ドラえもん のび太の太陽王伝説/藤子・F・不二雄
335 名前:のび太の太陽王伝説[sage] 投稿日:2005/07/22(金) 19:53:56 ID:???
月は雲に隠れ、雷の光る夜。
何者かが水晶玉をかざしながら呪文を唱えている。
水晶玉に映ったのは、眠りつづける母の元で嘆き悲しんでいる王子の姿だった。
「レディナの呪いだ」と嘆く王子。
それを見た水晶玉の主は「マヤナの国に呪いあれ!!」と叫ぶのであった…。


白雪姫の劇の練習をしているのび太・ドラえもん・ジャイアン・スネ夫・しずかの5人。
しかしどうにもうまくいかず、帰っていくジャイアンとスネ夫。
残った三人で練習を続けようとするが、「万能舞台セット」をジャイアンに取られてしまう。
取り返そうと「タイムホール」を使うが失敗し、そのせいで時空が乱れてしまう。
しずかは帰り、誰もいなくなったのび太の部屋。
と、そこにタイムホールの穴から不思議な生き物が飛び出してきた。
戻ってきたのび太がしっぽをつかまえるが、勢いでタイムホールに引きずり込まれてしまう。
出たところは、なんと見知らぬジャングルだった。
不思議な生き物を追いかける二人の前に、突然仮面を被った少年が襲い掛かってきた。
しかし仮面を取ってビックリ、少年はのび太と瓜二つのそっくりな顔をしていたのだ。
「レディナの魔術か」と口走りますます襲い掛かってくる少年に逃げ惑うふたりだったが、
先ほどの生き物(ポポル)に懐かれるのび太を見て、少年は警戒を解除した。

336 名前:のび太の太陽王伝説[sage] 投稿日:2005/07/22(金) 19:59:00 ID:???
ここは太陽の王国「マヤナの国」、そして少年はこの国の王子ティオと名乗った。
王子と聞き驚く二人が、時空の穴にティオを案内するとティオは向こう側に行ってしまった。
すぐに追いかけるドラえもんだが、のび太はポポルが持ってきてしまったテスト用紙を回収するため出遅れる。
そこに王子の側近がやってきて、人違いされたのび太は王宮に連れて行かれてしまった。
巨大な宮殿や、でてきたごちそうに驚き喜ぶのび太。
一方のび太の部屋にやってきたティオは物珍しさに家中を荒らしまわり、電化製品に驚く。
ドラえもんにせかされのび太の元に戻ったティオだが、向こうで見た魔術(テレビとかね)の不思議を使えば
レディナを倒せるかもしれないと言い、のび太にしばらく入れかわりをしないかと持ちかける。
レディナとはもとはこの国の神官長だったが、悪魔術を使い民衆を惑わすということでティオの母が追放したのだ。
しかしそのせいでそれ以来ティオの母は眠りから覚めなくなった。
レディナを倒すために強くなりたいというティオだが、その態度はあくまで傲慢である。
だが、王子様気分を味わいたいのび太はあっさり入れかわりを受けることに。

次の日から、夕方までの時間を入れかわることにしたのび太とティオ。
のび太は宮殿で武術のけいこを受けさせられるが、あっさり倒れてククという少女に介抱される。
ククがくれたペンダントを喜んで受け取るのび太に、いつもの王子らしくないと驚きの表情を見せるクク。
しかしその後、失敗をした部下をお咎めなしにしたり、子供達や自分に
あや取りを教えてくれ一緒に遊ぶのび太をみて笑顔をみせる。
レディナの呪いによって雨が降らないことに生贄をささげる儀式を止め
ドラえもんから借りたスペアポケットを使い雨を降らせたのび太。
しかしその様子は離れたレディナにしっかりと見られていた。
部下に王子の生け捕りを命じるレディナ。

337 名前:のび太の太陽王伝説[sage] 投稿日:2005/07/22(金) 20:00:22 ID:???
ティオのほうはというと、偉そうな態度でしずかを怒らせたり車にひかれそうになったりとトラブル続き。
ママにも尊大な態度をとろうとする。しかしママに敵うはずもなく、庭の草むしりに励むことに。
しかし労働のあとの飲み物のおいしさに気づいたり、ママに母親の面影を浮かべたりもするのであった。
その晩国に戻ったティオは、のび太がククからもらったペンダントを邪魔だと捨ててしまう。
また、部下が自分の悪口を言ってるのを聞き悔しく思う。
外ではククが捨てられているペンダントを拾い立ち尽くしていた…。

翌日再び入れかわったティオとのび太。
ティオは今度はジャイアンを怒らせてしまう。
ジャイアンと殴り合いのケンカをしているところを止めに入るしずか。
こんなのび太なんかキライだというしずかに負け、皆にねたばらしをするドラえもん。
事情を知った一同はマヤナ国に行くことに。(のび太は王子と顔が同じだから女装する)
すぐにククと仲良くなったしずか。ジャイアンは武術の先生(イサマル)に気に入られ特訓を始める。
スネ夫のビデオカメラはドラえもんに進化してもらい、撮り放題なうえ空中に映写して見れるようになる。
ティオは昨日自分の悪口を言っていた部下2人と、サカディという命がけの勝負をすることに。
しかし2対1で苦戦するティオ。そこにのび太が助っ人として加わるという。
拒否するティオだが、王子が死んだらみんな悲しむというのび太の言葉に心を動かされ2人で戦うことに。
ドラえもんの道具のおかげもあり、勝利したのび太とティオ。
命をとられると怯える相手に、お咎めはなしと宣言するのび太。場内は歓声に包まれる。
その晩ティオにあや取りをみせに行ったクク。しかしティオの冷たい言葉に傷つき飛び出してしまう。
あとを追いかけるティオだが、ククはレディナにさらわれてしまう。
ククを助けたくば一人で来いというレディナの言葉に従い、一人闇にきえるティオ

338 名前:のび太の太陽王伝説[sage] 投稿日:2005/07/22(金) 20:00:55 ID:???
翌日、昨日のティオとレディナのやり取りをみていた部下の報告で事情を知る一同。
のび太は自分の正体を明かし、皆で助けに行くことにする。
ククがくれたペンダントを拾ったのび太。救出を胸に誓う。
タケコプターで空からティオを追いかける5人とイサマル先生。
ティオに追いつくことに成功する。
「おまえたちは関係ない」というティオだったが、「友達なら助けに行くのがあたりまえ」という皆の言葉に
ようやく心を開き、自分のことは「王子」でなく「ティオ」と呼んでくれと言うのだった。
次々と襲い掛かるレディナの罠に、ついにイサマルがはぐれてしまう。
しかしここで立ち止まるわけにはいかない。無事を祈りながら先を急ぐ一同であった。

ようやくレディナのいる神殿の近くまで辿りついたのび太たち。
しかし、明日の日食の前に助け出さないとククは「食の儀式」の生贄にされてしまう。
そこで突然襲い掛かってきたレディナの手下にティオがさらわれてしまった。
コンドルに運ばれていくティオ。必死で抵抗しやっつけるが、上空から真っ逆さまに落ちてしまう。
一方ようやく敵を倒し、前進していたのび太たち。
どうやら敵はのび太を王子と勘違いしているようだ。
ティオの気配を感じ走り始めたポポルを追おうとするが、次に現れた手下に阻まれてしまう。
神殿の上の生贄の台にククを発見し、駆け上るも敵がなかなか倒せない。

しかしなんとか倒し、いよいよレディナと対峙する一同。
ところがレディナにドラえもんのポケットを焼かれてしまい道具が使えない。
王子が生贄になるのならククは必要無いと言うレディナに近づいていくのび太。
そこで突然自分がスペアポケットを持っていることを思い出し、対抗するもレディナに捕まってしまう。
だが、無事だったイサマルが現れ、手下どもをやっつけることはできた。
そこにマヤナ国の軍隊が押し寄せてきた。
その輪のなかからポポルに案内されて、ティオが現れる。
2人の王子に驚き戸惑うレディナ。
生贄になるのは自分だからのび太を離せと迫るティオ。止めようとする部下に
「自分はのび太のおかげで初めて真の友達ができた。その友達が救えなくて何が王子か」と諭す。

339 名前:のび太の太陽王伝説[sage] 投稿日:2005/07/22(金) 20:01:37 ID:???
そこに日食が起こった。
もうどちらでもかまわんとのび太を殺そうとするレディナ。
しかしのび太がつけていたペンダントが光り、怯んだ瞬間反撃するのび太。
のび太とティオ、二人の攻撃してる間に日食は去っていった。
レディナの年老いた本当の姿があらわれる。
絶望したレディナは、皆もろともに殺してしまおうと神殿をくずす鍵を開いてしまう。
崩壊する神殿。落ちそうになるティオを支えるのび太。
ドラえもんにより2人は助かり、ククを連れて全員が無事に脱出できた。
しかしククは目をさまさない。
そんなククにそっと口づけるティオ。
王子のキスでククは目を覚ますのだった。

レディナは死にティオの母である女王も目をさまし、王国の平和に賑わう宮殿。
そこで女王はティオの王位継承を宣言する。
喜びに湧く国をあとにし、のび太たちは時空の穴のもとに。
すると穴は歪み、もう二度とここにはこれなくなってしまうことに気づく。
のび太はポポルにペンダントを返してもらうように頼み、心の中でティオに別れを告げ向こうに帰っていった。

王になれたことを報告しにティオとククがやってきた。
だがそこにはのび太の姿はなく、穴がふさがってしまったことを知り悲しむティオ。
しかしそこにはスネ夫のビデオカメラが置き忘れられていた。
空中に映される、王国でのび太たちと過ごした楽しい思い出の数々。
自分のペンダントを受け取ってくれたのはのび太だったことに気づいたクク。
ほんとに優しい方でしたと言うククに、ティオは「ぼくだってこれからは…」と誓うのだった。

《完》