花咲ける青少年/樹なつみ
378 :花咲ける青少年1 :04/03/13 00:48 ID:???
なかなか全部書き終わらないのでまず半分上げます。遅筆スマソ…

序章〜マハティ編
1939年4月。ラギネイ王国の皇太子マハティは、NYで万国博覧会と同時に開催
された植民地会議に出席するためにアメリカを訪れた。
イギリスの植民地であるラギネイは小国ではあったが、国王を中心に太陽を神
とあがめ、神への畏敬を表すために聖布と呼ばれる布で常に頭を覆うという
「ラギ教」という一風変わった宗教が国の多勢を占める特殊な国であった。そ
のため、アジア一の埋蔵量があるとされるラギネイの石油利権をイギリスは植
民地といえどもなかなか奪えずに苛立っていた。
そのイギリスにけしかけられて、反ラギを唱えるイスラム教徒が来米中のマハ
ティの命を狙ってきた。ラギネイは専制君主国家であり、皇太子が15才を過ぎ
ると王位継承権は永遠に皇太子のものとなる。15才を過ぎたマハティに何かあ
れば国家もラギ教も倒れるしかないと知っての刺客だった。

379 :花咲ける青少年2 :04/03/13 00:48 ID:???
序章つづき

滞在中のホテルで刺客に襲われ逃げたマハティを偶然助けたのはクラブの歌
手、キャスリーンだった。キャスリーンの幼馴染みの新聞記者フレドも一緒に
なってマハティを追っ手からかくまうのだが、マハティは植民地政策を取る西
洋人を嫌っていたためにことあるごとにキャスリーンと対立する。育ちのせい
で世間を知らないのだと一度は折れるキャスリーンであったが、新たな刺客か
ら自分を逃す為、命を賭けた自分の侍従に対し、「国王が死を許すのは名誉な
ことなのだ」と平然と告げたマハティにキャスリーンは激怒する。キャスリー
ンの言葉にマハティは自分が背負う王や国家という立場を初めて理解する。人
間として大事なことを気付かせてくれたキャスリーンにマハティは惹かれ、ま
たキャスリーンも純粋なマハティに惹かれて二人は愛しあうようになった。
しかし、キャスリーンは皇太子であるマハティの事を思い、身を引くことを決
心した。最後に一目見ようと博覧会会場に出かけたキャスリーンに気付いたマ
ハティは、頭に巻いていた聖布を取る。ラギ教徒にとって、それは最大限の敬
意、もしくはプロポーズの意味を持っていたのだ。
マハティの行動に心打たれつつも、キャスリーンの決心は変わらなかった。自
分は王妃にはなれないが、子供を授かった、その予感があったからだ。そんな
キャスリーンの行動に呆れつつも、フレドはそのお腹の子の父になることを申
し出る。
1948年。キャスリーンの予感は正しかった。その子供はハリー・バーンズワー
スと名付けられた。

380 :花咲ける青少年3 :04/03/13 00:49 ID:???
本編
アメリカから日本の中学へ一人の少女が転校してきた。彼女の名は陸深花鹿
(くがみかじか)。独特の話し方、ヒョウを愛していたと語る不思議な言動に
同級生の由依は面喰らうが、その美しさと優しさに惹かれ由依は花鹿と親しく
なっていく。
しかし、帰国子女という言葉だけでは解決できない花鹿の謎めいた言動がどう
しても気になり、ある日、同級生とこっそり花鹿の後を追う由依だったが、花
鹿が気に入らない上級生に絡まれて花鹿と共に捕まってしまう。その危機を助
けたのは、花鹿より少し前に転入してきた芳賀寅之助。彼は花鹿のボディー
ガードだった。そしてもう一人、アメリカから花鹿を迎えに来た倣立人(ファ
ン・リーレン)。彼は花鹿の父親の命で花鹿を日本へ迎えに来たのだった。そ
の父親の名はバーンズワース財閥会長、ハリー・バーンズワース。花鹿はハ
リーのただ一人の娘であった。
立人と共に戻った花鹿にハリーは一つのゲームを提案する。花鹿の夫を探す
ゲームだった。花鹿自身は父が選んだ3人の相手を知らず、そしてまた相手にも
花鹿のことは知らせず、ただ出会うように仕向けるだけ。それでも互いを選ぶ
かどうか賭けないかとハリーは言う。そして立人にハリーはゲームの行く末を
見極めて欲しいと依頼する。密かに花鹿を想っていた立人は動揺するが、ゲー
ムは始まってしまった。そして花鹿はまず最初の一人、「ムスターファ」と出
会った。

381 :花咲ける青少年4 :04/03/13 00:50 ID:???
「ムスターファ」は、花鹿がかつて南の孤島で一緒に暮らしていた、そして今
は亡くなったヒョウの名前であった。その青年、ユージィンはムスターファと
髪、目の色がそっくりだった。生まれ変わりだと信じた花鹿は彼を追い掛ける
が、ユージィンは冷たくあしらう。花鹿にだけでなく、ユージィンは世界の総
て、生きるということに全く執着が無かった。それはユージィンの出生の秘密
が関係していた。彼の父は、戸籍上の父ではなく、父の実の弟であった。父
は、自分の母親が自分ではなく、母にそっくりな美しい顔をした弟に総ての愛
情を向けたことに強くコンプレックスを抱き、弟が不慮の事故で亡くなった時
に、その精子を保存して、人工受精によって弟以上に美しい顔をした子供、
ユージィンを産み出したのだった。
しかし、ユージィンの母は、無理強いされた人工受精のショックで、飛び下り
自殺していた。ユージィンは、自分が産まれてくるべきでなかったと、母親が
身を投げたその窓から同じく自殺を試みる。
それを止めたのは花鹿だった。「私が殺してあげる」と、鏡に映ったユージィ
ンの姿を銃で撃ち抜き、「今日からお前はムスターファだ」と、ずっと苦しい
思いをしてきたのだから、もう過去に捕われず生き直してもいいのだと教えて
くれた花鹿にユージィンは安堵と生きる意味を見い出す。

382 :花咲ける青少年5 :04/03/13 00:51 ID:???
立人に連れられて行った香港のパーティ。そこで花鹿は不思議な少年と出会
う。漆黒の髪に碧眼のその少年は、高圧的な態度で花鹿に迫った男を追い払っ
た。
彼の名はルマティ。ラギネイの第二王子で、国を一歩も出る事も出来ない兄の
皇太子ソマンドの代わりにお忍びの旅の途中、立人の伯父の元を訪れていたの
だった。自由奔放で、ラギ神に敬意を示す聖布もつけないルマティは、その容
貌が彼の祖父でラギネイを近代化した偉大な王、マハティに生き写しなことか
ら国で大変な人気であったが、その皇太子を上回る人気や伝統を重んじない態
度が、王宮の皇太子派やラギ教の狂信派の一部には敵視されていた。
そのルマティが刺客に命を狙われた。狙ったのは兄ソマンドに仕えていた元近
衛士官、ノエイであった。15才を過ぎると王位継承権は永遠に皇太子のものと
なる、というかつての法はマハティの代で廃止されていた。活発で人気のある
ルマティを兄ソマンドは恐れたのだった。
ルマティはその事実にひどくショックを受け、兄に直接会う為に帰国を決め
る。そんなルマティを花鹿はなにがあっても友達だ、と心から励ます。王子と
して尊大にふるまってきたルマティにとって、花鹿のような人間との出会いは
初めてのことであった。二人は友情の約束を交し、再会を約束する。
そして立人はルマティの強烈な存在感に彼が二人目だと確信していたのだっ
た。

383 :花咲ける青少年6 :04/03/13 00:52 ID:???
しかし、立人は今だ納得がいかなかった。何故、花鹿の相手をゲームで決めよ
うというのか。ハリーの言っていた『花鹿が追わなければいけないリスク』が
このゲームに関係しているのか。そんな折、立人は花鹿や寅之助と一緒に花鹿
の祖父、フレドの家に招かれる。
フレドに夫探しゲームの事を聞かれ、花鹿はユージィンの写真と一緒にルマ
ティの写真を見せた。その写真にフレドは衝撃を受ける。そこにはかつてのマ
ハティが若いまま笑っていた。ショックで倒れたフレドの、病床でも「マハ
ティ」という呟きに立人はある一つの仮説を立てた。『花鹿の祖父はマハティ
ではないのか』
一方、花鹿も自分がフレドの実の孫ではないないのかもしれないと一人泣いて
いた。そんな二人にフレドは、自分からキャスリーンのお腹の父親に名乗り出
た過去を明かした。それでも自分のおじいちゃんはフレドだけ、とフレドを抱
き締める花鹿。大好きなキャスリーンが大好きなフレドを裏切っていたわけで
はなかったのだ、と安心したのだ。
しかし、立人はそれだけでは納得しなかった。「マハティ前国王、この名を御
存知でしたか」
立人の問いに、フレドは強く立人の手を握りしめた。「花鹿を頼んだよ」
その言葉に立人は自分の推論が間違っていなかった事を悟ったのだった。

384 :花咲ける青少年7 :04/03/13 00:53 ID:???
アメリカの自宅に戻った花鹿の元に、突然ルマティが現れた。クインザのお陰
で兄ソマンドと和解出来たことを笑顔で告げるルマティであったが、自分を残
し国へ戻っていくクインザの異様な態度に嫌な予感がした。
花鹿にゲームの事を聞いたルマティは、自分は花鹿が好きだと告げる。絶対に
自分もその夫候補の一人だといいはるルマティだったが、嫌な予感は当たって
しまった。軽い病気だった筈の父王が突然亡くなったのだ。と同時に、ルマ
ティは皇太子ソマンド暗殺、およびクーデターを企んだという身に覚えのない
罪で国外追放にされていたのだった。
何か事情を知っているはずのクインザに会うため、花鹿は身動きできないルマ
ティの代わりにユージィン、寅之助と共にラギネイに向かった。しかしクイン
ザはソマンド直属の侍従となっており、会うことができなくなっていた。しか
し、それは表向きの理由だった。クインザこそがソマンドにルマティ追放の命
を出させていたのだった。
滞在中のホテルのエレベーター事故で閉じ込められた花鹿は、そのエレベー
ター内で倒れてしまった青年カールを介抱する。子供の頃のトラウマが原因で
閉所恐怖症になってしまったカールは、自分を助けてくれた花鹿の名前を聞い
て驚く。カールの父、カール・ローゼンタールと花鹿の父ハリーとは敵対関係
にあったのだ。昔、ラギネイの石油利権を争い、その時バーンズワース財閥に
負けたのが契機となって、ローゼンタール財閥は凋落の一途を辿っていた。
カールは、父の命を受けバーンズワースからラギネイを取り戻すためこの地に
来ていたのだった。
過去、皇太子が15歳を過ぎると王位継承権は永遠にその皇太子のものであった
が、マハティの代の反省により、現在は皇太子ソマンドと弟ルマティ、その従
兄弟にも継承権がうまれる仕組みになっている。その従兄弟イズマルを担ぎ、
ローゼンタールはラギネイでの勢力拡大を狙っていた。

385 :花咲ける青少年8 :04/03/13 00:53 ID:???
王室内の情報を探るためにユージィンはイズマルのパーティに入り込んだ。そ
こで彼はもうひとりの王位継承権を持つ従姉妹ナジェイラに出会う。イズマル
とナジェイラはローゼンタール側についていた。
一方、アメリカではバーンズワースの元にいたノエイがラギネイに向かう決意
を固めていた。クインザの弟であり、ルマティの侍従でもあるセズンに帰国す
ることを告げ、ノエイは密航ルートを使ってラギネイへ戻っていった。
今でも兄ソマンドが自分を国外追放したと信じられないルマティは、セズンか
らその密航ルートを聞き出してバーンズワースの元を抜け出したが、ラギネイ
からの追っ手に捕まってしまった。立人の命懸けの救出で無事助け出されたル
マティは、ようやく現実を受け入れようと努力を始める。
ナジェイラが花鹿達をパーティに呼ぶ。立人がルマティを助けるために怪我を
負ったことを知り、花鹿はすぐにアメリカへ戻ろうとするが、ナジェイラに足
止めされてしまった。ナジェイラは花鹿が気に入らなかったのだ。
立人の怪我を心配する花鹿の元に、クインザが現れる。アメリカでのルマティ
の事件を聞いて、彼の安否を花鹿に確認しにきたのであった。いつか必ずルマ
ティをラギネイに迎える、と断言し、クインザは花鹿の元を去る。クインザは
ルマティを裏切ってソマンドの侍従になったのではなかった。ルマティをラギ
ネイの王にするために、王宮を内部崩壊させようと企んでいたのだ。
アメリカに戻った花鹿は、ルマティにクインザと会ったことを告げる。そして
立人には、自分の夫候補の三人目がラギネイで出会ったカールだと思うと話し
た。

563 名前:花咲ける青少年9 投稿日:04/11/14 01:02:57 ID:???
花鹿は3人が自分の夫候補であるということを感じ取っていた。
夫候補ではない“兄”の立場に立人は苦悩する。
そんな立人にのみ、ハリーはその口で自分の出生の秘密を語る。
そして追い打ちをかけるように立人が夫候補となりえない理由を指摘した。
それは立人にとって最重要なのは一族であり、花鹿を一番と考えられないからだというものだった。
さらに悩める男となってしまった立人だが、夫とならずとも
動乱のラギネイから花鹿を守り抜くことを改めて決意する。

ラギネイ王国では、ルマティ命のクインザが兄王子ソマンドを廃して
ルマティを王に据えるべく色々画策していた。
ソマンドは王として即位するが、国を乱そうとするクインザの傀儡となり
反乱分子も湧いてきてラギネイは滅茶苦茶となってしまう。
ルマティは兄のふがいなさを嘆き、とうとう兄と戦うべくハリーと立人プロデュースで立ち上がった。
そして花鹿を王妃として迎えたいとしてキスするが、その現場を立人に目撃されててんやわんや。

その頃ユージィンは客分としてラギネイに潜入していた。
そこでクインザがナジェイラをたらし込み、ラギネイ動乱の源をせっせと作っていることを知る。
ナジェイラは途中でクインザが全てをルマティのために行っていることを気づき憤るものの
既に彼女はクインザに心まで囚われてしまっていた。

564 名前:花咲ける青少年10 投稿日:04/11/14 01:03:58 ID:???
荒れ果てていくラギネイと友人を想い、花鹿はラギネイになんとしてでも行く意志を
立人に告げるが、花鹿を案じる立人は全くとりあわず二人の仲はこじれていく。
さらにそこに一族が決めた立人の婚約者、玲莉(リンリー)まで登場。
花鹿は立人に自分より大切な者が出来るのかと大きく動揺する。
そんな二人すれ違ったまま、花鹿は抜け出してラギネイへと向かった。

花鹿が見付からず慌てまくる立人はルマティなどに訝られるが、
彼女の出生の秘密など言えるはずもなく気の毒にどこまでも悩む。
そしてラギネイで彼女を捕まえようと立人は先回りするが、空港でテロが勃発。
花鹿をかばった立人は怪我を負い意識不明となってしまう。(どこまでも不運な奴…)
そこを助けたのは元ソマンドの側近で、今はルマティに協力する軍人のノエイであった。
ルマティ即位のために国を乱すクインザに対し、正攻法でルマティを推すノエイは地下に潜伏し機を伺っていた。
ノエイ一派に花鹿はルマティに代わって国を想う気持ちを伝え、衆人は花鹿にルマティをだぶらせる。
どんどん深みにハマっていくことを心配する立人と、全く気づいていない脳天気な花鹿であった。
そして二人で過ごすうちに、花鹿は立人の存在について段々と気づいていくようになる。

そんな風に過ごしていたが、アジトが王家の近衛隊に急襲されノエイ達は捕らえられてしまう。
クインザの計略により即行死刑台行きのノエイ達。
彼らを救うため、花鹿は危険を承知で彼らを手助けしたいと懇願し、立人はそれを認める。
そして自分は花鹿のために、倣グループの総帥を降り全てを捨てることを宣言した。

565 名前:花咲ける青少年11 投稿日:04/11/14 01:05:24 ID:???
一方、花鹿の身を案じていたカール。
彼はバーンズワースを敵視する父親が調査し続けていた彼女の出生の秘密を知った。
それをネタにバーンズワースを追い込もうとする父だったが、カールは花鹿を守るため
父を裏切り資料を盗ませる。カールの裏切りを知った父親はショックで倒れるが、
カールは父の臨死になにも感じない自分を嘆き花鹿に救いを求めた。
そしてなんとしても花鹿を手に入れる、と誓う(が、結局何もなくいい人で終わった)。

城に人質となっているユージィンを助けるため潜入した花鹿と立人、寅之介。
彼とノエイを助けて王宮の奥に向かった花鹿は、全てを知っている大祭司とナジェイラの母に会い
とうとう己の出生について知ってしまった。
現在の第一王位継承者が花鹿であったことを知るユージィン、ノエイ達。
慌てまくる立人をよそに、肝心の花鹿は例により全く意に介していない。

ところが父がカールのせいで危篤に陥ったと知ったカールの姉は、
彼を苦しめるために花鹿の出生の調査書をクインザに送りつけた。
クインザはルマティ即位まで後一歩という段階で、第一王位継承者が隠れていたことに動揺し
花鹿と証人であるカール家族を葬るべく自ら動き出す。

ルマティはラギネイについに帰国することになり、それを迎えに立人達は空港へ出かけ
一人アジトに残った花鹿はクインザから命を狙われ追われる。
追いつめられ最期、という時に花鹿が想い呼んだのは立人だった。
そこに現れたのは危機を察知して戻った立人。
彼はクインザを撃ち、自分の気持ちに気づいた花鹿と熱い口づけを交わす。良かったね

566 名前:花咲ける青少年12 投稿日:04/11/14 01:06:34 ID:???
空港に現れたルマティは国民に向かって演説をする。
そして自分が最後の王となり、ラギネイは共和国となることを宣言。
自国の民に敬意を払い、最高の敬意の証・聖布を観衆の前でとりさらった。大いに湧く国民達。
重症を負ったクインザはラジオでそれを聴き、自分の愛する王子の成長に感動する。
そしてルマティのために最後の仕上げにかかった。

王宮に戻ったルマティはクインザと再会する。クインザは全ての汚名をかぶり、
新王の反対勢力を全て道連れに己の命を断ち、ルマティはその死を許した。
そしてルマティは最後の王として即位する。
戴冠式に出た花鹿はルマティの求婚に応えられないことを詫び、ルマティはそれを受け入れた。
しかし一方で立人は、自分の側近であった曹(ツァオ)によって追いつめられていた。
立人に執着する曹は、倣一族に立人が戻らなければこの場で花鹿を狙撃すると脅迫。
立人はシンガポールに連れ戻される。

急に帰った立人に不安を覚える花鹿は、ラジオで立人と玲莉の結婚をきき混乱してしまう。
それに喝を入れたのは父ハリーだった。さらに臨終間際のマハティ神座王は、孫の花鹿を国に呼び激励する。
彼らの励ましを受け、持ち前のパワーで立人を取り戻そうとする花鹿に協力するユージィンや寅之介、ノエイ達。
一方落ち込みまくる立人の方には、カールが気合いを入れていた。
やはり持ち前の手腕で曹を牽制し作戦を練る立人。

そしてヘリで立人を迎えに堂々と乗り込んできた花鹿に、立人は応え倣を捨ててヘリに乗って去る。
花鹿はマハティに自分の夫を会わせるべくラギネイに向かった。マハティは
「人を愛するということは人生の華 お前達も大輪の花を咲かせるといい
その時がきたら けして迷ってはいけないよ」
そう孫達に告げ、到着を待たずに息を引き取った。

これにて大団円。

                        <完>