姫ちゃんのリボン/水沢めぐみ
387 名前:姫ちゃんのリボン1 投稿日:04/06/05 22:40 ID:???
「姫ちゃんのリボン」 いきます。

作者:水沢めぐみ 全10巻

・登場人物紹介
野々原姫子(ののはらひめこ):主人公。明るく元気でお人好しなおてんば中学生。スポーツ万能だが勉強は苦手。
       映画監督の父、小説家の母、女らしい姉、幼稚園の妹の5人家族。演劇部。
ポコ太:姫子が生まれた時から共にいるライオンのぬいぐるみ。♂。姫子が魔法のリボンをつけると動きだす。
       姫子の親友兼お目付で口うるさい。
小林大地(こばやしだいち):ヒーロー。姫子の同級生。スポーツ万能で顔も頭も結構良い。趣味は自転車旅行。
       軽めのノリだがいざというときは優しく頼りになる。警察官の両親、幼稚園の弟の4人家族。
エリカ:魔法の国の王女。姫子に魔法のリボンを貸し、王家の修行で姫子を一年間観察し日記をつけている。

*エリカの(姫子の)魔法の赤いリボンの効能
・この世界に存在する人間になら誰にでも変身できる。
・鏡の前で呪文「パラレル パラレル ○○になーれ」を唱えて変身。変身時間は1時間である。
・変身している間はリボンが赤いリボン型のペンダントに変わる。
・元に戻る呪文は変身呪文を反対に唱える。「ルレラパ ルレラパ 元の姿になーれ」
・元に戻る時は3分前にピコピコ鳴りだし、1分ごとに音が大きくなっていく。
・1時間以内に戻らなかった場合、永遠にその姿でいなければならない。
・リボンのことや魔法の国を人に知られたら、姫子は記憶を消されエリカの修行も取り消しとなる。

388 名前:姫ちゃんのリボン2 投稿日:04/06/05 22:57 ID:???
男子と野球サッカーと暴れ放題の、明るく元気一杯の中学生・姫子。
ある日憧れの支倉先輩に会いに行った姫子は、廃屋を見つけ好奇心で侵入する。
彼女はそこで同級生の小林大地が空に手を掲げて、おまじないのようなことをしているのを見た。
大地に男子と間違われた上、跳び蹴りを喰らわせた所を先輩に見られて落ち込む姫子。
女らしくなりたい、そう願って姫子が目を開けると、そこにはリボンをつけた自分と同じ顔の少女がいた。
彼女は魔法の国の王女・エリカと名乗った。魔法の国と人間界には対になる同じ顔の人間がいるのだという。
エリカは王家の修行のため同じ顔の姫子を一年間観察させて欲しいと言ってきた。
拒否する姫子にエリカは自分のリボンを渡す。それは呪文を唱えると誰にでも変身できる魔法のリボンだった。
取引は成立し、姫子は女らしく憧れの姉・愛子の姿に変身し、浮かれて街へと繰り出した。

街中をうろついていた姫子は愛子の姿でナンパされるが、そこを支倉先輩に助けられる。
舞い上がる姫子だが、どうやら先輩と愛子は知り合いだったらしく、彼は愛子(姫子)に突然告白してきた。
しかしその時丁度ペンダントが鳴りだし、姫子は挨拶もそこそこに先輩の前から立ち去ってしまう。
落ち込む姫子に、ポコ太は姫子が中身はとても優しい女らしい子だと知っている、と元気づけた。
ポコ太に励まされ、次の日に元気一杯で部活に出た姫子だが支倉先輩は当然落ち込んでいた。
姫子は計画を立て、先輩に変身して愛子に告白するという再度同じシチュエーションを作ることにする。
そこで偶然姫子に泥水をぶっかけた小林大地に愛子をナンパしてくれるよう頼み、計画は出来上がった。

大地が愛子をナンパしているところに、姫子は支倉先輩に変身し大地を追い払おうとし、そのまま告白する。
しかし運悪く先輩の妹が登場し、無理矢理連行され姫子は大地と愛子の前から立ち去る羽目になった。
その後、大地は街中で先輩に変身した姫子と先輩本人を同時に見てしまう。
姫子は先輩の家からなんとか逃げだした。その後大地は同じ人間を見たことを錯覚か双子か変身かと悶々とする。

389 名前:姫ちゃんのリボン3 投稿日:04/06/05 23:09 ID:???
そのうち文化祭の準備が始まった。先輩は演劇部の主役に抜擢されるが事故で足を怪我してしまう。
姫子は校長に頼み込み、演劇部の公演の日をずらしてもらうことに成功した。先輩の喜ぶ顔に幸せな姫子。
しかし劇を見に来た愛子は先輩とはち合わせ、再び告白して二人は付き合うことになった。
姫子は結果的にお膳立てしてやったことを良かったんだと強がるが、涙は止まらずポコ太と二人屋上で泣きじゃくる。
大地は屋上にやってきたところ、姫子が泣いて寝てしまっているのを見た。
立ち入り禁止の屋上に入っているところを先生に見付かった二人は逃げ出すが、姫子はリボンを破いてしまい
ポコ太はただのぬいぐるみに戻ってしまう。パニクりぬいぐるみを呼ぶ姫子に大地は当然不信の目を向けてきた。
結局リボンを縫って直したもののポコ太はそのままで、姫子は落ち込みまくる。

さらにそこに姫子と大地が熱愛中というとんでもない噂が学校を駆けめぐる。
追い打ちをかけて現れたのが日比野ひかる。小林大地ファンクラブ会長というナルシスト気味の少女である。
噂の真偽について詰め寄る日比野に、姫子は大地に確かめればすぐ分かると言うが、当の大地がいい加減な返事をして
姫子はますます日比野に目をつけられる。リボンが治るとエリカの手紙で知り、なんとかしたいと切に願う姫子は
治ったばかりのリボンで大地に変身し日比野に会いに行った。そして噂が嘘だと伝え元に戻ろうとするが、
呪文を唱えても何も起こらない。リボンが治っていないせいだと姫子は理解し、このまま元に戻れなかったらと焦る。
大地の姿では学校にもいられず飛び出すが、行く当てもなく彷徨うことに。

一方、大地は日比野に今朝の事を言われ「??」であるが、カンの良い大地は真相に気づき姫子を探しに行く。
あてもなくふらつく姫子は例の廃屋を思い出しそちらに向かった。が、そこでなんと本物の大地とバッタリ遭遇。
絶体絶命の姫子だがスキをついて逃げだした。エリカに助けを求めて大泣きする(大地の姿の)姫子。
夜中になり公園で寝ていた姫子は、自分の姿がいつのまにか元に戻っているのを見て泣いて安堵し家に戻った。
そして自分の姿がとても大事だと実感し、変身を控えることを心に決める。
「これからはあたし自身をもっと大切にしてあげるの」

390 名前:姫ちゃんのリボン4 投稿日:04/06/05 23:18 ID:???
次の日姫子は風邪でぶったおれる。そこに大地がお見舞いに現れた。
大地は「どうして昨日、俺の姿になっていたんだ」と核心をつく問いを残し去っていった。
焦る姫子とポコ太は変身のことをバラされるまいと大地の弱点について探りだす。
大地がいた廃屋に秘密があると見て向かうも、大地とまたも遭遇しピンチに陥る姫子達。
そこに大地の弟の森太郎の悲鳴があがった。誘拐されたと知り、タクシーをつかまえて追いかける。
エリカは助けに行こうとするが、魔法界が人間界に関与してはならないと教育係に止められて泣く。
誘拐犯に抵抗するも拳銃には歯が立たず追いつめられ、姫子は大地の目の前で森太郎に変身してしまった。
姫子は変身の力で森太郎を助け危機を乗り切り、誘拐犯は逮捕された。
しかし変身についてばらされることを覚悟した姫子に大地は「言わないよ、誰にも」という意外な答えを返した。
ただ好奇心で知りたかったという大地は、話が聞きたいと言って姫子とポコ太を例の隠れ家に招待する。

姫子は大地の隠れ家である廃屋に足を踏み入れた。姫子はポコ太を紹介し、魔法の国のことを話し始める。
話を聞き終わった大地は素直に感動を見せ、姫子は大地に不思議な感情を抱いた。
しかし帰りに、姫子は先輩に渡すはずだった落とし物を見つけ、それをからかった大地と喧嘩してしまった。

その頃、魔法の国では姫子達の記憶を消すことが会議で決定されていた。
しかし判決が出ていざ、というときになって王様(エリカの父)の元に使いが飛び込んでくる。
王様はしばし悩んだ末に姫子達の記憶は消さずに修行も続行する、という方針にして決定を覆した。
姫子の記憶が消されてしまう、と泣き伏していたエリカは喜ぶが、あの頑固な父が決めたことを変えるなど
何か起こるに違いない、と予感した。

395 名前:姫ちゃんのリボン5 投稿日:04/06/06 02:30 ID:???
学校で会うも喧嘩モードの大地と姫子。荒れる姫子は振り回したカバンを直撃させ、見知らぬ男と出会う。
彼は有坂静と名乗り、姫子のクラスに転校してきた。美形で長身、ミステリアスな有坂に女子はざわめく。
有坂は姫子を気に入ったと公衆の面前で告白してきた。戸惑いながらも嬉しい姫子。

後日、屋上の秘密ゾーンで大地と姫子はまたも喧嘩しかけてしまう。
そのやりとりをネズミを使って見ていた有坂は「小林大地か… 邪魔なやつだな」と呟いた。
その夜、ポコ太は何者かの声で目をさまし、窓の外にいた有坂に操られて大地の家に行く。
大地はポコ太を招きいれるが、ポコ太は大地に突然襲いかかった。いつもと様子が違うポコ太に驚く大地。
自分の周りで不可解な出来事が起こることを考え込む大地は、色々なヒントから一つの結論を導き出す。
「有坂は、魔法の国から来たのか?」
有坂は姫子に何か目的があって近づいたのだと言う大地に、姫子は腹を立て平手打ちを喰らわしますます
派手に喧嘩してしまう。今後何があっても助けてもらわない、と言い捨てて姫子は廃屋を飛び出した。

その後、姫子は有坂とデートをするがその時リボンやポコ太のことを知っている風な彼に不信を抱く。
そして彼について調べ始め変身を見られてしまうが、有坂は既に知っていた。やはり彼は魔法の国の人間だったのだ。
彼はエリカの婚約者だった。しかし堅苦しい王家に入るのを拒否しており、姫子に言い寄ることでエリカに
愛想を尽かされるよう画策していたのである。当然怒る姫子に有坂は魔法を使い一時的に体の自由を奪った。
動物を操る力を持つ有坂は助けに入った大地を足止めしリボンをかすめて消えようとするが、姫子のキックで気絶する。
目を覚ました有坂はリボンをとろうとしたのはラーメンの賭けネタだったと明かし、大地は爆笑し姫子は唖然。
有坂はミステリアスな雰囲気はどこへやら、さわやかに姿を消した。
姫子は大地に謝り自分を殴れというが、大地は代わりに姫子に廃屋の合い鍵を渡す。
その優しさに姫子は胸が一杯になった。
次の日学校に行くと、そこには魔法の国に帰ったはずの有坂がいた。
彼は親から勘当されてしまったらしく、さらに姫子の跳び蹴りで本格的に惚れてしまったらしい(マゾ?)。
雰囲気がすっかり変わった有坂は人間界に居着くことになった。

404 名前:姫ちゃんのリボン6 投稿日:04/06/06 02:53 ID:???
>387-390,395 の続き

進級し、姫子は大地、有坂、日比野とすばらしいメンバーと同じクラスになる。
久々の部活に姫子は燃えるが、部員減少のために演劇部は廃止の危機。
焦った姫子は色々なアイドルに変身して新入生を勧誘するという作戦にでた。
しかし興奮した生徒達、特に日比野に追いかけられた姫子は捕まえられ、週刊誌に写真までとられてしまう。
さらには変身時間の時間切れまで重なり超絶パニックの姫子。かなりギリギリのところを全て大地に助けられる。
大地は説教されて素直に謝る姫子にドキリとするが、姫子が今回の件(有名人に変身して勧誘会を行うこと)を
有坂に相談していたことに対し「これからは全部俺に言え」と言って走り去った。

ドタバタと過ごすうちに、修学旅行がやってきた。姫子はポコ太も連れて行くが、これがハプニングの元となる。
日比野にポコ太を見られてしまったのだ。日比野はポコ太を執拗に調べようとし、困った姫子はリボンを
一時的に外してポコ太を預けることにした。次の日、日比野はポコ太を調べるために残るが、当のポコ太は
全く普通のぬいぐるみだった。退屈さに抜け出した日比野は、ポコ太をあやまって谷川に落としてしまう。
さらに日比野は姫子のリボンを盗んだ有坂がリボンをつけて(…)変身をしようとしているのを目撃してしまった。

姫子は日比野にポコ太を川に流してしまったことをきき、すぐに探しに行って見つけるが
濁流に足をとられ溺れてしまう。姫子を助けたのは大地だった。また助けられた姫子は何度も大地に礼を言った。

夏休みに入り、姫子は誕生日を迎えた。
ポコ太に有坂が変身しようとしているのを日比野に見られてしまったことをきき、大地に相談しに行くが
大地は自転車旅行の真っ最中。大地の祖父は祖母が重病だという笑えない冗談をかます。
しかし姫子は真に受け大地に変身して祖母に会いに行き、運悪く日比野に遭遇してしまった。
日比野は有坂からのデータや不自然な状況続きからとうとう姫子=変身という秘密を探り当てる。
日比野は週刊誌の記者と結託して姫子を罠にかけ、姫子は日比野の姿に変身しておびき寄せられた。
写真をとられかけ、もはやこれまでという時に時間が止まった。

405 名前:姫ちゃんのリボン7 投稿日:04/06/06 02:57 ID:???
止めたのは掟を破って人間界に来たエリカだった。安心する姫子だが最大の危機が訪れる。
時が止まったことで、姫子は変身時間を過ぎて元に戻れなくなってしまったのだ。
エリカの父は、掟を破ったエリカに罰として1カ月間人間界で暮らすよう言い渡し、
時間内に戻れなかった姫子は一生そのままだ、と告げた。姫子は泣いているエリカを連れひとまず廃屋に避難する。
そして謝るエリカに、全てを忘れるよりはこの方が良かったんだと慰めた。
エリカは髪を切り姫子の代わりに野々原家に行き、姫子は廃屋でエリカの帰りを待った。
暗い部屋で不安で押しつぶされそうな姫子の前に現れたのは旅行を切り上げて帰ってきた大地だった。
大地は肝心な時に助けてやれなくてごめんな、と謝る。大地にやせ我慢するなと言われ姫子は大泣きした。
泣きじゃくる姫子の頭を優しくなでる大地に、姫子は大地への想いを自覚した。
「大地は 本当に夏の大地だ
 やさしくて大きくて強くて あたたかい…
 今はっきり分かったの あたしは大地が好きなんだ…」

その後廃屋にポコ太を連れてエリカが、姫子が元に戻れる方法があるらしい、という吉報をもってやってきた。
希望が見えた姫子は、大地達と14歳のバースデーパーティを祝う。
大地は待ち伏せていた日比野に変身やポコ太のことを嘘八百でごまかし、日比野から疑念を取り去ることに成功。
今後変身に関して追求してくることはなくなる。
エリカは姫子と楽しく過ごし、こんな日が送れるとは思わなかったと二人喜ぶが、
エリカの父は元に戻れると安心している二人に焦りを覚えた。
期待させるまいと何も言わなかったという王様は、有坂の元に使いを送った。
有坂は話を聞いて、「姫ちゃんが元に戻れるのは、後何十年も先ってことになる」と深刻な顔を見せる。
大地は有坂からさらに話を聞いて、有坂は姫子に伝えておいてくれと逃げていってしまった。
残された大地はそんなのは嘘だ、と苦しみ、ポコ太はいつもと大地の様子が違うことを察知した。

406 名前:姫ちゃんのリボン8 投稿日:04/06/06 03:00 ID:???
気分転換に大地に連れられ姫子とエリカ、そしてなぜか有坂はピクニックに行く。
姫子は元気全開で楽しむが、その心中は不安で一杯だった。
自分は元の姿にもう戻れないのではないかと弱音を吐き、自分を見るなと言う姫子に、大地は姫子を見つめ、
どんな姿でも野々原だよ、と強く言った。
そのすぐ後、雨による落石からエリカをかばい姫子は岩にぶつかってしまう。
息をしていない姫子に呆然とする大地達。しかし大地達の前で、姫子は日比野の姿から元に戻り目を開けた。
姫子が元に戻る方法とは、死んでしまった時だった。
廃屋に帰ってきた姫子達の前に現れた王様は、緊急会議を開くといいエリカと有坂を連れて姿を消した。

数日後の夜、エリカが魔法の国へのパーティに姫子を招待するため現れた。
魔法の国へやってきた姫子に王様は、エリカの命を救ってくれたことに対する礼だと言った。
さらに数ある魔法のアイテムの一つを選んで持って帰っていいという。

ポコ太はピンクという可愛いネコのぬいぐるみと出会い、恋人同士になった。
パーティで姫子は有坂のいとこのカミルを紹介されるが、カミルは大地と同じ顔のナンパな男であった。
カミルにたきつけられた姫子は、飾ってあった喋る時計を使って未来の世界へ行ってしまう。
3年後の世界で日比野と遭遇し、追いかけられてピンチの姫子は3年後の世界の大地に助けられた。
姫子は成長して相変わらず優しい大地にドキドキする。
そこに3年後の姫子が飛び込んできた。綺麗になって大人っぽい自分を見て興奮する姫子。
高校や恋人や部活のことを矢継ぎ早に質問するが、3年後の自分は内緒といって教えてくれない。
大地は「未来は分からないから面白いんだよ」と笑った。
二人に別れを告げ、姫子は時計に連れられ元の世界へと戻るが罰としてすぐ帰るように言われる。
しかしエリカの修行の期間が延ばされることを聞いて喜び合い、魔法のキャンデーをもらって人間界へと戻った。

422 名前:姫ちゃんのリボン9 投稿日:04/06/06 18:46 ID:???

次の日登校途中、姫子は可愛い女の子がガラの悪いヤクザに誘拐されかけているのを助ける。
彼女は聖結花(ひじりゆか)といい、女優の卵であった。
昔この街に住んでおり帰ってきたのだと言う。結花は大地と幼なじみだった。
そんな中、姫子は文化祭でやる演劇ピーターパンの主役に抜擢される。やる気満々で燃えまくる姫子。

ある日、姫子は魔法のキャンデーを試して小さくなって遊んでいたところ、夢子に人形扱いで
連れ出されてしまい、大地と結花が一緒にいるところに出くわす。
結花は姫子を夢子からとりあげて遊ぶが、大地が姫子人形を取り戻そうと躍起になっていることを
面白くなく感じる。その後も大地が姫子を気に掛けていることに眉をひそめる結花。
結花は姫子に大地が好きだから協力しろと言ってくるが、姫子も大地を好きだと知ると喧嘩別れしてしまう。
憂鬱な姫子に追い打ちをかけ、結花はピーターパンの主役をやりたい、と演劇部に入部してきた。
女優の結花には敵わず、姫子は役を奪われてしまう。
果ては秘密の場所だった屋上で、大地と結花が一緒にいるところに出会わせる。
自分の大事な場所がなくなっていってしまうと感じ、姫子は大地にも八つ当たりで「大っ嫌い」と叫んでしまった。
その後姫子は自己嫌悪で泣き伏していたが、ポコ太に励まされ持ち前の強さで気合いを入れて前に進み始める。

そして文化祭の朝、ポコ太は結花が例のチンピラに攫われてしまった現場を目撃する。
結花は隣町のヤクザの本拠地にいた。大地と姫子は助けにいき、姫子は組長に変身する。
本物の組長と遭遇してしまい、姫子はピンチに陥るがそれも変身の力で乗り切った。
組長は結花のファンで攫ったのだが、姫子は結花の姿で組長を一喝する。
姫子は結花を連れ必死に学校へ戻るが、演劇直前結花は倒れ、姫子は急遽ピーターパンをやることになった。
結花と大地の話をきいた姫子は、彼女がわざと倒れたことを知る。
結花は明るく人気者で大地とも仲の良い姫子を羨んでいたのだ。
結花の寂しさを汲み取った姫子は仲直りすることが出来た。

425 名前:姫ちゃんのリボン10 投稿日:04/06/06 18:53 ID:???
しばらく後、魔法の国では有坂セイとその従兄弟、カミルがとんでもないことを引き起こしていた。
カミルの作った魔法の眠り薬がピンクにかかってしまったのだ。
ピンクを目覚めさせるには恋人のポコ太ともう一組カップルの力が要る。
セイとカミルはピンクを人間界に送り込むが、途中でピンクは落っこちて行方不明になってしまった。

その頃、姫子は例の件以来大地とぎこちなく落ち込んでいた。カミルのせいでさらに二人はこじれることになる。
カミルは姫子と大地が恋人同士だと思っておりピンクのことを頼みにきた。
が、二人がカップルでないと知ると姫子を大地とくっつけるため色々とやらかし、大変な騒ぎを巻き起こす。
姫子もまたもう一組カップルを探すあまりに友人の愛美を傷つけてしまい、自己嫌悪に陥る。
しかしポコ太や愛美、結花や愛子などを見て、自分も大地に素直にぶつかってみようと決意した。
そして大地を呼び出し全てを話そうとしていたのだが、そこに担任の五利先生の娘がピンクを抱いて現れる。
探していたピンクを見つけ、姫子はなんとか取り戻そうと大地のことを忘れて五利先生の家へ向かった。
しかし五利先生の家が火事になり、姫子は先生の娘とピンクを助けに火事の中に飛び込んでいく。
一方、約束をすっぽかされ怒る大地は結花にX'masプレゼントを渡されるが、物は受け取らない主義だと断る。
結花は、これが姫子ならどうするのか、大地は姫子をどう思っているのかと詰め寄った。
そこに五利先生の家が火事で、赤いリボンの女の子が家に飛び込んでいった、という話がきこえ
大地は駆けだした。そして姫子達を助けに大地もまた火事の中へ飛び込んでいく。
大地が気絶する姫子の名前を呼び、ポコ太がピンクにキスをすると、不思議な光が走った。
ピンクは目を覚まし、また突然大雨が降り出して(王様が降らせた)火は消えた。
病院で姫子は大地に礼を言い、先生の娘はお礼だと言って姫子にピンクを渡し、ピンクは帰ってきた。

大地に今までのいきさつを説明する姫子。カミルも現れて説明し、万事解決である。
姫子は大地にクリスマスプレゼントのクッキーを渡し、大地はそれを受け取った。雰囲気的に盛り上がる二人。
姫子は素直な気持ちで「大好き」と大地に伝えることができ、大地は微笑って受け止めた。

18 名前:姫ちゃんのリボン11 投稿日:04/06/12 21:58 ID:???

新年を迎え、野々原家では吉報が持ち上がっていた。母の書いた小説が父によって映画化されるというのだ。
その小説は姫子達が使っている廃屋がモデルとなっていた。
隠れ家が暴かれるのではないかと姫子達は心配するが、悪い予感は当たった。
市役所が持ち主不在の廃屋を取り壊すことを決めてしまったのだ。
姫子が焦っている間に、大地は廃屋の中にある「あかずの間」の謎を解きあかそうとしていた。
大地は少しでもヒントを得ようと、遠い所にある廃屋と同じ形の家を尋ねて行き姫子も後をつけていく。
小さくなってその家に入り込んだ姫子は、魔法の国のものと似た不思議な呪文があるのを見つけた。
その呪文を唱えてもあかずの間は開かなかったが、この家を守るために頑張ろうと張り切る姫子と大地。
そして姫子は小さくなって鍵穴に入り込む、という手段を考えつく。しかし侵入しようとすると
すごい衝撃で姫子は吹き飛ばされ、さらにリボンも白くなってポコ太も喋れなくなってしまった。
大地はパニクる姫子をなだめ、あかずの間はやはり魔法の国と関係があるのだと推測する。

授業中、姫子は呪文を間違って覚えていたことに気づく。その時ポコ太に廃屋が取り壊されるという情報をきき、
大地と共に学校を飛び出した。日比野は二人を追って廃屋までついてくる。解体が始まる中、藁にも縋る思いで
姫子が呪文を唱えると、光とともにあかずの間は開き空間が流れる到着した場所にはエリカが立っていた。
あかずの間は魔法の国とつながっていたのだ。喜び合うもわけがわからない姫子達。
その時エリカが声をあげ、姫子が振り向くとそこには日比野がいた。魔法の国に驚き逃げ出す日比野。
姫子は必死に日比野を追い説得するが、元の場所に戻ると記者が溢れていた。時間の流れが違うためだ。
魔法の国の存在が皆に知られてしまい、姫子は記憶を無くしたくない、と必死に願う。
日比野はそんな姫子を見て彼女をかばい、記者達を一喝してその場を離れようとする。礼を言う姫子と大地。
しかし王様はこの事態を許さず、姫子達の記憶は一切消されてしまう。
いつもと同じ毎日を過ごし、何も覚えていない姫子達。エリカは「こんなのって嫌」と泣きじゃくった

19 名前:姫ちゃんのリボン12 投稿日:04/06/12 22:01 ID:???
泣き伏しているエリカを女王である母は慰め、自分もかつてエリカと同じ想いをしたことがあると話した。
あかずの間は、その時の出来事に関係あるのではないかと言う。
そこに大声で怒鳴り込んできたのは大王様、エリカの祖父であった。

一方、姫子は全て忘れているものの、時々不可解な胸の苦しさを覚えていた。
そして大地と廃屋の前ですれ違ったとき、二人はなんとも言えない落ち着かなさを感じる。
互いに何か言おうとしたとき、魔法が放たれ姫子達の記憶は戻った。
エリカが現れ、自分たちが記憶を消されていたことを覚えていない姫子達は今回のことを聞いて驚く。
そこに大王様が明るいノリで現れ、あかずの間は自分が作ったものだと告げた。
かつてエリカの母がエリカと同じ想いをしたとき、大王様はこのようなことが正しいのだろうか、と思った。
そしてエリカの母が観察していた住人が去った時、住んでいた家にあかずの間を作って魔法の国とつなげ、
ヒントとして同じ形の家を造りあかずの間の呪文を残した。この扉が開けられた時、
人間界と魔法の国との間に新しい歴史が生まれる、そう希望を抱いてあかずの間を作ったのだと。
大王様はエリカ、姫子達のために廃屋を残しておこうと言った。
「エリカの修行はもうすぐ終わるが 思い出は残していけるじゃろう」

そして姫子と大地は魔法の国のパーティに招かれ楽しい一時を過ごす。
ポコ太がピンクと寄り添い幸せそうにしているのを見た姫子は、リボンを返したらポコ太とピンクが
二度と会えなくなってしまうことに気づく。
もし自分が…と考えて、姫子は大地の腕を抱きしめた。

20 名前:姫ちゃんのリボン13 投稿日:04/06/12 22:03 ID:???
パーティも終り、姫子達は帰ることになった。次にエリカと会うときはリボンを返すとき…。
姫子は大王様に過去に行かせて欲しいと頼む。ポコ太と出会った時のこと、過ごした時のことを確かめたい、と。
許可を出され、大地は人間界に帰って、ポコ太と姫子は過去へ飛ばされ姫子が生まれた時の場面を見た。
お腹の中にいるときから元気一杯の姫子を、父は男だと思いライオンのぬいぐるみを買ってきた。
生まれたのは女の子だったが、父は元気一杯でも心は優しく女らしくなるように、そう願って「姫子」と名付ける。
姫子は両親の想いに涙ぐんだ。
次は1年後。
姫子はアレクサンドルという名のぬいぐるみをポコ太、と呼び続けそのぬいぐるみの名前はポコ太になった。
ポコ太の名付け親は姫子だった。そして様々な時に飛び、姫子はずっとポコ太に語りかけ成長してきた日々を見る。
「ポコ太 いつも一緒だったね いつもいつも どんなときも一緒だったね」

エリカは日記に合格をもらった。
お前は多くのことを学んだ、次の修行に移るべきではないかなと言う王様に、エリカは淋しげに頷く。
そして姫子とポコ太の前にエリカは現れた。姫子は微笑んでエリカにおめでとうと告げる。
エリカはこんな想いをするならこんな修行なければ良かったのに、と泣き出した。
しかし姫子はエリカに笑って、と言った。
「悲しい顔をしていたら思い出もつまらないものになっちゃうよ あたしエリカに会えて本当に良かった」
「このリボンを借りてから あたしは色々なことを知ったの
 多くの人の見えなかった面、自分自身を大切にしなきゃっていう気持ち、素直になることの大切さ…」
 (エリカの修行は、あたしの修行でもあったんだ)

エリカもまた姫子にありがとう、と言った。すてきな思い出をありがとう、と。

21 名前:姫ちゃんのリボン14 投稿日:04/06/12 22:04 ID:???
ポコ太はリボンがなくなればただのぬいぐるみに戻ってしまう。
緊張してポコ太は姫子がリボンを外すのを待った。
しかし姫子はエリカに、ポコ太は魔法の国なら自由に動けるのかと確認して言った。
「ポコ太を魔法の国に連れて行って欲しいの」
驚き抵抗するポコ太に、姫子はもう前と同じようにはいられないと言う。
それに魔法の国にはピンクがいる。
「あたしたちにはたくさんの思い出があるもん だから…平気だよね」
これは悲しい別れじゃない、そう自分に言い聞かせ、姫子は泣かなかった。
ポコ太は姫子に縋って泣き、別れを言う姫子に何度もうなずいた。
お互いに忘れない、と言って姫子は二人を見送り、エリカとポコ太は姿を消した。
 
次の日、姫子は鏡を見てやっぱり夢ではなかったと確かめる。
そして自分に気合いを入れて学校に出かけた。
大地はリボンをしていない姫子に驚くが、姫子はあっさりリボンを返したと話す。
そしていつも以上にパワフルに動き回っていた。
しかし屋上に行き一人になると、ポコ太のことを思い返して涙が出かける。自分をはげます姫子。
そこに大地が現れた。笑って立ち去ろうとする姫子に無理をするな、と言う大地。
俺の前で強がったりするな、そう言われ姫子は大地に縋って大泣きする。
「あたしポコ太ともお別れしちゃった もう会えないの…」
大地は姫子にキスをして、自分がそばにいるよ、と告げ抱きしめた。

22 名前:姫ちゃんのリボン15 投稿日:04/06/12 22:06 ID:???
4カ月後、エリカは日記を読み返し姫子を思い出していた。そこに吉報が舞い込む。

一方、姫子は誕生日に大地と映画を見て、廃屋でお茶していた。
大地に出会った時になにをしていたのか、と姫子はしつこくきき大地はしぶしぶ答えた。
「子供の頃本で読んだんだ 雲一つない青空に手をかざすと 不思議の国への入り口が現れるって本」
笑い出す姫子に大地はプレゼントを渡す。それは赤いリボンだった。
リボンをつけて笑顔でありがとう、と言った姫子に、大地は「似合うよ」と返す。
 
  あの時 本当に不思議の国への入り口が見えたのかもしれない 
  だってあれが あたしたちの不思議の始まり

家に帰ると、姫子は信じられないことにポコ太がそこにいるのを見た。魔法会議であかずの間がまた開き、
ポコ太が時々でも姫子と会えるようになったことを知る。喜び合う姫子とポコ太。

いつもと同じ学園生活が続く。でも少しずつ違う毎日。

 魔法のリボンはもうないけれど あたしのリボンはとびきり素敵な魔法が使える
 パラレルパラレル もっと素敵なあたしになーれ!

23 名前:姫ちゃんのリボン16 番外編 投稿日:04/06/12 22:08 ID:???
3年後、花の女子高生になった姫子だが相変わらず遅刻しかけ階段から落ちるという日々。
そして運命の日、3年前の姫子と出会う日がやってきた。魔法のキャンディを持って学校に行く姫子。
大地と姫子のツーショットを見て、愛美といっちゃんは「あの二人もすっかり恋人同士っぽくなったよね」という。
姫子は大地にキャンデーを渡して任せ、なんで自分はあの時遅れてきたのかな、などと談笑していた。
そこを日比野に邪魔されるが、日比野は大地一筋といいながら大林という男に言い寄られており
まんざらでもない様子だ。

姫子はテストで赤点をとり放課後補習となってしまった。姫子が遅れてきた原因はこれだった。
姫子は補習後即行で帰り廃屋に向かった。そして3年前の自分と出会い、懐かしさ一杯で抱きしめた。
かつての自分と同じに矢継ぎ早に高校のこと、部活のこと、恋人のことを聞いてくる相手に内緒、と言う姫子は
3年前と全く同じ会話が繰り返されることを不思議だと感じる。
3年前の姫子はあっという間に帰っていった。姫子はまだこれから色んな事があるのよね、と大地と話す。
ショートカットの自分可愛かったな、どっちがいい?ときく姫子に、大地はどっちでも、と気のない返事を返した。
「どっちでも 俺は好きだから」
髪型が、とちゃかす大地に姫子は抱きついた。

 ねえ3年前のあたし ほんとはあなたに色々教えてあげたい
 
 一生懸命勉強して希望校に入れたこと、部活は演劇部で将来は舞台女優になりたいと思ってること、
 そして大地と恋人同士になれたこと。あたしは大地にリボンをもらったあの日から髪を延ばし始めたの。

 あたしは今こんなに幸せなんだよって 3年前のあたしに教えてあげたい
 でも それはまだ秘密  だってあなたはいつか 自分でそのことを知るから
 自分の手で 未来の扉をあけて…

                                        <完>