はみだしっ子/三原順
201 :マロン名無しさん :04/03/02 23:27 ID:???
んでは、はみだしっ子のせます。
細かいエピを全部説明することは出来ないので、大まかな筋を。
かなり入り込んだストーリーと心理描写が作中されているので、
解釈が間違っていたり細かいところが足りてなかったりとあるかもしれないけどご容赦。

202 :はみだしっ子 1 :04/03/02 23:30 ID:???
家族とうまくいかず、家出して集まってきた4人の5〜8歳の少年達、グレアム、アンジー、サーニン、マックス。

グレアムは理知的で皆の兄役として引っ張っていく。片目で、真面目で陰にこもりやすいタイプ。
母親は男とかけおちし、ピアニストの父親に厳しく育てられたグレアム。
そんな彼に母親代わりとなって優しくしてくれたのは体が弱い叔母だった。
やがて入院した叔母は遊び相手として犬を与えてくれるが、厳格な父は犬を殺しその時の事故でグレアムも片目を失ってしまった。
自己中な父は叔母をやがて死ぬものとして目をグレアムによこせといい、叔母はグレアムに目をやろうと自殺してしまう。
自殺した叔母には葬式を出すことも許されず、それを尻目に喜ぶ父親を恐れてグレアムは家を飛び出した。

アンジーはあまのじゃくだが優しく、精神面でのフォロー役が多い。小児麻痺で片足が不自由である。
彼は母親に愛されて育っていたが、女優志望だった母親は結局子供を捨てて夢をとる。
待ち続けても帰ってこない母親に絶望したアンジーは家を出た。

サーニンは動物的な本能を持ち真っ直ぐな性格。
彼の父親は舅と仲が悪く、母親はいつも二人の板挟みになっていた。
夫の圧力で段々と追いつめられていった母は心を病み、夫の命令に従わなければという強迫観念に支配され、雪の中凍死する。
目の前で母親が壊れ死んでいくのをみたサーニンも人形のようになってしまい、地下室に閉じこめられていた。
そこをアンジーに助けられたのである。

マックスは一番年下で甘えっこの泣き虫で可愛らしく、マスコット的存在。特にグレアムに懐いている。
酒乱の父親は、マックスがいたため妻(マックスの妻ではなく後妻)は去ったのだと彼を責め虐待していた。
そうして逃げ出したところを3人に拾われた。

親に愛されずはみ出し者として一緒に生活する少年達は、いつも愛に飢えて自分達を迎えにきてくれる誰かを待っていた。
彼らは行きずりの色々な人間に拾われ、そこで根無し草として生活し、様々な事件に巻き込まれ生や死を見つめて生き成長していく。


203 :はみだしっ子 2 :04/03/02 23:35 ID:???
グレアムに優しくしてくれた叔母の娘、従姉妹のエイダが彼を家に連れ戻しにやってきたり、
父親そのものが現れたり、アンジーが母親とニアミスしたりと波乱含みだが4人はいつも一緒にいた。
しかしある事件に巻き込まれてバラバラになってしまう。

登山バスで観光にいくつもりだった4人は、吹雪に巻き込まれそのうえ銀行強盗とはち合わせる。
抵抗しようとした運転手だがバスは事故にあい遭難。
知り合った人間が一人一人いなくなり死んでいく状況で4人も追いつめられていく。
グレアムは怪我を負い動けず、サーニンはなんとか事態を打開しようと一人無謀にも山を下り行方不明となる。
残された3人と他の乗客だが、錯乱した一人の男Mr.ブラウンはグレアムを殺そうとする。
マックスは虐待されていた過去をだぶらせ、強盗犯のもっていた銃でブラウンを射殺してしまった。
グレアムは何も覚えていないマックスに代わり罪を背負おうとするが、雪の中結局証拠はなくなり隠蔽される。
しかしこの事件は大きく後々まで関わってくるようになり、特にグレアムの精神を蝕んでいく。

残った皆はヘリで救助されるが、グレアムは痛み止めに打たれた薬で離人症のごとくなってしまい現実から解離。
誰かに見捨てられることにトラウマのあるマックスは、自分に反応のないグレアムにショックを受け、
泣きながら行方をくらましてしまった。
怪我を負いながらも麓についたサーニンは、何もできなかったと自分を責め、これまたどこかへフラフラと。
一人己を保ち周りを見つめるアンジーは、自分の無力を悟りグレアムをエイダに預け、サーニンとマックスの行方を追うことにする。
こうして4人は初めて違う道を歩み出した。

一人ふらついていたマックスは、孤児院に保護されて新たな生活を手に入れる。
他の孤児達と一緒に暮らし、改めて孤児と親のいる子供とのギャップを思い知るマックス。
グレアムに拒絶されたことを未だトラウマとしてかかえこむマックスは、周りの子供とうまくいかなかったり
トラブルも引き起こすが、かつてグレアムに守られていた立場から脱却し、段々と大人になっていく。


204 :はみだしっ子 3 :04/03/02 23:38 ID:???
その頃エイダの家で療養して回復したグレアムは、傷つけてしまったマックスの行方を追っていた。
アンジーはもし会えてももう昔のマックスではない、自分たちの関係ももう元のものではないと危惧するが黙って見守る。
この辺りからアンジーは殆ど不安定なグレアムのサポート役のごとく。
ようやく彼らは再会し、マックスは変わらずグレアムを兄のごとく慕いとりあえずは一件落着。

そして怪我を負い一人彷徨っていたサーニンは、ふと知り合った少女の家で保護される。
自責の念にかられるサーニンは憔悴し、自傷行為に及んでなかなか回復できない。
それを救ったのはその家で育てられていた競走馬のエルバージュだった。
動物好きなサーニンはエルと遊びみるみる元気になっていき、さらにサーニンの行方を捜し当てたアンジーとも再会する。

そしてまた4人が揃ったのだが、その関係は以前と全て同じなわけではなかった。

グレアムは父が癌の末期であることを知って家に戻り、自分の知らなかった父と対話する。
和解は果たせず、最後までぶつかりあったが、ある一つの形で父を理解したグレアムは目の前にある死を見送った。
父は遺言で自分の目をグレアムにやるよう告げ、グレアムは片目に光を取り戻す。

そんなある日、彼らは4人揃ってサマーキャンプに出かけた。そこでサーニンは、主催者の牧師の娘マーシアと出会う。
マーシアはいわゆる自閉症で、外界に一切関心を払わず己の存在を消し去っていた。
父の牧師さえ手を焼くマーシアに恋をしたサーニンは、彼女をクークー(カッコー鳥)と呼び、
反応の全くない彼女に辛抱強く語りかけ、共にキャンプを過ごす。
そして最後には、彼女はサーニンの名を呼びかすかに心を開く片鱗を見せ始めた。
しかしクークーに執着する牧師はサーニンによって彼女が変化したことをよしとせず、彼女を施設に預けてしまう。
去っていく彼女はサーニンに笑顔を見せ、サーニンは今後も彼女への想いと再会を胸に抱いていく。
悲劇に終わるとも知らず…。

205 :はみだしっ子 4 :04/03/02 23:42 ID:???
いつものように日常に戻っていった彼らに、4人を養子に迎えたいという話が持ち上がった。

かつてマックスがブラウンを射殺したことを今でも我がこととして罪悪感に苛まれ、
また親というものに望みを持っていないグレアムは素直に聞き入れることが出来ないが、
アンジーは自分の道を新たに踏み出すためにその話を受けようと思っていた。
そして母親に会いにいき、サインをもらって過去に決別する。
またサーニンも持ち馬エルのため、前向きに将来を考えるべく養子の話を受け入れた。
流され続けていた4人はとうとう“家”に辿り着く。

4人を受け入れようとしたのは、かつて凍死しかけた彼らを救った医師ジャックだった。
ジャックは対等な人間として4人を受け入れ、各々はそれぞれの形で家に馴染み始める。
グレアムはやはり一朝一夕に心を開くということはできず、さらに彼の心は死んだブラウンのことで占められていた。
グレアムの変化に気づいたアンジーの心配も虚しく彼は罪の意識を高まらせていくが、上辺だけは優等生に振る舞い、
周囲のものはなかなか気づくことができない。

またそんなアンジーもいつものあまのじゃくと悪ぶりでジャックに接し、自分を追い込むことで自分と周りとを守っていた。
深く傷ついていても傍若無人に振る舞うアンジー。ジャックは段々とそんな彼の不器用さを理解し始める。

サーニンはジャックとの面識もあったため、マイペースに振る舞い自然にジャックとうち解け、家族にとけ込むようになる。
しかしその一方では、グレアムとジャックはサーニンの愛する少女、クークーが死亡している情報を得て、
まだサーニンには知らせるまいと隠していた。
クークーに会うことを待ち続けているサーニンがそのことを知るのはずっと後のこととなる。

マックスは新しい環境のペースがつかめていなかったところ、他の3人が三様に家に馴染みだしたことでさらに焦りを覚える。
自分のペースで馴染もうと努力していたマックスだったが、その状態でグレアムは保護者の立場をジャックへと譲り渡して放棄し、
ジャックに馴染めていないマックスはさらに追いつめられてしまう。

206 :はみだしっ子 5 :04/03/02 23:49 ID:???
そんな中、ひょんなことで近所の不良・リッチーと喧嘩したためマックスは
ガキ共のボスに治まることになり、ガキんちょの抗争に巻き込まれる。
そしてマックスとリッチーとの喧嘩の最中に、グレアムはナイフで刺され重症を負ってしまう。
マックスは事故のことを責めないジャックに憤り、今までの不満も含め洗いざらいぶちまけ
そのことでジャックと話し合ってやっと自分の居場所を確かめる。
一方でアンジーは、グレアムが未だ射殺してしまったブラウンのことを引きずっていることに気づく。

退院したグレアムを待っていたのはグレアムを刺したリッチーとの裁判だった。
4人組はリッチーとその弁護士相手に渡り合う。
やり手弁護士の手だてにハマり、リッチーは無罪判決になりそうだったが、
開き直ったらしいグレアムは、リッチーに対し罠をしかけ彼を結果有罪に追い込んだ。
彼に巣くう闇が周囲にも露呈されてくる事件である。

グレアムは裁判に勝利した後、長い間引きずっていたことを精算するために家を出た。
それはブラウンの妹・フェルに会い、彼の死を告げて事の真相を話そう、というものだった。
家族を奪った者が苦しみと憎しみを抱いているならば、当然報復する権利があるはずだ、
という考えでブラウンの妹の元へと向かったグレアム。
アンジーはグレアムの覚悟に気づかなかった自分を責め、ジャックと共にグレアムの後を追う。

207 :はみだしっ子 6 ラスト :04/03/02 23:54 ID:???
グレアムはフェルに会い精算を求める。
しかし当のフェルは4年前に起こった事件を今更どうしろというのか、全て忘れようと言った。
生きることに既に執着を失っていたグレアムを支えていたのは、罪の意識と自分を裁いてくれるはずの死に対する情熱だった。
罪悪感を持てあまし己の心の行き場を失ったグレアムは、もうジャックの家に戻る気はなく生きることを放棄しようとするが、
駆けつけたアンジーとジャックに阻止される。

全てをあきらめたグレアムはその後廃人同然になり死を見つめ続け、
本人の意志に逆らって無理矢理その死を止めたアンジーは、グレアムの心を見失い孤独の中へと放り込まれていく。
後悔し苦しむアンジーに、ジャックはこの先に希望があるかもしれないといいその先を見据えるように諭した。

またサーニンはようやくクークーの死を知る。
彼女はサーニンと会った後、以前にも増して一切のものを受け付けなくなったため療養所に預けられた。
そして療養所を寄った車から流れてくる歌“カッコー鳥”を聴いて、雨の中森へと駆け出し、高熱で死んだのである。
しかしサーニンは彼女の死を乗り越え、クークーの声を聞き続ける。
死を乗り越えた先にあったのは、彼女への限りない愛情だった。

どん底まで落ちたグレアムは、その闇は計り知れないが少しずつ回復の兆しを見せ始める。
そしてジャックに己の罪を告げ、裁きを待った
                                            <完>

208 :はみだしっ子 書いたヤシ :04/03/02 23:55 ID:???
ってこれで終り?ってとこで終わってるんですけどもこれで終りです。
この漫画は滅茶苦茶字が多くて、かつ一つ一つのエピソードが重くて、
あらすじとしては抽象的な表現にしかならなかった。