平成版まことちゃん/楳図かずお
17 名前: 平成版まことちゃん最終話 投稿日: 2005/09/03(土) 02:27:37 [ DAX7rHKM ]
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未読の方へ
高田馬場に住む、沢田まこと(幼稚園児)を中心とした
沢田一家のちょっと下品なギャグ漫画です。
昭和時代に単行本が24冊出た後、平成になってから続編として4冊出されてます。
基本的に読みきりが多く、「石器家族まことちゃん」などのパラレルネタも多いです。

今回もそのパラレルっぽく、家族みんなが神様という世界。
まことはマ・ゴッドという名前になっている。家族も似たような名前。
むやみに力を使うと人間世界に影響が出るから、
ちょっとした超能力も使うことを禁じられている。
家族は普通に学校や会社に行ったり家事をしたりしている。

マ・ゴッドもその朝、もう何百年とそうしているように、走って幼稚園へ向かった。
いつものようにいつものルートを走り、いつものようにそこにある花を踏みつけ…。
――突然、空が暗くなり雷が鳴り響く。酸の雨が降り、マ・ゴッドはなすすべがない。
「マ・ゴッド!酸の雨でも平気な傘を持ってきたわ!」
同じく傘で身を守った家族が、マ・ゴッドを助けに来た。
「これは間違いなく罰よ。何か悪いことをしてきたんじゃないの?
 そうでなかったらこんなに酷いことになるわけないわ」
必死に考え、やっと思い当たるマ・ゴッド。
そう、毎朝毎朝、何年も何百年もずっと踏みつけにされてきた花の怒りだった。
花に詫びながら超能力を使っても雨はやまない。どうしたらいいのかわからない――。
「マ・ゴッド。こうなったら言うしかないけど、実はこの世界の神はマ・ゴッドなのよ。
 私もみんなも、マ・ゴッドが生み出したの。
 マ・ゴッド、こうなったらすべて消してしまいなさい。そうすれば助かるわ」
仕方なく、泣きながら「みんな消えなさい!」と両手を叩くマ・ゴッド。

ぽつんと、真っ暗闇の中に、手を叩いた状態のまま宙に浮いているマ・ゴッド。

『かみさまは ずっと ひとりぼっちでした』

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単行本はしまってあるので、若干違うかもしれませんごめんなさい。
当時は読んでて哀しくなったけど、これってまた家族を生み出すこともできるよね?
と今はそう思う。思いたい。