ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記/藤子・F・不二雄
314 名前: のび太のねじ巻き都市大冒険[sage] 投稿日:2005/07/21(木) 19:08:11 ID:???
どこかの天体観測所で不思議な彗星が発見された。
軌道がなく、星をみつけると近寄っていって、まるでかぎまわるようにして去っていく…。


真夜中の空き地で馬と遊んでいるのび太。
馬はぬいぐるみのようだが、まるで生きているように動いている。

翌日自分の牧場を持っているというスネ夫に張り合い、自分だって持っていると嘘を言ってしまうのび太。
帰ってドラえもんに泣きつくが土地なんか出せないといって、ドラえもんは未来に逃げてしまう。
今夜連れてけと催促してくるスネ夫とジャイアン。
そこにドラえもんが22世紀の福引の外れ券を大量にもって帰ってきた。
この外れ券でもらえるのは、なんと星である。
しかし星といっても使い物にならないクズ星である。
それでも一応全ての星をどこでもドアで確認しに行くのび太。だがやはり使えないものばかり。
そこにジャイアン・スネ夫・しずかたちがやってきた。
やけくそで最後の一枚の星の番地を読み上げドアをくぐるのび太。
するとそこは豊かな自然が広がる美しい星だった。
驚くドラえもんとのび太だったが、さっそくぬいぐるみの馬を披露する。
それはドラえもんの道具の「生命のねじ」を使って命をあたえられたぬいぐるみなのだ。
皆も家から自分達のぬいぐるみや人形を持ち寄り、そしてのび太の案でここに
おもちゃの町、ねじ巻き都市(シティー)を建設することにする。

しずかはリサちゃん人形の家で商店街を作り、スネ夫の持ってきたスーパーカーは本物並みの性能に。
ジャイアンは開発会社を開き工事を一切取り仕切ることにした。
ドラえもんは命吹込み済みの動物たちのコピーの卵をつくる、エッグハウスを作った。
のび太の打ち上げた人工衛星から送った写真で、森の奥に金色に輝く火口湖を見つけた一同。
もしや金塊が沈んでいるのでは…。さっそく探検に出発することに。
途中の川辺で楽しく弁当を広げるが、そこでしずかは「デテイケ…」と囁く声を聞いた気がする。
その直後、激しい雷雨に襲われ、海まで流されてしまったドラえもんたち。
タケコプターで空から牧場に戻ると、エッグハウスに雷が落ちていた。
1個だけ残っていた卵から孵ったのは、なんと人語を解し知能を持つ、ピーブと名乗るブタだった。


315 名前:のび太のねじ巻き都市大冒険[sage] 投稿日:2005/07/21(木) 19:08:42 ID:???
そのころのび太たちの町に、前科百犯の狂暴な脱獄囚・熊虎鬼五郎が逃げてきた。
のび太の部屋に侵入した鬼五郎。どこでもドアからねじ巻き都市にやってきてしまう。
そのころドラえもんは、ビンの中に雷を作り卵にあて、ピーブのような動物が生まれるか実験していた。
生まれたのはプピーという舌足らずだが、なんとか喋れるブタのぬいぐるみ。
ドラえもんがプピーを町に連れて行った隙にエッグハウスに侵入した鬼五郎。
わけもわからずタマゴコピーミラーで自分のコピーエッグを作ってしまう。

その晩卵から孵った鬼五郎のコピーたち。その数なんと14人。
集ってきたコピーに君臨し、この星の乗っ取りを企てる鬼五郎。
翌日ジャイアンが作った火口湖までの地図を手に入れさっそく準備を始めることに。
どこでもドアの向こうから食料や梯子を盗み集める。
重い荷物は顔にホクロのあるコピーに持たせ、出発する一同。
しかし途中の森で「タダチニコノ星カラデデイケ」という声がしたかと思うと再び雷雨が。
だがくじけず進む熊五郎一家。

その頃ねじ巻き都市では、ぬいぐるみたちがピーブを市長に選出していた。
また、イタズラ好きのおサルのウッキーが生命のねじを勝手に持ち出しどこでもドアでのび太の町に行ってしまう。
カーネルおじさん、小便小僧、選挙のポスター、骸骨の標本に命を吹き込みねじ巻き都市につれてきてしまう。
再び落雷により、知性を持つ仲間が増えたねじ巻き都市。
環境汚染や無計画な工事などをやめるよう言われおもしろくないジャイアン。
そんなジャイアンを盛り上げるため、おもちゃのロケット(もちろん本物並みの性能)で
宇宙に飛び、どうしてこの星ができたのか探ろうと提案するスネ夫。
さっそくノってきたジャイアン。明日出発することに。


316 名前:のび太のねじ巻き都市大冒険[sage] 投稿日:2005/07/21(木) 19:09:15 ID:???
金の火口湖に辿り着いた鬼五郎たち。
さっそく潜ってみてみると底には不思議な黄金が。
すると突然黄金が巨人に姿を変え、鬼五郎たちに襲い掛かってきた。
必死で逃げ細い洞窟に入り込む鬼五郎一家。
すると今度は黄金は大蛇に姿を変え洞窟の中まで追いかけてきた。
再び都市の方に逃げ出した鬼五郎たちは、そこでドラえもんたちのロケットを見つける。

翌朝荷物を積み、ロケットに乗り込もうとしたドラえもんたち。
しかしロケットは鬼五郎たちにジャックされていた。
ロケットを発射させろと銃で脅してくる鬼五郎。タケコプターで逃げるドラえもんたち。
しかし案の定電池が切れてしまい走って逃げることに。
鬼五郎たちが火口湖に行く途中に谷にかけた梯子を渡り逃げる一同。
ところがしずかがスカートが引っかかってしまい動けない。
助けに戻るのび太。しかし手がすべりのび太は谷に落下してしまった。
ショックで逃げる気力を失った一同は鬼五郎に捕まってしまう。
と、そこに再び黄金の巨人が襲い掛かってきた。
ドラえもんの道具を使い猛スピードで逃げるが、今度は巨大なカブトムシに姿を変え追いかけてくる。
ロケットのところまで辿り着いた一同は黄金相手に戦うがかなわない。
ロケットの中に逃げ込むことにするが
そこで鬼五郎が発射ボタンを押してしまいみんな宇宙に飛び立ってしまう。
しかしこのロケットはもともとおもちゃである。こんなに大勢を乗せて長時間飛べるわけがない。
言い争うドラえもんたちと鬼五郎たち。
のび太を思い涙するしずかを見て、ドラえもんも無事を祈るのだった。

317 名前:のび太のねじ巻き都市大冒険[sage] 投稿日:2005/07/21(木) 19:09:46 ID:???
谷に落ちたのび太は大量の木の葉のクッションに支えられ夢を見ていた。
そこに現れた黄金の巨人。巨人は姿を少年にかえ、のび太の心に直接コンタクトしてきた。
彼は自分を「種をまく者」、この星の造物主だと言う。
彼はかつて地球と火星に「生物の種」をまいた。しかしかし火星は失敗し、地球も破壊が進んできた。
そこでこの星に種をまき、植物の楽園にしようとしていたのだ。
しかしそこにのび太たちが現れた。人に気づかれないようにシールドで隠してあったのだが、
のび太が番地を読み上げるときに間違った数字を言ってしまい、やってこれたのだ。
最初は追い出そうとしたが、のび太たちのやっていることに興味が湧いたため、雷の力で知性を与えたりしていたのだ。
おもちゃたちならこの星の植物たちとうまくやっていける…ぼくの役目は終わった。
次の星で種をまかなくては。みんなで力を合わせれば大丈夫、そう言い残し彼は飛び立ってしまった。

星から飛び出していった巨人を見て、星に戻ろうとする鬼五郎たち。
ドラえもんたちごと宇宙ステーションを爆破しその反動で星まで飛ぼうとする。
縛り上げられてしまう一同。しかし悪者になりきれないホクロが縄を緩めておいてくれたため脱出に成功。
しかしぎりぎりまで爆発を食い止めようとしたドラえもんは間に合わず爆風を受け気絶してしまう。
宇宙に取り残されてしまった四人。

植物の助けを借りてねじ巻き都市に帰ってきたのび太。
しかしそこはすでに鬼五郎たちに乗っ取られてしまっていた。
森の中に隠れていたいたウッキーがのび太の町に行ったことがあると知ったのび太は
ウッキーにスペアポケットを取ってきてもらうように頼む。
スペアポケットを手に入れたのび太はポケットをくぐりドラえもんたちのもとに。
ドラえもんも意識を取り戻し、再会の涙にくれる五人。
再びポケットをくぐり戻ってきた五人は、森の中に隠れていたおもちゃと共に都市奪還に立ち上がる。

318 名前:のび太のねじ巻き都市大冒険[sage] 投稿日:2005/07/21(木) 19:10:39 ID:???
ドラえもんの道具とみなの力を合わせ、ひとまず鬼五郎たちを町から追い出すことに成功した一同。
森に逃げ込んだ鬼五郎たちは明日総攻撃を仕掛けてくるという。
「種まく者」と交わした、この星を守るという約束をかたく決意するのび太。
この星も地球も、未来はぼくたちしだいなんだね。

戦いは始まった。
道具を有効に使いおもちゃたちとも力を合わせ次々と敵を捕獲するのび太たち。
しかし残った鬼五郎たちが森に火をはなった。火の海になる森。
森の泣き声がきこえる。許せない。
巨大化させた小便小僧で森の火は鎮火し、敵を捕まえる。
残るは親玉である鬼五郎本体のみ。
さらに森の奥に逃げた鬼五郎をひとり追いかけるのび太。
森が助けてくれるものの銃が怖くて近寄れない。
と、そこに置き忘れていた生命のねじが。
ねじによってスペアポケットに命を吹き込んだのび太の活躍により、鬼五郎に勝つことができた。

勝利に喜ぶねじ巻き都市。
まずドラえもんは鬼五郎をもとの一人に戻すことに。
もとに戻った鬼五郎をみてビックリ。その顔にはホクロが…。
心優しいホクロの性格を受け継いだ鬼五郎は自首することを約束して帰っていった。
ドラえもんの道具で焼けた緑を復活させると、また遊びにくることを約束し自分達の町に帰ったのび太たち。

テレビのニュースで鬼五郎が自首したことをしり喜ぶのび太。
ママに草むしりを頼まれるが、雑草だって生きてるんだと拒否。
ゲンコツをくらい代わりにおつかいに行かされ、他にもたくさん仕事を言いつけられる。
自然を守るのも大変だなぁ。

《完》