた白銀は、最後の手段を取ることにした。
それは、柔らかい石を井戸に投げ、そうして出来た生命の水の泉に自らの身体を溶かすことだった。
生命の水は全てを溶かして保存する霊薬。
その生命の水に自らを溶かし、村人達に飲ますことによって白銀が持っていた知識、意志、感情などを村人たちに与えて、代わりにオートマータ退治をしてもらう。
それは村人達に呪われた運命を押しつける方法だったが、他に手段がなかった白銀は、翌日他の村人達に飲ませるようにルシールに言い残し、井戸の中に身を投げたのだった・・・。


462 :からくりサーカス :04/02/01 12:56 ID:???
翌日、言われた通りに自分と他のゾナハ病で苦しんでいた村人達に井戸の生命の水を飲ましていたルシール。
すると、彼女たちの身体に変化が起こった。髪は銀髪に、瞳は銀色に、そして白銀がもっていた錬金術の知識、サバイバル技術、オートマータを倒すために作られたマリオネットの操り方、オートマータへの激しい憎悪などが頭の中に流れ込んできたのだ。
そうして、ルシール他クローグ村の住人達は、オートマータ達を殲滅することだけに生きる集団、「しろがね」となって生まれ変わった。
「しろがね」達は、各地でオートマータがばらまいたゾナハ病にかかった者達に白銀が溶けた生命の水を与え、仲間を増やしつつ、オートマータを壊していった。
だが、生命の水はいずれ尽きる。生命の水を作り出す「柔らかい石」は井戸から回収していたが、柔らかい石は人間の体内、しかも子供の身体の中でないと解けてしまう性質があった。
そこでルシールは、唯一クローグ村で生き残った子供、自分の娘でもあるアンジェリーナを柔らかい石の入れ物にした。
オートマータ達も、生命の水を飲むことによってより人間に近づければ、フランシーヌ人形を笑わせる方法が分かるかもしれない、という理由から柔らかい石を求めていた。
かくして、柔らかい石を体内に持つアンジェリーナを巡って、「しろがね」達と「真夜中のサーカス」は幾つもの大きな抗争を繰り返した・・・。


465 :からくりサーカス :04/02/01 14:31 ID:???
一方、1824年、クローグ村を後にした白金は死に場所を求めて生まれ故郷である中国の村に帰ってきていた。
彼は全てに絶望し、小さな泉に持っていた柔らかい石をいれて生命の水の泉を作り出し、そこに身を投げることで自殺をしようとしていた。
だが、死の間際に彼はある事に気付いた。
それは、フランシーヌがまだ完全には死んでいない、ということだった。
フランシーヌ人形に植毛された髪は、本物のフランシーヌから培養した髪。
フランシーヌの記憶がたっぷり染み込んだその髪を生命の水に溶かして、誰か他の女性に飲ませれば、フランシーヌの知識と記憶を持った生まれ変わりを作ることができると彼は考えたのだ。
彼はフランシーヌ人形からフランシーヌの本物の髪を手に入れるため、クローグ村に戻ろうとするが、自分の身体老いて長旅には耐えられないことに気付く。
そこで彼は自分の生まれ変わりを作ることにした。自らを生命の水に溶かして、それを誰か若い肉体に飲ませることにより、白金の知識、記憶、人格を転送しようと考えたのだ。
まず実験として、自分の髪を溶かした生命の水を彼になついていた犬に飲まし、犬を白金の代弁者にすることに成功すると、自ら生命の泉に身を投げ、その犬を使って攫ってきた近隣の子供にその生命の水を飲ますことに成功する。
かくして、白金は若い少年の身体に生まれ変わることができた。
そしてフランシーヌ人形を最後に捨てた場所、クローグ村に彼は旅立った。


466 :からくりサーカス :04/02/01 14:32 ID:???
1年後、クローグ村に着いた白金は異変に気付く。彼が30年近く前に虐殺した筈の村人達が、生きていて、捨てたはずのフランシーヌ人形の姿が見当たらなかったのだ。
そこで彼は、一人の少女と出会う。その少女は、フランシーヌと全くの生き写しである、ルシールの子、アンジェリーナだった。
実は、本物のフランシーヌはルシールの叔母にあたる人物で、そのルシールの子であるアンジェリーナとフランシーヌは血が繋がっていた。
その血の繋がりにより(あるいはご都合主義により)、アンジェリーナはフランシーヌの生き写しのような姿をしていたのだ。
そんなことは知らない白金は、フランシーヌの生まれ変わりに出会ったと思い驚愕する。
そんな白金にアンジェリーナは、クローグ村は、白銀によって「しろがね」となったオートマータ破壊者達の本拠地となっていて、フランシーヌ人形は笑う方法を求めてどこかに消えてしまったことを教える。
白金は、自らを溶かした生命の水を飲むことにより銀髪銀目、さらに若い肉体に生まれ変わっていたので、アンジェリーナは彼が全ての元凶だと気付かず、同じ「しろがね」の仲間だと思ったのだ。
そこで白金は、ある計画を思い付く。わざわざ、フランシーヌの髪から生まれ変わりを作らなくても、目の前にフランシーヌそっくりの少女アンジェリーナがいる。
彼女と親しくなれれば、フランシーヌと過ごせなかった幸せな日々を取り戻せるかもしれない、と。
そして白金は、自らを「ディーン=メーストル」(以後白金の呼称をディーンに変更)と名乗り、「しろがね」の仲間としてアンジェリーナに近付いていった。


467 :からくりサーカス :04/02/01 14:33 ID:???
時は流れ、ディーンはアンジェリーナをまるで兄のように甲斐甲斐しく守ることによって、仲間からも信頼を得ていた。
だが、アンジェリーナは、成長にするにつれてますます宿敵であるフランシーヌ人形に似ていくことを悩んでいた。
また、同じように自分の娘であるアンジェリーナを柔らかい石の入れ物として囮に使うことに悩んでいたルシールは、アンジェリーナを「しろがね」から追い出すことにした。
もう僅かにしか残っていない生命の水をアンジェリーナに渡し、
「永劫の時を一緒に過ごしてくれる男を見つけなさい。」
とアンジェリーナをクローグ村から追放した。
実の母親から捨てられたと思いこんだアンジェリーナは、母の言いつけ通り一緒に永劫を過ごしてくれる男性を求めて世界中を歩き回ったが、見つけることはできなかった。


468 :からくりサーカス :04/02/01 14:34 ID:???
1842年、アンジェリーナは失意のまま日本に流れ着き、異人であることを偽り「あやかし太夫」として丸山遊廓で遊女となり働いていた。
そこで、たまたま医者として患者を見に来ていた成瀬正二郎と出会う。
昔、白銀と仲良くなり、「しろがね」という名を白銀に与えた少年、正二郎は36歳になり立派な医者になっていたのだ。
初めは反発しあうアンジェリーナと正次郎だったが、次第に正二郎の温かい心に惹かれていくアンジェリーナ。
ついに、自分が「しろがね」という不死人であることを正二郎に告白してしまう。
だが、そのことも笑って受け入れ、自らもアンジェリーナが持っていた生命の水により不死人になった正二郎は、アンジェリーナと結ばれることとなる。


469 :からくりサーカス :04/02/01 14:35 ID:???
さらに時は流れて1909年、正二郎がアンジェリーナと結婚してから67年の月日が経っていたが、5年に1度しか年を取らない不死人「しろがね」である正二郎とアンジェリーナは幸せな日々を過ごしていた。
正二郎は才賀正二と名を改め(以後正二郎の呼称を正二に変更)、機械の分野で他に並ぶ者がいない「才賀機巧社」の社長になっていた。
そして、裏では「しろがね」達が使う優秀なマリオネットを作り出して、「しろがね」達に協力していた。
だが、そんな彼等の元に連絡員として一人の「しろがね」がやってくる。
ディーン=メーストルだった。
ディーンは、アンジェリーナを手に入れるために長年彼女に尽くしてきたのに、アンジェリーナがディーンに一言も言わずクローグ村から去り、さらに日本という極東の島国で結婚していたことを深く恨んでいた。
その相手、正二のことも。
そこで彼は当初の目的、フランシーヌの髪からフランシーヌの生まれ変わりを作る計画を進めることにした。
さらに、手に入らなかったアンジェリーナと正二に対して復讐する機会を窺うために、表面上は彼等の良き友人、理解者として振る舞った。
そんなディーンの思惑に全く気付いていないアンジェリーナと正二は、自分たちに尽くしてくれるディーンに感謝していた。
だが、ディーンは「しろがね」本部から新しく作る「オルガン部隊」の隊長として呼び戻されることになり、アンジェリーナと正二に笑いながら別れを告げた。
いつか復讐する機会が訪れることを企みながら・・・。


470 :からくりサーカス :04/02/01 14:37 ID:???
その後アンジェリーナに、正二の子供ができたことが判明する。「しろがね」達は生殖機能が著しく低下するため、「しろがね」同士の子供が産まれるのは初めてのことだった。
出産に控えるために、正二はアンジェリーナを黒賀村へ行くように薦めた。
黒賀村は人形遣い一族の村で、昔から何かと世話になっていた村でもあったからだ。
一足先にアンジェリーナを黒賀村に送り、仕事を済ませて自分も黒賀村に向かおうとした矢先、一人の人物が正二を訪れる。
「しろがね」達の宿敵、「真夜中のサーカス」のリーダー、フランシーヌ人形だった。



471 :からくりサーカス :04/02/01 14:38 ID:???
正二と対面したフランシーヌ人形は告白する。
フランシーヌ人形は、世界中様々な場所でゾナハ病を撒き散らし、人々を恐怖に陥れながら笑う方法を探していた。
しかし、百年間オートマータの仲間と旅をしても、決して笑うことができない。
そして、自分は「疲れた」のだと正二に語った。
生きる目的を失った彼女は、自らとそっくりな偽フランシーヌ人形を作り出し、自分に代わってオートマータ達を労ってあげなさい、と命令をし、自分を壊してくれる「しろがね」の元へ密かに旅立ったという。
そして、自分と同じ姿をもつ「しろがね」アンジェリーナに自分を壊してくれと頼むつもりで日本に来たと語った。
そんなフランシーヌ人形の弱々しい姿を見て困惑する正二。
自分の一存では決められないと判断し、フランシーヌ人形が人並み以下の力しか出せない細工を施し、アンジェリーナの元に連れて行って、彼女に決めてもらうべきだと考えたのだ。
そうして、正二とフランシーヌ人形はアンジェリーナがいる黒賀村へと旅立った。


473 :からくりサーカス :04/02/01 15:38 ID:???
一方、黒賀村へ向かっている一人の「しろがね」がいた。
彼の名はギイ・クリストフ・レッシュ。
彼は、ゾナハ病にかかったことにより母親に捨てられていたのを、ルシールにより生命の水を飲まされ「しろがね」となった少年だった。
彼はマリオネットの才能があり、そのことを「しろがね」本部に認められ、ある任務を与えられていた。
それは、アンジェリーナから柔らかい石を取り出し、その子供に移し替えて、新しい柔らかい石の入れ物を確保する、というものだった。
捨てられたことにより、母親という存在を恨んでいた彼は、アンジェリーナから柔らかい石を取り出すために黒賀村へと向かった。
黒賀村に着き、アンジェリーナと邂逅したギイは、彼女に自分が柔らかい石をその子供に移すためにきたと告げ、逆らうなら容赦はしないと脅す。
だが、アンジェリーナはそれを良しとせず、二人はマリオネットで激突することとなる。
最初優勢に戦っていたギイだったが、アンジェリーナの母親としての強さにより敗北。
その際大けがを負ったギイは、アンジェリーナに介抱され、次第に彼女に惹かれていった。


474 :からくりサーカス :04/02/01 15:41 ID:???
その後、フランシーヌ人形を連れた正二が黒賀村に到着する。
フランシーヌ人形を見たギイは、長年の恨みを晴らすチャンスだと彼女に襲いかかるが、丁度その時、アンジェリーナの子供が産まれそうになる。
医者であるギイの助けもあって、無事出産することが出来たアンジェリーナ。自らの肉体から新しい生命を作り出す人間を見て感動するフランシーヌ人形。
正二とアンジェリーナは生まれた女の子に、エレオノールと名付けた。
エレオノールを可愛がり、まるで実の娘の様に接するフランシール人形を見て、ギイは次第に彼女への憎悪が薄らいでいく。
そんな中、祭りによって村人達が黒賀村を留守にしていた時に、残っていた正二、アンジェリーナ、ギイ、フランシーヌ人形、エレオノールを200体のオートマータが襲いかかる。
そのオートマータの黒幕は、ディーンであった。
彼は、新しい計画のために柔らかい石が必要となり、アンジェリーナを襲って石を手に入れようと企んでいた。
その計画とは、柔らかい石によって生命の水を永遠に作りだし、そして記憶と知識を転送し続けることによって限りなく不死に近付くことだった。


475 :からくりサーカス :04/02/01 15:42 ID:???
そんな事は全く知らない正二達は、突然のオートマータの襲来に驚くも、なんとかアンジェリーナとエレオノールを守ろうと死闘を繰り広げる。
だが、圧倒的に手数が足りない状況に、アンジェリーナはフランシーヌ人形にエレオノールを連れて逃げるように頼む。
彼女は、フランシーヌ人形が悪しき者ではないと信じていた。
エレオノールを任されたフランシーヌ人形は、赤ん坊を連れて必死に逃げるが、正二によって人並み以下の力しか出せなくなっていた彼女は追いつめられてエレオノールと一緒に井戸に転落してしまう。
冷たい井戸水に浸かっていてはエレオノールが死んでしまう、とフランシーヌ人形が危惧していると、ある奇跡が起こった。
井戸水がバラ色に変わり、生命の水へと変化したのだ。
実は、アンジェリーナがエレオノールを出産した際に、彼女の中にあった柔らかい石が赤ん坊に移ってしまっていたのだ。
エレオノールの中の柔らかい石が井戸水に反応して生命の水を作り出したが、生命の水は全てを溶かす霊薬。
このままではエレオノールの身体が溶けると思ったフランシーヌ人形は、自らの身体が溶かされて行く中、必死に赤ん坊を抱き上げ、井戸のカベを叩き割って生命の水を流れ出そうとする。
そして、そんな彼女に向かって笑いかけるエレオノールを見たフランシーヌ人形は、産まれて初めての「微笑」を浮かべつつ生命の水に溶けていった。
「星が見えるわ・・・なんていい気持ち。」


476 :からくりサーカス :04/02/01 15:44 ID:???
一方、必死に戦い続ける正二、アンジェリーナ、ギイ。
だがしかし、一瞬の隙をつかれてアンジェリーナが致命傷を負う。ギイに向かってアンジェリーナを連れて逃げるよう頼む正二。
死にゆくアンジェリーナに向かって、初めて彼女に対して「死なないで、ママン」と告げるが、「エレオノールをひとりぼっちにしないで」とギイに言い残し、ついにアンジェリーナは事切れてしまう。
アンジェリーナが死に、その中に柔らかい石がないことがわかったオートマータ達は、逃げたエレオノールが石を持っていると察し、エレオノールを探しに行く。
だが、怒りによって我を忘れたギイによって200体全てのオートマータは破壊される。
井戸の底から聞こえる泣き声によりエレオノールを発見したギイと正二。
そこにはフランシーヌ人形の姿はなく、彼女は溶けきった後だった。
だが、無事だったエレオノールにもある異変が起きていた。
彼女は銀髪銀目になっていた。エレオノールは、フランシーヌ人形と、フランシーヌ人形の髪に使われていた本物のフランシーヌの記憶と知識が保存された生命の水を飲んで「しろがね」となっていたのだった。


477 :からくりサーカス :04/02/01 15:45 ID:???
それからさらに20年後の1930年。エレオノールは黒賀村で隔離されていた。
エレオノールの体内には柔らかい石がある。
そのことが「しろがね」達や「真夜中のサーカス」に知られれば、エレオノールは呪われた運命に巻き込まれてしまう。
そこで正二とギイは、エレオノールは出産時のトラブルで死んだことにし、アンジェリーナはそのことのショックにより失踪したことにした。
そうして、エレオノールと柔らかい石を関連付ける者がいなくなるように嘘を付いたが、ある問題が生じていた。
「しろがね」は5年に1度しか年を取らない。20年たっても4歳分しか肉体も精神も成長していなかったエレオノールは、彼女が飲んだ生命の水に溶け込んだフランシーヌとフランシーヌ人形の記憶に支配され、自我を保てなくなっていた。
そこでギイは、エレオノールを旅先で発見した「しろがね」と偽って、彼女を連れて世界中を旅して回ることにより、運命と闘う方法をエレオノールに教えた。
そしてさらに15年後、フランスのキュベロンにいるルシールの元にエレオノールを預け、そこで「しろがね」として戦う方法を学ばせたのだった。


478 :からくりサーカス :04/02/01 15:47 ID:???
さらに年月が流れて1982年、正二はキュベロンに赴きルシールに「一番年若いしろがねを日本に派遣してくれ」と頼んでいた。
それは正二とギイがずっと進めてきたある計画のためだった。つまり、正二とエレオノールが親子として幸せに暮らせるように、と。
正二の娘は死んだことになっているので、正二はエレオノールと直接接触しないようにしていた。
だが、1910年アンジェリーナが失踪したことにし、その後1982年に発見されたが柔らかい石を持ってはいなかったとルシールに報告した。
そして、アンジェリーナが「柔らかい石はいい笑顔の元に」という言葉を残して死んだと嘘を告げた。
それにより、柔らかい石はアンジェリーナが失踪している間、日本にいるどこかの子供に託したはずだとし、そして子供を調査するには一番年が若い者のほうがやりやすいだろう、とルシールに進言したのだ。
その一番年が若い「しろがね」こそが、正二とアンジェリーナの娘エレオノールだった。
ルシールはそのことには気付かず、エレオノールを日本に派遣することを承諾する。
それで、あとは柔らかい石の在処を調査するふりをしながら、正二とエレオノールが幸せに日本で暮らせるはずだった。
しかし、15年間に及ぶキュベロンでの訓練期間において、エレオノール(5年に1度しか年を取らないので年齢がわかりにくいが、この時彼女の肉体的且つ精神的年齢は10歳)に異変が起きていた。
彼女は「人形」になっていたのだ。


480 :からくりサーカス :04/02/01 16:46 ID:???
一方、ディーンは、黒賀村を手製のオートマータに襲わしたのはいいが、アンジェリーナが柔らかい石を持っていなかったというオートマータからの報告を受けて驚く。
柔らかい石はどこにいってしまったのか?
その事はアンジェリーナの夫であった正二が知っている筈だと考え、アンジェリーナを失って悲しみに暮れていた正二に、同情しているフリをして近付く。
そして、ディーンは、正二の傍にいて柔らかい石の情報を入手するため、世間的には彼の息子であり、大会社「サイガ」の現社長でもある才賀貞義として振る舞うことにした。(以後ディーンの呼称を貞義に変更)
正二の義理の息子貞義として正二の力になる一方、彼は「オルガン部隊」の隊長として「しろがね」達に協力していた。
そんなある日、貞義は「しろがね」本部キュベロンで一人の少女を見かける。
彼の初恋の人、フランシーヌ、アンジェリーナ、にそっくりの姿をした少女、エレオノールだった。(その時1950年頃で、エレオノールはルシール達によって訓練されていた)
そこで彼は再び計画を思い付く。今度こそこの少女と親しくなることによって、フランシーヌと過ごせなかった幸せな時間を手に入れよう、と。


481 :からくりサーカス :04/02/01 16:47 ID:???
しかし、そう考えずっと傍にいて甲斐甲斐しく守ってきたのに、アンジェリーナは貞義の元を去ってしまった。
そこで彼は、自分の思い人が彼から逃げない方法を思い付く。
それは、エレオノールに彼の傍にいたい、いなくてはならないと思いこませることだった。
そしてさらに、彼が前に企んでいた限りなく不死に近付く計画も応用することにした。
それは、再び自分の生まれ変わりである少年を作り出し、エレオノールにその少年を守らなければならない洗脳することだった。
そこで、彼は、エレオノールに会う度に正二の格好をして(本人曰く、正二への嫌がらせのつもりで正二の格好をした、とか)、
「お前は人形だ。微笑みさえ忘れた悲しい人形だ。しかし、日本である少年を守り続けることが出来たら人形ではなくなる。」と暗示をかけ続けた。
その結果、エレオノールは笑うことの出来ない「人形」となってしまった。
エレオノールを洗脳することに成功すると、今度は自分の生まれ変わりを作る準備を始めた。
だが、柔らかい石が見つからない以上、生命の水を使った転送は出来ない。
そこで貞義はダウンロード理論と呼ばれる、脳に直接情報を焼き付けて自身の記憶、知識、性格を転送する方法を考え出す。
そして、自分の新しい肉体とするために愛人とその子供を引き取り、その子供に「勝」と名付けた。(この時1989年)


482 :からくりサーカス :04/02/01 16:48 ID:???
一方、エレオノールが人形になっていることに気付いた正二とギイは、自分たちの計画を妨害している何者かの存在に気付く。
そして、それは自分たちの一番近くにいる人物、貞義ではないかと。
何十年も親友、あるいは義理の親子として貞義と接してきた正二はにわかには信じられない。
だが、貞義の意味深な言動の数々により、貞義が何かを企んでいて、そしてそれは正二にとって孫にあたる勝も関係していると察した正二は、15年前うやむやとなったエレオノールを日本に派遣する話を再びルシールに進言する。
正二にとって、勝は実の娘と同じくらい大事な存在となっていた。
そこで、派遣されたエレオノールに勝を守ってもらい、3人で一緒に幸せに暮らそうと考えたのだ。
そして勝にこう告げた。
「勝よ、変なことがあったらすぐお逃げ。しろがねがきっとお前を守ってくれるだろう。」


483 :からくりサーカス :04/02/01 16:50 ID:???
1997年、全ての計画実行の機が熟したと考えた貞義からの電話により正二は黒賀村に呼び出される。
黒賀村で邂逅した正二と貞義。
黒賀村の人々は貞義がばらまいたゾナハ病により瀕死の状態になっていた。
そこで貞義は自分の方が早くアンジェリーナを好きになっていたのに、それを横取りした正二への激しい憎悪を告げる。
ようやく、全てを悟った正二に対し、貞義が尋ねる。
「柔らかい石はどこにいったのさ?」
二人は激しい死闘を繰り広げるが、何とか、自分そっくりに作ったダミー人形によって難を逃れる正二。
正二を殺したと思いこんだ貞義だったが、貞義が怪しいと睨んでいた正二は、事前に貞義の別荘においてダウンロード理論に関するデータを破棄していた。
そのお陰で、貞義の勝へのダウンロード計画は2年遅れることとなり、正二はゾナハ病にかかった村人達を救うため、自らの血液を大量に分け与えることにより昏睡状態に陥ってしまった。(「しろがね」の血液を与えることにより、初期状態のゾナハ病なら治るらすぃ)
計画の遅れを感じた貞義は、「いつでも勝を助けることができるように近くのサーカスに待機していてくれ」と、正二名義の手紙をエレオノールに送った。


484 :からくりサーカス :04/02/01 16:52 ID:???
2年後、2000年。正二は世間的には山歩きにいった際遭難して死亡したことになっていた。勝を守らなければいけないと洗脳されていたエレオノールも、律儀に近くのサーカスに入団して、時が来るのを待っていた。
そして、再びダウンロード理論を完成させた貞義は、勝に自身の記憶、知識、性格などを転送するために、勝を呼び出した。
薬を使って眠らせた勝に対し、ダウンロードを開始した時、正二が貞義の前に立ちはだかった。
正二は2年間、昏睡状態になっていたが、やっと目覚め貞義との決着をつけにきたのだった。
お互い不死人である「しろがね」同士であり、死闘はなかなか決着がつかないが、正二には秘策があった。それは、用意した酸のプールに貞義と共に身を投げることにより、捨て身で貞義を完全に殺す罠だった。
その罠にかかり、酸のプールに正二と共に落ちる貞義。
「こん・・・な・・・後少しで・・・。」
二人が入った酸のプール付きのトラックは、そのまま高速道路を走り去っていった。
後始末を正二から頼まれていたギイは、ある事実に気付いて驚愕する。
それは、勝に何らかのダウンロードが為された後があったのだ。
全てのダウンロードが完了していれば、勝は全ての元凶、貞義の生まれ変わりということになり、許しおくことはできない。
だが、白か黒か、ギイには判断できなかった。
そこで、勝をしばらく泳がせることによって、貞義の生まれ変わりになったのかどうか見極めようとした。
ギイと黒賀村の仲間達により、貞義の死は、「大会社サイガの社長高速道路で変死」、として世間で扱われ、また、後ほど発見された酸のプールの跡地から、瀕死の正二は回収することは出来たが、貞義の姿はどこにもなかった。
身体の半分以上溶けてしまった正二は昏睡状態に陥り、黒賀村で培養液に浸かりながら、辛うじて生きながらえることとなった。


485 :からくりサーカス :04/02/01 16:55 ID:???
そして、2000年のある日、そんな事情を知らない勝は、突然の父の変死、そして相続することになった莫大な財産に戸惑っていた。(勝は貞義の愛人の子だが、将来貞義が勝にダウンロードする時のために勝に財産相続権を残していた)
財産を相続できなかった親戚達に嫉妬され、勝は命を狙われることとなり・・・。

というわけで、>>442のプロローグに続く。(その中の「しろがね」がエレオノールです)
442 :からくりサーカス :04/01/31 22:35 ID:EXkxGKbt
基本的に伏線というか後付というか、話が洒落にならないほど複雑に絡み合ってるのでとりあえず概要だけ。

舞台は現代日本。主人公、加藤ナルミは中国拳法の達人でありながら、人を笑わせないと発作的に呼吸困難に陥る奇病、「ゾナハ病」にかかっていた。
ナルミはある日、ひょんなことから誘拐されそうになっていた少年、勝を助ける。
勝は大会社「サイガ」の社長の愛人の子で、父親が変死したことにより莫大な財産を相続してそれを妬んだ親戚から命を狙われいた。
勝の境遇に同情し、力になろうとするナルミ。
だが、ナルミは勝を狙ってやってきた人間そっくりの機械仕掛人形に襲われ、ピンチになる。
そこを勝のことをおぼっちゃまと呼び、「あるるかん」と呼ばれる操り人形を使う銀髪銀目の謎の女性「しろがね」に助けられる。
しろがねは、今は亡き勝の祖父に大恩があり、勝を助けるために近くのサーカスにいたのだと言う。
正義感が強いナルミと、常に冷静なしろがねは反発しあうが、勝を助けるという点で協力することになる。
ひとまずナルミの家に避難する三人だが、そこをしろがねと同じように操り人形を使う謎の集団に襲われ勝を誘拐されてしまう。
彼等の黒幕は勝の叔父で、勝を誘拐して養子にすることにより勝の財産を欲しいままにすることが目的だった。
勝を助けるために、ナルミとしろがねは軽井沢の別荘に侵入し、そこを守っていた人形遣い達と死闘を繰り広げる。
戦いの中、しろがねとの絆を深めるナルミ、また守られてばかりではなく自分から行動することを学ぶ勝。
ようやく勝を救出したナルミとしろがねだったが、別荘に仕掛けてあった爆弾の爆発に巻き込まれる。
逃げ遅れた勝を助けるために、必ず戻るとしろがねと約束して崩れ行く別荘に舞い戻るナルミ。
だが、しろがねの元に戻ってきたのは、爆発でもぎ取られたナルミの左腕を持った勝だけだった・・・。

っていうのが1〜3巻にあるプロローグかな。


444 :からくりサーカス :04/01/31 22:48 ID:???
その後、貧乏でさびれた「中町サーカス」に入団したしろがねと勝が、ナルミの死を乗り越えながら様々な人と交流を深めていく「サーカス編」
片腕と記憶を失ったが、なんとか生きていたナルミが、世界中を舞台に、自らを「しろがね」と呼ぶ謎のフランス人医師ギイとその師ルシールと共に、人間を襲って血を吸う「オートマータ」を殲滅する旅に出る「からくり編」
この二つの話が「笑い」をキーワードに交錯しながら物語が進む。
物語が進んで行くにつれて「ゾナハ病」の秘密、錬金術と「オートマータ」の関係、しろがねと勝の出生の秘密なんぞが徐々に明かされていく。
が、話が複雑すぎて俺には説明しきれん。プロローグで精一杯。誰か他にできる奴頼む。

とりあえず最新刊辺りでは、記憶を失ったナルミとしろがねが30巻辺りにしてようやく再会したりしてる。

499 :からくりサーカス :04/02/01 21:23 ID:???
>>442の続きをば。

ナルミを失った悲しみにくれていたエレオノールと勝は、ひょんなことからさびれた貧乏サーカス「中町サーカス」に入団することになる。
おやっさんこと中町団長、ノリ、ヒロなど個性的なメンバーに囲まれて中町サーカスの団員として各地を巡るエレオノールと勝。
旅先で、姉の仇を取るために日本にやってきた猛獣使いの少女、シスター・リーゼロッテ。
破産してしまった元大手サーカス団長の三牛親子。勝を狙ってやってきた殺し屋にしてナイフの名手、ヴィルマ。どなりんジジイこと道具方の名人、生方法安とその孫娘のリョーコなどを仲間にしつつ、次第に活気を取り戻していく中町サーカス。
そして、ナルミの死によって再び笑うことが出来なくなったエレオノールも、徐々に自ら笑うことを覚えていった・・・。


500 :からくりサーカス :04/02/01 21:27 ID:???
一方、片腕と記憶を失ったが、何とか生きていたナルミはフランスにいた。
勝が貞義の生まれ変わりかどうか監視していたギイによって、辛うじで別荘の爆発から救出されて、そのままフランスに連れてこられていたのだった。
だが、片腕を根本から失ったナルミは出血多量で瀕死の状態。
仕方なくギイは、「しろがね」達が持っている最後の生命の水を使い、「聖ジョージの剣」と呼ばれる機械仕掛けの義手を片腕に仕掛けて、ナルミを助けた。(最後の生命の水はほんの少量だったため、ナルミは銀髪銀目にならず、白銀の知識や記憶も顕現しなかった)
意識が戻ったが、記憶が戻らず困惑しているナルミにギイは告げる。自分が「しろがね」と呼ばれる人形破壊者であり、最後の生命の水をナルミを助ける為に使ったのだから、オートマータを破壊する自分の仕事を手伝え、と。
最初はギイの仕事を手伝うことを嫌がるナルミ。
だが、道中ギイの師であるルシールとも合流し、オートマータが人々に恐怖をばらまき、さらにゾナハ病をばらまいて子供達までも苦しめていることを知ったナルミは、「しろがね」という人形破壊者として生きることを決意する。
「いいぜ。俺を“しろがね”と呼びな。」


501 :からくりサーカス :04/02/01 21:29 ID:???
アメリカにあるゾナハ病治療施設で、「真夜中のサーカス」が中国のある場所に向かったという情報をつかんだナルミ、ギイ、ルシールの一行は、飛行機で中国へと向かう。
だが、乗り合わせていたオートマータの集団により飛行機をハイジャックされる。
死闘の最中、自爆することにより飛行機を巻き添えにしようとしたオートマータ「スパッツア」の自爆を阻止するため、スパッツアと共にギイは海へと消えていった。
ギイはこれくらいでは死なないと言うルシールの言葉を信じて、ナルミはルシールと共に再び中国を目指した。


502 :からくりサーカス :04/02/01 21:30 ID:???
中国の目的の場所に辿り着いたナルミ達を待っていたのは、泉から溢れる生命の水とそれを守っている銀髪銀目の犬だった。
それは大昔、白金が自らの生まれ変わりを作るために生成した生命の水の泉と、白金の代弁者たる犬だった。
そこに、フランシーヌ人形の付き人である「最古の四人」の一人、パンタローネが生命の水を求めてやってくる。
白銀が溶けた一番濃い部分の生命の水を飲んでいたナルミは、白銀の過去の記憶が故郷にくることにより蘇り、自分を消失するが、ナルミの中国拳法の師であるリャン先生の助けにより、辛うじてパンタローネを撃退し、生命の水が溢れていた泉を封印することに成功する。
そして、「しろがね」の犬の嗅覚能力により、「真夜中のサーカス」の本拠地がサハラ砂漠にあることを突き止めたナルミとルシールだった。


503 :からくりサーカス :04/02/01 21:32 ID:???
「真夜中のサーカス」に対して最後の決戦を挑むべく、ルシールは全世界に散らばっていた「しろがね」達全員3万人をサハラ砂漠に召集する。
エドワルド・ダール、ティンババティ、ロッケンフィールド、ドミートリィ・イワノフ、シェバルツェス・トーア、ファティマ。
そして「しろがねーO」と呼ばれる不死人をさらに機械仕掛けの身体にした異形集団のリーダー、フェイスレス司令など、「しろがね」の猛者達ともに「真夜中のサーカス」に潜入するナルミ。
ルシール達「しろがね」には秘策があった。それは、午前0時までこの地に「真夜中のサーカス」を足止めできれば、新型ミサイルでの一斉攻撃によりこの世からオートマータ達を消滅させる作戦を立てていたのだ。
オートマータ達との激しい死闘の末、ドミートリィ、フェイスレス司令などが倒れていくが、何とかフランシーヌ人形と「最古の四人」との対面に成功するナルミ達。
「最古の四人」に最終決戦をしかけるが、ここに来るまでに満身創痍となっていたナルミは「最古の四人」の一人アルレッキーノを追い込むも、そのまま倒れてしまう。
倒れたナルミを救おうと戦う「しろがね」達だったが、防戦一方のままで追い込まれていく。


504 :からくりサーカス :04/02/01 21:35 ID:???
その場に駆け付けたルシールの機転により、何とか「最古の四人」を初めとするオートマータ達の行動を止める事に成功するが、そのルシールも、自分の子供達を殺した宿敵「最古の四人」の一人ドットーレと差し違えることにより、死亡する。
さらに、ティンババティの捨て身の技により「最古の四人」の一人コロンビーヌを倒すが、ナルミを守るためにダール、トーア、ファティマは散っていく。
死んでいった「しろがね」達の血液を輸血し、壊れていったマリオネットの手足を移植することにより何とか一命を取りとめて、覚醒するナルミ。
ほとんど銀髪銀目になったナルミは、散っていった「しろがね」達の無念を晴らすため「最古の四人」のパンタローネとアルレッキーノを圧倒的な力で撃破し、ついにフランシーヌ人形と対面する。
ゾナハ病を止めるため、苦しんでいる子供達のため、フランシーヌ人形にとどめの一撃を加えようとする瞬間、フランシーヌ人形がナルミに向かって告げる。
「ワタシハ、フランシーヌサマニツクラレタ、ニンギョウデス」
今、目の前にいる人形が、偽フランシーヌ人形であったことに驚愕するナルミ。
そして、新型ミサイルの攻撃が始まり崩壊していく「真夜中のサーカス」。ナルミはロッケンフィールドの犠牲により、「真夜中のサーカス」から脱出する。
残ってしまった「しろがね」が自分一人になり、仲間達の戦いが無駄であったことに悲しみ、憎悪の炎に焼かれるナルミ。
ナルミは砂漠で一人、本物のフランシーヌ人形を必ず見つけだして壊すことを決意するのだった。


505 :からくりサーカス :04/02/01 21:37 ID:???
一方、エレオノール、勝達「中町サーカス」は海に漂流していた謎のフランス人を救出する。
そのフランス人は、飛行機を救うために海へ散っていったギイ・クリストフ・レッシュだった。
エレオノールにとってギイは幼少の頃のマリオネットの師、そしてギイにとってもエレオノールは大事なママン・アンジェリーナの一人娘。二人は再会を喜ぶ。
そして、また、そのサーカスに勝がいたことに驚くギイ。
勝が貞義の生まれ変わりだと疑っていたギイは、丁度いい機会とし、そのまま中町サーカスに居座ることになる。
また勝は、自分の出生に疑問を感じ始めていた。どうして父親である才賀貞義は、愛人の子である勝に全財産を残したのか、と。
そこで勝はギイの助言もあって、自分の出生を探す家出に出る。
自分の出生に関する情報を求めて、爆発によって崩壊した軽井沢の別荘にやってきた勝。
そこの地下の隠し部屋で、勝は自分が、貞義がダウンロードする肉体として引き取った事実を知り、驚愕する。
そのまま茫然自失の状態で地下室を後にする勝。だがそこに黒賀村の人形遣いが襲いかかる。
「よくもそこまで成り代わったものだな、才賀貞義。」
もし、貞義が生き残っていれば必ずこの別荘を訪れる、と張っていたのだった。
そこにやってきた勝を見て、勝への貞義のダウンロードが完了したことを確信して襲いかかってくる人形遣い達。
抵抗むなしく捕まった勝はそのまま黒賀村にいる正二の元へと連れて行かれた。


506 :からくりサーカス :04/02/01 21:40 ID:???
正二は死んだと思っていた勝は、祖父と再会できたことに喜びをあらわにするが、正二は勝を貞義の生まれ変わりとして、勝に激しい憎悪を向けてくる。
そして、正二によって長年に渡る正二と貞義との因縁を教えられる勝。そこに、貞義への止めは自分がすると正二と約束していたギイも合流する。
ギイと正二は勝へ激しく詰問する。
「お前は貞義なのだろう?」
だが、そこに一人の男が乱入してくる。どこかで見たことのあるその男は、「しろがねーO」のリーダーであるフェイスレスであり、その正体は白金ことディーンこと貞義だった。
フェイスレスは困惑しているギイと正二に自らの正体を告げる。(以後貞義の呼称はフェイスレスに変更)
フェイスレスとは、ディーンが明治時代、新しく作ることになった「オルガン部隊」のリーダー時に名乗っていた名前だった。(オルガン部隊だから、しろがねーOなのだと思われる)
濃硫酸のプールの中で、何とか生き残った正二と同じように、貞義もまた溶け残っていたのだ。
身体を機械に改造し、将来転送するための肉体である勝を迎えに来たと言うフェイスレス。
そこで正二とギイは、勝への貞義のダウンロードが完全に行われおらず、まだ勝は勝のままだったということを知る。
圧倒的な力で正二、ギイや他の黒賀村の人形遣いを蹂躙していくフェイスレス。
他人のことを何とも思わず、自分の祖父である正二を嘲るフェイスレスに対して、怒りが爆発した勝は、自らがもっていたフェイスレスの知識と、フェイスレスの「油断」をついて一矢報いることに成功。
自らの将来の肉体である勝へ、興味が沸いたフェイスレスは勝へ「ゲェム」の提案をする。
今後2年間、エレオノールを狙って刺客を送り続けるので、それを見事阻止することが出来たならエレオノールのことは諦めよう、と。
そして、そのまま逃げ去るフェイスレス。
とても大きな重圧を残すことになった勝に対し、自らの不甲斐なさと、そしてエレオノールの事を託しながら正二はそのまま死亡する。


507 :からくりサーカス :04/02/01 21:42 ID:???
一方、突然いなくなった勝を捜して回っていたエレオノールの元に、勝が戻ってくる。
無事に再会できたことを喜ぶエレオノールに対し、
「もう僕を守らなくてもいいんだよ。」
と告げてギイと共に黒賀村へと戻っていく勝。勝は、黒賀村に残って、今後フェイスレスのゲェムからエレオノールを守るために、ギイからマリオネットの修行をうけることを決意していたのだった。
生きる目的でもある勝を守ること、それを否定されたエレオノールは茫然自失となって街を彷徨う。
そんなエレオノールの元に、一人の男が現れる。
軽井沢の別荘で爆発に巻き込まれ、死んだと思っていた加藤ナルミであった。
再会できたことに喜び、ナルミに駆け寄るエレオノールに、激しい殺意とともに襲いかかるナルミ。
戸惑うエレオノールに対して、ナルミは冷たく言い放った。
「見つけたぞ、本物のフランシーヌ人形よ。」

ー続くー


508 :からくりサーカス :04/02/01 21:45 ID:???
というのが、1〜29巻のあらすじです。
最新刊である30巻では、勝が黒賀村で修行とかしてるけど、しょーもない内容なので割愛。

234 名前:からくりサーカス[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 22:25:27 ID:???
サハラの戦いの後、元「しろがね」の実業家・フウから情報を得て
フランシーヌ人形の行き先を知ったナルミ。だが、フウの情報も完全なものではなく
彼は「フランシーヌ人形が自らの溶けた生命の水をエレオノールに飲ませ、人間に転生した」
という誤解に至っていた。だが、ゾナハ病の止め方を聞き出すまでは
(そもそもエレオノールはその方法を知らないが)ナルミはエレオノールを殺せない。
エレオノールは、ナルミを仲町サーカスのバイトに雇うことで彼を留め置く。

一方、勝は黒賀村で修行をしながら、フェイスレスの刺客と戦っていた。
8ヵ月後、仲町サーカスが黒賀村での興行に訪れ、勝はサーカスの仲間たちと再会するが
間もなく、黒賀村の全住民がゾナハ病に倒れる事件が発生する。
いや、黒賀村だけではなかった。世界中全ての人間がゾナハ病に犯されていたのだ。
フェイスレスが気まぐれを起こし、己の憎悪と狂気の矛先を全世界に向けたのである。
「しろがね」がほとんどいない今、この世界で動けるのは
エレオノールと長期間同行していたことでゾナハ病への免疫を得た仲町サーカスの団員を含む
ごくわずかな人間だけだった。
直後、フェイスレスが用意した最強の人形集団「最後の四人」が黒賀村を強襲。
勝が応戦するものの、エレオノールは彼らの手によって攫われてしまう。

囚われのエレオノールの世話は、今や末席扱いのパンタローネ・アルレッキーノ・コロンビーヌに任された。
主たるフランシーヌ人形の不在を知り、無気力状態になっていた三体だが
フランシーヌに生き写しのエレオノールに仕えることで存在意義を見出す。
だがエレオノールに「人間を傷つけるな」と厳命されたことで、彼らの立場は微妙に人間寄りへ近付いていた。

そのころナルミは、かつて訪れたアメリカの疫病研究所へ向かっていた。
電磁波でゾナハ病を治療するマシンが完成したために、研究所は人形たちの標的になっていたのだ。
機械を破壊しようとするオートマータ達と、ナルミをはじめとする応援部隊が激突し
人間側にも少なからぬ犠牲が出たものの、対ゾナハ病マシン「ハリー」は無事保護される。
またこの戦いに参戦していたパンタローネは、エレオノールの命令を最重視したため
オートマータを敵に回してしまい、人間側に収容された。

235 名前:からくりサーカス[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 22:26:33 ID:???
一方、エレオノールを助けるべくフェイスレスを追った勝、そしてその勝を追う少数の仲間たちは
フェイスレスの居城となったモン・サン・ミッシェルへ突入する。
だが、それはフェイスレスの計算どおりであった。
エレオノールに「フェイスレス」を激しく憎ませ、その後に勝の脳へフェイスレスの記憶をダウンロード。
そしてエレオノールの前で「勝」が「フェイスレス」を倒すことで、エレオノールに「勝」を愛させる。
それがフェイスレスの書いた筋書きだった。
勝を捕らえ、ダウンロードを完全に終了させるフェイスレス。だが、芝居を決行する段階になって
フェイスレスは、勝が元の自我を保っていることに気付く。
エレオノールが、ゾナハ病の予防薬として勝に飲ませていた彼女の血──高純度の生命の水──が
ダウンロードの影響を状態異常として治療していたのである。
計画は失敗、フェイスレスは自分とエレオノールの愛の巣となるはずだった宇宙ステーション行きのロケットで
ひとり宇宙へと打ち上げられていった。
また、この戦いでもアルレッキーノとコロンビーヌが人間側に参戦。だがコロンビーヌは
戦いの中で、勝を守るために自分の余力を使ってしまい致命傷を負う。
最期に勝に抱きしめてもらったことを喜びながら、彼女は機能停止した。

それぞれの戦いを終えた皆は、かつてナルミと縁があった欧州の小国、ローエンシュタイン公国へ集合する。
フェイスレスを地球から放逐したものの、ゾナハ病を根本から消し去るためには
彼からその治療法を聞きだすしかない。
立案されたのは、ロシア極東のボードヌイ射場から、対ゾナハ病マシンを積んだシャトルを打ち上げる計画。
シベリア鉄道を使ってのシャトル輸送を任されたのは、ナルミとエレオノールを含む仲町サーカスの面々である。
オートマータには、道化として芸を研究する本能があるため、人間の芸に見入ってしまう癖があるから
戦いに慣れていなくとも、優秀な芸人ならオートマータに隙を作りうるのだ。
シベリアを行く輸送列車に、オートマータの軍勢が襲い掛かり
敵を退けつつも、仲町サーカスの仲間たちは次々と脱落していく。
そして、辛うじてボードヌイにたどり着いたシャトルを、敵の最後の大攻勢が待っていた。

236 名前:からくりサーカス[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 22:27:47 ID:???
シャトルに乗るはずだったナルミは単身飛び出し、オートマータたちを迎え撃つ。
多勢に無勢、敵に押し切られるかと見えたまさにその時
一足遅れていた勝が追いつき、ナルミを援護してオートマータを蹴散らした。
しかし勝は、直接ナルミと顔を合わせることを避けつつ、シャトルに乗る役を自分と交代するよう指示する。
実は既にナルミは記憶を取り戻していた。これまでの戦いの因縁ゆえ
エレオノールへの慕情を押し殺していたのだが、これを契機にナルミはエレオノールの元へ赴き
彼女と戦っていた「最後の四人」の一体、ハーレクインを撃破した後にエレオノールに愛を告白。
恋の成就を知って至上の笑みを浮かべるエレオノール。それを物陰から見届けたアルレッキーノは
自分たちの使命が果たされたことを知り、大破して首だけになっていたパンタローネと共に機能停止する。

シャトルで宇宙ステーションに上がり、フェイスレスと対峙する勝。
勝のエレオノールに対する気持ちが恋であると見抜き、思い人をナルミに譲った勝を哂うフェイスレス。
だが、勝は自分の選択に悔いがないことを告げ、フェイスレスを動揺させる。
そこへ「最後の四人」の一体、ディアマンティーナが乱入。主に歪んだ愛情を捧げる彼女だが
フェイスレスは一顧だにせず、彼女を分解してしまう。
しかし彼女の断末魔は、フェイスレスに傷を負わせると同時に、宇宙ステーションを爆破。
落ち始めたステーションの予測地点は、奇しくも日本の黒賀村であった。
墜落地点を変えるべく、人形でステーションの軌道修正を図る勝に、気まぐれと称して手を貸すフェイスレス。
その行動は、かつて彼が兄と共に人形芝居をしていた頃の幸せな記憶を呼び覚ます。
軌道修正を果たした後、フェイスレスはゾナハ病の治し方を明かした。
それは、エレオノールの子守唄を電波に乗せ、ゾナハ病を撒くナノマシンに聞かせることであった。
緊急脱出艇を勝に譲り、フェイスレスは墜落するステーションと運命を共にする。

世界は救われた。生き残った仲町サーカスの面々は、また興行生活へ戻っていく。
エレオノールとナルミは、紛争の続く危険地域へ笑いを届ける二人だけのサーカスを結成する。
そして世界のどこかで、かつての自分のように困っている子供を助ける一人の若者の姿が…
[からくりサーカス 完]