ぼくの地球を守って/日渡早紀
485 名前:ぼくの地球を守って1[sage] 投稿日:05/03/11 12:07:46 ID:???
日渡早紀(ひわたり・さき) 『ぼくの地球を守って』 全21巻

<主な登場人物>
坂口亜梨子(さかぐち・ありす)=木蓮(モクレン)
植物と交信する能力を持つ、泣き虫で内向的で無口な女子高生。
小林輪(こばやし・りん)=紫苑(シオン)
亜梨子をからかうことを日課とする、小生意気な小学生。
小椋迅八(おぐら・じんぱち)=玉蘭(ギョクラン)
亜梨子に密かに惹かれる高校生。正義感が強く、直情型。
錦織一成(にしきおり・いっせい)=槐(エンジュ)
仲間内で唯一性別を異なって転生した男子高生。迅八の親友。
笠間春彦(かさま・はるひこ)=秋海棠(シュウカイドウ)
前世での罪の意識から輪に脅迫を受け、利用される。
国生桜(こくしょう・さくら)=繻子蘭(シュスラン)
勝気で、さっぱり、竹を割ったような性格の持ち主。
土橋大介(どばし・だいすけ)=柊(ヒイラギ)
前世でも現世でも実質的なリーダー。冷静沈着だが堅物。
※人物名は左が現世、右が前世。前世の表記名は通称で正式ではない。

他に、苦悩する春彦に救いの手を差し伸べる恩人田村一登(たむら・かずと)や、
対峙した輪の心に触れ、親身になるエスパー薬師丸未来路(やくしまる・みくろ)など。

486 名前:ぼくの地球を守って2[sage] 投稿日:05/03/11 12:08:40 ID:???
<あらすじ>
あるひとりはマンションのベランダから誤って転落して……またあるひとりは夜毎鮮明になる夢に
うなされて……そうして蘇った前世の記憶によって引き寄せられた、亜梨子ら7人の若者たち。
覚醒した7人の前に待ち受ける過酷な運命は、やがて彼らを仲間内での命を懸けた争いに誘う。
それは、皆が死に絶えた前世にひとり取り残され、苦悩と絶望のうちに発狂し、孤独死した男の、
時を越えた復讐が発端となった悲しい戦いだった。
それぞれが前世の贖罪の十字架を背負いながら、現世に転生した彼らは、徐々に明らかになる
過去に戸惑い、心を砕かれながらも、懸命に未来を見つめ、結託し、行動を起こしていく。
そして、過去に囚われた男の魂は、愛する人や仲間たちに救われ、浄化していくのだった。

<ストーリーと解説>
物語の肝は、「輪廻転生」「過去(前世)との決別」「未来への解放」「仲間との愛憎と確執」。
亜梨子(木蓮)を中心として集まった仲間たちは、ある使命感を覚えながら記憶を辿っていくが、
一方で、覚醒した能力を使い、不可解な暴走をする輪(紫苑)に頭を悩ませていた。
しかし、仲間の中でひとり幼い輪には、皆が知らない、前世での辛く悲しい体験があった。

前世での彼ら7人は、月基地から地球の生命を観察する、選ばれた科学者たちだった。
異星人である彼らの母星は、大規模な星間戦争によって既に滅び去り、安全だった基地内も、
やがて発生した悪性ウィルスが蔓延し、彼らは、ひとり、またひとりとその命を落としていった。

487 名前:ぼくの地球を守って3[sage] 投稿日:05/03/11 12:09:34 ID:???
最後まで生き残ったのは、サージャリム(=神)に選ばれた印を持つ木蓮、
悪性ウィルスに対する抗体ワクチンをひとり研究し続けていた秋海棠、
そして先の母星消滅時に地球降下を主張し、異端として隔離・幽閉された紫苑だった。
秋海棠は、たったひとりぶんだけ出来た抗体ワクチンを紫苑に投与し、死んでいく。
ある諍いから紫苑を憎んでいた秋海棠の願いは、紫苑が仲間の死体に囲まれながら、
命の炎が燃え尽きるそのときまで、孤独と絶望にのたうち回って死ぬこと。
秋海棠の目的は見事に達せられ、紫苑は愛する木蓮の最期を看取り、また彼女の遺言のために
自ら命を絶つことも出来ず、9年間の孤独と苦痛に侵され、発狂しながらその命を終えた。

仲間内でひとり転生が遅れた輪の、憎しみと哀しみに満ちた空白の9年間を知った亜梨子たち。
彼らは、やがて己に課せられた使命が、「月基地を破壊すること」だと気づいていく。
いずれ来る近未来──月に進出した愚かな地球人が、基地の最先端技術を悪用し、戦争が
勃発する──を想定していた彼らは、各々が基地破壊の「パスワード」を持って転生していた。

一方、ひとり別行動を取る輪は、仲間を騙し、操り、傷つけながら「パスワード」を回収していく。
破壊信号の発信元となる東京タワーで輪と対峙した亜梨子たちは、彼の本当の目的を知る。

488 名前:ぼくの地球を守って4[sage] 投稿日:05/03/11 12:10:18 ID:???
輪は、人工的な争いによって、破滅に向かいつつある地球を憂い、救いたいと考えていた。
前世において、気のふれた紫苑が造り出したもの──それは、自らの歌声を月基地や地球の
大気に満たすことで、草花を育み、星々を救っていた超能力者木蓮の立体映像装置だった。

さらに輪は、月基地の技術を自在に操り地球人を洗脳し、強制的な平和をもたらそうとしていた。
戦争孤児であった紫苑の亡霊に取り付かれ、衝動的な行動を取る輪に胸を痛める亜梨子たち。
しかし、肝心の装置は作動せず、昏倒した輪は、意識下で亜梨子たち仲間の声を聞く。
9年間の孤独に耐えられず、死んだ仲間を恨み、恋人木蓮の愛までも信じ切れなかった紫苑。
輪は、亜梨子の言葉に、恒久の平和と同時に無償の愛に飢えていた自分自身を発見する。
月基地は破壊され、亜梨子と輪は、時を越えて互いの愛を確認しあう。 <了>

「蛇足」と、後日談について。
成長した輪は、9歳の年齢差を乗り越えて亜梨子にプロポーズし、特別編では子どももいる模様。
一成は、前世から引き摺っていた迅八に対する恋心を成就できないものの、桜といい仲になる。

505 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:05/03/12 08:16:08 ID:???

「僕の地球を守って」のストーリー解説部分で気になるところ

>月基地は破壊され
破壊されてないような・・・

>しかし、肝心の装置は作動せずあって
輪が最終的に作動させて失敗したのは自爆装置で
その強制平和の装置は一度も作動させてない