ドラえもん のび太とロボット王国/藤子・F・不二雄
352 名前:のび太とロボット王国[sage] 投稿日:2005/07/23(土) 21:58:12 ID:???
―こことは違う不思議な国。
庭先で小さな女の子が言葉を喋るロボットと遊んでいる。
そこに突然現れた、大勢のロボット兵。
「女王陛下の命令だ」といいロボットを無理やり連れて行ってしまった。

ロボット兵に追われている一組の親子。
幼い男の子をかばい、捕まってしまう母親。
捕まると改造工場に連れて行かれてしまう…。必死で逃げる男の子。
追い詰められもうだめかと思った瞬間、突如雷鳴がとどろき男の子は異空間に消えてしまった…。


最新のペットロボット、アソボを自慢しているスネ夫。
うらやましくなったのび太は家に帰りドラえもんにペットロボットをねだる。
自分というネコ型ロボットがいるじゃないかと言うドラえもんに、
何でも言うことをきくロボットが欲しいと言うのび太。
怒ったドラえもんは外に出て行ってしまう。
のび太はその隙にスペアポケットを使い未来デパートでロボットを買うことに。
しかし注文の仕方がわからず、カタログに出ている全てのロボットを注文してしまう。
注文されたロボットが四次元空間を飛んでくる。その波に冒頭の男の子も巻き込まれてしまう。
届いたロボットたちは勝手に町中に飛び出していってしまう。
男の子もロボットに連れられて空き地に運ばれてしまい、土管の中に逃げ込む。
ドラえもんに泣きを入れ、全てのロボットを返品したのび太はいつものメンバーと空き地で一休み。
突然スネ夫のアソボが暴れだしのび太を追い掛け回し始めた。
のび太を追い掛け回すアソボをのぞき見た男の子は、母に襲い掛かったロボット犬を思い出し
捨て身でアソボにタックルをかましのび太を助けたあと気絶してしまう。
慌てて手当てをしようとするドラえもんたち。
そこで男の子がロボットなことに気づき驚く。

353 名前:のび太とロボット王国[sage] 投稿日:2005/07/23(土) 21:58:47 ID:???
修理しようとするが、この子は地球のロボットではないため治すことができない。
おびえるスネ夫をのび太が説得し、5人は男の子を元来た世界に戻してあげることを決める。
タイムテレビで男の子がきたルートを知った五人はさっそくタイムマシンに乗り込む。
この子は別の空間からやってきたのだろうと睨むドラえもん。
突然目の前の超空間に大きな穴が開いた。このタイムラビリンスを抜ければこの子の世界にいけるだろう。
安堵した五人の前に突然なにかが現れ攻撃をしかけてきた。
攻撃によりコントロールが不安定になるタイムマシン。
ドラえもんの応戦とスネ夫の操縦でなんとか敵を倒し出口に出ることはできたが、
その際にドラえもんは戦いに役立つような道具をほとんど無くしてしまった。

たどりついた場所で動物のロボットを見たのび太たちは目的地についたことを知る。
始めに見つけた家に住んでいたのは、ロボットの医者をしている人間のおじいさん・チャペック博士だった。
傷ついた男の子を修理してくれる博士。
実はこの博士が、電送マシンで男の子を地球に送ってしまった張本人だった。
博士は電送マシンを発明し、追いつめられた男の子を助けようとしたのだが未完成なため地球に送られたのだ。
博士の家で働くロボットを見て、この星では人とロボットが仲良く生きていることに驚くのび太。
しかし博士によると今ロボットたちはジャンヌ女王の「ロボット改造計画」により、
感情を抜かれただの道具にされかけているのだという。
それを聞いて激昂するのび太。
その夜、博士の家に泊めてもらった五人。
目が覚めたのび太は修理された男の子・ポコが一人抜け出してママを探しに行こうとしていることに気づく。
皆を起こし必死で止めるのび太。ポコは無理をして起きたせいでまた倒れてしまう。
ママはもう改造されてしまったのだろうか…。皆の胸に不安がよぎる。

そのころジャンヌ女王は着々とロボット改造計画を進めていた。
ロボットに感情があったために父は死んでしまったと怒りに震えるジャンヌとそれを横で煽るデスター司令官。
デスターは自分の計画のためにジャンヌの養育係のポコの母・マリアと弟的存在のポコを改造させたがっていた。
しかしマリアにはなかなか手を出すことができないジャンヌ。


354 名前:のび太とロボット王国[sage] 投稿日:2005/07/23(土) 21:59:20 ID:???
翌朝ポコが姿を消したことに気づいたのび太たちは変装して町に探しにでることに。
そこでロボット兵に追いかけられているポコを発見する。
ポコを助けることには成功するが、ドラえもんが未処理ロボットとして捕まってしまう。
必ず助け出すことを約束し、やむなく逃げ出すことにするのび太たち。
捕らえられたドラえもんはデスターにこの星のロボットでないことを見抜かれ
その性能をみるために明日の鋼鉄バトルに出ることを決められてしまう。
そのあと牢に入れられたドラえもんは、ポコの母マリアと出会う。
ポコの無事を喜ぶマリアから聞かせられたジャンヌの過去。
それは、ジャンヌの父が開拓工事の指揮をとっていたときにおきた事故で
父はロボットをかばい自分が代わりに死んでしまったというものだった。
父を亡くし悲しむジャンヌにデスターはささやいた。
全ては感情のあるロボットのせいだ、と。
それ以来ジャンヌは変わってしまい、今の計画を始めだしたのだ。

次の日ドラえもんが鋼鉄バトルに出場させられることを知ったのび太たち。
しかも相手は300戦無敗のコングファイターと知り急いで駆けつける。
このバトル、負けたほうは改造工場に運ばれ感情を抜かれてしまうのだ。
巨大な敵を相手に、道具をなくし苦戦するドラえもん。
助けることもできないのび太はそんな自分を歯痒く思う。
しかし残った道具を使いなんとか勝利したドラえもん。
ロボット兵たちがコングを引っ立てるのに夢中になっている隙に、ドラえもんの元に駆けつけるのび太たち。
早く逃げようとせかすのび太に、ドラえもんはコングも一緒に逃げようと助ける。
ポコはジャンヌのもとに走り寄り、こんなことをするのはやめてと訴える。
ポコに剣を振り上げるデスター。止めに走るジャンヌ。
間一髪、のび太がポコを救い出す。
「ロボットはただの道具じゃない、人間の友達じゃないか!!」叫ぶのび太。
ロボット兵たちが回りを囲い込み、逃げ道がない。
しかしコングがそれを助けてくれた。
デスターがドラえもんに発信機をつけたことも知らず、逃げ出したドラえもんたちは喜ぶのだった

355 名前:のび太とロボット王国[sage] 投稿日:2005/07/23(土) 21:59:52 ID:???
博士のもとに戻った一行だがロボット兵たちの追っ手に気づき、岩山を抜けた村を目指すことに。
そこには人とロボットが作った楽園「虹の谷」があるという。
タケコプターの電池が切れたため歩いてそこに向かうのび太たち。
そのころあとを追ってきていたジャンヌはデスターの裏切りにあい、川に落とされ流されてしまう。
流れてきたジャンヌに気づき助け出したポコ。また仲良く遊ぼうと言うが、
ジャンヌはもう人とロボットがなかよく暮らすことなんかできないと言い張る。
そんなジャンヌにのび太が叫ぶ。「人間とロボットだって友達になれるはずだよ!」
それでもジャンヌはポコを改造すると言いつづけるが、熱を出し倒れてしまう。
ジャンヌを運び、先に進みつづける一行の前にようやく現れた虹の谷。
そこには人とロボットが仲良く暮らす平和な光景が広がっていた。

最初に出会った人の家でジャンヌを看病しつづけるポコ。
この虹の谷は、ロボット改造計画に反対する者たちが集って作った町なのだという。
ここに住む者は皆、王国が元のような平和な国に戻ることを望んでいた。
目覚めたジャンヌは喜ぶポコに対して「ロボットの助けなど受けぬ」と言い放つ。
それをみたしずかの「感情がないのはあなたのほうだわ」という言葉に飛び出していくジャンヌ。
森の中で人間とロボットが仲良く遊んでいるのを見て、自分とポコの過去を思い出し微笑む。
追いかけてきたポコはその笑顔をみて、ジャンヌには笑顔が一番似合うと大喜び。
ついに心を開いたジャンヌは、王国に戻り国を建て直すことを皆に宣言するのであった。

王国に戻ったジャンヌたち。
しかしそこにはすでに王として君臨しているデスターの姿があった。
兵たちに囲まれた一同。しかしそこに博士が現れ、兵は人間を攻撃できないようにプログラムされていると言う。
ゆっくりと歩みを進めデスターに向かう一行。
ところがデスターが最終手段として、巨大ロボットを発進させた。

356 名前:のび太とロボット王国[sage] 投稿日:2005/07/23(土) 22:00:23 ID:???
あまりのパワーに太刀打ち出来ない一同。
しかしそこで機転を働かせたのび太は、闘技場に眠る巨大ロボットを秘密道具で動かすことに成功する。
のび太のロボットがデスターのロボットを倒す。
そして中にいるマリアを助けに走るドラえもん。
デスターを倒すことに成功するが、最後の力を振り絞ったデスターによってロケットが発射してしまう。
月に向かって一直線に向かっていくロケット。
モニター越しにポコに別れを告げるマリア。
そしてドラえもんがのび太に最後の言葉を残すとモニターの映像は途切れてしまった。
泣き崩れるのび太。

しかし電送マシンを使えば2人を助けることができるかもしれない。
ポコの力を使いロケットの位置を捉えることに成功。
2人は無事に帰ってくることができた。
そこに一緒に戻ってきたデスターの正体を見て一同は驚くことに。
ロボットだと思っていたデスターは、なんと人間だったのだ。
しかもそれは悪の道に走った博士の弟であった。

なにはともあれ危機は去った。
新しく「人間とロボットが助け合いながら暮らしていく国を目指す」と宣言したジャンヌ。
王国は歓声に包まれるのであった。

皆に別れを告げ、もとの世界に戻ってきたのび太。
一番にママのもとに駆け寄る。
そんなのび太を見て「いいなぁ、みんなママがいて…」と呟くドラえもん。
しかしママは優しく「ドラちゃんだってわたしの子供よ」と言うのだった。

《完》