クロノアイズ/長谷川裕一
261 名前:クロノアイズ 人物紹介(1) 投稿日:04/09/25 00:52:13 ID:???
“狼の目”西郷大樹
本編主人公。20世紀末〜21世紀初頭を生きる日本の高校生。時空監視機構「クロノアイズ」により
一方的に対時空犯罪捜査官に任命される。

“鷲の目”アナ・ホーキンズ
19世紀中期、いわゆる西部開拓時代のアメリカ出身。射撃の達人である少女。

“馬の目”日暮退屈丸
17世紀初頭の日本出身。就職活動中にスカウトされた浪人者。剣技を得意とする。

“蛇神の目”クレオ
紀元前1世紀のエジプト王家出身。指導能力を買われてチームリーダーに任命されている。

“化石の目”エルザ
紀元前20万年前出身。怪力を誇る原人の少女。まだ言語のない時代出身なので名前はあくまで仮名。

ぺル14
時間潜航機「ペルセディア」の頭脳である合成人間(ビメイダー)。310世紀相当の未来出身。
人間を攻撃できないよう造られているため、戦闘時には人間に操縦・攻撃の意思決定をしてもらう必要がある。

262 名前:クロノアイズ 人物紹介(2) 投稿日:04/09/25 00:53:10 ID:???
“時空神(クロノス)”
時空監視機構「クロノアイズ」局長。もちろんクロノスは役職名で、個人名はルーダ・ミリオ。

“冥王(ハデス)”
時空犯罪結社「冥王の吐息(ハデスサイズ)」首領。歴史改変により、自分が支配する新世界を作ろうと目論む。
歴史の重要な転換点である21世紀初頭を揺さぶるため、この時代に集中攻撃をかけている。

スパイディ
ハデスサイズ幹部。完全管理社会である未来社会に反発し、歴史改変で世の中を変えようとしている。

ジャギィ
ハデスサイズ幹部。絶滅動物を料理して食べるのが目的で、歴史改変は二の次というある意味すごい女。

スリーピィ
ハデスサイズ幹部。首なし騎士の姿をしたサイボーグ。行方不明になった自分の首を探してあちこち時間移動している。

侵略大帝
ハデスサイズ幹部唯一の男性。女流社会である未来の改変…というか、自分の怖い嫁さんを消すのが目的。
(幹部なのに『大帝』を名乗ってるのは、彼が別作品からスターシステムで持ち越したキャラだからである)



263 名前:クロノアイズ 1 投稿日:04/09/25 00:53:57 ID:???
時計の針が回るように、ゆるやかな日常の向こうに未来は待っているもの、そう思っていた。
あの日、せっかちな未来が、向こうから押しかけてくるまでは…
 
case1:やって来た未来
1999年7月7日。平凡な高校生、西郷大樹の前に突然現れたのは、馬に乗った西部劇調のガンマン、
毛皮をまとった原始人の少女、和服に二本差しの侍、ラクダに乗った古代エジプト風の女性。
実は女だった“ガンマン”は、時空監視機構「クロノアイズ」隊員のアナ・ホーキンズと名乗った。
この時代に拠点を構えた犯罪結社「ハデスサイズ」を捕えるため、大樹にクロノアイズに入れと言うのである。
「“アイズ”になるには条件がある。潜在的な能力が高いこと…そして万が一命を落としても、歴史的になんの影響もないこと」
「ちょっと待てこら!それって絶対出世できない奴だってことか!?」
などと会話していた二人の前に、敵の繰り出した“トーイ(オモチャ)”と呼ばれるメカが出現した。
なす術なく捕えられた二人が連行されたのは、1週間前の6月30日。
今回の作戦を指揮しているハデスサイズの幹部スパイディは、ノストラダムスの予言した「恐怖の大王」にちなんで
7月になってからミサイルを地底に撃ちこみ、超大地震を起こして歴史を変えようと企んでいたのである。
脱走を試みる大樹だが、あっさりと敵のロボット兵士に追い詰められてしまう。だがその時
窓の外に、奇妙な飛行物体が現れた。5機の飛行物体は、空中で合体・変形して女性型の巨大ロボットに姿を変える。
「あれはペルセディア。おれたち時空監視員の力、多目的時空潜航機。時の女神だ!」

264 名前:クロノアイズ 2 投稿日:04/09/25 00:54:32 ID:???
巨大ロボット、ペルセディアから敵本拠地に乗り込んできたのは、多様なデザインの戦闘スーツに身を包んだ
原始人少女、侍、エジプト王女の3人。そして、変身用アイテムを受け取ったアナも、大樹の目の前で戦闘服に変身する。
「ばかな!なぜこの時空間にいるのが分かった!?」
「意外と簡単に見つかりましたよ。こちらの目を盗む気ならきっと過去へ戻るだろうと思ったし
 さりとて、この時代に来てる以上、悪人さんとしては7月に入ってから『わはは恐怖の大王〜』とかしたいだろうし、と思って」
ロボット兵士を蹴散らすクロノアイズ。だが、スパイディは地下ミサイルのスイッチを入れてしまう。
ミサイルを止めようとするペルセディアの前に、敵の“トーイ”蜘蛛型メカのアラクネスが立ちはだかる。
敵の攻撃に防戦一方のペルセディア。実はこのクロノアイズの面々、白兵戦力は高いが
全体的にメカに弱く、未来のメカであるペルセディアを使いこなせないのだ。
「もうすぐミサイルが発射される。正しい歴史は消滅する!歪められた時間軸の上に我らの新しい世界をつくるのだ!」
スパイディの台詞を聞いて、大樹は思わず叫ぶ。
「お前らがどんな世界が望みか知らないが、そのために今ある世界を壊していいわけがあるかっ!
 自分の都合だけでものごとを考えんじゃねえっ!!」
大樹の怒りの精神派に反応して、突如ペルセディアはものすごい勢いで動き出す。
地下ミサイルを空中へ蹴り上げ、アラクネスもろとも吹き飛ばす。衝撃で爆発する敵メカを
相手の時間を止めて拘束する「メデューサの瞳」と、目標を別の時間へ吹き飛ばす「時空貫通弾」のコンボで撃退。
正しい1999年7月の歴史は守られたのだ。
……翌朝、機能のことは全部夢なんじゃないかと思っていた大樹が見たのは、クロノアイズ基地として要塞化された自宅。
「どーしてオレんちの地下に秘密基地があんだよぉぉ!?」
「2週間ほど時間をさかのぼってちょちょいと。…慣れろよ、いいかげんオレたちのやり方に」
こうして、向こうからやって来た未来は、彼の自宅に居座ったのであった。

340 名前:クロノアイズ 3 投稿日:04/10/06 01:56:39 ID:???
CASE2:カリブの怪物
大樹の意思を無視して西郷家に居座ったクロノアイズの面々。(大樹の両親は仕事で海外に出ているため彼は一人暮し)
「お前らの仲間になるのを承諾した覚えは無い!」と叫ぶ大樹に、一方的に“アイズ”としての仕事をレクチャーする。
「クロノスーツ(戦闘服)は脳波信号で伝送されます。スーツの受信装置を飲んどいて下さい」
「飲むって…ふつう変身アイテムって腕輪とかベルトとかじゃ…」
「そんな敵に見つかりやすいもの付けてどうするんです? あ、あと変身時は必ずジャンプして下さい。
 スーツの靴底と床の原始が混じって床に固定されちゃいますから」
微妙にイメージと違う「未来科学のヒーロー」像に戸惑いを隠せない大樹である。
そんな大樹の元に飛び込んできた次なる任務は、中南米のカリブ海での探索作業。
別の時代から現代の海に持ち込まれた生物を、生態系が破壊される前に発見、捕獲するのが目的である。
目標の小ささを考慮して、メカによる探査ではなく、個々人が直接泳いで探査することになった。
オキシタブ(酸素発生剤)を使って潜った大樹とアナが見たのは、海底にうごめく大量のバージェス・モンスター。
5億5万年前の海洋生物である。二人は、ハデスサイズによる絶滅生物の生け簀に入り込んでしまったのだ。
敵の操る巨大アノマロカリスに襲われる二人。すでに敵がバリヤーを張っているため、変身も闘争も不可能。
追い詰められた大樹は、とっさにアナの水着のブラを剥ぎ取って、ブラの隠しポケットに仕込んであった
オキシタブをアノマロカリスの口に放り込んだ。体内で破裂した酸素によって吹き飛ぶアノマロカリス。
巻き込まれた大樹は、気絶したまま敵の手に落ちてしまう。
バリヤーが敗れたのに気付いたアナは、必ず大樹を助けに戻ることを誓って、ひとり脱出する。

341 名前:クロノアイズ 4 投稿日:04/10/06 01:57:38 ID:???
捕えられた大樹は、ハデスサイズ幹部の一人、ジャギィの前に引き出された。
養殖されたカンブリア生物を20世紀の海に放ち、生態系を破壊するつもりか、と問いただす大樹だが
ジャギィの目的は全く別なところにあった。……カンブリア生物を「料理して食う」ことである。
「ああ…この瞬間、私はいま史上初めてアノマロカリスを食べた女!これぞ時間犯罪の醍醐味!!」
絶滅動物を食べられさえすれば、歴史改変なぞどうでもいい、と言い放つジャギィが持ち出した次の食材は
なんとピカイア。魚類の先祖、すなわち人間を含む全脊椎動物の先祖に当たる生物。下手すればタイムパラドクスで
人類消失もありうる、と大樹は警告するが、ジャギィは全く意に介さない(つうか理解してない)。
そこへ、大樹を救援に来たペルセディアが出現する。
クロノアイズの攻撃に、用意していた大型“トーイ”で応戦するジャギィ。時間停止装置でペルセディアの飛び道具を封じ
(機体自体には対時空兵器装置があるため止まらないが、発射されたビームやミサイルは止まってしまうわけだ)
メカ同士の殴り合いに持ち込んで倒そう、という計略である。
だが幸か不幸か、ペルセディアに乗っているアナの精神状態は怒りMAXであった。ベテランのはずの自分が
新米の大樹に庇われたことで、彼女は極めて不機嫌になっていたのである。
アナの怒りの精神波でリミッター解除されたペルセディアは、敵“トーイ”を撃沈。ジャギィ本人も
ピカイアを持って逃走しようとしたところで大樹の妨害を受け、ピカイアを取り落として命からがら逃げ出したのであった。
養殖カンブリア生物を回収して事件は一件落着。戦いの最中、子供のころの自分の夢が「正義の私立探偵」だったことを
思い出した大樹は、クロノアイズとして働くのもある意味夢の通りの生き方じゃないか、と思い始めていた。
「決めたよ、おれはクロノアイズになる。おまえたちと共に…戦うぜ!」
「…まだあんなこと言ってるよ」「ここまで深入りして抜けられると思ってたのかしら?」「ひょっとして頭悪いでござるか?」
まだ少々認識の食い違いはあるようだが、とりあえずいまの立場を受け入れる大樹であった。


355 名前:クロノアイズ 5 投稿日:04/10/10 00:43:14 ID:???
>341より続き
CASE3:一億七千万年の罠
西郷家に居候するクロノアイズメンバー5人のうち、大樹と年齢が近いアナとクレオの二人は
(事件が無いときはけっこうヒマなので)大樹の高校に転校生として通うことになった。
そんなある日、学食のテレビに映った「オーストラリアに出現した毛むくじゃらの怪物」の映像を見て
アナが叫ぶ。「あ、ティラノサウルスだ!」彼女いわく、本物のティラノはカラフルな羽毛とたてがみに包まれているのだそうな。
時間犯罪を疑っていると、今度は大樹たちの学校にティラノが現れる。早速ペルに出動を要請するが
ペルは既にオーストラリアの事件調査に向かっており不在。しかたなく大樹たちは直接ティラノを迎え撃つ。
だが、ティラノを撃ったとたんティラノは爆発。巻き込まれた大樹たちは、気が付くと恐竜のうごめくジャングルの中にいた。
ハデスサイズが罠として用意したティラノに「出戻り弾」が仕掛けられていたのだ。時間移動させた物体に仕掛けておくと
何かショックを受けた拍子に、周囲のものもろとも元の時代に戻る、という装置。
敵の狙いは、クロノアイズメンバーを分断することにあったのである。
仲間に連絡して迎えに来てもらおう、と提案する大樹にアナは答える。未来でも、時間を超えた通信法は存在しない。
直接、相手の時代に赴く意外に通信する方法は存在しないのだ。
「ティラノサウルスから推理して探すとしても、白亜紀だけで一億年の幅がある。私たちを探し出すのは
 砂漠に落ちた針を見つけるのに等しい。……完全に孤立したってことさ」
一緒に飛ばされた校舎を根城に、帰還の方法を模索する3人に近づく謎の毛玉。パンダのような模様をしたそれは
某映画でも有名な肉食恐竜、ヴェロキラプトルであった。たちまち取り囲まれ、追い詰められる3人。
その時、ヴェロキラプトルの群れに飛び込んできたのは、トリケラトプスに乗り、骨の棍棒を振り回す謎の恐竜。
驚くべきことに、それは独自の言語と文化を持つ「知能ある恐竜」だった。
ガガッチと名乗るこの恐竜に招かれ、大樹たちは客人として彼等の村に招待されることになった。

356 名前:クロノアイズ 6 投稿日:04/10/10 00:43:45 ID:???
恐竜の村に泊まって一息ついた大樹たちが考えた帰還の方法、それは「オーパーツ」による連絡だった。
一緒に飛ばされた来た校舎の中から、陶器や試験管などを埋めて、人間の時代に発掘されるようにしておき
時空監視機構の目を引いて“アイズ”をここへ呼び寄せようというわけである。
さっそく、ガガッチの案内を受けて、化石のでき安そうな沼地に案内してもらう三人。
だがそこに現れたのは、なぜか三人に敵意を向けるガガッチの村の恐竜たち。
またもハデスサイズの罠であった。大樹たちを密かに監視して「知能ある恐竜」の存在を知ったスパイディは
彼等を洗脳し、自分の手駒として操る用意を済ませていたのだ。
洗脳された恐竜たちの攻撃にガガッチは倒れ、大樹たちも沼の中に放り出される。
愕然とする大樹の目の前で、オーパーツとして用意してきた品は粉々に粉砕されてしまった。
最後の望みを絶たれ、銃をつきつけられて正に絶体絶命と言うその時…ペルセディアが彼等の頭上に現れた。
駆けつけたペルセディアは瞬く間に恐竜兵士を蹴散らし、大樹たちを救出する。
せめて恐竜兵士だけでも回収して逃げようとするスパイディだが、他の恐竜と一緒にガガッチまで回収してしまったため
仲間を操られて激怒したガガッチは輸送船の中で大暴れ。
そのすきに追いついたペルセディアは、みごとハデスサイズの輸送船を破壊し、恐竜たちを救出した。
ペルセディアに抱えられて空を飛ぶという体験にご満悦のガガッチ。
 
すべて終わって、現代に帰ってきた大樹が見せられたのは、博物館に飾られた「恐竜人間の化石」。
沼地で転んだときに、大気が沼の泥につけた跡が化石として発掘されたため、飛ばされた年代が特定できたのである。
そのとなりに展示された石版には、大きな虫に抱えられて空を飛ぶ恐竜の絵が描かれていた。

385 名前:クロノアイズ 7 投稿日:04/10/13 01:20:42 ID:???
>356より続き
CASE4:月面着陸艇破壊計画
1969年7月16日。その日、月を目指して飛び立ったアポロ11号は、いきなり謎の女に乗っ取られた。
「ばかな、月ロケットをハイジャックだとっ!?ソ連の陰謀か?きさまの目的はなんだ!」
「…宇宙食を…出せ!私に!宇宙食を!!食べさせるのだあ!!」
読者諸氏はお分かりと思うが、ハイジャック犯の正体はハデスサイズ幹部、ジャギィである。
今回のターゲットは絶滅動物ではなく、歴史的珍味、宇宙開発初期の宇宙食であるらしい。
もちろんこの無駄に派手な時空犯罪はすぐクロノアイズの知るところとなり、大樹たちが現場に急行した。
だが、ジャギィを捕縛しようとしたところ、別の敵が現れてクロノアイズを妨害し始めた。
ジャギィはただの便乗犯。本命は、ハデスサイズ首領直属の部下による月面着陸妨害計画なのである。
混乱の中、大樹はエルザとジャギィという不安てんこ盛りなふたりと共に月ロケット内にとりのこされてしまう。
今なお敵と交戦中である他メンバーの協力は期待できない。独力でロケットを月まで操縦しつつ
月に到達する四日間のうちに、保護されたアポロ乗組員三名を月ロケットに戻さなければならないのだ。
原始人であるエルザに科学や宇宙空間に関する知識があるはずも無く、未来人であるジャギィも
科学知識は限りなくゼロに等しい(『未来人が全部科学に強いなんて思ったら大マチガイだ!はっはっは』)。
月ロケットのコンピューターも、2000年前後のそれと比較すれば、シャレにならんほどの低性能である。
唯一の頼みの綱は、眠っている宇宙飛行士たちと意識下のテレパシーで接触、アドバイスを受けることができる
テレパシー通信装置である。
原始的なコンピュータに支えられた、緊張続きの操縦。地球と月の間に広がる、ただ何もない空間。
なぜ、宇宙飛行士たちはこんな辛い思いをしてまで、月を目指すのだろうか。
ふと疑問に思った大樹は、テレパシー通信でその疑問を、アームストロング船長にぶつけてみることにした

386 名前:クロノアイズ 8 投稿日:04/10/13 01:21:15 ID:???
なぜ月を目指すのか。そう問われたアームストロング船長は「まだ誰も踏んだことのない場所を踏むため」と答える。
「何が待っているのかと聞かれれば、それが分からないから行ってみるのだ、としか言えない。
 米ソの冷戦が原因?はは、意地の張り合いで月まで行けるならごく結構。なんて人間はすごい生き物なんだ、って
 俺は───そう思うよ」
船長の冒険心に感銘を受ける大樹だが、そのころ、敵がクロノアイズの守りを突破、月ロケットに迫っていた。
敵が駆るのは、ペルセディアに良く似た人型兵器。明らかにペルと同系統の時空潜航機である。
戦火をくぐり、辛うじて乗組員の入れ替えに成功するが、3日間連続で月ロケットを守り戦いつづけていたアナたちには
もう余力がない。追い詰められたアイズの前に、ハデスサイズ首領「冥王ハデス」の立体映像が姿を現した。
月ロケット破壊が成功すれば、歴史が大きく混乱し、自分の望んだ新世界を作ることが出来ると得意げに語るハデス。
「未来はいいところだぞ…唯一の例外を除いて、全てが手に入る。その例外とは“支配”!
 他人を力で抑え付け支配することだけが唯一許されぬ自由。だが、私はそれが欲しい!
 意志あるものを力で抑え付け支配する快楽!それこそが私の望む世界なのだからな!」
ペルセディアを捕縛し、月ロケットへ投げつけるハデスの時空潜航機。クロノアイズのメカによって
月ロケットを破壊しパラドクスを起こさせる皮肉な攻撃である。
だが、アポロの宇宙飛行士たちを嘲笑するハデスの言動に激怒した大樹の精神波がペルセディアを暴走させる。
戒めを振りほどき反撃するペルセディア。装甲を砕かれたハデスの時空潜航機「パペッティア」は
作戦の失敗を悟り、逃走した。アームストロング船長の「月面最初の人類」の名誉は守られたのだ。
悠然と月の大地を踏む着陸艇を眺めながら、クロノアイズは地球に帰還する。

387 名前:クロノアイズ 9 投稿日:04/10/13 01:22:06 ID:???
CASE5:宇宙に浮かぶ記憶
西郷家のクロノアイズメンバーに、未来の時空監視機構本部から出頭命令が届いた。
前回の事件で目撃された、非合法の時空潜航機に関するデータ照合が目的である。
校舎の屋上で昼食中に、迎えに来たペルセディアに引き上げられる大樹たち。このとき、大樹のクラスメートである
金子とかおるが、ペルセディアに張り付いて同行してきたことに、誰も気がつかなかった。
ペルセディアがやって来たのは、20世紀から2万9千年後、西暦換算で310世紀の世界。
30世紀末に、全人類を2万年後に移し、自然環境の回復を待つ「未来殖民」によって豊かな自然は蘇り
人類は、自然界を阻害しない空中都市で穏やかに生活している、20世紀から見ればまさに天国。
(ちなみに、男子出生率が低下して女性の社会進出が進んでいるため、女系社会化が進行しており
 メカが女性型だったり、アイズに選ばれる人間が女性に偏っているのもそのため、という設定)
時空監視機構本部で、大樹たちは監視機構局長“クロノス”に対面する。
既にレポートを受け取っていたクロノスは、敵の時空潜航機「パペッティア」には人間が乗っていなかった、という
データを示し、本来ありえない「人間を殺せるビメイダー(人造人間)」の可能性を示唆する。
ペル自身が報告した「大樹と自分がしばしばシンクロ、暴走してしまう現象」についても調査する必要があり
(大樹に惚れているペルは、この現象を二人の間にある“特別な運命”なのではないかと思いこんでいる)
大樹たちはクロノスと共に、クロノアイズが保有する情報基地「ファウンデーション」へ向かうことになった。
地球から銀河の中心を挟んで10万光年、銀河の果てに位置する人工惑星ファウンデーション。
相対性理論により光速を超えるものは存在しない。ゆえに、タイムパラドクスによる情報変化も光速以下で伝わるため
10万光年の彼方にあるファウンデーションの情報がパラドクスで変化するには10万年の時間が掛かる。
超光速航法を有するクロノアイズが、地球とファウンデーションのデータを照合することで
パラドクスを発見することが出来る「歴史の灯台」である。


388 名前:クロノアイズ 10 投稿日:04/10/13 01:22:44 ID:???
ファウンデーションに到着し、各種の検査が開始された。ペルセディアの暴走に関する検査の結果は
単にメカニックの想定精神圧と大樹の精神圧(早い話が“思い込みの強さ”)であると分かり、残念そうなペル。
そんな彼女の前に、謎の少女型ビメイダーが、未来で迷子になっていた大樹のクラスメート二人を連れて現れる。
だが、少女型ビメイダーは突如、ペルと大樹の前でクラスメートの金子を殺してしまう。
彼女こそハデスサイズの刺客、「パペッティア」の頭脳体だったのだ。
前回の装備、7機の支援機を連れた「スノーホワイト」に代わって今回彼女が持ち出したのは「ラプンツェル」。
特殊合金の髪の毛で敵を切り裂く特殊装備である。
ペルが単身迎撃に出るが、その攻撃は鈍い。相手が人を殺すところを目撃してしまったために
彼女の「ビメイダーは人間を攻撃しない」というプログラムがパペッティアを人間と誤認し、応戦できないのだ。
反撃できないペルや、ファウンデーションの警備ビメイダーを倒し、悠然とファウンデーションの破壊にかかるパペッティア。
その前に立ちはだかったのは、なんとクロノスーツを着ているとはいえ、生身の人間である大樹。
彼はスーツの安全リミッターを解除して、最大出力でパペッティアに立ち向かったのだった。
「髪の毛」を制御するコンピュータを破壊され、大樹とペルの思わぬ反撃によってパペッティアは敗走した。
だが、勝利してなおペルの表情は暗い。人間である大樹を好きになってしまったために、人間とビメイダーの差、
「人を殺せる」パペッティアとの差に思い悩んでしまっているのだ。
それを見ていた大樹は、やおらペルの腕を取り、大樹の頬を叩かせる。
「あ?したくもないことができたからって、ちっともうれしくはないだろう?
 そんなことを自慢にしている奴は放っておけ。俺は、そんなことできないペルのほうが好きだから」
うれし泣きしながら大樹にしがみつくペル。取りあえずは一件落着である。
しかし、帰還する大樹たちを見送りながら、クロノスは表情を曇らせる。
「パペッティアがもし私たちの時代より未来から来たのなら、ハデスはもう知ってしまったのかもしれない。
 私たちがクロノアイズを結成してまで守ろうとする“時間の秘密”を……」


389 名前:マロン名無しさん 投稿日:04/10/13 08:22:09 ID:???
マップスではビメイダーも人殺ししてたのに

391 名前:マロン名無しさん 投稿日:04/10/14 01:27:44 ID:???
>389
長谷川作品における「ビメイダー」は、一般における「ロボット」並に間口の広い言葉であるとご理解下さい。
あと、マップスとクロノアイズが異世界なのは(大外伝による)公式設定です。
マップス世界では1999年に円卓会戦が起きていますが、クロノアイズ世界では結局なにも
起きませんでしたから。


445 名前:クロノアイズ 11 投稿日:04/10/28 03:20:31 ID:???
>388より続き
CASE5.5:クロノアイズの普通の1日
「今日の任務は、タイキさんの“個人的歴史修正”です」
クロノアイズのメンバーになれば、生活スタイルの変化は否めない。その結果、自分や周囲の人間にかかわる
歴史が食い違わないよう、プライベートな「あるべき歴史」のエピソードをを実現する操作が必要なのだという。
本日行われる大樹の“修正”は、ゲーセンでひとりの白人少女を助ける、というもの。
不良が投げつけてくる缶を後頭部で受けとめ、少女が怪我をしないようにするという任務の具体的内容に落ちこむ大樹。
仕方なく少女を見守っていると、背後から大樹めがけて……なぜか手榴弾が飛んできて爆発した。
美食を求めて物産展めぐりをしていたジャギィが大樹を見つけ、ちょっかいをかけてきたのである。
「お前たちが何しにこの辺をウロウロしてたか知らないが、いいモンのお前らの邪魔をすれば我らに利益になるは必定!」
マシンガンやメカまで持ち出して大暴れを始めるジャギィ。少女の前で変身するわけにもいかず
大樹は少女を抱えて街中を逃げ回る羽目になってしまう。
ジャギィのメカに追い詰められる寸前、アナとエルザの援軍が到着。ちょろちょろ動き回るエルザに翻弄され
ペルセディアの接近に気付かなかったジャギィは、メカごと踏み付けられ、ほうほうの体で退散したのだった。
とりあえず、少女も無事に助かり、今回の小任務はおおむね無事に完了。
その夜、偶然に大樹は、アナとクレオが今回の任務に付いて話しているのを聞いてしまった。
「タイキもまさか、将来あの女の子が自分の……になるとは思わないだろうな…」
肝心のところが聞き取れなかったのだが、答えは「お嫁さん」ではないかと勝手に推測し、浮かれる大樹。
だが、正解が「死亡原因」だとは夢にも思わないのであった。
……まあ、それはもうちょっと先の話である。

446 名前:クロノアイズ 12 投稿日:04/10/28 03:21:03 ID:???
CASE6:城の降る日は…
日本の主要都市に、戦国時代の城そっくりの空飛ぶ要塞が出現。テレビでその光景を眺めていた退屈丸は
「昔のことを思い出すでござるよ」と、眉をしかめてつぶやく。
今回の仕掛け人は、ハデスサイズ幹部の一人、侵略大帝。(『幹部なのに大帝?』『ほっといて!単なる自称よ!』)
戦国時代から連れてきた有力な戦国大名たちを、現代の日本で大暴れさせることで、血湧き肉おどる
「男色(戦国の侍のような男らしい世界、というだけであって変な意味は無い)」の社会を作り出そうというのである。
さっそく出動してきたクロノアイズの前に立ちはだかったのは、大帝の特製“デラックストーイ”の「ウズメ」。
頭脳体こそ持たないが、パペッティアをモデルにしたボディによって高い戦闘力を誇る女性型メカである。
攻撃されると砕け、その破片で敵を攻撃するウズメのリアクティブ・アーマーによって動きを封じられるペルセディア。
不利な状況を見た退屈丸は、単身飛び降りて空中城砦に斬りこんで行ってしまった。
退屈丸を追って城に入った大樹とアナが見たのは、城内の雑兵たちを峰打ちで易々と叩きふせる退屈丸の姿。
普段はほとんど戦わない退屈丸だが、ひとたび剣を抜けばほんとうに強いらしい。
雑兵の一人を捕まえて尋問するが、どうやら城攻めの最中に時間移動に巻き込まれただけで何も知らない様子。
退屈丸の剣技に惚れこんで「弟子にしてくれ」と頼み込んできた雑兵の若者が、宮本村の武蔵と名乗るのを聞いて
「あいつ、後の宮本武蔵だ!」と興奮する大樹だが、退屈丸はしかめ面をますますしかめるだけ。
「なるべく構わんでくだされ。あれ…拙者の若い頃でござるから」
「……( ゚д゚)……おっさん、それはつまり“私は宮本武蔵です”って言ってるのと同じだぞ!?」
問いただそうとする大樹を制して奥へと進む退屈丸。奥の間には、戦国武将たちと共に大帝が控えていた。
クロノアイズの侵入を知り、数々の罠で迎え撃つ大帝だが、二刀を抜いた退屈丸はそれらの罠を
ことごとく斬り捨てながら大帝に肉薄する。彼は本当に宮本武蔵なのか?!


447 名前:クロノアイズ 13 投稿日:04/10/28 03:22:46 ID:???
大帝まで後1歩と迫った退屈丸・大樹・アナの三人だったが、大帝の切り札「変身解除光線」により
クロノスーツを剥がされ素っ裸にされた三人は、武蔵青年と共に落とし穴に放りこまれてしまう。
落とし穴の底で仕切り直しの為に話し合いをしているうち、話題は退屈丸の正体に移る。
自分の正体が宮本武蔵であることは認めた退屈丸だが「アイズになる条件は『歴史に影響しない奴』じゃ?」という
大樹の疑問に、ものすごく情けない顔つきになって答え始める退屈丸。
「宮本武蔵は歴史上、何かしたでござるか?歴史的大事業でもしたでござるか?何もしとらん。
 剣の達人だったのなんだのは個人的な話。名前は全国に轟いたが、結局36歳にもなって無職でござる。
 こぉんな恥ずかしい人生、人に明かせるぅぅ?(ノД`)・゚・。」
ひたすら落ちこむ退屈丸。八方ふさがりかと思われた大樹たちに助け舟を出したのは
大帝が連れてきた戦国大名の一人、豊臣秀吉だった。どうやら、彼は大帝の計画に乗る気は無いらしい。
「わしは早く帰らんと、ねねに怒られるのじゃ」「…歴史上、男が強かった時代って、実は一度も無かったんじゃ…」
秀吉がアイズに肩入れする理由はもう一つ。彼が良く知る危険人物…織田信長である。
いち早く城の武器庫に立て篭もり、大帝の武器ごと計画を横取りしようと大暴れする信長に、退屈丸が挑む。
未来の武器を操る信長に、二刀のみを武器とする退屈丸だが、死闘の末勝利したのは退屈丸だった。
「武蔵、信長を討つ!(もちろん峰打ち)…たは〜、もう少し早く生まれたかった〜!世が世ならこれで天下人でござろうに」
同じ頃、取り残されていたクレオたちは自力でウズメを撃破。大帝の21世紀戦国時代化計画は阻止された。
事件は解決したものの、退屈丸の活躍を間近で見届けていた武蔵青年が、彼に憧れて剣の修行を続けると決めたと
語るのを聞いて「自分をやる気にさせたのが自分だったとは」と複雑な表情の退屈丸。
だが、大樹はそれを聞いて考え込んでいた。
「武蔵が歴史上無意味なわけが無い。彼に影響された人間は一人や二人じゃないはずだ。
 もし、クロノアイズがそれを承知でメンバーを選定しているなら、俺たちはいったい、何者なんだ?」

471 名前:クロノアイズ 14 投稿日:04/11/03 02:15:56 ID:???
CASE7:永遠への脱出
前回の事件以来、クロノアイズの行動理念に疑惑を抱いた大樹は、一番気心の知れたアナに胸の内を話し
本名を打ち明けて、協力して欲しいと申し出た。
大樹に説得されてアナが打ち明けた自分の本名は、マーサ・キャナリー、別名“カラミティ・ジェーン”。
西部劇では有名な女傑である。彼女もまた、自分は有名なだけで特に業績も無いと納得させられていた口だった。
そして、ある事件をきっかけにクレオの正体が明らかとなる。
唐突なクレオの失踪、そして大西洋上に出現した謎の島。調査に向かった大樹たちはその島で
ハデスサイズ4幹部最後の一人、スリーピィと遭遇する。だが、この島はハデスサイズの工作によるものではなかった。
ペルセディアと、スリーピィの乗機「サマンサ」の間に割って入る、謎の黄金巨大ロボット。
その肩に乗っていたのは、失踪していたクレオだった。だが、黄金ロボはサマンサを撃墜した後
ペルセディアにも攻撃を仕掛け、撃墜されたペルセディアに乗っていたアイズメンバーを捕縛する。
そして、大樹たちはクレオの正体を知った。彼女のフルネームは「クレオ・アトランティカ」。
エジプト王家から、当時最大の強国だったアトランティスに嫁いだアトランティス王妃である。
超文明アトランティスと言っても、実は原始的な電力技術がある程度の国であった(時代的には凄いことだが)。
だが、尾ひれのついた伝説ゆえに時空犯罪者の標的となり、その対抗策としてクロノアイズに協力するうち
滅亡の未来を知ったアトランティス王家は、密かに未来の技術を盗み取り、島ごと21世紀に移動したのだ。
大樹たちクロノアイズメンバーを捕えたクレオは、310世紀のクロノアイズ本部と交渉を始める。
アトランティス王国の「未来亡命」を認めなければ、21世紀への攻撃を行い、パラドクスを誘発する。それがクレオの主張。
そして、クレオは自分の手元にエルザを置き「あなた方が“森”に隠した“木”には既に気がついています」
と、謎めいた宣言を行う。

472 名前:クロノアイズ 15 投稿日:04/11/03 02:16:27 ID:???
大樹、アナ、退屈丸の三人は、クロノスーツに変身できないよう、狭い檻に押し込められる。
(CASE2参照。クロノスーツは電送されるため、周囲と接触した状態で変身するとスーツがくっ付いてしまう)
大樹は、新装備「ツインアーマー(スーツのリミッター解除を補助するコート状の外装)」を使い捨てることで変身に成功。
アナと共に脱走する(退屈丸は『檻内でジャンプした瞬間に変身』という手を決行して失敗、檻に張り付いてしまった)。
アナがペルセディアの奪還に動く一方で、大樹はなんとかクレオを説得しようとするが
すでにクレオは、夫であるアトランティス王グラナバスと共に、ハデスサイズとの交渉に動いていた。
クロノアイズに敵対するもの同士、共闘できないかという同盟案だったが、冥王ハデスに共闘の意思はなく
あくまでアトランティスを手駒として使う姿勢を見せる。すかさず第二案「ハデスを捕え、クロノアイズに引渡し点数を稼ぐ」
手に移るクレオだが、ハデスはあっさりとアトランティス側の罠をすり抜け、姿を消した。
大樹とハデスに、それぞれ計画の無謀を指摘されながらも、夫と国民を見捨てる事もできず悩むクレオ。
一方、陽動作戦によって、幽閉されていたペルを救出したアナは、都市部から離れた山中で大樹と合流。
一夜開けて、クロノアイズ本部からの解答が届く。だがそれは、アトランティスの亡命を認めないという最終宣告。
従わなければアトランティスを歴史から末梢すると言う未来からの通達に怒るグラナバス王は、21世紀への攻撃に動く。
だがそれはハデスサイズの思う壺。自らの肉体をナノマシンで構築している冥王ハデスは、自らアトランティスのメカに
接触、融合してコントロールを掌握。アトランティスと21世紀の無軌道な戦争を演出しようとする。
戦争を回避しようと目論む大樹とアナの前に、クレオがエルザと退屈丸を連れて現れた。
切り札の一つとして21世紀への攻撃を計画していたものの、それを怒りに任せて実行することは彼女の本意ではない。
頭を下げて元同僚に助力を請うクレオ。当然ながら、大樹たちはこの申し出を受け入れ、ハデスとの戦いに望んだ。
クレオの手で修理されたペルセディア、そして前回の戦いで回収され、ペルセディアの支援機として改良された
ウズメの二機がハデスに挑む!

473 名前:クロノアイズ 16 投稿日:04/11/03 02:17:13 ID:???
ペルセディアとウズメの前に立ちはだかったのは、ハデスのナノマシンによって三体に複製・増殖した「サマンサ」。
しかし、ペルとウズメのコンビネーションと、テンション最高潮のアイズたちによってサマンサはことごとく撃破される。
だが、一連の戦闘を最終通告の無視と判断したクロノアイズの攻撃衛星が、攻撃のカウントダウンを開始した。
ここに至り、クロノスは秘密メッセージで大樹たちに「クロノアイズメンバー選出の秘密」を明かす。
大樹の予想通り、アイズメンバーが歴史上無意味な存在であるとの選考基準はフェイク。
時空犯罪者への目くらましとして、また歴史上の重要人物に、歴史犯罪者からの自衛手段を与えるために
アイズには相当数の重要人物が含まれていたのである。ただし、これはクロノアイズの長「クロノス」のみ知る事実。
今からこの事実を公開して、本部の決定を変える事はまず不可能。
クロノスからの退避命令が下る中、大樹は攻撃衛星の撃墜を決断する。
「たとえあなたがたにとってここが“過去”でも、おれたちにとっては“現在”だ!クロノスさん、これがあなたの言う
 “正義を守る”ことだというなら、認めるわけにはいかない!」
それがクロノアイズへの宣戦布告であることは知った上で、大樹たちは攻撃衛星を撃墜した。
その直後、グラナバスはペルセディアから「メデューサの瞳」を奪う。
「俺はこの盾で時間を止める!この盾を利用してアトランティスの時間だけを一千億倍に加速させ
 その間にクロノアイズの手が届かない外宇宙への移民計画を完成させる!」
グラナバスとクレオがアトランティスへ降下した直後「メデューサの瞳」が輝き…次の瞬間、アトランティスから無数の光が離脱し
あとにはアトランティスの遺跡だけが残されていた。外部から見れば一瞬の間に、アトランティスは
数100年の時を費やし、宇宙へと去っていったのだった。事件は終結したのだ。
すでに、アトランティスの一瞬の歴史の中で、クレオもその生涯を全うしたのだろうと思っていた大樹の前に
少し年をとったクレオが姿を現した。
「冷凍冬眠しながら、時々起きて指導してたんだけど、それでも7年かかっちゃった。もうクロノアイズじゃないけれど…
 また、置いてくださる?」


477 名前:クロノアイズ 17 投稿日:04/11/05 05:23:08 ID:???
CASE8:冥王の肖像
アトランティスの一件により、大樹たちのチームは他のクロノアイズから追われる身となった。
追跡を逃れ、あらゆる時代を渡り歩く逃避行。
この逃避行の中で、エルザの正体がミトコンドリア・イブであるという事実が明らかとなる。
全ての人類の母である彼女が死ねば、人類そのものが消滅する危険すら存在するのだ。
この状況にあって、大樹はクロノアイズ本部と決着をつけるべく、未来へ向かうことを決める。
だがその頃、クロノアイズ本部はすでにハデスサイズの手に落ちていた。
アトランティス事件の混乱に乗じて、クロノアイズ本部の幹部たちを取り込んだハデスは
「歴史上の重要人物全てを、未来製の複製人間とすり替え、正史通りに管理する」というプランを提示。
穏健派のクロノスを幽閉して、クロノアイズの全権をその手に握ったのである。
それはすなわち、ハデスの望みである人類の歴史全ての支配が具体化した瞬間でもあった。
アイズ本部の政変を知らぬまま、しかし、追撃部隊がより凶悪に、攻撃的になったことは察した大樹たちは
奇襲をかけて、クロノアイズ本部のある31001年の地球へ突入する。
守備部隊を蹴散らしたペルセディアの前に立ちはだかるのは、新装備“赤ずきん”をまとったパペッティア。
他メンバーを突入組に回し、ペルと大樹はふたりだけでパペッティアを迎え撃とうとするが
パペッティアは、大樹の精神波によってリミッター解除したペルセディアを上回る出力を見せる。
彼女は、自分の機体に人間であるスパイディを直結、その苦痛と恐怖によって自らのリミッターを解除したのだ。
降伏した振りをして不意打ちをかけるという大樹の最後の計略も、スパイディを盾にしたパペッティアによって失敗し
大樹はパペッティアによって踏み潰されてしまう。その瞬間、ペルセディアの全身が白熱した。
大樹の危機を知ったアナの激情で、ペルセディアの全リミッターが崩壊したのだ。

478 名前:クロノアイズ 18 投稿日:04/11/05 05:24:03 ID:???
全リミッターの解除により、パペッティアにすら捕えられぬ速度で暴走するペルセディア。
自分が性能でペルに劣るとは認めたくないパペッティアは、ハデスの退去命令を無視してペルセディアに挑み
壮絶な相打ちとなった。ペルセディア、パペッティア両機ともに機体は大破。同じ頃、突入組も捕獲されてしまった。
未来の医療によって大樹は一命を取りとめるが、すぐに彼には「死刑」が宣告された。
彼の死ぬべき時代、2003年へと彼を送り込み、正史通りに死を迎えさせようというわけである。
執行直前の面会で、アナは大樹に「歴史を変えろ。お前さえ生き延びれば航時機もクロノアイズも全てなくなる」と語る。
彼女は、大樹の「歴史的意義」を知らされていたが、それゆえに大樹にそれを告げられずにいたのだ。
2003年、自分の「命日」へと送り込まれた大樹の前に現れたのは、かつて出会った少女(CASE5.5参照)だった。
かの少女、キャサリン・キンネアドと自分は、1年前(本編の大樹は2001年なので彼にとっては1年後)
偶然再会して、付き合い始めたらしい。そして、今日が最後のデート。彼女は不治の病に掛かっており
治療法を未来に求めて、冷凍冬眠処置を受けることになっているのだとキャサリンは語る。
その時、ふとキャサリンの顔がハデスと重なって見えた。同時に、大樹はアナの言葉を思い出す。
「航時機もクロノアイズも無くなる」つまり、航時技術そのものの消失。目の前の少女が
航時機の発明者であり、同じに時空犯罪者ハデスであるというなら、全ての話が符合してくる。
そう思った次の瞬間、突如地震が起こり、ビルが倒壊する。大樹とキャサリンは、辛うじて鉄骨にしがみついたが
ゆるんだ鉄骨は、明らかに二人分の体重を支えられない。これが自分の死因だと大樹は直感する。
少女を庇うなら、犠牲になって自分が死ぬ。しかし、彼女を見殺しにすれば、航時技術もハデスも存在しなくなり
すべてはなかったことになる。彼女を見殺しにさえすれば……逡巡の後、大樹は決断した。
「すまねえ、アナ…未来、変えられなかった…」
2003年某日、西郷大樹、キャサリン・キンネアドを庇って転落死。時空改変によるパラドクス、無し。

479 名前:クロノアイズ 19 投稿日:04/11/05 05:24:34 ID:???
西郷大樹の死後、キャサリン・キンネアドは冷凍冬眠に入った。紆余曲折を経て彼女が蘇生したのは
2708年。すでに世界は、21世紀初頭とはなんの連続性も感じられないほどに変化していた。
時代に適応し、結婚と出産を経験する一方で、冷凍冬眠と蘇生の副作用で脳が活性化した彼女は
その知性を航時理論の研究に注ぐ。それは、初恋の相手だった少年を悲劇から救いたい一心であった。
そして2727年、彼女は完成した航時理論を残し失踪する。
その理論データに記されたある事実ゆえに、政府はこのデータをキャサリンの遺児、ディーナから没収した。
翌年、ディーナの父が宇宙船の事故で行方不明となった時も、政府は「歴史を改変して父を救って」という
ディーナの嘆願を棄却した。それは航時理論が持つある危険性を最重要機密とするための当然の措置であったが
彼女の心には、両親との絆を裂かれた傷と、航時理論は自分が持つべきだったという執念だけが残る。
そして、その心の傷につけ込む者がいた。未来から訪れた人造人間、パペッティアである。
31001年、捕獲されたペルの前で、パペッティアはペルに明かす。自分はここよりさらに未来から来た。
人間とビメイダーが対立した時代から、歴史を変えるために。
自分は「人間を殺す」ことができるが、そのためには「人間に命令される」ことが必要なつくりになっている。
自分に都合のいい命令を下してくれる人間を求め、彼女はディーナに接触した。
彼女の憎悪と欲求を、歴史改変への執念と支配欲へと捻じ曲げ、ハデスを創り出したのだ、と。
一方、ハデスが用意した闘技場では、アナたちを古代の猛獣と戦わせる「公開処刑」の用意が進んでいた。
アナは、一瞬の隙を突いて武器を奪い、ハデスを撃つが、全身がナノマシン細胞であるハデスにはダメージが無い。
その頃、クロノアイズ本部では奇妙な変化が起きていた。幽閉されているペルは、先の戦いで大破したはずの
自分の「機体」が近づいているのを感知する。また、地下では、脱走したクレオ・退屈丸・エルザたちの他に
もう1チームが活動を開始していた。爆煙の中から現れたのは、毛皮をまとった女性、二本差しの侍装束の男、
エジプト風の衣装に身を包んだ女性、カウボーイハットを斜に被ったガンマン、そして彼等を率いる一人の男。
謎の“新チーム”の正体やいかに!?

493 名前:クロノアイズ 20 投稿日:04/11/06 17:30:25 ID:???
闘技場で死闘を繰り広げるアナとハデス。追い詰められたアナが、致命傷を負うかに見えたまさにその時
突如割って入った人影が、アナを庇ってハデスの攻撃を受けとめた。
「バカな!?あり得ん!タイムパラドックスは起きていないんだぞ!お前が生きているわけが無い!」
そう、その人影は、2003年で死んだはずの西郷大樹その人だったのである。
一方、地下で破壊工作をしていたクレオたち三人は、彼等とは別に行動していた、謎の“新チーム”と接触した。
「な…にっ!おぬしらいったい?」
侵略大帝「退屈丸です…(`皿´ )(和服に二本差しの侍装束。ご丁寧に胸には家紋代わりの『侵』の一文字)
スパイディ「ク、クレオです(-_-;)」(古代エジプト風のドレス。とても恥ずかしそう)
ジャギィ「エルザちゃんでーす!(´ワ` )ノシ」(毛皮ビキニルック。無駄に楽しそう)
スリーピィ「アナです!( ∵  )」(首の上に顔を描いたボールを乗せ、その上から帽子を被せて頭に見立てている)
四人揃って「ニセクロノアイズですっ!!\(´ワ`(`皿´( ∵ (-_-;)」
本物のクロノアイズ「ナニコレ━━━━(;゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)━━━━!?」
そう、謎の新チームの正体は、クロノアイズの面々に扮したハデスサイズ四幹部だったのである。
(『のび太の大魔境』ネタかと思っていた人は、ここで盛大にずっこけること)

ここで話を、2003年の「死刑執行」直後へ戻す。“正史通り”転落死したはずの西郷大樹は
救急車に偽装した未来のメカに収容され、そこで蘇生手術を受けて一命を取りとめていたのだ。
彼を助けたのはハデスサイズ幹部の四人。ハデスが自分たち幹部を捨て駒としか思っていないのに気付いた彼らは
ハデスの元から離反…したのはいいが、そこでどうするか行き詰まってしまったのである。
「しょせん我らは幹部の器!強力なリーダーがいなければ何もできん!そこで思い出したのが君だっ!
 敵の命ですら助けようとする天晴れな心!行動力!君こそリーダーにふさわしい!どーか我らを率いてくだせえ!」
かくして、大樹はなしくずしに時間犯罪者のリーダーとして、彼等の航時機 ─── ペルとはぐれ、製作者である
大帝の元へ戻っていたウズメ ─── に乗って、時空犯罪の旅へ飛び出したのである。

494 名前:クロノアイズ 21 投稿日:04/11/06 17:30:57 ID:???
四幹部によってリーダーに祭り上げられた大樹は、彼らを説得して311世紀の仲間たちを救出しようと目論むが
あっさりとクロノアイズのパトロールに見つかってしまう。ウズメに搭載された航時システムは
クロノスの専用航時機からこっそりガメてきたものだとかで、勝手が違ってうまく操縦できない。
その時、航時システムに「OUT」という表示が出たのに気付いた大樹は、一か八かでそのスイッチを押す。
すると、ウズメは超空間を飛び出し、見たこともない空間に入り込んだ。
目の前には、巨大な樹のような物体…大樹は、それが「歴史」を外側から見たものだと直感する。
複雑に枝分かれした「歴史」を眺めるうち、ウズメは再び動き出し、どこか別の時代へと突入する。
そこには、クロノスがいた。だが彼女は、ハデスのこともクロノアイズの政変も知らない様子で
「別の“時間枝”のクロノスに何かあったのですね」とつぶやく。
そしてクロノスは、彼らに「時間の秘密」について語り始める。時間は、宇宙が生まれた瞬間を基点とし
未来へ伸びていく木のようなもの。だが、もし人為的に歴史を変えようとすると、そこで枝分かれが発生する。
分かれた歴史は、元の歴史とは無関係な平行世界として別々に存在していくだけ。
タイムパラドックスは起きないのだ。歴史を変えようとしても「違う歴史」が本来の歴史と別に生まれるだけなのだから。
それを聞いた大樹は問う。では何故クロノアイズが存在するのか?パラドクスが起きないなら歴史を守る必要もないのに。
クロノスは答えて言う。人が罪を犯すのは罰が恐ろしいから。時間犯罪に手を出す人間が少数なのは
パラドックスが我が身に降りかかる可能性を考えずにいられないから。もしパラドックスが起きないと分かれば
全ての人間が「自分に都合のいい歴史」を作り所有しようとする可能性すらある。航時技術は“パンドラの箱”なのだ。
その箱を隠すための「クロノアイズ」。その膨大な範囲に及ぶ活動の全ては「パラドックスは起こらない」という真実を
覆い隠すために存在しているのだ。そして、歴代のクロノアイズ長官「クロノス」とは
実は全て同一の記憶を持ち「時間の秘密」を秘匿しつづけるクローン人間なのである。
大樹たちが辿り着いたこの世界は、通称「最良解」。一度も時間犯罪が起きていない、真正の「正史」である。

495 名前:クロノアイズ 22 投稿日:04/11/06 17:31:57 ID:???
「最良解」のクロノスは、時間の秘密を守るため、大樹たちを監禁しようとするが、それで収まる大樹ではない。
脱走を図った大樹たちを支援したのは、「最良解」のペル14と、意外にもクロノス自身だった。
「どうしても行くのですね」と語るクロノスに、大樹は「わかっていたでしょう、そういう奴だって事は」と答える。
大樹は気付いていた。クロノスの正体が、試作航時機と共に行方不明になったとされているキャサリンその人だと。
彼女は、自分が開いてしまったパンドラの箱を封じるため、永遠の時の守人となることを選んだのだ。
再び歴史の外側へ出た大樹は、時間の分枝を作らずに仲間たちを助ける方法を模索する。
「事件が起きている311世紀に直接介入すれば、また分枝ができるだけ。なら、ハデスが誕生し、俺たちの歴史が
 『最良解』から離れたその瞬間に突入し、コールドスリープで311世紀まで待機すれば、歴史への干渉は一度きりだ。
 この方法なら、余計な分枝は起きない!」
かくして、歴史の中に潜伏した大樹は、今この瞬間に「帰還」したのであった。

「タイムパラドックスは起きない。人間が歴史をコントロールすることなどできない」
この事実を突きつけられてもなお、ハデスは止まらない。全身をナノマシン細胞と化すサイボーグ手術によって
彼女は、肉体だけでなく精神をも蝕まれていた。支配という理想を否定された彼女の理性は崩壊し
周囲の物質を吸収しながら巨大化、全てを呑みこむ怪物として動き出した。
仲間たちの危機を悟ったペルは、「最良解」から大樹が乗ってきたペルセディアを自分の元へ呼び寄せる。
平行世界で作られた、本来の自分のものと全く同じ機体を掌握した彼女は、地下で戦闘中のクレオたちを救出し
そのまま大樹とアナの元へと駆けつける。だが、ペルセディアの攻撃を受けてなおハデスは止まらない。
「スベテヲ・吸収スル コノ・世界ノ・全テヲ・私ノ・一部トシテ・同化スル ワレガ・ノゾミシ・モノハ・支配……
 完全ナル・シ・ハ・イ!」
「いくぜ、みんな…これをハデスとの、最後の戦いにするんだっ!!」

534 名前:クロノアイズ 23 投稿日:04/11/09 00:08:20 ID:???
ペルセディアとハデスの最終決戦が始まった。だが、圧倒的な質量を持つハデスの前に
ペルセディアは辛うじて己の身を守ることしかできない。ここでハデスに暴走されては困るパペッティアは、
ハデスに接触し、説得して丸め込もうとするが暴走したハデスの体内に取りこまれてしまう。
万策尽きたかに見えたペルセディアに、クロノスが通信を入れてきた。
クロノスは、時空貫通弾を使ってハデスを「カウント・ゼロ」すなわち46億年前、太陽誕生の瞬間に送り込む作戦を示す。
この時代なら周囲にはガスしかなく、ハデスも吸収増殖は不可能。そして次の瞬間
太陽誕生の爆発によって、ハデスは完全に焼き尽くされる。
しかし、巨大化したハデスを次元貫通弾一発で「カウント・ゼロ」へ送り込むことは不可能。第一射はクロノスが行い
ペルセディアでハデスを追跡、もう一発の弾を撃ちこんで移送を完了させようというわけだ。
ハデス=ディーナが、クロノス=キャサリンの娘であることを知っている大樹は、この指令を躊躇するが
クロノスは、時を守るという己の使命のために、ハデスへの攻撃を開始した。
巨大な時空の穴に吸い込まれるハデスとペルセディア。急速に時間を遡りながら、
ペルセディアは、ハデスに時空貫通弾を撃ちこんだ。だが、ハデスはこの弾を己の体で受けとめる。
時空貫通弾を体内に抱え、自らをひとつの航時機と化したハデスは、時間の流れを進んでいく。
彼女の出身時代、28世紀…ディーナのいる時代。自分自身の手で、幸せなディーナを創り出すために。
だが、2728年に飛び出したハデスが見たのは、彼女の巨体と接触して沈む、彼女の父の宇宙船だった。
彼女の困惑とは裏腹に、暴走したハデスの肉体は、父の宇宙船を引き裂き、吸収していく。
助けるはずの父親を傷付けてしまったハデスは、完全に理性を失ったまま地球へと向かう。
現状を打開する最後の手段として、クレオは、ハデス体内の時空貫通弾に、もう一発時空貫通弾を撃ちこみ
誘爆させてハデスを「カウント・ゼロ」へ押し込む戦法を提案する。しかし、そのためにはペルセディアが
時空移動に巻き込まれるほど接近する必要があり…今のペルセディアに、そこから帰還するための
エネルギーは無い。ハデスとの心中を覚悟しなければならないのだ。

535 名前:クロノアイズ 24 投稿日:04/11/09 00:08:58 ID:???
ハデスを倒し、地球を救うには己の死を覚悟するしかない。この状況にあって、クロノアイズの6人に
迷いは無かった(ただし、巻き添えで同行させられていた元幹部4人には大いにあったが)。
だが、吸収すべき物体を求めて地球へ降下するハデスは予想以上に早い。
ペルセディアが間に合わないかと思った次の瞬間、ハデスの動きが一瞬だけ止まった。
ハデスの体内に取りこまれていたパペッティアが、最後の力でハデスの中枢を撃ったのだ。
必殺の間合いに飛び込んだペルセディアは、ハデスと己自身を滅ぼす運命の一撃を放つ。
……そして、次の瞬間、アナたち5人は、2728年に取り残されている自分たちに気付いた。
合体解除されたペルセディアの機内には、大樹の姿だけが無い。彼は、最後の瞬間に弾を撃つ腕部を切り離し
自分一人でハデスに特攻したのである。
大樹は、ハデスと共に「カウント・ゼロ」、太陽誕生の直前に辿り着いた。虚無の空間の中で、ハデスと一対一、
あとは原始太陽の爆発に焼かれるのを待つのみ。その時、ハデスが動き出し、大樹の機体を包み込んだ。
最後の瞬間まで増殖せずにはいられないのかと思いきや、どうも様子がおかしい。
ハデスは、爆発から大樹を守るために、大樹を包み込んでいたのだ。
“ああ…そうか……ママを助けたときのお兄ちゃんの気持ち……ようやく少しだけ分かった…
 悪いディーナを…ハデスを消してくれて ありがとう”
燃え尽きるハデスの中に、一瞬だけ、幼いディーナの無垢な微笑が浮かび、そして消えた。大樹は助かったのだ。
それから三日後、大樹は、万一の可能性にかけて捜索にきたアナたちに救助される。

536 名前:クロノアイズ 25 投稿日:04/11/09 00:09:42 ID:???
311世紀に戻った大樹たちは、世界を救った英雄と称えられ、これまでの指名手配も解除された。
その上で大樹たちは、クロノアイズを続けるか、それとも元の時代に帰るか選択を迫られる。
ペルは、311世紀でパペッティアに代わり、人間とビメイダーの融和に努めることを決めた。
クレオと退屈丸はアイズに残留、アナとエルザはもとの時代に帰る事にしたが、大樹の立場は複雑だった。
自分が死んだことになっている2003年で、別の身元を手に入れて新たな生活を始めたはいいが
あまりに膨大な「時間」を見てしまった今、大樹は激しい虚無感に取り付かれていた。
しかし、そんな大樹の胸の内を察してなおクロノスは言う。
「時の流れの中で一度起きてしまったことは、2度と取り返しはつきません。ですが、タイムパラドックスが起きないということは
 時の中を『生きる』者にとって未来は常に開いたものだということを、“未来”は常に『未来』でありつづけるのだと
 忘れないで」
かつてのあの夏のように、未来はただ待っているものだと思っていた日のように、未来を信じられる日が
来るのだろうか…そう考えていた彼の前に、ふたたびアナが姿を現す。
「未来からの悪辣な犯罪者によって、改変、支配された時間分枝が発見された。
 時間の余計な分枝を防ぐために、完成してしまった分枝には手を出さないのがクロノアイズの大原則だ。
 だが、俺たちは別だろ?行こうぜ!」
「…ああ、そうだな!行こう!」

そして、おれは走り出したのだ。未来へと───足早に、せっかちに───

                                    TO BE CONTINUED CHRONO EYES “THE GLANCER”

537 名前:クロノアイズ担当 投稿日:04/11/09 00:13:07 ID:???
「クロノアイズ」(長谷川裕一/講談社マガジンZKC)全6巻、これにて終了です。
…っつっても、そのまま続編「クロノアイズ・グランサー」に続くわけですが。
エピソード毎に書くとなるとやはり結構な容量取りますね。長谷川氏は
絵面だけ見ると勢い任せに見えて、実はストーリーのギミックが多い作家ですから。