鋼の錬金術師/荒川弘
854 :鋼の錬金術師 :04/02/18 22:36 ID:???
はじめに
錬金術師は科学者+魔法使い を可能とするイメージ。
錬金術は「等価交換」の法則によって成り立っており、質量保存の法則があります。
即ち一つの質量のものからは同じ量のものしかできない。
量がたりないまま無理矢理錬成を行おうとすると、体のどっかをリバウンドとしてもっていかれたりします。これ危険。
また、金と生命を錬成することは禁じられています。
金は道徳上の問題でしょうが、生命はそれに加えてこの世の「真理」というものが絡んでくるようです。

ものがたり
エドワードとアルフォンスのエルリック兄弟は、幼い頃に失った母親を生き返らせようと人体錬成を行います。
しかし結果は失敗。エドは左足を、アルは体ごとリバウンドでもっていかれて失うことに。
しかもママンの錬成は失敗で化け物の出来上がりです。踏んだり蹴ったり。
エドは弟アルを自らの右腕を犠牲に錬成で蘇らせ、アルの体は戻らずも魂だけは再錬成できました。
アルは大きな鎧に魂を定着され、さまようヨロイのような存在に。二人は大きな代償を払います。

丁度錬金術師のスカウトにきていた軍部のロイ・マスタング中佐は、二人に元の体に戻る方法を提案します。
それは軍属になり国家スケールの資料などを検閲できる立場を得て、「賢者の石」を探せというものでした。
「賢者の石」とはつまりはリバウンドを払わずとも錬金術を使えるというミラクルアイテムのようです。

エドはハードな機械鎧(オートメイル)の手術を受けて国家錬金術師の資格を得ます。
国家錬金術師とはいわゆる軍の狗で、錬金術は大衆のためにあれ、という信念を覆す存在です。
大エリートですが庶民の味方ではない微妙な地位ですね。
片腕片足を機械に変えたエドには「鋼の錬金術師」の二つ名が授けられます。
そして家を焼き、故郷を出て二人の「賢者の石」を求める旅が始まります。

855 :鋼の錬金術師書いたヤシ :04/02/18 22:37 ID:???
というのが大体のあらすじ。 連載中だし後は小出しのエピなんで結構書きにくいんだけども
…まだ書きますかね?

856 :マロン名無しさん :04/02/18 22:57 ID:???
その元母親の化け物はどうしたの?

860 :マロン名無しさん :04/02/19 00:07 ID:???
>856
埋葬されますた。

554 名前:鋼の錬金術師[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 23:09:11 ID:???
鋼の錬金術師13巻途中辺り。

ちょっとおさらい程度に手前から。

旅の途中で東の国シンの皇子リン・ヤオと知り合ったエルリック兄弟。
シンは50もの民族がいて、各民族から1人ずつ皇帝に嫁ぎ、子を設けるため
皇子皇女合わせて40人以上いる。
リンはシンの現皇帝に目をかけてもらい、ヤオ族の地位を引き上げるために、
不老不死の法を求めてアメストリス国にやってきたらしい。
アメストリス国の軍の暗部には人造人間(ホムンクルス)が入り込んでいる。
失った身体を取り戻したいエルリック兄弟は、本来存在しないはずの人造人間を
調べれば、その手掛かりが得られるのではないかと考え、利害の近いリン達と
共同戦線を張ることに。

人造人間達はなぜかエルリック兄弟に今死なれたら困るらしい。ってことで
国家錬金術師連続殺人犯の"スカー"をおびき寄せ、わざとピンチに陥ることで
人造人間をおびき寄せようという計画。

果たして目論み通り人造人間は出てきたのだが、大総統ブラッドレイと一緒。
大総統の一撃で左腕に深手を負ったリンの部下ランファン(女の子のほう)は
その腕を自ら切り落として囮に使って大総統を捲く。
マスタング大佐らの協力もあり、人造人間の1人グラトニーの生け捕りに成功。
しかし、リンと同じ理由で入国したシンの皇女メイ・チャンの乱入でスカーには
逃げられてしまう。
その最中、メイとはぐれたミニパンダ「シャオメイ」をアルフォンスが保護する。

555 名前:鋼の錬金術師[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 23:11:55 ID:???
脅されて人造人間に協力させられているマルコーは、少しずつ彼らの目的を
察するようになっていたが、どうやら検討はちょっと外れているらしい。
次に血を見るのは北。それは当たっているとエンヴィーは言う。

隠れ家に集まったエルリック兄弟・リン・大佐他。
ランファンは大佐の知己の医者に世話になることに。
大総統が人造人間だと言うリンの話に半信半疑な反応の面々。
大総統は今まで遭ってきた人造人間に比べると人間らしすぎるのだ。

ここまでは協力してきた彼らだったが、グラトニーの処遇をめぐって皆が
自分勝手なことを言い、もめてしまう。
もめてる内に捕らえられていたグラトニーは、大佐の名を聞き、ラストを殺された
恨みで豹変。縛っていたワイヤーを引きちぎり、腹まで口になって、隠れ家を
一瞬で吹っ飛ばした。
こうなっては仕方ないと始末しようとするが、なんでもかんでも飲み込んでしまう
グラトニーには打つ手なし。手負いの大佐は邪魔になるので退却させ、
リンとエルリック兄弟でどうにかしようとするも、どうにもできない。
そこにブラッドレイからグラトニーを助けるよう言われたエンヴィーが現れる。

混沌とした戦いの最中、グラトニーに飲まれそうになったリン、助けようとした
エドワード。鋼の錬金術師を飲まれてはまずいと咄嗟に手を出したエンヴィー、
三人ともグラトニーが飲んでしまう。
そしてグラトニーの腹の口は閉じてしまった。絶叫するアルフォンス。

556 名前:鋼の錬金術師[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 23:15:08 ID:???
中央司令部に戻った大佐は、敵と味方を見分けて味方を増やそうと、気さくな
レイブン将軍にカマをかけてみるが、軍の上層部は全員人造人間側で真っ黒黒。
ブラッドレイは立場を分かれ、と言う。
辞令が交付され、大佐の部下はそれぞれ別の司令部に異動、ホークアイ中尉は
大総統付き補佐官に任命される。体のいい人質だ。

グラトニーに飲まれたエドは文字通り「血の海」で目を覚ました。
どうやら今までグラトニーに飲まれたものは全てここに行き着いているらしい。
血でドロドロの地面しかなく、四方にも上にも果てはなかった。
錬金術で地面に穴を開けてみるが、やはり果てはないようだった。
仕方なく別の脱出方法を探し歩くが、思った以上に血の地面は体力を奪い
くたばりかけるリンにエドは気合を入れる。
エンヴィーに遭遇したエド達。エンヴィーによると、グラトニーの腹の中は
人造人間が"お父様"と呼ぶ存在が作った擬似的な「真理の扉」であるらしい。
確かに過去エドが禁忌を犯して訪れた真理の扉に近いものを、グラトニーの腹の
目は感じさせるが、中は全く違う。あくまで擬似的なもので失敗作なのだ。
出口などなく、ここで死ぬのを待つだけ。

ヤケになったエンヴィーは、イシュヴァール内乱の原因を自身が作ったことをばらし、
化け物である巨大な本当の姿を晒し暴れる。
今のエンヴィーの姿は恐竜のようでいて、あらゆるところから人間の顔が飛び出て
涙を流し、あらゆる言葉を発していた。
「殺して」「助けて」「お願い」「遊ぼうよ」「お母さん」「お兄ちゃん」
リンは割り切れと言うが、その言葉にかつてキメラにされた少女・ニーナを思い出し
エドは無防備になって攻撃を受けてしまう。
虚ろになって飲まれそうになる意識の中、つい先日見たクセルクセス遺跡の
欠けた部分が目に入る。
エドはエンヴィーを蹴りつけ、ここから出られるかもしれないから協力しろと叫んだ。

557 名前:鋼の錬金術師[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 23:16:53 ID:???
エドを飲まれたショックで一晩中座り込んでいたアルは、飲み込まれた
質量はどこに消えたのかというエドの言葉を思い出し、なにかからくりが
あるのではと考える。グラトニーの言う"お父様"に手掛かりを求めようと、
自分を"お父様"の元へ連れて行くようグラトニーを丸め込んだ。

シャオメイがいないことに気付いたメイは、スカーの協力を得て訪ね歩き
鎧(アル)が連れて行ったという目撃談を聞き、グラトニーと共に
地下に降りようとするアルフォンスを見つけ尾行する。
地下からは不思議な音が聞こえ、足元を沢山のものが這いずりまわる感覚に
メイは恐怖する。地下通路はキメラだらけだった。
さらにその下に数知れないほどの人間の気配を感じるのだ。

エンヴィーと共に最奥に辿り着いたアルフォンスは"お父様"と対面する。
彼はエルリック兄弟の父親にそっくりだった。

ブラッドレイの話によると、幼少の頃彼は普通の人間で、大総統候補として
集められた子供達の1人に過ぎなかったらしい。
あらゆる訓練を受け、帝王学を学び、充実した年齢に達した頃、彼らは拘束され
身体に賢者の石を注入された。
賢者の石とは多数の魂が含まれた高エネルギー体で、体内の血液に入れられると、
賢者の石は身体を乗っ取ろうとし、身体は拒絶反応を起こす。
多くの場合は耐え切れず死んでしまうが、それに打ち勝ったのがブラッドレイだった。
左目は腐り落ちてしまったが、高い能力を手に入れた。

人間として生きることはもうできないのか、と問う大佐。
自分も人造人間としてのプライドがあると言うブラッドレイ。
説得は出来そうになかった。

558 名前:鋼の錬金術師[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 23:19:16 ID:???
クセルクセス遺跡は、生身の人間から同じ人間を造るという不思議な練成陣だった。
エドは以前、死んだ人間を蘇らせようとして失敗した。死んだ人間の人体練成は
不可能だが、今生きてる人間を材料に全く同じように造ることは無理がない。
遺跡の一部がここにあるのは、証拠消しだろうとエドは言う。
クセルクセスは高い文明を持ちながら、一夜にして滅びた。
この練成陣を使って、クセルクセス人全てを巻き込み、賢者の石という付加価値を
つけて自分を作り直した人間がかつていたのだ。
それが彼ら人造人間が"お父様"と呼ぶ存在かもしれない。
エンヴィーも多くのクセルクセス人で出来ているのだ。
彼らはアメストリスでクセルクセス滅亡の再現をしようとしているのではないか…?

ここは「擬似・真理の扉」。もう一度人体練成をして本当の真理の扉を通ることが
できれば、元の世界に戻れるかもしれない。
真理の扉を開くには通行料がいる。エンヴィーは賢者の石を差し出した。
これはクセルクセス人達の魂。躊躇うエドの心中をエンヴィーは言い当てる。
彼らには戻る肉体もないのだから理屈で人間を定義しろ。
同じように魂だけの存在に見えるアルフォンスは、戻る肉体があるのだ。

失敗すればリバウンドで術者(エド)は、死んでしまうだろう。
もしものときをリンに託そうとするが、自分で伝えろと発破をかけられる。
果たして真理の扉は開かれ、そこに痩せたアルフォンスの身体があった。
前に自分の精神と混線してるという仮説を立てたが、それは正しかったのだ。
エドはアルフォンスではない。結局アルの身体を回収することはできなかったが、
真理の扉を通ることで、擬似の扉から飛び出すことができた三人。

559 名前:鋼の錬金術師[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 23:21:07 ID:???
兄弟の対面もつかの間、"お父様"を見たエドは父親と勘違いするが
どうやら別人らしい。"お父様"はホーエンハイムのことを知っているようだが
ここ数十年のことは全く知らない様子。エドは彼の正体を問うが
マイペースな彼は聞く耳を持たない。エドの骨折や、アルの腕の修復を
親切にしてしまう"お父様"は、錬金術の法則を悉く無視して不可能を実現していた。
リンは"お父様"の異常な中身を感じ震撼する。
リンに対して"お父様"は自分に不要な人間はいらないと虫を見るような態度。
アルに人造人間の親玉だと聞いたエドは考えを翻す。
攻撃を仕掛けるエドだが、全くモーションもなく錬金術を使う相手に苦戦。
その上"お父様"は一度脚をdとしただけで周辺の錬金術発動を封じてしまった。
エルリック兄弟は錬金術が発動しないことに気付き、エンヴィーに押さえ込まれる。
「お前達は錬金術を分かってない」とエンヴィーは嘲笑う。

リンを見て、"お父様"はグリードの受け皿にしようと考える。
ブラッドレイと同じように、上手く行けば人間ペースで人造人間を作れる。
エドは死に物狂いで助けようとするが、リンは全く逆に強い力を得られるのならと
受け入れようとする。自分は賢者の石にも負けない。
手ぶらで帰ったら、尽くして腕を失ったランファンに合わせる顔がないじゃないか。

リンは死ななかったが、人造人間としてのリンはグリードの人格になっていた。
しかしデビルズネストのグリードとも違うらしい。

560 名前:鋼の錬金術師[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 23:22:28 ID:???
そこにアルを追っていたメイとスカーが乱入してくる。
メイは"お父様"を「人だけど人じゃない」と言う。
悉く人造人間の邪魔になっていたスカーを始末しようとする彼らだが、
今は使えないはずの錬金術が彼らには全く問題なく使えていた。
それを見て試してみるが、エドもアルは全く使えず。
エドはスカーに、先のイシュバール内乱の原因が人造人間にあるとばらし、
この状況の打開を図る。スカーは暴れ回り、"お父様"に人体分解を発動させるが
術は発動してるのに傷ひとつ付かず、また力の循環もなく反撃されてしまう。
なぜメイとスカーが錬金術を使えているのか不思議がる"お父様"。

グラトニーの一撃で動けなくなったメイをアルは助けるが、自分が錬金術を
使えない今キメラだらけの通路を通って逃げることもできない。
スカーに彼女を託そうとするも、彼も傷を追っており、自分だけで手一杯な
上、今逃げるわけにはいかないと言う。スカーは人造人間の前から姿を消す。

エドはグリードを元のリンに戻そうと躍起になっていた。
殴るエドに身体を硬化させるグリード。しかしランファンの名を口にしたとき、
身体は硬化しなかった。
エドもアルも人造人間に捕まってしまう。
去っていくグリードを見て、エドはまだリンの人格は生きてると思う。

上の中央司令部でブラッドレイと会ったエドは国家錬金術師を辞めると言うが
暗にウィンリィのことをチラつかされ、黙らざるを得なくなる。
アルは監視下に置かれる代わりに今までどおり旅をさせてくれと言い、許可を
もらう。大佐も野望のために辞めないとのこと。
大総統付きにされてしまった中尉だが、彼女も腹を決めていた。
真実を聞き、ショックを受けるアームストロング少佐も、今度は逃げたくないのだと
言う。