百鬼夜行抄/今市子
234 :マロン名無しさん :04/01/16 16:43 ID:???
百鬼夜行抄

稀代の霊媒体質であった祖父を持つ大学一年生、飯島律。
祖父は様々な魑魅魍魎と接触し、それをもとにして作品を書く幻想小説家だった。
彼は青嵐という竜のような妖怪を使役しており、自らの死期を悟って心臓麻痺で死んだ律の父親の体に彼を憑依させる。
その後まもなく祖父も亡くなり、小学生だった律には「律を守る」という契約を祖父と交わした青嵐が残された。
律自身も祖父ほどではないにしろ霊媒の気質があり、その所為で昔から奇妙なものをたくさん見ている。
彼はどちらかというとそういった自分の体質を厭っており、それらの存在を否定はしないものの
なるべく接触を避けるように心がけながら日々を送っている。
しかし青嵐の呼び込むどたばたや従姉である司に付きまとう妖怪を祓ったり
あるいはひょんなきっかけから住処の難を救ってやった二人の小さな天狗に殿と仕えられたりと
律に安息の生活は訪れない。
淡々とした主人公の周りで息衝く目に見えないものたちと人間との交わりを追いかけるオカルトミステリー。

「動物のお医者さん」にちょっと雰囲気が似ているかもしれません。あくまで雰囲気が。
背中の寒くなるような話はたまにあるがおどろおどろしいホラーには程遠い。