ドラえもん のび太の宇宙漂流記/藤子・F・不二雄
330 名前:のび太の宇宙漂流記[sage] 投稿日:2005/07/22(金) 19:48:50 ID:???
「マモナク緊急避難えあばす最終便ガ出港イタシマス…」
暗い雨の降るなか、廃墟と化した星から脱出するため巨大宇宙船に乗り込む人々。
そのなかの一人の少年が枯れた樹の根本になにか光るものを見つけた。
それは光り輝く植物の若木だった。
それをケースに移し大事そうに抱え持った少年を乗せ、宇宙船は飛び立っていく…。


誕生日のプレゼントに宇宙旅行のチケットを買ってもらったと自慢するスネ夫。
しかし出発は21世紀になってからと聞き一同がっかり。
ドラえもんに宇宙に連れて行ってくれるように頼むことにする。
困ったドラえもんはゲームの中に入りこめる「宇宙探検ゲーム」を出した。
怒るのび太たちだが、始めてみるとなかなか臨場感もあり、ゴールを目指すことに。
しかしチームを組んだジャイアンとスネ夫には叶わず、三人はゲームオーバーになってしまう。
ゲームの外に放り出された三人はのび太の部屋を無重力にして遊び始めるが、
道具が壊れ家中散らかしてしまい、怒ったママに「宇宙探検ゲーム」を捨てられてしまう。
それに気づいたのび太たちは慌ててゴミ捨て場に急ぐが、そこにゲームはなかった。
ゲームの中にはまだジャイアンとスネ夫が入っているはず。
日が暮れるまで必死に探すもどこにも見つからない。
そこでドラえもんの道具(過去を写せるカメラ)を使いゴミ捨て場を写してみると
そこにはゲームを運んでいく不思議な光が写っていた。
そのままカメラを使いあとをつけていくと、なんと光は裏山に着陸した
UFOの中に乗り込み飛んでいってしまっていた。助けに行こうとするが、宇宙は広すぎる。
しかし宇宙船の主が落としていったらしい不思議な石を見つけたのび太。
その石を手がかりに「宇宙救命ボート」で救出に出発することにする。

331 名前:のび太の宇宙漂流記[sage] 投稿日:2005/07/22(金) 19:50:13 ID:???
そのころ、2人を乗せたUFOは強力なエネルギー波に巻き込まれていた。
その衝撃でゲームの外にでることができた2人。自分達が宇宙にいることを知り唖然とする。
ワープを繰り返し、ついにUFOまで辿りついたドラえもんたちだがやはりエネルギー波に巻き込まれボートが壊れてしまう。
裏山で拾った石が輝き危険を知らせる。三人はUFOに飛び移ることに。
そこでジャイアン・スネ夫と再会を果たす。
こうなったら一刻も早く地球に帰ろうと。UFOの持ち主に交渉しに行く一同。そこにいたのは
宇宙騎士団のリアンという少年・妖精のフレイヤ・データロボットのログ・力仕事専門のゴロゴロの四人。
さっさと地球に返せと迫るが、ゲームと一緒に彼らを連れてきてしまったことをしらないリアンに
侵入者とみなされ閉じ込められてしまう。

宇宙船に故障が出たため、一時的に近くの星に着陸したリアン。
リアンは緑広がる星を捜し求めているらしい。
地球でみつけた、人口ではなく生きている木について興奮してフレイヤに語るリアン。
そのころドラえもんたちは、どこでもドアで地球に帰れることにようやく気づいた。
しかしどうせなら冒険して行きたいと言うジャイアンたちに従い、宇宙船から降りて外に出てみることに。
そこで巨大な生物に襲われ、慌ててどこでもドアをくぐるが、なんとくぐっても元いたところからどこにも行けない。
どこでもドアが使えるのは10光年以内の距離までなのだ。ここはそれより遠くということか。
となればやはりリアンたちの宇宙船で地球に帰るしかない。
怪物に襲われていたリアンを助けるのび太たち。
その姿に態度を改めたリアンは事情を知るが、ワープ装置が壊れてしまいどうしようもない。
しかし一つだけ方法がある。
「銀河漂流船団」の元へ行き、そこで船を直し地球へ帰るのだ。
喜ぶのび太たちに自分達のことを話し始めるリアン。

332 名前:のび太の宇宙漂流記[sage] 投稿日:2005/07/22(金) 19:51:16 ID:???
リアンたち人類は、かつて栄えすぎた文明により死の星となった母星を捨て宇宙へ旅立った。
途中同じように星をなくした人々が集ってできたのが「銀河漂流船団」である。
彼らの目的は新たなる母星を捜し求めること。
そのための調査隊が「宇宙少年騎士団」である。
すぐに打ち解け、仲良くなった一同はくつろいだ時間をすごす。
しずかはフレイヤと仲良くなり、彼女が何よりもリアンの幸せを願っていることを知るのだった。

―そのころどこかの星では、司令官と呼ばれる男とモアという男がよからぬ相談をしていた。
しのびこませた“ねずみ”から地球の情報を得た彼らは乗っ取りを企み
「バトルシップ軍団」という軍隊を完成させようと急ぐのだった。

船の修理を試みるも、ワープ機能は結局直らず、途中の星々で休憩しながら
宇宙船を走らせることにした一同が、最初に不時着した星、そこはなんと地球だった。
みな喜び急いでそれぞれの家に帰るが何か様子がおかしい。
あの不思議な石が刺さり我にかえったのび太は、それは星がみせる幻惑と気づく。
急いでみなに知らせ宇宙船に駆け戻る一同。間一髪で間に合い脱出する。
そこは来た者の願いを感じとって幻を見せ、油断したところを食われてしまう危険な星だったのだ。
恐ろしくなったスネ夫がママの名を叫びながら泣き出し、それにつられしんみりする一同。
そこを一人静かに離れていったリアンに気づき、のび太が追いかける。
「勝手なことを言ってすまない」と謝るのび太。
リアンが地球で採集したもみじの葉をみていることに気づき、季節のことを教えてあげる。
母はもう死んでしまったが、新たな星を見つけるために頑張っているリアンをのび太は応援し、
2人は友情を深めるのだった。
そのころしずかもフレイヤに手編みのセーターをプレゼントしていた。
しかし、受け取れないと言って去ってしまうフレイヤ。

333 名前:のび太の宇宙漂流記[sage] 投稿日:2005/07/22(金) 19:52:11 ID:???
そのとき宇宙船に大きな衝撃が起こった。
「鉱石生命体」が襲ってくる。このままではスクラップにされてしまう。
もうだめかと思ったそのとき、どこからかミサイルが飛んできて宇宙船は助かった。
しかしいったいどこからミサイルなんて飛んできたのか…
そこに現れた一体の宇宙船。エネルギーがもう残っていないリアンたちの船は動けず、
けん引されていくしかない。たどり着いたのは巨大な要塞だった。

ここはどこかといぶかしむ一同の前に現れたのは…なんと漂流団の司令官だった。
驚くリアンに司令官は、ここは独立軍の前線基地だと告げる。
いかなる手段を用いても母なる星を手に入れるのが独立軍だと言う司令官に、
力ずくで侵略してはならないという教えはどうなったんだと激昂するリアン。
そんな教えを守っていたらいつまでたっても星は手に入らない、
今回忍ばせていた“ねずみ”のおかげでチキュウという絶好の星を見つけることができた、と司令官。。
なんとフレイヤがスパイだったのだ。
機械を故障させたり、危険な星に着陸させ、のび太たちを葬ろうとしていたのもフレイヤだった。
ショックを隠せないリアン。リアンたちは牢屋に連行されることに。
最後に司令官に向かって「父さん!あなたは間違っている!!」と叫んだリアン。
そう、司令官はりアンの父だったのだ。
その声に一瞬反応しかける司令官だったが、横に立つモアの言葉に元に戻ってしまう。

牢屋で事情を話すリアン。
父は立派な人だったが、あのアンゴル・モアが現れてからおかしくなったのだ。
その言葉に驚くスネ夫。アンゴルモアといえば、
ノストラダムスの予言に出てくる地球を滅ぼす大王の名前じゃないか。
このままでは地球が危ない。
ドラえもんの道具を使って牢屋から脱出し、リアンの宇宙船で飛び立とうとする一同。
しかし敵があらわれピンチに。
そこを助けてくれたのは、なんとフレイヤだった。
「一緒にこい」というリアンに対し、「裏切り者の自分は行けない」というフレイヤ。
しかしリアンの「僕のためにきてくれ」と言う言葉に、一緒に行くことを決めるのだった。
快くフレイヤを受け入れ、漂流団の母船に向かおうとする一同に敵の追っ手が迫る。
いよいよ捕まりそうになったそのとき、現れたのは銀河漂流船団だった。

334 名前:のび太の宇宙漂流記[sage] 投稿日:2005/07/22(金) 19:53:13 ID:???
超巨大な船のなかには大都市が広がっていた。
さっそく評議会に連れて行かれ今後の方針を話し合う一同。
結論は神に教えを乞うことに。
300年前、母星から脱出したとき、一人の少年が一握りの土と光る木を見つけた。
その木は根をおろし、大切に育てあげられ、今では神と呼ばれ皆の心の支えになっているのだ。
そのユグドの樹から騎士団に授けられたのが、神樹の実と呼ばれるのび太が裏山で拾った石だった。
持っていると危険が回避されるこの実は、リアンが落としたものだった。

神樹の樹から光が溢れ、そこにリアンの母の姿が現れた。
父はモアに操られている。モアを倒せば平和はもどる。
あなたには新しい友達がいるのだから、恐れずに進みなさいと言われ、決意するリアン。
皆で襲い掛かってきたバトルシップ軍に立ち向かう。
基地のコントロールタワーを破壊し、バトルシップ軍の動きを止めたのび太たちはそのまま要塞に侵入する。
だが、モアの力で漂流団のコントロールは乗っ取られてしまっていた。
モアの超能力により操られそうになるリアン。
しかしそこを救ったのは、またしても神樹の実だった。
司令官にリアンを射殺しろと命じるモア。リアンに銃口を向ける司令官。
しかし司令官が撃ったのはモアだった。
親子の愛のまえにはモアの力も及ばなかったのだ。
正気を取り戻した司令官。リアンの銃がモアの息の根を止める。なんとモアはロボットだった。
しかしコントロールを失った漂流団の船がこのままでは基地にぶつかってしまう。
母なる星の姿を見ることもないまま、終わってしまうのか。
だが、あきらめてはいけない。
ドラえもんの道具と皆の力で最後の危機も回避することができたのだった。
大団円を迎え、地球に送り届けられたのび太たち。
リアンと最後の別れをかわす。もう二度と会うことはないだろう…。

裏山にくると、今でもリアンたちのことを思い出すのび太とドラえもん。
リアンたちは自然のあふれた土地にたどりついたかな…。
うん、きっとね。

《完》