G戦場ヘヴンズドア/日本橋ヨヲコ
199 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:28 ID:???
主人公の堺田町蔵は、超売れっ子漫画家坂井大蔵を父に持つ高校生。
誰からも好かれる漫画を書く父親へのコンプレックスを持ち、父親を超えて認めてもらうため密かに小説を書いたりしているが、
「オナニーは布団の中だけにしとくんだな」と一蹴され、その鬱憤晴らしに父親のマネージャーで愛人でもある裕美子を抱いたりして廃れた毎日を送っていた。
また、もう一人の主人公長谷川鉄男は漫画家を目指す高校生。
鉄男の両親は離婚し、母親が病気で入院しているため、母方の祖父と二人暮らしをしている。
母親の入院費を払うため、新人漫画大賞(賞金100万)に応募する漫画を描き始める鉄男。
鉄男は小さい頃から漫画を描いてきていて、才能があったからだ。
そんな中、町蔵が鉄男にいる学校に転校してきて、二人は出会う。
学校でも漫画を描き、尊敬している漫画家は坂井大蔵と答える鉄男に対し町蔵は嫌気が指し鉄男が描いていた漫画を破り捨てる。
そんな町蔵に向かって逃げろと忠告するクラスメート。
そこへ一人の女子生徒が町蔵を後ろから金属バットで襲いかかる。
彼女は鉄男の幼馴染みの菅原久美子だった。
彼女は鉄男に妄信的にベタ惚れしており、鉄男に嫌がらせをする奴は地の果てまで追いかけて復讐をすることを信条にしており、
今まで何人も病院送りにされていたのだ。
鉄男の原稿を破り捨てた町蔵に対し、
「あんたが一番大事にしてるモンを出しな。あんたは鉄男の聖域を壊したんだ。同じ目に遭うのがスジってもんだろ。」と久美子は脅す。
しょうがなく町蔵は自分が書いている小説を渡し、久美子はそれを鉄男の好きにしたら、と鉄男に渡す。
しかし、それを読んだ鉄男は
「坂井大蔵の匂いがする。でもそれよりずっと強くてやさしい。なんだろう、すごくいい。こんなものを破くなんてできないよ。俺にはできない。」
と町蔵に手を差し伸べた。

200 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:32 ID:???
その後、父親から離れ一人暮らしをするための金が必要になった町蔵に対し、
鉄男は一緒に漫画を描こうと誘うが、批評ぐらいならしてやると拒否。
鉄男の描いた漫画を読む町蔵だったが、綺麗にまとまっているだけのその漫画にこの程度かよ、と落胆する。
そこを、久美子に連れられて町蔵は鉄男の家に行き、鉄男の祖父から鉄男の生い立ちを聞く。
鉄男は子供の頃に押し入れいっぱいになる程の漫画を描いていたけど、ある日ぱったり描くのを止めてしまっていた。
その理由は、鉄男が離婚した父親へ近況を知らせるために漫画を描いていたが、
その漫画を読んだ母親がひどく狼狽して、血を吐いて入院してしまい、
それ以来鉄男は自分の漫画を凶器と思い込んでしまったからだった。
その漫画は鉄男が捨ててしまっていたが、まだ残っていた鉄男が小学生の頃描いた漫画を読んで鳥肌が立つ町蔵。
そして、先程読んで落胆した鉄男の漫画が、鉄男が自分を殺して平均点に仕上げようとして作った漫画だと悟った町蔵は、
その漫画を投稿しようとしていた鉄男に走って追いつき、詰問する。
「俺は本気が見てえんだよ!人の顔色うかがって描いてんじゃねえ!」
「作れないんだ、ストーリーが。父さんに描いたあの漫画を最後に何も浮かばないんだ。
 もう言いたいことがないんだ。俺は、からっぽだから堺田君にひかれたんだよ。」
その言葉を聞いて、鉄男が自分と同じだと感じた町蔵は鉄男に告げた。
「もしお前が、もう一度俺を震えさせてくれるのなら、この世界で、一緒に汚れてやる。」

201 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:34 ID:???
そうして一緒に漫画を作り出した町蔵と鉄男。
しかし町蔵はコンプレックスからか、自分の父親が鉄男の尊敬する坂井大蔵だとは知らせてなかった。
久美子には偶然知られてしまったが、鉄男には言うなと頼む町蔵。
鉄男は噂や見かけにまどわされず自分の目で見て判断している、と久美子に言われ、町蔵は父親の漫画をきちんと読もうと決意する。
そんな中、町蔵は父親が少年チャンプで連載している「俺達の挽歌」が編集長の判断で打ち切られるという話を父親の仕事場で耳にする。
「何本もやってる連載のうち一本が終わるぐれえなんだよ。痛くも痒くもねーんだろ!?」
といつも通り町蔵は父親に向かって悪態をついてしまう。
そんな町蔵に「本気でそう思っているのか?お前には分かるまい。」と言われ、
父親の担当の山田からは「もし君に先生以上の才能があっても、僕は君と仕事をしたくない。」と告げられへこむ町蔵。
そして「俺達の挽歌」を読み直し、親父に追いつこうと真剣に鉄男と一緒に漫画づくりに励む。

202 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:37 ID:???
ある日、偶然鉄男の父親を見かけた久美子に連れられ鉄男と町蔵はある場所に向かった。
そこは少年ファイトの編集社。
鉄男の父親は少年ファイトの編集長で、昔鉄男の描いた漫画を見た母親が寝込んでしまった本当の理由は、
鉄男が家族を捨て漫画を選んだ父親と同じ道を選ぼうとしていたからだった。
そして、鉄男が漫画家になりたい本当の理由は、漫画家になれば連絡を一切絶っている父親に会えると思ったからだった。
それを聞き、町蔵は母親の事で遠慮している鉄男に
「プロになってまで父親に会いたかったんだろ!」と叱咤をし、そのまま三人で会社に乗り込む。
しかし会社を訪れた鉄男に対し、父親、阿久田鉄人は息子に会おうとせず
「ここは戦場だ、気軽に踏み込むな。丸腰で来たら撃ち殺すぞ。」という伝言を残して三人を追い出す。
一方、そんな鉄男の父親に触発された町蔵は、少しスランプになっていたネームを描き上げる。
それを読んだ鉄男は、すぐにそれを元に漫画を描き出すが、そんな二人を見て久美子は
「本当は私と鉄男の邪魔をする全てが憎いよ。だからあんたも嫌いだし漫画も嫌い。だけど私は鉄男にあんな顔をさせられない。」と町蔵に言う。
そんな久美子に、町蔵は自分を置いて去っていった母親の面影を見て、「お前要るよ。捨てられもしねーうちに勝手に拗ねんな。」と告げる。
そして鉄男の家に住み込んで本格的に漫画を描き始め、クラスメート達の協力により遂に二人の漫画は締め切りギリギリで完成する。

203 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:40 ID:???
親父のコネで何とか間に合わせようと町蔵は原稿を父親の担当の山田に手渡すが、
そこに偶然鉄男の父親阿久田も居合わせていた。
父親に内緒で合作漫画(ペンネーム長谷川鉄男)を出そうとする町蔵に対し、阿久田は
「君にこれから必要なのは挫折と焦燥感。何も知らずに生きていけたらこんなに楽なことはないのに、それでも来るか、君はこっちに。」と言い残す。
それを聞き、漫画を描くことの覚悟を決める町蔵。

そんなある日、久美子が家出をしていなくなる。
クラスメート達は、久美子がフラリといなくなるのはいつもの事だから、と気にしないが、鉄男と町蔵は二人で久美子を捜す事にする。
港で偶然久美子を見つけた町蔵は、そこで久美子からどうして鉄男に構うのかその理由を聞く。
それは、久美子は昔バレーの選手として活躍していたが、ある日神経を切ってしまい、途端に物みたいに見捨てられ、
失意のあまりリストカットしても鉄男だけは変わらず久美子に接してくれたからだった。
それを聞き、今朝出来たばかりのネームを久美子に見せる町蔵。
久美子はそのネームを見て涙を流し、そんな久美子を町蔵は抱きしめた。
そのネームは、久美子をテーマにして描いた物だった。

204 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:44 ID:???
その後、町蔵と鉄男はずっと漫画を描き続け、自然と久美子は鉄男と離れていく。
そして、遂に賞の発表がされ、二人の漫画が佳作を取ったことを知る。
しかし鉄男は佳作の20万では全然足りない、と新しい漫画を描き始め、
町蔵も鉄男と久美子がキスをしているシーンを目撃し、途端に吐き気を催し、取り憑かれたように新しいネームを描き始める。
そして授賞式。
坂井大蔵が審査員長として式に参加することを聞き、焦る町蔵。
自分が漫画を描いていることを知って父親がどう思うのか。
自分の父親が尊敬する坂井大蔵だということを知り鉄男はどう思うのか。
町蔵は葛藤しながら鉄男と式に出る。
トロフィー贈与の際、遂に坂井大蔵と対面する町蔵と鉄男。
しかし、「良かった」と呟き坂井が抱きしめたのは町蔵ではなく鉄男だった。
実は、鉄男が昔、母親に見せて寝込ませてしまった原稿を川に流していたとき、偶然通りかかりその原稿を拾ったのが坂井大蔵だった。
その寒気がするほど完璧な原稿を目にし、そんな漫画を描いてしまう鉄男の将来を坂井は心配していたのだが、
無事鉄男が漫画家デビューしたのを知って喜びの余り抱きしめたのだった。
そんな父親と鉄男の姿を見て、町蔵は激しい嫉妬を覚える。
そこへ、鉄男の父親にして編集長の阿久田が壇上に現れて受賞者全員に告げる。
「上位八作品の順位は、厳正なる抽選で決めた。」
それを聞きざわめく受賞者にさらに阿久田は告げる。
現時点で実力の差はほとんどなく、読者に読んでもらえない漫画には何の価値もない、と。
そして、一ヶ月以内に単行本一巻分のネームを書き上げてもらい、その中から一名、三ヶ月後に本誌で連載をしてもらうと発表する。
また、合作だった町蔵と鉄男に、今回限り合作は認めず、町蔵に漫画を描くように言う阿久田。
そのまま授賞式はお開きとなる。

205 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:46 ID:???
その後の立食パーティで、坂井は再会出来たことの喜びを鉄男に告げ、
「本当に面白い漫画は心が健康じゃないと描けないんだよ。」とアドバイスをし、今度は誌面で会おうと別れる。
それから阿久田に会う鉄男だったが、阿久田は「私に話しかけるな。お前はまだプロじゃない。」と突き放す。
一方、失意のまま家に戻った町蔵は、父親が昔川で拾ったという鉄男の漫画を探していた。
それを見つけ、読んだ町蔵は、父親の坂井が母親が出ていっても漫画を描くことを止めようとしなかった理由は、
鉄男に漫画を描くのを止めないで欲しかったからだと気付く。
そして、町蔵はクラスメート達によるパーティで鉄男のために料理を作る久美子の姿を見て、
自分の欲しかった物は全て鉄男が持っていたんだな、と久美子に告げ、
授賞式で知り合った漫画家猪熊に漫画の描き方を教えて欲しいと頼む。

そのまま猪熊に連れられ、少年ファイトで連載枠を持っている漫画家町田都の元で修行に励む町蔵。
しかし、鉄男への嫉妬を抑えきれなくなった町蔵は、鉄男に会って自分の父親が坂井大蔵だということを話し、
欲しかったもの全てを持っている鉄男に、お前のようになりたかったと告げる。
そんな町蔵に対し、鉄男は
「自分がどれだけ恵まれているのか分かっていないんだね。本当に俺になりたい?しんどいよ?」と冷たい目で言って二人は別れた。

206 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:48 ID:???
鉄男に漫画で勝つため、町田の元で勉強する内に漫画を描くことの恐ろしさを実感する町蔵。
また、入院している母親に対し漫画家になりたいとどうしても言えない鉄男。
そして、母親が後少ししか生きられないことを久美子の父親(医者で鉄男の母親の主治医、また鉄男の両親とは学生時代からの知り合い)から聞き、
学校の三者面談で医大に行くと鉄男は突然言い出す。
それを偶然聞いてしまった町蔵は
「ふざけんなよ、お前。俺の家族をここまで巻き込んでおいてそれかよ!」と鉄男に殴りかかるが、
鉄男はその場に蹲り「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」と呟き続けるばかりで何もしようとはしなかった。
そんな鉄男の姿を見て、久美子は鉄男の母親が鉄男のマンガを読んでショックで吐血した時のことを思い出す。
その時も、トイレで倒れていた母親を見つけた鉄男は、「ごめんなさい」をただ連呼していた。
偶然居合わせた久美子は、そんな鉄男を必死に抱きしめていた。
そして、久美子が鉄男を好きになったのは、鉄男に恋愛感情を抱いたのではなく、
その時の鉄男のストレスを共有した久美子がただ鉄男に恋をしたと思い込んでいただけかもしれない、と久美子は気付き愕然とする。

207 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:50 ID:???
その後、鉄男は医大に行くための勉強をまるで機械のようにこなしていく。
町蔵も順調に練習をこなし、漫画を描けるようになっていく。
そんな中、坂井大蔵が連載していた「俺達の挽歌」がとうとう連載終了してしまい、
それを見て涙する鉄男の元に、久美子が泣きながらやって来て、鉄男の母親が亡くなったことを告げた。
母親の葬式の喪主を気丈に務める鉄男の元に、父親の阿久田がやって来る。
「なんで…、なんでもっと早く帰ってきてくれなかったの!?」
家族を捨てた父に問いつめる鉄男に、阿久田は冷静に答える。
「ネームはできたのか?」
そんな父の姿を見て激しい憎しみを燃やす鉄男。
次の日、知らせを受けて駆け付けた町蔵に向かって、
母の遺骨を持った鉄男は「さよなら、堺田君。」と別れを告げた。
そして鉄男はその後部屋に閉じこもり、壊れたように漫画を描き続ける。
そんな鉄男にもう漫画を描くのは止めるように言う久美子だったが、鉄男は笑いながら言った。
「俺は、俺はね、腹が立って腹が立って仕方がないんだ。」
鉄男のその様子に恐怖を覚えた久美子は鉄男のことで町蔵に相談し、憔悴している久美子に町蔵は告げる。
「お前はもう頑張らなくていい。長谷川鉄男の彼女でもなく、誰かのものじゃない、お前になれ。
 俺もちゃんと堺田町蔵になる。そしたらいつか…」

208 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:52 ID:???
そしてついに連載枠を取れる新人の結果発表の日がやって来る。
町蔵は、ちゃんと自分の漫画が描けるようになるため、
急いでも仕方がないと判断して一巻分のネームを書き上げるのをリタイアしていた。
しかし鉄男は常人では考えられないスピードでもの凄い量のネームを書き上げており、
連載枠を取れるのは鉄男に決定する。
また町蔵には期待賞として、読み切りを一本描いて貰うように阿久田は言う。
そのネームは、以前久美子をモデルとして描いていた物だった。
だが、鉄男は阿久田に原稿料として100万を要求し、その金を人件費と仕事場の準備金に当て、
学校を辞めてすぐにでも連載に取りかかると言う。
そんな鉄男に、町蔵は心配して問いつめる。
「学校を辞めるとか、お前は先走りしすぎなんだよ!」
しかし鉄男は無表情のまま答えた。
「……読み切り、頑張ってね。」
「…な…に?頑張って…?頑張ってだと…?はは、もうプロ気取りかよ、偉くなったなぁお前。」
二人は険悪なムードのまま別れることになる。

209 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 02:58 ID:???
その後、町蔵は坂井大蔵は家族を捨てたのではなく、漫画を諦めて家族を取ろうとしていた坂井に対し、
母親の方がそんな中途半端なことするくらいなら、と進んで家を出ていったことを知り、
両親が別れたのは鉄男のせいでもなく、自分は愛されていたということに気付く。
そんな町蔵とは対照的に、鉄男は
「こんなに漫画を嫌いになれるとは思わなかったよ。これならいくらでも描けそうだ。」と仕事場に籠もって漫画を描き続けた。
そして鉄男は少年ファイトに「桜の道」を連載し、アニメ化や映画化の話が来るくらい大ヒットする。
町蔵も町蔵で自分のペースでゆっくり読み切りを描いていったが、久美子は鉄男の邪魔になると思いずっと会わないでいた。
そうして何ヶ月が立ち、「桜の道」は少年ファイトになくてはならないくらい大ヒットしていたが、そんなある日鉄男が突然行方不明になる。
それを聞いた町蔵と久美子はそれが父親である阿久田への復讐ではないかと気付く。
まず売れる漫画をまるで機械のように描き続け、
ヒットした後わざと連載を中止させ阿久田が編集している少年ファイトを駄目にさせることが鉄男の復讐だった。
以前、漫画を川に流していた同じ場所で鉄男は同じように原稿を川に流していてが、
そこを同じようにやって来た坂井によって鉄男は発見される。
「今度は、誰のために捨てているんだい?」
そしてそのまま鉄男は担当の編集者に保護される。

210 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 03:00 ID:???
しかし、そんな鉄男に対し、阿久田は
「自惚れるなよ。俺の雑誌はお前如きじゃびくともしない。」と告げ、鉄男が描き貯めていた五巻分のネームを全て没にして
「漫画を漫画以外の目的で使う奴には用はない。一週間で連載を続けるか止めるかを決めろ。」と言い残す。
自分が父親にただ試されていただけだという事に鉄男は気付き、
ひどく狼狽して丁度鉄男のマンションを訪れた久美子を押し倒してしまう。
鉄男は嫌がる久美子の背中にペンで不気味な絵を描き続け、
久美子は「鉄男の気持ちを無視して、私は鉄男の優しさに甘えていただけだったけど、やっぱりさみしかった。」と泣きながら告げ、
「鬱陶しかったでしょ?もうまとわりついたりしないから。ごめんね。私、堺田のところへ行くね。」と鉄男の部屋から久美子は出ていく。
一人残された鉄男は笑いながら呟く。
「…は、はは、ふふ、あはは、何にもない。何にもない。
 ただでさえからっぽだったのに、はは、あはは、母さん。漫画を描いてきて、いいことなんて何にもなかったよ。」

211 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 03:02 ID:???
堺田の部屋を訪れた久美子は、堺田に抱いて欲しいと頼むが、
堺田は久美子の背中に描かれた鉄男の絵を見て驚く。
そこには小さく「たすけて、さかいだくん」と書かれていた。
鉄男がヤバいと感じた町蔵は久美子を連れて鉄男のマンションを訪れるがそこで二人が見たのは、
手首を切って倒れている鉄男の姿だった。
しかも、しれは漫画家の生命線とも言える利き腕の右手だった。
「馬鹿野郎っ!安っぽいドラマかよ!」
町蔵は救急車を呼び、何とか鉄男は命を取り留める。
そんな鉄男に対し、久美子の父親は「カエルの子はカエルだな。」と、阿久田の過去を語る。
阿久田も昔将来を嘱望された漫画家だったが、完璧主義がたたって漫画に殺され、利き腕の神経を切断したことがあった。
だから、父親と同じ道を辿らないように鉄男の母親は息子から漫画を遠ざけていたのだった。
そこに阿久田が鉄男の病室を訪れ、事情が変わったので連載を打ち切りにすることになったが、
このまま中断するかあと数回続けて決着をつけるかどちらかを選べと鉄男に告げる。
憔悴しきった顔で、もう辞めると言いかけた鉄男を遮り、
町蔵は「俺が続きを作ります。俺が鉄男の手になります。」と言う。
それを聞き鉄男は涙を流す。

その後、漫画大賞を争った新人のみんなの協力を得て、順調に「桜の道」の最終回を描いていく町蔵と鉄男。
そして甲斐甲斐しく鉄男の看病をする久美子や、一緒に漫画を描いてくれる町蔵や仲間達を見て、鉄男は泣きながら言う。
「堺田君、俺ね、からっぽじゃ、なくなったよ。」
「ああ、そうだな…!」
そうして、遂に「桜の道」最終回は完成した。

212 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 03:04 ID:???
エピローグ

10年後。
漫画家になった町蔵は、何度も打ち切りになりながらも何とか頑張って漫画を描いていた。
そんなある日、結婚式のため教会に出向く町蔵。
それは鉄男と久美子の結婚式だった。
鉄男はその後阿久田と同じく漫画の編集者となり、久美子は有名女優となり働いていたが、
二人には十九歳の時子供が出来ていて、そのままうやむやになっていた結婚式をやっと挙げることができたのだった。
「ずっと久美子の子供が欲しかった。」と言う鉄男や、
「鉄男の彼女じゃなく、私は家族になりたった。」と言う久美子を祝福する町蔵。
その後、結局町蔵は今連載している漫画を打ち切られてしまうが、
鉄男と一緒に描いた「桜の道」最終回を思い出し、諦めずに新しいネームを描き上げる。
しかし、自信作のそのネームも担当の編集者に駄目だしをくらい落ち込む町蔵。
そんな町蔵に編集者は今度移動することになり、担当が変わるのでその人にも一応見せると告げて部屋から出ていく。
また駄目か、と溜息を付く町蔵の前に一人の男が現れ、町蔵に手を差し伸べる。
「俺はこんな遺書みたいに血の通ったネームを見たことがない。こんな作品を没にするなんてできませんよ。俺にはできない。
 堺田先生の担当になりました長谷川鉄男です。よろしく。」

終わり

218 :マロン名無しさん :04/04/10 10:40 ID:???
鉄男の父親は結局ただの悪人だったのか?
フォロー入ったりしないの?

223 :G戦場ヘヴンズドア :04/04/10 12:17 ID:???
>>218
んー、一応母親が死んだ時も影で泣いていたり、
最後の鉄男と久美子の結婚式にもこっそり花を贈っていたりして、
根っからの悪人ではないと思うけど
漫画に取り憑かれて家族を捨てたのは事実だし、その辺微妙。
ただ、鉄男につらくあたっていたのは、鉄男が自分と全く同じだと気付いていたから
いつか同じ道を辿ると心配して距離を取っていただけ。
まぁ、そのせいで結局同じように手首切ったんだけど。