ベルセルク/三浦建太郎
20 :マロン名無しさん :03/12/21 00:38 ID:???
ベルセルク

主人公・ガッツは傭兵団の千人長で、団長グリフィスの親友。
ふとしたきっかけでガッツは傭兵団を抜け、
グリフィスは投獄されて拷問を受け、二度と剣を握れなくなる。
しかしグリフィスは天使を呼ぶアイテム・ベヘリットを使い、
団員を生け贄に捧げて復活する。
奇跡的に生き延びたガッツは復讐の旅にでる。

時代は中世ヨーロッパ、100年戦争の時で、
注意して読めばどの辺が舞台なのかわかるよのがいい

復讐の旅にでるまで(3〜14巻)はメッチャおもしろいので見るべし

215 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/05/29 09:14 ID:???
舞台は中世ヨーロッパ風の世界観。
黒い鎧に身を包み、右目と左腕はなく、その左腕には鋼鉄の義手をつけ、
そして身の丈ほどもある巨大な剣を背負った「黒い剣士」
ガッツが異形のモノと戦いながら旅をしているところから始まる。
(「それは剣と言うにはあまりにも大きすぎた。大きく ぶ厚く 重く
そして大雑把すぎた。それは正に鉄塊だった」というフレーズは有名)

異形のモノ達は普段は一応人の姿をしているが人を食ったりし、
いざとなれば怪物の姿に変身する。(見た人が「こんな怪物が実在するとは」
と驚くところからして、通常人前で変身する奴はいないようで。
とにかく、表向きは現実的な世界観)

ガッツはそいつらを倒すべく自ら近付き、誘い、戦う。
人外の上にいる存在「5人のゴッド・ハンド」を探しているようだが、
それの居場所は人外達といえど知らない様子。
ガッツの武器は大剣をはじめとしナイフ、小型ボウガンなどの大量の武器、
それに鍛えられた肉体と剣の技。更に義手には大砲が仕込んであって、
これはよく切り札となる。
また、ガッツの首には紋章のような「烙印」が刻まれていて、
魔性に反応して痛み、血を流し、悪霊などを引き寄せる。
冒頭でガッツに助けられた妖精(小さい人型で、羽根のあるやつ)の
パックは恩を返すため(プラス興味本位で)ウザがられてもガッツについて回る。
彼には傷を治す力などがあり、結構役に立つことも。

それと、至るところでガッツの目の前に現れる、出来損ないの胎児のような
魔物がいて、その姿にガッツは苦しめられている様子。

216 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/05/29 09:16 ID:???
ガッツ(+パック)が今度着いた街では、支配者の伯爵が
邪教徒狩りと称して次々と人を殺し、領民を震えあがらせていた。
「烙印」でその伯爵に「魔」を感じ取ったガッツは、
処刑された人の首を伯爵に投げつけ、宣戦布告する。

処刑の行われた広場を離れて路地を歩いていたガッツは、兵士達に包囲される。
大剣で次々と兵を斬り捨てるガッツ。巨漢の隊長ゾンダークを
手痛い目に遭わせたところで、煙玉を投げガッツが逃げる手引きをする者があった。
彼はバルガス。地下に動物や人間の標本の並ぶ研究室を構えた医者崩れだった。
彼の両足は義足で、顔も半分以上そがれ、皮を剥がれていた。
これは伯爵にやられたと言い、伯爵を殺してくれとガッツに言うバルガス。
伯爵が魔物であるということを「知っている」というガッツにもう1つ
バルガスが見せたいと言ったもの、それは卵型で、目・鼻・口が人揃い、
バラバラについている奇妙な石であった。
それを見たガッツは言う。「・・・ベヘリット・・・」と。

バルガス曰く、7年前、城に立ち寄った隊商からこれを買って手に入れて、
伯爵は人ではなくなったと言う。人を生きたまま切り裂き、犯し、
喰らったのだ。彼はそれに堪えられず逃げ出そうとしたが捕まり、
身体を切り刻まれ、目の前で妻と子も食われたという。
バルガス自身は薬で死を装い、ベヘリットを盗んで逃げることができた。
それから研究を続けてきたが、これのことは分からなかったというバルガスに、
ガッツは「もう1つの世界との扉を開き、5人のゴッド・ハンドを呼び出す鍵だ」
と答える。

なお、石のようなベヘリットだが、時々目を開けるなど、確かに生きている。

218 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/05/29 09:16 ID:???
ガッツに痛い目に遭わされたゾンダークは荒れていた。
そこに伯爵自らが現れると、「(ガッツに復讐したいという)望みを叶えてやろう」
と言い、自分と同じ顔をした芋虫のようなものを口から吐き出す。
「受け入れるがいい 我が分身」

伯爵を殺してくれと頼むバルガスを荒っぽくはねのけるガッツ。
とは言え、伯爵を殺そうということに変わりはない・・・そんなことを
言っているところへ、ゾンダークが乗り込んでくる。
歯が鋭く尖り、既に人間の様子ではなくなっている。
ガッツに右腕を斬り落とされるが、そこから触手のようなものが生え、
戦斧を持って鞭のように振り回す、そんな怪物になっていた。
しかし、ガッツもケタ違いに強い。目にも止まらぬ速さで振り回される触手の
攻撃を全て捌き、左腕も落とすと、頭の半分を斬り飛ばす。
だがゾンダークは倒れず、頭の切り口から伯爵の顔の芋虫が生えてきて、
バルガスの姿を確認するのだった。

戦っている内に建物が崩れ、火がつき、ゾンダークはその下敷きになったようだが、
ガッツ達は下水道を通って脱出する。逃げ延びると、ガッツがバルガスから
強引にベヘリットを貰いうけ、立ち去ってしまう。だがその後、
後ろの下水道から触手が追ってきて、バルガスは捕まってしまうのだった。
「処刑場で騒ぎを起こした男の仲間が捕まって、処刑される」という話は
ガッツ達の耳にも飛び込むが、ガッツの反応は冷たい。
パックは喧嘩した挙げ句、1人刑場へ向かうのだった。

「また合ったなバルガス。いや・・・・・・七年ぶりと言うべきかな?」
バルガスはいきなり首を刎ねられようとしていた。とりあえず来たものの、
パックはどうすることもできない。そこで、やはりやって来ていたガッツの
姿を確認するパック。だがガッツは「出て行けば何百人もの兵隊に襲われる。
ヤツの最期を身に来ただけだ」と言い放つのだった。
突貫したパックはなす術もなく捕らえられ、バルガスは伯爵への
呪いの言葉を吐きながら首を刎ねられる。
その首を看取ると、ガッツは伯爵の城へ向かうのだった。

219 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/05/29 09:17 ID:???
パックは伯爵によって鳥カゴに入れられていた。
そして持っていかれた先の部屋にいたのは、伯爵の娘の少女、テレジア。
「面白いものが手に入った」と言い、パックをテレジアに渡す伯爵。
だが一方で、伯爵は「邪教徒から守るため」と言い、娘を軟禁状態にしている
様子でもあった。娘も魔性の父を恐れ、触らせようともしない。
伯爵はそれでひどく苦悩している様子であった。

一方、城に乗り込んだガッツを、伯爵の分身と融合し、更なる異形に変身した
ゾンダークが迎え撃つ。切っても再生し、ますます異形になり続ける
ゾンダークに苦戦、痛めつけられるガッツだが、伯爵の分身の
「私の頭を砕かぬ限り何度でも蘇る」という言葉に、伯爵の顔をした頭部を
切断、潰して勝利する。

テレジアはパックに語っていた。立派な領主であり父だった伯爵が、
変わってしまった時のことを。7年前、邪教徒は伯爵の妻、つまりテレジアの
母を誘拐し、邪教の信仰を認めるよう迫ったのだという。
もちろんそんなことが認められるわけもなく、妻は邪神への生贄となった。
それ以来伯爵は、人を殺すことを楽しんでいるような、
人間ではないかのように感じられるものになってしまったのだと言う。
娘を軟禁しているのも、まだ街に邪教徒が潜んでいると考えているためのようだが・・・
テレジアにカゴから出してもらったパックは、ガッツを心配し飛んでいく。
パックと話して勇気づけられたテレジアは、ふと外へ出ることを考えるのだった。

伯爵の間の前で、伯爵の側近ダールの指揮する50人の兵がガッツを迎え撃つが、
ガッツはそれを次々と斬り捨て、突破し、伯爵のところへ乗り込む。
巨大なナメクジのような姿に変身し、襲い来る伯爵。それはやはり分身を
同じく、いくら手足を斬っても再生するものだった。
巨大な怪物が暴れたため、建物の一部が崩れる。それを聞いて駆けつけるパック。
テレジアの部屋も半壊する。扉が壊れたのを見ると、テレジアは勇気を
奮い起こして部屋を飛び出すのだった。

220 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/05/29 09:18 ID:???
ガッツは側近ダールを身代わりにし、伯爵の頭部に一太刀を入れる。
しかし、片目を潰すところまではいったが浅い。逆に手の一振りで
吹っ飛ばされ、倒れる。カバンからベヘリットがこぼれ落ちる。
駆けつけたパックはそれを取り戻そうと伯爵に渡すまいと、抱えて飛ぶが
やはり捕まりかける。だがそこへ、テレジアが駆け込んできた。
父の顔の異形におびえ、悲鳴をあげるテレジア。悲しみ、怒る伯爵。
それに対し、傷ついたガッツがなおも立ち上がり挑むが、叩きのめされるばかり。
だがガッツを完全に叩き潰そうとした時、伯爵の手が止まった。
ガッツはテレジアを抱え、人質にしていたのだった。
すかさずガッツの義手の大砲が放たれ、伯爵の頭を削る。
更に、手も満足に動かないガッツは剣の柄を口にくわえ、義手で刀身を支えて、
伯爵の首を刎ねるのだった。

娘の前で残忍にも伯爵を切り刻むガッツ。その血がそばに転がったベヘリットの
ところへ流れ、伯爵が「死にたくない」と強く思った時、ベヘリットの
目・鼻・口が動いて顔の形をなし、血の涙を流して嘆き(?)始めた。
その瞬間、辺りの景色が変わった。階段にような構造が立体的に入り組んだ、
異次元空間が展開したのだ。
そしてその彼方からやって来る者達があった。黒い異形の5人、ゴッド・ハンドが。

伯爵はガッツへの恨みを晴らすことを望むが、ゴッド・ハンドは伯爵の
最も強い望み、生への執着を叶えるために降臨したのであって、
それはできぬと言い放つ。更に、ガッツが何人も眷属を殺していようと、
取るに足らない、とも。
だが、ガッツはゴッド・ハンドの1人、“フェムト”と呼ばれる者への
激しい怒りを抱き、剣を手に取って立ち上がる。「グリフィス」と相手の名を叫んで。
しかし、ゴッド・ハンドに近付くとその強大な魔に烙印が反応、血が噴出する。
苦痛に意識も遠のきながら、それでもガッツはフェムトに剣を振り下ろそうとする。
その精神力はゴッド・ハンドも感心するほどのものだったが、フェムトにあっさり
吹き飛ばされ、壁に激突して崩れ落ちる。

221 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/05/29 09:19 ID:???
図らずも伯爵の望み通りになったが、いよいよ“降魔の儀”が行われる。
伯爵の望みを叶えるため、彼にとって自分に一部とも言えるような、大切な者を
生贄に捧げねばならない。すなわち、テレジアを。
更にゴッド・ハンドは、7年前の映像を見せ、その時の出来事を語るのだった。
伯爵は邪教徒討伐のため駆け回っていたが、実は彼の愛する妻が邪教徒となり、
淫らな儀式に身を捧げていたのだった。それを知った伯爵は怒り、その場にいた者を
皆殺しにしたが、妻を殺すことはできなかった。妻が勝ち誇り、伯爵が絶望した時、
ベヘリットが発動、ゴッド・ハンドが降臨して、伯爵は妻を生贄に捧げ、
怪物となったのだった。
(全ては因果律の内、伯爵は因果律に選ばれた者だった、とも言われる)
そして今、ゴッド・ハンドの1人天使長ボイドは、ガッツの首に刻まれているものと同じ
烙印を手に出現させ、テレジアに向けていた。
後は伯爵自身が一言、「捧げる」と言えば良い。
それを止めるため、にも「(妖精の力で)右手だけでも動くようにしろ」と
ガッツはパックに言うが・・・

更にゴッド・ハンドは伯爵に言う。魔に関わった者は、死んでも黄泉で静かに
眠ることはできないと。この異次元空間のすぐそこには、巨大な渦が巻いている。
それは亡者達の集まったもの、地獄だった。この中に飲み込まれ、やがては自我も
溶けて保てなくなる、それが魔に関わったものの定めだと。
死にたくないと強く願い、苦悩する伯爵。しかし、最期に幸せだった家族の姿を
思い出し・・・テレジアに向けられた烙印ははじけて消えた。
ボイドは言う「因果律の糸は断たれた」と。
地獄の渦から亡者達が連なって伯爵を迎えに来た。伯爵の魂は連れ去られ、
ガッツも贄として連れ去られかけるが、大砲に弾を込め直し、フェムトに向けて放つ。
反動でガッツは亡者の手を逃れるが、大砲の弾はフェムトの一睨みで
当たる前に爆発してしまう。そしてゴッド・ハンド太刀は去り、異次元空間は消え、
元の城に戻ってきた。


222 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/05/29 09:32 ID:???
「私をあの部屋に帰して」と泣き叫ぶテレジアに「じゃあ死ねよ」とナイフを寄越すガッツ。
死を選びかけるテレジアだが、崩れた床から落ちかかった時、手が切れてもガッツの
剣につかまり、助かる。そして一転、ガッツに「殺してやる」と叫ぶのだった。
それを背に立ち去るガッツ。

 ――――――――――――――――――

なんか過剰に気合い入れて書いてしまった気もしますが、ここまでで大体3巻、
ここまでがプロローグって感じです。ここから面白くなるというのが大概の評判。
とりあえず、3巻末〜14巻頭にかけて、ガッツの過去、というか、
これまでの人生が描かれますので。

361 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/04 02:32 ID:???
見せしめか、首をくくられ木から吊るされた一群の死体。
その中の1人、女の死体の下には、その状態で産み落とされたと思しき
赤ん坊が落ちていた。しかも、その赤ん坊は奇跡的にも生きて、
泥水の中で産声を上げた。ガッツの誕生である。
ガッツを拾い育てたのは近くに住む傭兵団団長・ガンビーノの愛人、
シスだった。しかし彼女はガッツが3歳の時、ペストで死んでしまう。

それ以来ガンビーノに育てられたガッツは、6歳にして戦場にも同行させられ、
普段は子供の身の丈には余る大人用の剣を持たされ、剣の稽古を受けていた。
「自分の食い扶持くらい自分で稼げるようになれ」と手厳しくしごき、
笑い、時には憎憎しげな表情をも見せるガンビーノ。
けれど、傷につける薬をくれたりする気遣いが(たとえ罪の意識を紛らわす
ためのものであっても)幼いガッツには嬉しかった。

9歳の時、兵士としては初陣を経験。敵兵も殺し、給金も貰う。
給金を渡すとガンビーノは、ガッツの分として銀貨1枚を寄越し、
ねぎらいの言葉もかけてくれた。喜びをかみしめるガッツ。
しかしその晩、今頃になって敵を殺したことに震えるガッツの寝床に、
傭兵団の仲間、ドノバンが押し入ってきた。犯されるガッツ。
更にドノバンは、「ガンビーノからお前を買った」と言い放つ。
だが翌朝顔を合わせると、ガンビーノはそ知らぬ顔をしている。
結局、自分を売ったというのは本当か、尋ねることはできなかった。
その後の戦いで、敗残兵を追って仲間から離れ、森に入って行ったドノバンを
ガッツは後ろからボウガンで撃ち、殺してしまう。

ある日、ガンビーノは戦いで片足をなくし、傭兵も引退に追い込まれる。
ベッドでシスの名を呼ぶガンビーノの手を、ガッツは握り締める。

362 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/04 02:34 ID:???
2年後、11歳になったガッツは傭兵として稼ぎ、ガンビーノを養っていた。
しかしガンビーノは荒んでおり、ガッツにはつらく当たるばかりだった。
そんなある日、寝ているガッツのところへ剣を持ったガンビーノが押し入ってくる。
お前は不吉な悪魔の子だ、シスが死んで自分が片足を失ったのもお前のせいだ、
11年前に死ぬべきだった、と言い、ガッツを殺そうとするガンビーノ。
更にガンビーノは、お前が鬱陶しかったから、あの時ドノバンに売った、と言う。
ガッツは反射的に手にした剣でガンビーノの首を突き、殺してしまう。
仲間殺しの罪で傭兵団を追われるガッツ。逃げるところを後ろから矢で撃たれ、
崖から落ちるが、命は取り留める。
剣を引きずり歩くガッツ。ひどい怪我で、生きていても嫌なことばかりだ。
狼の群れに囲まれた時、「終わりだ」と思うは、身体が反射的に剣を振るい、
狼を迎え撃つ。狼を追い払って倒れているところを通りかかった別の傭兵団に
拾われ、ガッツの傭兵としての人生は続くのだった。


473 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/09 14:12 ID:???
4年後、15歳のガッツは、一流の傭兵に成長していた。
身の丈に余るほどの大剣を武器に、豪傑「30人斬りのバズーソ」を仕留めるガッツ。
もちろん、高い報奨金を要求して。
しかし「正式に私に仕えてみないか?」と誘う雇い主(騎士)の手を
「触るな!」とはねのけるなど、ガッツの心は孤独で、荒んでいた。

翌日、1人歩くガッツ。横に広がる平原で休息しているのは、
昨日までガッツの敵方に所属していた傭兵団のメンバーだった。
彼らのまた、昨日のガッツの戦いぶりを見ていた。
その中の1チームが、ガッツに目を止める。バズーソを倒した報奨金を狙い、
ガッツを襲撃するが、見事返り討ちに遭い、1人は殺され、1人は腕を斬られる。
残った連中もひるんで動けなくなっていると、遠くで冷ややかに見ていた
連中の内、「キャスカ」と呼ばれる者が、リーダー「グリフィス」の命令で
渋々出向いてくる。かなりの使い手のキャスカだが、ガッツはこれも退ける。
ただ意外だったのは、防具が外れて顔を見せたキャスカは、短髪で
兵士の格好はしていたが、紛れもなく女だということだった。
ガッツがキャスカにとどめの一撃を振り下ろそうとした時、馬上から
槍を投げ、止めに入った者がある。連中のリーダー、グリフィスである。
ガッツの大剣を細身の剣で容易くいなし、すかさずガッツの左胸、腕の付け根付近を
一突きするグリフィス。あっという間に勝負はついた。
薄れゆく意識の中でガッツが見上げたもの――馬上で兜を外して見下ろす
グリフィスは、ウェーブのかかった長髪で、女と見紛うような美男だった。

474 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/09 14:12 ID:???
ガッツは目を覚ましたのは傭兵団のキャンプを張るテントの中だった。
外に出てみると、少し離れたところで例のキャスカとグリフィスが話している。
やがて歩み寄ってきたキャスカはひどくガッツに対し怒っているような様子で、
「あのまま殺されちまえば良かったんだ」などと言う。
どうも、ガッツを温めるためグリフィスの命令で丸二日添い寝させられた。
(男を温めるのは女の役割だ、ということで)それが原因らしい。
グリフィスは名乗ると、ガッツの剣を渡し、離れた場所へと誘った。
そこでガッツは知るのだが、この連中は名高い傭兵団の1つ、「鷹の団」だという。
今回の城攻めも鷹の団が向こうについていたため、「3日ですむところを
3か月もかかっちまった」というほどの相手だ。
ただ、意外にもそれは、ガッツと大差ないような若い連中の集まりだった。

丘の上で2人きりになると、いきなり「お前が気に入った。欲しいんだ」と
言い出すグリフィス。(この時キャスカだけは後をつけてきて、陰から見ていた)
しかしガッツは「自分の命を試しているようだ」などと、自分の内面まで
ズケズケと言ってくるグリフィスに反発する。仕掛けてきたのはそっちだ、
その代わりオレもお前の仲間をやっている、と言って、剣をケリをつけることになる。
細身の剣を振るい、ガッツの大剣を片手でいなして、攻め立てるグリフィス。
グリフィスがガッツの剣に飛び乗り、喉に剣を向けた時、決着かと思われたが、
ガッツはなんと相手の剣の切っ先をくわえ取る。そのまま剣を押し返して
つめよると、両者とも剣を手放して崖を転がり落ちる。殴る蹴るで攻め立てるガッツ。
鷹の団の者達も初めて見る、地面に這いつくばるグリフィスの姿だった。
だが最後に一転、グリフィスはガッツの右肩をきめて押さえ込み、ガッツが
ギブアップしないのを見て取ると、容赦なく肩を外してしまう。
今度こその決着。「これでおまえはオレのものだ」と言い放つグリフィス。

475 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/09 14:14 ID:???
ガッツが鷹の団に加わって最初の戦い。奇襲をかけて敵の物資を焼き払った後、
敵陣のど真ん中を突っ切って逃げるという作戦だ。
その逃げる時の殿(しんがり)を、ガッツは任される。
危険で、重要な仕事。信頼していなければ任せられないことだ。
いよいよ作戦実行、殿のガッツは味方を先に行かせ、1人で敵を食い止めるという、
見事な活躍を見せる。
しかし馬がボウガンに撃たれて倒れ、さすがに窮地に追い込まれる。
だがその時グリフィス自らが主要メンバーを率いて助けに戻り、
無事味方の陣営まで逃げ延びる。
その後、勝利を祝した宴の時でも1人離れて佇んでいるガッツだが、
強引に酒宴に引き入れられたり。一部を除いて、すっかり鷹の団の一員として
受け入れられたようだ。

476 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/09 14:14 ID:???
ここで鷹の団の主要なメンバーの紹介を。多くは多分、ガッツと大差ない年齢。

グリフィス・・・既に語った通り、鷹の団のリーダー。
        女のような美形だが並外れた剣の技と指揮官としての頭脳、
        それにカリスマ性を持つ男。
キャスカ・・・鷹の団の紅一点ながら、(ガッツが来るまでは)グリフィスに次ぐ
       剣の腕の持ち主。黒髪に褐色の肌。
       出会った時からの事情もあり、ガッツへの態度は厳しいが・・・
コルカス・・・後に盗賊上がりと判明するチンピラ。
       最初にガッツを襲ったのも彼と部下達。
       その時部下を殺された事情もあり、ガッツを激しく嫌っている。
ジュドー・・・ソバカスの少年。
       後に元は旅芸人の一座にいたと判明する、ナイフ投げの名手。
       気さくな性格で、ガッツを酒宴に誘ったのも彼。
ピピン・・・年齢不詳。無口で力自慢の巨漢。ジュドー達とガッツを酒宴に誘う時には
      力づくで担いで拉致した。戦槌が武器。元鉱夫。
リッケルト・・・ガッツより数年年下の、可愛らしい少年兵。最初からガッツには
        好意的で、上記の戦いで危ないところを助けられてからは
        すっかりガッツのシンパになる。武器の手入れ等が得意らしい。

51 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/14 14:56 ID:???
翌朝、再びジュドーはガッツに声をかけ、語る。
この「鷹の団」という集団のこと。ここでは血腥いことをやりながら、
「不思議と泣いたり笑ったり怒ったりできる」
そして、それをまとめあげるグリフィスという謎に満ちた人物のこと。
最後に、ジュドーはガッツに向けて言う。
「ここならきっと見付かるぜ。お前さんの居場所がさ」

その後ガッツは呼ばれてグリフィスのもとに行き、裸で水浴びをしている
グリフィスに遭遇する。
水をかけあったりと騒ぎつつ、ガッツはグリフィスの首飾りに目を止める。
それは赤い小さな卵型の石で、目・鼻・口がバラバラについていた。
曰く、それはジプシーの占い師の婆さんから買ったもので、ベヘリット、
別名を“覇王の卵”。これを持つ者は自分の血と肉と引き換えに
世界を手に入れる定めだという。
ガッツはベヘリットを詳しく見て、一瞬目を開けたのに仰天するが、
グリフィスは無邪気に笑って「いーだろ?」という。
冷静・冷酷だったりする一方、こんな子供っぽいところもある、
確かに不思議な男だった。
だが更に、グリフィスはその直後には「オレはオレの国を手に入れる」と
大それたことを言うのだった。
平民の、傭兵団の隊長がそれを当たり前にように言ってのける。
ガッツは驚きつつ、自分の人生を振り返るが、やがて「とりあえずは」
グリフィスについて戦うことを改めて心に決めるのだった。

52 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/14 14:56 ID:???
その2国、ミッドランドとチューダーの戦争は、100年に渡り続いていた。
そしてミッドランド軍において、鷹の団はいつしか最も重要な戦力となっていた。
正規軍の止められない正規軍の進撃も、鷹の団なら止められた。
ガッツは切り込み隊長になっていた。その強さと戦いぶりは隊員達の
憧れと自慢の的で、なかなか人望もあると言える立場だった。
しかし一方で、作戦を無視して突っ込んだりし、それを後にキャスカに
とがめられて言い争うような場面もまた、日常茶飯事だった。
しかしそんな中でも鷹の団は戦績を上げ続け、グリフィスは平民出としては異例の
騎士の称号と子爵の爵位を授かるまでになった。
鷹の団もついにミッドランド正規軍の仲間入りだ。
ただ、ガッツは叙勲式にも出席せず、1人剣を振り続けていた。

53 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/14 14:57 ID:???
ガッツが鷹の団に入って3年が経った。
その日も鷹の団は勝利だった。敵の城塞はほぼ制圧し、なおもガッツ率いる
切り込み隊が包囲している。
しかし切り込み隊もまた、たった1人の敵兵により、踏み込めずにいた。
しかも敵側には「不死の(ノスフェラトゥ)ゾッド」が参加しているという。
不死のゾッド。傭兵の中には戦場の神として崇める者もいるという伝説的剣士。
その戦績に加え、死んだという噂が流れても、またどこかの戦場に現れ、
その武勇伝は知られているだけでもなんと、ここ百年近くにも及ぶという。
故に“不死者(ノスフェラトゥ)”と呼ばれている。

ガッツは当然、業を煮やしていた。送り込んだ50人は1人も戻らず、
500人の切り込み隊が釘付けにされたままなのだから。
そんな中、隊員の1人が半身を引き裂かれた状態でフラフラと出てきて、
ゾッドの名を口にして息絶えると、ガッツは制止を振り切り、1人踏み込むことを決める。
城塞の中は死体の山だった。しかもことごとく、甲冑を着た人間がボロきれのように
引き裂かれて死んでいるのだった。その奥、死体を積み上げた中に、ゾッドはいた。
巨大で逞しい体躯。全裸で返り血を浴び、巨大な剣に死体を2人も刺している。
だが何より、その顔は何か獣のようで、全体から異様な威圧感を放っていた。
そして、人間離れして強かった。その剣は太い石の柱を砕くほどの威力で、
受けるのがやっとなほど速く、受けてもそのまま吹き飛ばされるほどだった。
しかしガッツの大剣もそれに耐える強さがあった。そこでガッツは、一撃に賭ける。
そして見事、最初から狙って相手の剣を切り、反す刃でゾッドに斬りつけた。
ゾッドもすかさず両腕を交差させて防いだが、ガッツの剣はその両腕と肩に深く切り込んだ。
だがゾッドはそのまま剣を掴むと、「貴様が初めてだ。オレの体のこれだけ深く剣を
撃ち込んだ人間は・・・三百年に渡る殺戮の日々においてな!!」と言い、
怪物へと姿を変えた。

54 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/14 14:58 ID:???
人間の姿の時より更に何倍も巨大な体、全身を黒い毛で覆われ、肉食獣のような
牙を剥いた頭部には牛のような角。手の指には鉤爪だが後足にはヒヅメで、尻尾もある。
流石のガッツも敵わず、戦意も喪失しかけて身体引き裂かれようという時、
グリフィスが主力を率いて踏み込んできた。
皆、我が目を疑いながらもボウガンを一斉に放つが、ゾッドには効かない。
戦いを邪魔され怒り狂うゾッドは団員を踏み潰し、引き裂き、喰らった。
そんな中グリフィスは自らガッツを助け出そうとしたが、ゾッドはなおも襲いかかる。
2人は左右に分かれると、ゾッドの両脇を駆け抜けながら斬りつけた。
ガッツの剣はゾッドの喉付近を斬り、グリフィスは左腕を切り落とした。
そのまま走り抜けようとした時、ゾッドの尾がグリフィスをはね飛ばす。
更にゾッドは自分の左腕を拾い、それでガッツを殴り飛ばすと、元通りに腕をつなげた。
まずグリフィスに止めを刺そうと近付いたゾッドは、その首にかかっている
ベヘリットに目を止める。ひどく驚いている様子だったが、やがて何かを納得すると、
天井を破壊し、「小僧ひとまず勝負は預けておくぞ」と言うと、
背中から巨大なコウモリの翼を出して飛び去った。
ガッツに対し、こんな台詞を言い残して・・・
「貴様がもしこの男にとって真の友と言える存在ならば・・・心しておくがいい・・・
この男の野望が潰える時・・・・・・・・・貴様に死がおとずれる!!
決して逃れられぬ死が!!!」

78 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/16 12:39 ID:???
ゾッドにはね飛ばされて怪我をしたグリフィスのところには、
宮廷のお偉方も見舞いに訪れた。
成り上がりとして嫌う者達もいる一方、今の内に近付いておこうと
考える者達もいるのだった。
だが一方、キャスカはあの時ゾッドが飛び去った直後、グリフィスを
抱え上げて「貴様のせいだ!!!」とガッツに叫ぶなど、対立を深めていた。

そんな中ガッツが剣を振っていると、松葉杖を突いて散歩に出たグリフィスが
現れる。話し込む中「オレはおまえのために体をはることにいちいち理由が
必要なのか」と口にするグリフィスだが・・・
そこにミッドランド王自らが姿を見せる。
爵位を授けるなどグリフィスを高く買い、期待を寄せている王に対して、
王の弟で白龍将軍にして第二王位継承権者・ユリウス伯は
成り上がりのグリフィスを快く思っていない様子。
また王の一人娘・シャルロット姫も姿を見せ、グリフィスと初めての接触を持つ。

グリフィスの台頭と人気が気に入らないユリウスだが、更に衝撃的な
事実を告げられる。今度の“秋の狩り”での王の警護、代々白龍騎士団に
任せられてきたこの栄誉ある任務が、今年は鷹の団に任せられるというのだ。
それを告げたフォス大臣は更に、このままでは猛将ユリウス将軍の名も危ういのでは、
と煽り、狩りでの事故の見せかけてグリフィスを暗殺することをそそのかす。

79 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/16 12:41 ID:???
さて、“秋の狩り”が実施される。
警護の任の中、グリフィスはシャルロットに近付く。
狩りは残酷で好きになれないというシャルロット。更に続けて「戦もそう・・・
どうして男の方は血を流すことばかり好むのですか?」と言う。
だがグリフィスは黙って木の葉を取り、草笛の遊びを教えるのだった。
微笑むシャルロット。だがそんな時、茂みから飛び出した1頭のイノシシに
シャルロットの馬が驚き、走り出してしまう。真っ先に追いかけるグリフィス。
だがグリフィスが集団を離れたのに、ユリウスと側近の弓の名手を目を付ける。
川の中でようやくグリフィスが追いつき、馬を止めて「戻りましょう」と言った時、
グリフィスの鎧の胸に毒矢が突き刺さった。
後を追ってきた鷹の団のメンバーが慌てて駆け寄る。
だがしかし、グリフィスは無事だった。
偶然にも首にかけていたベヘリットが盾になったのだ。

この件は「チューダーの暗殺者が姫を狙った」として片付き、
グリフィスは姫の命を救った英雄となる。
結果的に昇進の助けをしてしまったユリウスは、激しく荒れる。

80 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/16 12:41 ID:???
その晩、ガッツはグリフィスに呼び出される。
グリフィスは毒矢が自分を狙ったものであることを見抜いていた。
更に、矢に塗られていた毒はカラバル豆のもの。これを扱っている医者は町中で
ただ一軒。そこで最近購入した者は、白龍騎士団随一の弓の名手だという。
更に侍女に金を掴ませ、その男が夕方ユリウスにしぼられていたこと、その時に
今回の暗殺騒ぎのことを話していたらしいこと、まで突き止めた。
そして、グリフィスはガッツに、ユリウスの暗殺を頼む。
「汚い仕事だし決して失敗も顔を見られことも許されない」と言った上で、
「だからこそおまえに頼みたい。頼まれくれるか?」というグリフィス。
ガッツは答える。
「らしくねえな。しのごの言わずに命令すりゃいいんだよ。いつも通り」

うまくユリウス邸に潜入までは成功したガッツだが、ユリウスが息子のアドニスを
剣の稽古でしごいているのを見てしまう。
不覚にもこんな時に、ガンビーノと自分のことを思い出してしまうガッツ。

ユリウスの部屋に侵入、斬り伏せることに成功するが、その時運悪く部屋に
入ってきた人物があった。見られた、とその者も剣で突き殺するが、
それはあのアドニスだった。
少し戸惑っている間に騒ぎを聞きつけた衛兵が来てしまう。衛兵もすぐに斬り殺したが、
騒ぎは大きくなり、最早気付かれずに脱出することは不可能になった。
やむを得ずフードで顔を隠し、追いすがる兵を斬り伏せながら逃げるガッツ。
左腕に矢を受けたが、そのまま塀を飛び降り、下水道に逃げ込んだ。

81 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/16 12:42 ID:???
鷹の団の主要メンバーが食事をしているところに濡れて汚れた姿でガッツは現れるが、
「グリフィスはシャルロット主催の晩餐会に出席している」ということだけを聞くと、
そのまま出て行ってしまう。その時キャスカは、左腕の矢傷に目を止める。
晩餐会の行われている館にガッツが近付くと、宴席を抜け出したグリフィスと
シャルロットが館の前で話しているところだった。
進み出ようとするガッツを、追ってきたキャスカは「そのカッコで行くつもりか?」と
制止し、自分の服の袖を裂いて傷の手当てをする。

「どうして男は血を流すことばかり〜」という昼間のシャルロットの疑問に、
グリフィスは「貴いものを勝ち取り守るため」と言う。更にその貴いものとは、
家族や恋人という人もいるが、おそらくそれ以前に、「自分自身のために成す夢」だとも。
“夢”というものについて語るグリフィス。一方では平民出身とは思えない貴族的な姿、
また時には草笛の遊びを教えたりする一面、そんなグリフィスに、確かに
シャルロットも惹かれつつあるようだった。だが彼女が「あなたのお友達の方々も
そんな魅力に引かれてあなたについて来られたのでしょうね」と言うと、
グリフィスは言った。彼らは部下であり仲間であるが、友とは違うと。
「決して人の夢にすがったりはしない・・・自分の生きる理由は自らが定め
進んでいく者・・・そしてその夢を踏みにじる者があれば全身全霊をかけて立ち向かう・・・
たとえそれがこの私自身であったとしても・・・私にとって友とは、
そんな“対等の者”だと思っています」
その言葉に、立ち聞きしていたガッツは強い衝撃を受ける。

そんな中、ユリウス暗殺の報が入り、大騒ぎになる。
ガッツは黙って去り、キャスカはその傷に目を向けていた――


177 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/26 12:34 ID:???
戦に先陣を切って出立するグリフィスに、シャルロットは母=前王妃の
形見というロードストーン(天然磁石)の首飾りを渡す。
ロードストーンには男女2つの石があって、互いに引き付け合い、
対で持つ者同士は必ずもう一度巡い合うとも言う。
故に、グリフィスが男性の石、自分が女性の石を持っていれば、きっと
無事に戦場から戻るだろう、と言うのだ。だがそれに対しフリフィスは答える。
「姫様の大切な思い出の品、頂くわけにはまいりません。ですからこの戦から
戻り次第、必ずこれを返しに参ります」その笑顔に喜ぶシャルロット。
だがシャルロットの義母に当たる現王妃のグリフィスに対する印象は悪く、
「もう16なのだから王女としての自覚を持ちなさい。あのような
下賤の者と軽々しく――」と厳しく言うのだった。

178 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/26 12:35 ID:???
キャスカはこの時体調不良だった。折悪しくも生理だったのだ。
おかげで、青鯨超重装猛進撃滅騎士団団長アドンに苦戦し、追い込まれる。
(この長ったらしい騎士団名と言い、かなりギャグキャラなのだが)
「女の分際で」「大人しく捕虜となるなら娼婦として生かしてやる」などと
言うアドン。だが助けに入ったガッツにより、あっさり叩きのめされる。
しかしそこでキャスカがふらつき、崖から落ちかかったのに手を伸ばしたところを
アドン(負傷して倒れたが生きていた)の放った矢に撃たれ、
2人揃って崖下の川に転落してしまう。
キャスカを抱えて岸まで泳ぎ着き、人工呼吸して助けるガッツだが、
熱があるのに気付く。雨まで降り出したので、洞窟に退避することに。
敵に居場所を知られないためには火を焚くわけにもいかず、やむを得ず
キャスカを脱がせて、人肌で温めることになるのだった。(この時、生理なのも知る)

ガッツとキャスカの転落はすぐにグリフィスに知らせが行ったが、
「高々一隊長の生死を確かめるのに兵を割くなど言語道断」と、
他の軍の将はグリフィスを牽制する。

179 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/26 12:36 ID:???
目を覚ましたキャスカは自分の状態を見て、ガッツに対し激しく怒るが、
「すぐ頭に血がのぼりやがる。これだから女は〜」等と「女」であることを言われると、
「私だって・・・好きで女に生まれたわけじゃない・・・」と泣き出してしまう。
更に「情けない。おまえにだけは助けられたくなかった」と言うが、
「女にゃ戦商売は辛いだろうに、何で鷹の団に」と問われ、やがて過去を語り出す。

キャスカの生まれたのは貧しい農村だった。ある日、通りかかった貴族が
キャスカを侍女に欲しいと申し出た。貧しい村で6人兄弟を抱えてやっていく
家の苦しさもあり、父は渋りながらもその申し出を受け入れた。
だが、そううまい話はない。城に向かう途中、その貴族はキャスカを手篭めに
しようとする。最初からそれが目的だったのだ。
その時現れたのが、軍を起こす資金を集めるべく盗賊をやっていたグリフィスだった。
しかしグリフィスは、一端貴族を制止すると、キャスカの前に剣を投げて突き立てた。
そして、「君に守るものがあるなら、その剣をとれ」と。
無我夢中でキャスカのとった剣は、偶然かも知れないが貴族の胸を貫いた。
その後、人を殺した恐怖に震えるキャスカにグリフィスがゆっくりとうなずき、
毛布をかけてくれた、それが本当の救いだった。
しかし、このままでは盗賊の手引きをしたと疑われる。行く場所のないキャスカは、
「一緒に連れて行って」と言う。グリフィスは「死ぬかも知れないよ?」と
問うが、キャスカがうなずくと、「好きにすればいい」と。
「もう戦い方は知っているだろう?」

180 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/26 12:36 ID:???
やがて鷹の団は傭兵団として、常勝無敗の活躍を見せるようになる。
ある地方貴族の領地紛争に参加した時のことだった。
その貴族は国内で五指に入る資産家だが、それ以上に悪趣味なことで風評が高かった。
美少年達を従者として召し抱え、その実“色子”として城内に監禁していたのだ。
色子達の姿にかつて自分の辿りかけた運命を重ね恐怖と嫌悪に震えるキャスカだが、
グリフィスが肩に手をおいてくれるだけでその震えは止まった。

何度目かの小競り合いの時。戦いのおさまった後、グリフィスは10歳程の味方の
兵卒見習いの戦死体に目を止めていた。グリフィスはその少年ことを回想しながら、
「この子を殺したのは・・・オレの夢なのかも知れない」と呟いた。
あのグリフィスがあんなに肩を落として、あんなのは見たことがなかったと
語るキャスカ。

それから城に帰還して、何日目かの夜。キャスカは城の窓にグリフィスの姿を
見つけ呼びかけたが、グリフィスは上半身裸で、例の貴族に肩に手をかけられると、
城の中に連れ込まれていった。
これを聞いた時にはガッツも「冗談だろ!?」と叫んだが、キャスカは続けた。
翌朝早く川で水浴びをするグリフィスに遭遇したキャスカ。昨夜の件について
どうしても気にしてしまい、「勘違いよね」と否定しようともしたが、
グリフィスははっきり「いいや、勘違いじゃない」と言った。
理由はただ「金だよ」と。鷹の団を大きくするには、多くの軍資金が必要なのだと。
今のまま戦って勝ち続ければ、と言うキャスカに、グリフィスは答える。
時間がかかりすぎるし、戦場に出ればそれだけ多くの部下を失う、と。
もしかしてあの子のことで、と言うキャスカだが、グリフィスは否定する。
合理的に考えたまでさ、と。更にグリフィスは続けた。
「オレはね・・・命を落とした仲間達に何ら責任を感じてはいないよ・・・
それはあいつらが自分自身で選んだ戦いなのだろうから。だが・・・
何百何千の命を懸けながら自分だけは汚れずにいられるほど・・・
それほど・・・オレの欲しいものはたやすく手に入るものではないんだ」
そう言うグリフィスは肩を抱いた爪が自分の腕に食い込み、
血が流れ落ちるほどだった。

181 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/26 12:37 ID:???
これらを回想してキャスカは言う。「大きなものを手にしようとする者は、
それだけ人より多く何かに堪えているのだと思う」そして、
「私はあの人の剣になりたい」と。
グリフィスの夢を成し遂げるのに欠かせないものになれると信じていた。
ガッツが現れるまでは。グリフィスがガッツに言った言葉「おまえが欲しいんだ」
他の誰にも、そんなことを言ったことはなかった。
「そう言わせたおまえが妬ましかった」キャスカは言う。
しかも、冷静沈着なグリフィスが、ガッツのこととなると衝動的になる。
それなのにガッツは好き勝手に、後先を考えずに突っ走ってばかり。
その身勝手さが遂にゾッドの時には、グリフィスを殺しかけた。それが許せない、
キャスカはそう叫ぶと、続けて「グリフィスを・・・そんな風に変えてしまった、
おまえが許せない」と小さく言い、ガッツの胸に崩れて、後は泣くばかりだった。
「なぜだ・・どうして・・・おまえでなければならないんだ」

話はそこまでだった。あのアドンが2人を捜索して殺すために送り込んだ傭兵が
近くを捜索しているのだ。
キャスカに熱さましを飲ませ、日が暮れ次第出立することになる。

182 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/26 12:37 ID:???
だが、2人で森の中を歩いている時に、アドン自ら率いる傭兵団に包囲される。
「これ以上貴様の世話にはならん」と戦うキャスカ。
しかしそんな中ガッツは身を盾にしてキャスカをかばい、1人で行かせようとする。
どうして、と問われると、ガッツは答えた。「勘違いすんな。半病人は邪魔だから
とっとと失せろっての。逃げ回るのはオレの性に合わねえ!」
更に「帰んな、剣の主のもとへ・・・グリフィスのところへな」と言って見送り、
1人で100人からの傭兵団を迎え撃つガッツ。
「仲間を連れて必ず戻る!それまで死ぬな!!!」と言って、キャスカは走り去った。
(なお、ここでアドンの弟のサムソンが登場、すぐやられたことを追記しておく)

森の中で再び追っ手に襲われるキャスカ。追い詰められ、犯されかけるが、
木の枝で相手を刺してでも抵抗を続けているところに、
ジュドー率いる捜索部隊が現れた。助かったキャスカはすぐに、ジュドー達を連れて
ガッツのもとに駆け戻る。戻った時には夜が明け、朝日に照らし出されたのは、
累々たる死体の山。100人の敵が、生きている者は1人もいなかった。
そんな中で剣を抱いて木にもたれかかって、ガッツはいた。生きていた。
途中で左手を撃たれ剣を握れなっても右手だけで剣を振るい、100人を斬ったのだった。

183 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/26 12:42 ID:???
さすがに全身に浅からぬ傷を負ったガッツだが、医者に止められても、
「這ってでもこの遠征最後までつきあうぜ」と言い張る。
その夜、ジュドーはキャスカを呼び出して言う。2人が崖から落ちた時、
捜索隊を出すのは反対されたが、グリフィスが「あの2人は鷹の団の要です。
失うわけにはいかない」と押し切ったことを。
続いて、粉薬の袋を渡すジュドー。昔いた旅芸人の一座に妖精がいて、
そいつから貰った妖精の鱗片だという。怪我によく効き、ジュドー自身も何度も
命を拾っている代物なので、ガッツに塗ってやれというのだ。
その薬を持って、キャスカは丘の上に佇むガッツのところへ行く。

薬の効果は確かに覿面だった。薬を塗られながら、ふとガッツは述懐する。
自分は死にたくないというだけで、ただ生きるために剣を振るってきた。
それで100人と斬り合おうが、それに大した意味はない。一番肝心な戦う理由は、
いつも他人に預けようとしてきたのではないか、と。
その口ぶりから、ガッツが鷹の団をやめるつもりなのでは、と気付くキャスカ。
その問いにガッツは「“この遠征だけは”這ってでも最後までつきあう」
と答えるのだった。
その時、2人が無事だとの報を聞いたグリフィスが予定を繰り上げ軍議より帰還、
歓喜の騒ぎにそれはかき消されたが・・・


222 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/30 15:37 ID:???
難攻不落の城塞、ドルトレイ。ここは元々ミッドランド国境防衛の要だったが、
チューダーに奪われてからこの100年、皮肉にもチューダーのミッドランド侵攻の
拠点となっていた。
しかも現在そこには猛将ボスコーン率いるチューダー最強の騎士団、
紫犀(シサイ)聖騎士団が駐屯、ミッドランド二大騎士団の1つ
白虎騎士団も壊滅の憂き目に遭い、総力戦でも落とせる保証はなかった。
だが軍議でグリフィスは、御命令とあらばそれもやってみせると言った。
それも駐屯軍3万に対し、鷹の団5千の兵のみで。
このままではどの道総力戦以外に選択肢はない、やらせてみても、という
グリフィスに大きな期待を寄せるラバン将軍の推しもあり、
国王は鷹の団にドルトレイ攻略を命じる。

この話を聞いてもガッツはあいつが自分から買って出たんだ。勝算あってのことだろ?
と安心していたが、キャスカは冷静でいられればいいんだけど・・・と
不安な様子を見せる。
あの時の過去語りで話した、金持ちで悪趣味の地方貴族、そいつこそが現在の
チューダー帝国北方戦線総司令官・ゲノン総督だった。

アドンは生きていた。無我夢中のガッツを前に、死んだふりをして生き延び、
本拠ドルトレイに帰還していた。だが私怨を晴らすために傭兵を連れ出し、
生き恥をさらして帰ってきたことでボスコーン将軍の怒りを買い、指揮権を剥奪された。
その後ボスコーンがゲノン総督に謁見すると、ゲノンは次の相手は鷹の団だと
密偵から報告を受けたことを話す。常勝無敗の鷹の団なら歯応えがありそうだと
どこか嬉しそうなボスコーンに対し、ゲノンは1つの命令を下す。
鷹の団の団長、白い鷹は、生きたまま捕らえてこいと。

223 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/30 15:37 ID:???
ドルトレイは二重の城壁を持つ巨大な城塞の上、断崖絶壁を背にし、
見晴らしの利く盆地を前にしている。それに対し鷹の団がとった陣形は、
盆地を挟んで川を背にした“背水の陣”だった。
妖精の粉で見事な回復を見せたガッツも、戦陣に復帰していた。
一方ボスコーンはその愚行ともとれる行為に驚くが、どんな策を弄しても
一時しのぎにしかなるまいと判断、正面から出撃する。
その日、盆地は乾燥して風が強く、砂ぼこりがもうもうと舞っていた。
グリフィスはこれも予定のうちと言った。
そして、少ない兵を更に2つに分け、自ら第一陣の先陣をきって出撃した。
切り込み隊長のガッツは敵の一番隊を次々斬り捨て、突破していく。
そのまま大将ボスコーンと交錯するに至る。だが巨大な戦斧を振るうボスコーンも、
簡単には仕留められぬ猛者だった。

武人ボスコーンは元より総督の悪趣味に付き合う気はなかった。
敵の大将の生死など時の運、という考えだ。その戦いぶりに命令を無視して
グリフィスを殺してしまうのでは、と心配になったゲノンは、城の残る
自分の親衛隊を率いて自ら出撃、指揮をとることを決める。

多勢に無勢、鷹の団が不利になってくると、グリフィスはあっさり撤退命令を下す。
このような攻め方では結果は最初から見えていただろうに、何故、と
疑念にかられるボスコーンだが、その時自ら出撃してきたゲノンが追撃命令を下す。
更に全軍にグリフィスの生け捕りを命令、それに成功した者には二階級特進まで
約束してしまう。ボスコーンも総督命令に、やむをえず追撃に移る。
川を背に陣形を整え、鷹の団の持ちこたえるための戦いが始まった。
グリフィスは生き残ればオレ達の勝ちだ!!と宣言する。

224 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/30 15:38 ID:???
ゲノンの出陣に駆り出され、残った者もグリフィス捕獲の報酬につられて
出て行った城を、盆地を見下ろす岩山に待機していたキャスカの部隊が襲撃した。
大軍が駆けて行ったことでますます舞い上がる砂塵はその姿を隠し、
また川辺で戦っている主力軍の眼からそのことを隠しもした。
そこで迎え撃ったのが、指揮権を奪われ城に残っていたアドンとその部下だった。

圧倒的な多勢に無勢、追い詰められながら、死に物狂いで戦う鷹の団。
その中でガッツは、再びボスコーンと対決していた。周りの者達には見えないほどの
速さで両者の剣がぶつかり合う。巻き込まれるので、近付くこともできない。
ガッツ自身も100人斬り以上の危険を感じていたが、ゾッドのことを思い出し、
あの時ほど絶望的ってわけじゃねえと自らを奮い立たせる。

体調万全なキャスカに歯が立たないアドンは、とうとう土下座して命乞いを始める。
だがキャスカがあきれていると、不意にボウガンを取り出してキャスカを撃った。
腕の付け根付近に刺さった傷は深くなかったが、矢には即効性のしびれ薬が塗られていた。
一転アドンに押されるキャスカだが、力を振り絞って剣で棒高跳びをして攻撃を跳び越え、
アドンを斬り捨てた。

225 名前:ベルセルク 投稿日:04/06/30 15:38 ID:???
一方ガッツは追い詰められていた。さすがの大剣も100人斬りでガタがきていたために
折れたのだ。そのまま馬からも落とされ地面に転がるガッツ。
他の兵が助けに入っても、とても敵う相手ではない。
だがその時、離れた岩山から見下ろしていた騎馬の影が、巨大な剣を投げつけて来た。
それは数百m離れたところから飛び、正確にガッツの前の地面に突き立った。
それを投げた相手の姿もほとんど見えず、何が何だか分からないまま、
ガッツはその剣を取ると一発逆転、馬とボスコーン自身の首を刎ねた。
チューダー最強の戦士ボスコーンの敗退にどよめく敵を、更なる衝撃が襲う。
背後の城塞に、無数の鷹の団の旗が揚がったのだ。

大将は倒れ城は落ちたとなれば、数は多くとも既にチューダー軍の負けであった。
鷹の団は勝利を宣言、勝鬨をあげる。チューダー軍は敗走を開始し、それに対する
残党狩りが始まった。
引くなと言っても既に命令を聞く者もなくなったゲノンは、グリフィスに追い詰められる。
一夜限りとはいえ恋焦がれた仲だ。見逃してはくれんかと言うゲノン。
だがグリフィスの冷たい目に、恨んでおるのか・・・?と怯えて問う。
それに対しグリフィスは、私はあなたに対して何の感情も持ち合わせてはいません。
利用されていただいたまでですと答え、一突きでゲノンを殺した。

城で1人休んでいるキャスカと出会ったガッツは、身体の動かないキャスカを
抱え上げ、グリフィスの出迎えに向かう。
だがガッツには気になっていることがあった。飛んできた剣の形には、見覚えがあった。
そう、ガッツの睨んだ通り、剣を投げて寄越したのは“不死のゾッド”だった。
ゾッドは1人、つぶやきながら去った。
まもなく蝕がくる・・・魔王降臨も近い・・・・・・と・・・

307 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/09 16:37 ID:???
王都ウインダムに凱旋した鷹の団は、歓喜の声に迎えられる。
シャルロットも喜んで、最大限おめかしして迎えるが、
城の上からの呼びかけは届かず、戦勝祝賀会を待つことに。
グリフィスはドルトレイ攻略の功績で将軍になるという。それも白虎・白龍に
連なるミッドランド軍の最高位“白の称号”を受けると。
一方でそんなグリフィスの成り上がりを認めない守旧派は密会を開き、
戦勝祝賀会でグリフィスを暗殺することを決める。
その企みが明るみに出ることのないよう内々に処理することを約束する
守旧派の支えはミッドランド王妃であり、実質上仕切っていたのはフォス大臣であった。
王妃は、王弟ユリウスと不倫関係にあった。事情を知っているフォス大臣は
ユリウスの暗殺がグリフィスの仕業と睨み、王妃にそのことを吹き込んだのだった。

だが、暗殺計画を進める中、一通の書簡を受け取ると、フォス大臣は顔色を変えた。

貴族の出で立ちになり、祝賀会場の宮廷に入る鷹の団の主要メンバー達。
英雄達に宮廷の女達も群がり、慣れない皆は戸惑う。
1人さっさと集団を離れたガッツを、「貴族のドラ息子達がしつこいから
連れのふりをしてくれ」とキャスカが強引に連れ出した。
初めて見るドレスを着て飾り立てたキャスカの姿に、ガッツは最初
随分と驚いたが、やがて「結構イケてるぜ」と認め話し込む。
そんな中やはりガッツに鷹の団脱退の意思を見て取るキャスカだが、ガッツは
彼女を一足先に宮廷内に戻らせる。

308 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/09 16:39 ID:???
国王からチューダーとの休戦、そしてグリフィスへの“白の称号”の叙爵が発表される。
鷹の団は白鳳騎士団となり、千人長――ガッツ達主要メンバーには全員、
騎士の称号と爵位が与えられるという。
グリフィスに祝杯が渡される。そこには、守旧派の手によって毒が入れられていた。
口にした途端グリフィスが倒れ、場は騒然となる。
毒を入れた給仕は報酬を持ってさっさと逃げ出したが、待ち伏せていた者に斬られてしまう。

守旧派の密会。暗殺の成功を喜ぶ王妃達だが、推進者であった当のフォス大臣は
顔色が悪く、実行した給仕も始末したことを告げると、一足先に退出する。
その直後、その建物は火に包まれた。気が付いた時には逃げ場も失われている。
王妃が外を見ると、グリフィスが立っていた。
グリフィスが口にしたのは一時的に仮死状態を作り出す秘薬、そしてそれは
この通り、自分を狙う者達を一網打尽にするために。
命乞いする大臣達、激しく怒る王妃に、グリフィスは言い放つ。
「これは戦です。戦場に観覧席はありません。戦場で死ぬのは王族でも貴族でも
平民でもありません。敗れた者が死ぬのです」

建物が焼け落ちるのを見届けたグリフィスが声をかけた相手、この手引きをしたのは、
フォス大臣だった。なぜ計画を知りえたのかと問うフォス大臣に、グリフィスは答える。
知りはしなかった。ただ、あなたが自分の敵になることは予測していた。
なぜならあなたの目が、自分を恐れていたから。
ただそれだけのことからここまで読んで行動したグリフィスに、
フォス大臣はただ恐怖するばかりだった。

更にフォス大臣がグリフィスの言いなりにされたのは、娘エリーゼを拉致され
人質にされていたからだった。その娘を返すと、拉致に雇われたチンピラ達も
去る途中、ガッツに斬られる。給仕を殺したのもガッツだった。
この真相を知るのは当のグリフィスとガッツのみで、全ては闇に葬られた。
ただ、グリフィスは何事もなかったように帰還し、皆を喜ばせた。

309 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/09 16:39 ID:???
1ヵ月後の夜更け、キャスカは旅支度として城を去ろうとするガッツを発見、
呼び止める。だがガッツの決意は変わらなかった。それをコルカスとジュドーも見つけ、
ジュドーは「ちょっとつき合えよ」とガッツを飲みに誘う。
キャスカは1人、グリフィスのところへ向かった。ガッツを止めてもらうために。
話を聞いてコルカスは言う。今や自分達は救国の英雄、もうすぐ貴族にまでなれる。
それを捨てようとは信じられねえぜ、と。ガッツは答える。グリフィスを
振り向かせたいから、自分で手にする何かで、あいつの横に並びたい、と。
それはもちろん地位や階級ではない。そんなものに興味はない。
コルカスは激昂する。自分で勝ち取る何かなんて、そんなものが簡単に見付かれば
苦労しない。もし見付かっても勝利者になれるのは一部だけだ。そこでガッツに
「お前にはねえのか、そういうの」と言われると、「付き合いきれねえ」と帰ってしまう。
ジュドーはそんなコルカスが小さな盗賊団の頭だったことを語り、「ささやかながらも
あいつは自分で勝ち取る何かってやつを持っていたのかも知れないな」と言う。
更に、自分は何でも小器用にこなせたけれど、どれも一番にはなれなかった、だから
一番になれそうな奴の下につこうと思った、とも。
「最初から何も欲しがらない奴なんていないさ・・・・・・でも誤解すんなよ。
結構気に入ってんだ、今の自分の立場もさ」
そして自分が3年前に「ここならお前の居場所も見つかるだろう」と言ったことに触れ、
「はずれちまったな、オレの勘」と言う。最後に「見つかるといいな、お前の何かっての」
と言って、近くまで送ることを申し出た。

310 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/09 16:39 ID:???
道中、ジュドーはキャスカの名を出し、崖から落ちた一件以来、ずいぶん親密になった
ようだが、誘ってみちゃどうだ、と言い出す。もちろん、キャスカがグリフィスを
想っていることは両者とも知っている。けれどそれは多分、叶わない。
グリフィスの立身出世には、シャルロット姫をいただくことが必要だから。
偶然にも第二王位継承権者ユリウスとその息子で姫の婿候補と言われたアドニス、
厳格で名高い王妃と守旧派の大臣達は皆死んでいる、という話になった時、
ガッツのアタマには複雑な思いがよぎった。グリフィスは、みんなを信用しない
わけじゃないが、自分の薄汚い部分はあまり見せたくない、と言って、そういうことには
ガッツだけを付き合わせていたのだった。そんなガッツの表情に目を止めつつ、
適当に流して、ジュドーは続ける。キャスカはグリフィスに恋心以上に、崇拝に
近い感情を持ってる。でも、惚れた相手なら抱かれたいと思うのが普通だろう。
そして自分は与えることのできない、男の一番望んでいるものを、シャルロットは
与えることができる。「たまんねーと思うぜ、そういうの」
ガッツは「あいつはいい女だけど、女というより戦友だから」と答えかけて、否定する。
「あいつが見つめているのはグリフィスだから。今のオレじゃだめなんだ」
「そっか・・・」とどこか寂しそうに言うジュドーにもそろそろ戻ってもらおうと
した時、前方の道にはキャスカ達皆が待ち受けていた。グリフィスも。

311 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/09 16:40 ID:???
泣きつくリッケルト。切り込み隊長のガッツがいなくなったらみんなも困るだろ、
と言われると、コルカスは「こいつが入る前だってオレ達ゃ無敵だったぜ」と言い、
更にガッツに悪態を吐く。グリフィスは黙って剣を抜くと、
「オレはこれでお前を勝ち取った。オレの手の中から出て行きたいのならあの時と同じ、
剣で自分をもぎとって行け」と宣言する。ガッツも荷物を下ろし、剣を構えた。
止めようとするキャスカだが、ジュドー達は言う。「剣で取られたら剣で取り返す。
それが傭兵の・・・オレ達の鉄則だろ」一方で内心ジュドーは、以前のキャスカなら
仲間が傷ついても意に介さなかった、グリフィスの意思が全てだった、と
その変化に気を止めていた。

さて、グリフィスは確かに天才だが、ガッツは切り込み隊長としてこの3年間、
危険に身をさらし、生死の境で剣を鍛え上げて来た。グリフィスの表情にも余裕がない。
2人の力は拮抗していた。
グリフィスも読んでいた。今のガッツの剣を受けきるのは、できたとして2,3撃が限度。
勝機は最初の一撃。ガッツの剣を叩き落し、そのまま肩口に一刀を叩き込む。
手元が狂えば殺してしまうかも知れないが、手に入らないのなら・・・
グリフィスが一気に間合いを詰め、ガッツが剣を振り下ろす。両者の剣が接触し・・・
ガッツの剣はそのままグリフィスの剣を切断し、グリフィスの肩の装甲に接触して、
止まった。呆然とへたり込むグリフィス。
振り返りもせず去っていくガッツの背中から、キャスカは目を離すことができなかった・・・


399 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/20 09:11 ID:???
鷹の団を脱退したガッツは、久し振りに1人で、剣を傍らに野宿する。
そこに突如として出現した、異様な殺気。それはあの“不死のゾッド”と同じような
ものを感じさせた。反応する間もなく、その気配の主、得体の知れない何者かに
背後をとられていた。必死で薙ぎ払うが、そこには誰もいなかった。
敵の殺気を読み違えたことなど、今までなかったといのに。
気配の主は少し離れたところから、今度こそ姿を見せた。
それは髑髏の兜をつけ、骨格をかたどった鎧を纏い、
やはり骨を模した兜をつけた馬に乗った騎士だった。
髑髏の騎士はガッツのことを「もがく者」と呼び、「一年の後、蝕の刻」
死が訪れることをほのめかす。だが同時にガッツは「誰よりも死に近く、
それゆえ死から逃れる術に長けている」とも言い、「もがき、足掻く」ことで
対抗できるかも知れない、ともほのめかし、姿を消す。
幻覚か、とも思われたが、雪の上には馬の蹄の跡が残っていた。

冷たい雨が降る中、ユリウス、アドニスに続いて、不仲だったとは言え義母を亡くした
シャルロットは沈み込んでいた。その時、窓の外の木の上に、グリフィスが現れる。
「誰かに見つかりでもしたら・・・」というシャルロットの心配もあり、
部屋に上がるグリフィス。ようやく間近で再会できて、泣きつくシャルロット。
グリフィスはそのまま、シャルロットを押し倒した。それはガッツを失った反動だったか。
激しく交わる2人。だが、通りかかった1人の女官が、鍵穴からその様子を覗いていた。

400 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/20 09:12 ID:???
夜が明け、グリフィスが後宮を抜け出すと、兵士達に囲まれ、引っ立てられる。
抵抗しようにも剣が先程ガッツに折られ、持っていなかった。
国王は自らシャルロットの部屋に乗り込んだ。いくつかの痕跡に目を止める王。
更にシーツを引き剥がすと、ベッドには破瓜の血の跡があった。

グリフィスは地下牢に幽閉された。
グリフィスに大きな期待を寄せていた王が今回は一転、激しい怒りをぶつける。
戦乱の世の中、愛娘の温もりだけが光明だったと語る王。それに対しグリフィスは、
「いっそ自分で抱きたいのですか? いや、抱いてほしいのでは?」とその本心を指摘する。
王は一層怒り、グリフィスを鞭で打ち据えるが、その表情を変えもしないグリフィスを、
やがて拷問官に一任する。少なくとも1年は生かして、好きに責め苦を与えよと。
シャルロットの名誉のため、この件は一切秘密にされた。

眠っているシャルロットの様子を見に行った王は、衝動に駆られて娘の服を剥ぎ、
押し迫ってしまう。だが目を覚ましたシャルロットは悲鳴を上げ、
グリフィスの名を叫んで泣き叫び、王を蹴飛ばして抵抗した。
血を流して退散しながら、王は更にグリフィスへの怒りを燃やすのだった。

鷹の団は全員、グリフィスの命令ということで装備もなしに召集される。
そこへ射掛けられる矢の雨。周りは味方のはずのミッドランド軍に包囲されていた。
脱出すべく咄嗟に指揮をとるキャスカだが、彼女にも矢の雨が襲い掛かる。

地下牢で責め苦に遭いながらもグリフィスは「つまらないな・・・こんなの」と
つぶやくだけだった。拷問官はその首にかけていたベヘリットに目を止め、欲しがって
手に取るが、目を開けたのに驚いて水路に落としてしまう。


471 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/29 17:07 ID:???
鷹の団脱退から1年、ある貴族の主催する武芸大会に飛び入りで現れたガッツは
圧倒的な強さを見せていた異国からの戦士・シラットを一蹴する強さを見せる。
(このシラットというのが褐色の肌でターバンに覆面というイスラム風の風体で、
変幻自在の対術と変わった武器を使う)
ガッツの力を見た貴族は、近々領内で行われる盗賊狩りに参加しないかと誘う。
そこでガッツは、盗賊団の名前としてよく知った名を耳にすることになる。
「1年前ウインダムで反乱を起こした鷹の団と、その女首領キャスカ」の名を。

1年前、鷹の団はキャスカがとっさに指揮をとったおかげで全滅を免れた。
主要メンバーも全員生きていたが、その後は長い逃亡生活を強いられていた。
どこかの国で1からやり直そうにも、グリフィスがいなければどうにもならない。
そこでグリフィスを救出しようとし、ウインダム城の最下層、最も古い地下牢に
監禁されていることまでは判明していた。
だが、今でも生きているかどうか、とコルカス辺りは悲観的だ。

そこへ例の貴族が組織した討伐隊が襲撃する。先陣を切るのはシラットだ。
直接キャスカに挑み、変幻自在の体術で追い詰めるシラット。その時、背後から
シラットを蹴り飛ばした者があった。ガッツの登場だった。

472 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/29 17:07 ID:???
シラットはまずチャクラムを投げるが、ガッツは2つ同時に受け止める。
そこでシラットが取り出したのは最強の武器・ウルミン。刃の鞭が5本あるもの、
それを両手に持ち、10本の刃を操って敵を切り刻むという代物だ。
普通には剣で受けるのは不可能なものだが、ガッツは剣を一振り、風圧で鞭をはねのけて
攻略する。シラットもとっさに短い武器に持ち替えて剣をしのぐが、味方も総崩れで
一端退却、この場はガッツの勝利となった。

かつての切り込み隊の部下達に、そして仲間達に帰還を喜ばれるガッツ。
(コルカスは「一番大変な時にいなかった野郎を仲間なんて呼べるかよ」という態度だが)
とりあえず敵から逃れるべく移動したところで、ガッツは事の次第を聞かされる。
突然グリフィスが捕まり、鷹の団は追われたこと。戦死したり抜けたりで仲間は5分の1に
減ってしまったこと。それでも、キャスカがリーダーとなったおかげでやってこられたこと。
そして1年前、5箇所も矢傷を受けながら指揮を取り続けた、キャスカの勇姿のこと。
また過去の話だけでなく、近い内にグリフィスの救出計画を実行することも聞かされる。
一方でこの1年何をしていたのか聞かれたガッツは、山に籠もって剣を振っていたから、
諸国に噂となった鷹の団のことも知らなかったと答える。
「例のものは見つかったか?」とジュドーに聞かれると、ガッツは答える。
「正直、まだわかんねえ。だけど、ひとつだけわかった。どうやらオレは・・・
剣を振る以外のやり方じゃ何も実感が持てない、何も答えが出せない性分らしい」
「真顔でそこまで言えりゃ上出来じゃん」とジュドー。最後にジュドーはそっと言う。
1年前、矢傷で生死の境をさまよったキャスカは、うなされながら何度も、
グリフィスとガッツの名を口にしていたことを。

473 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/29 17:08 ID:???
翌朝早く、ガッツはキャスカに呼び出される。
いきなり「構えろ」と言い、斬りかかるキャスカ。この事態は「おまえが出て行ったせいだ」
と言うのだ。「あのグリフィスがそんなことで駄目になるはずがない」皆、ガッツも
そう思うが、キャスカは分かっていた。「グリフィスはおまえがいなきゃだめなんだ!!!」
それを先刻された時、ガッツはあえてキャスカの突きを受けた。戸惑いながら答えるガッツ。
「グリフィスと同じように、オレは自分のことをやっただけだ」
キャスカは、ガッツは正しいと分かっている、と言った上で語る。
「わたしはあの人の剣になりたい」ああ言ったのは本当じゃない、自分も女だ。
けれど、グリフィスはミッドランドの王座を狙うために、シャルロット様を娶るだろう。
それでも、女としてグリフィスに寄り添えなくても、夢を実現させるのに欠かせないものに
なれると信じていた。でも、1年前ガッツが去った時、分かってしまった。
グリフィスの隣に、自分のいる隙間などないと。「疲れちゃった・・・後はおまえがやれ・・・」
そう言ってフラリと倒れ、背後の崖から落ちかかるキャスカ。
だがガッツはその手を掴み、必死で引き上げた。
先程自分が突いた傷から血がしたたり落ちるのを見て、泣きつくキャスカ。
「いつも私のせいで・・・いつも血ィ流してるな。バーカ・・・」
森の中で、静かに口付けをかわす2人。

474 名前:ベルセルク 投稿日:04/07/29 17:09 ID:???
2人は裸になって激しく交わる。だがその時、ガンビーノに売られ、ドノバンに犯されたことが
ガッツの脳裏をよぎる。気が付けば、その手はキャスカの首を絞めていた。
気付いて手を離すと、泣きながら当時のことを断片的に口走るガッツ。
ようやく正気に戻ると、ガッツは謝って背を向ける。だがキャスカは、その背を優しく
抱きしめた。「キズのなめ合いでもいい。私は弱いところもおまえに全部さらけ出して
しまったから。これでやっと対等になれた気がする」

陽が昇る。グリフィスの救出後も鷹の団に残らないかとキャスカは呼び止めるが、ガッツは断る。
ガッツはこの1年、ゴドーという年老いた鍛冶屋のところに居候していた。
ゴドーは裏山(かつて妖精が住んでいたという)でいい鉱石が取れるからという理由で、
山奥で幼い娘のエリカと2人暮らしをしていた。物心ついた頃から、好きかと考えるより前に
鍛冶屋をやっていたというゴドー。ただ、鉄を叩く時の火花は気に入っていると言う。
そこに自分を重ねたりしつつ、ガッツは決めていた。自分の意思で、自分の戦をすると。
だから、グリフィスの救出に付き合ったら、また旅を続けると。
「勝手にどこかへ行っちまえ」と叫ぶキャスカだが、ガッツは言う。「来いよ」と。
「とにかくこのままじゃ・・・オレはおまえを抱き足りねえ」


545 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/08/09 18:32 ID:???
いよいよグリフィス救出作戦開始。主要メンバーの中ではリッケルトだけが
怪我のため残留する組に入る。健康な者達は救出部隊として、ウインダムへ。
3日後ウインダムへ到着すると、夜更けにガッツ、キャスカ、ピピン、ジュドーの精鋭4人で
墓場から城の霊廟へと続く抜け道を通り、潜入する。こんな抜け道を見つけることができたのは
他でもない、シャルロットと内通していたためだった。
グリフィスが幽閉されているのは再生の塔、ミッドランド建国当時あるいはそれ以前から
あるという、城内でも最も古い塔の地下牢だった。
塔の前まで来たところでキャスカはシャルロットには帰ってもらおうとするが、
ジュドーは人質になるよう連れて行くことを提案する。そして、シャルロット自身も
それに賛成、志願するのだった。今のままならグリフィスはただの一罪人だが、
姫様を連れ出したとなれば国家規模の問題、加えて婦女子を人質にとったりしたら
グリフィスの消えない汚名になる、と説得するキャスカ。しかしシャルロットが駄々をこねて
騒ぎかけ、「グリフィスが駄目だと言ったらあきらめる」約束で同行することになる。
そう言いつつ自分は内心シャルロットに嫉妬している、と気に病むキャスカだが、
ガッツにたしなめられる。
ジュドーの投げナイフで衛兵を射殺し、塔に潜入する一行。

その頃傷病兵達の部隊にいたリッケルトは、水を汲みに行った時、大きな妖精のようなものが
飛んでいくのを見る。その直後、仲間のところから聞こえる悲鳴。
急いで戻った時には皆の姿は消えていた。そして、闇の中から現れたのは、
瀕死の仲間を加えた、(後にガッツと戦う)巨大なナメクジのような伯爵だった。
更によく見ると背後には、仲間の死体が積み上げられ、虫のような怪物が群がっていた。
さっきの妖精のような少女がそれを見下ろしており、やがてリッケルトに虫達を向かわせる。
その時、後方からガッツの前にも現れた髑髏の騎士が出現する。彼が剣を向け、
「貴様らとてこんな暇はないはず」と言うと、怪物達は去っていった。
髑髏の騎士も姿を消し、仲間の全滅した中にリッケルト1人が残された。

546 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/08/09 18:33 ID:???
再生の塔の地下は、深い縦穴の壁に螺旋状に階段が造られ、その途中に牢の部屋が並んでいる。
シャルロット曰く、この地下牢は塔の高さとほぼ同じ深さまでだが、穴自体は
ミッヂランド中のどの山よりも深いという。そして、これにまつわるある話がある。
約千年前も、今と同じような戦乱の続く時代だった。そこに現れたのが覇王ガイゼリック、
国々を平定し、大陸全土に渡る大帝国を一代で打ち立てた皇帝である。
彼が歴史の表舞台に出現する以前の記録は一切残されていない。そして、彼は戦いの際、
髑髏を模した兜を愛用していたという。(ガッツは当然、あの髑髏の騎士を思い出す)
これに関しては、ジュドー達もおとぎ話として聞いたことがあるという。
やがて王の暴政を見かねた神様が天から5人の天使を遣わし、一夜にして都を
消し去ってしまったというのだ。(キャスカは天使が「4人じゃなかった?」という)
シャルロットは言う。実在したその都の名はミッドランド、“国の中央の地”
天変地異によって地中に没したその都は、この縦穴の奥深くに眠っているという。
皇帝の死後、国々は徐々に今のように分かれていった。皇帝は子を成さなかったので
直系ではないが、ガイゼリックの血縁を持つのはミッドランド王家だけだとも言う。
また、この穴の地下に何度か調査団が下りたが、一人として無事に戻った者はおらず、
再生の塔はその不浄の過去を封印するために築かれたという。

ここでキャスカが岩に頭をぶつけ、たいまつを落としてしまう。その穴の底には、
深すぎてガッツ達の目にも止まらなかったが、巨大な遺跡と、無数のミイラ化した
死体があった。その死体全ての額には、後にガッツに刻まれるものと同じ烙印が。

547 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/08/09 18:33 ID:???
一番下の地下牢を、塔の衛兵から奪った鍵で開けて入る。中は静まり返っていたが、
その奥に一人の人物が倒れていた。傷だらけの裸身で(背中など皮膚をはがされている)
頭部にはグリフィスの愛用していた兜と似た、鷹の鉄仮面をかぶせられている。
ガッツは真っ先に駆け寄って抱き起こす。体中のあちこちに皮膚をはがされたりした
拷問の跡があり、手足の腱も、舌も切られていた。更に仮面の下の顔は・・・
(その様を間近で見たのは、ガッツとジュドーだけ)「これがあのグリフィスのはずがねえ」
と言うガッツだが、気が付いたグリフィスはガッツの名を呼ぼうとし、
力なく手をガッツの身体に伸ばす。
その時拷問官が現れ、扉に鍵をかけて一同を閉じ込めてしまう。勝ち誇り、興奮した様子で
グリフィスへの拷問のことを語る拷問官。しかしガッツの怒りの剣がハンマーでも
敗れないという扉ごと拷問官を貫き、その死体は遥か穴の底へと投げ落とされた。

牢を出ると既に、拷問官の呼んだ兵士達が駆けつけていたが、ガッツが凄まじい勢いで
戦い、斬り捨てていく。とにかくグリフィスを連れて塔から脱出する一同。
城内を逃げる一同を狙撃しようとした兵は、王に止められる。シャルロットに当たる
危険があるためだ。この1年で見る影もなく老いていたが、その目はグリフィスへの執念に
燃えている王は、暗殺者の一族“バーキラカ”を呼ぶ。
(呼ばれたバーキラカは5名、褐色の肌でインド風の風体)

548 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/08/09 18:34 ID:???
グリフィスをピピンが担ぎ、シャルロットとその侍女アンナを連れて元来た地下水路を
逃げるガッツ達に、バーキラカが襲い掛かる。
手足の長い男が両手に爪をはめ頭上から来たかと思うと、銛を持ったカエルのような男が
水中から襲う。更に、小さな男が壁の穴から現れ、吹き矢でグリフィスを狙った。
それにいち早く気付いたシャルロットがグリフィスをかばい、小さな男はガッツが
斬り捨てたが、吹き矢に塗られた毒にシャルロットは倒れる。
手足の長い男は「解毒剤はこちらの手にある。こちらも姫に死なれては困る」と姫を
渡すようもちかけ、取引は成立。だが姫とアンナの身柄を渡したところで、バーキラカは
再び攻撃を始めるのだった。しかも手足の長い男と水中男に加え、巨躯の男が
離れたところから、大砲のような威力で槍を投げてくるのだ。灯りを消せば槍の狙い撃ちは
避けられるが、手足の長い男と水中男に襲われる。だがそこでジュドーの発案が。
まず灯りを消すと槍の飛んできた辺りにナイフを投げるジュドー。それが壁に当たった火花で
一瞬相手の姿が見えると、次のナイフは槍投げ男の頚動脈をとらえていた。
更にピピンが戦槌で壁を叩き、その火花で残る2人の男を見極めて、見事仕留めるのだった。
しかしすぐにバーキラカの最後の1人の女の、水路に粉を撒き、粉塵爆発を起こす攻撃が。
元鉱夫のピピンがいち早く気付き、走って逃げることに。爆発に追いつかれそうになるが、
ピピンが天井を崩して爆発を逃がし、どうにか助かるのだった。
そのバーキラカの女も、戻ったところで姫を傷つけた責任として、王に処刑される。
更に王はグリフィスへの追っ手として、「黒犬騎士団」を差し向けるのだった。


9 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/08/18 16:29 ID:???
黒犬騎士団は罪人を集めて作られた兵団、団長のワイアルドは猿顔の原人のような男で、
どこか人間離れした雰囲気を持ち、皆から(王にさえ)恐れられている。
何しろ5年前、罪人を集めて新たな兵団を結成しようとした時、「強い奴が指揮をとる」
と名乗り出たワイアルドは、「じゃあ俺だ」と出てきたバーボという巨漢を、
自らは武器も持たず、手枷をはめたまま、塔の先端に串刺しにして見せたのだった。
その恐怖で、罪人達の人心を掌握することに成功したのだ。
その後、黒犬騎士団の働きぶりは中々のものだったが、同時に敵地・領内を問わず
略奪・陵辱・殺戮の限りを尽くす素行の悪さだった。
王の命令を伝え聞いたワイアルドは「今日はヤボ用がある」と断りかけたが、
その命令が鷹の団団長の追撃だと聞くと、
「そいつは奇遇だ。オレのヤボ用ってのもその鷹の大将になんだよ」と、行動を開始する。

王都近隣の村で馬車を入手、王都を離れるガッツ達に、黒犬騎士団が追いすがる。
しかも、さっき馬車を入手した村の娘達を陵辱し、殺した上、
手足を切断した死体を串刺しにして掲げているのだ。
ガッツとピピンが食い止めるが、何人斬っても黒犬騎士団の兵達は怯まない。
皆、団長ワイアルドへの恐怖に駆り立てられているのだった。しかもワイアルドは、
ガッツが剣を振り下ろそうとしたところを、その手を素手で掴み止めてしまう。
ピピンの加勢でひとまず逃れたが、これは尋常ではない。その時ガッツはワイアルドに、
ゾッドや髑髏の騎士と同じ、異様な殺気を感じていた。

10 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/08/18 16:30 ID:???
とりあえず戦いを切り上げ、先に行かせた仲間を追いかける。その先の橋には、
あらかじめ橋を爆破する仕掛けがしてあるのだった。
仕掛けが作動、ワイアルドはその前に渡りきったが、黒犬騎士団のかなりの人数は
吹き飛ばされ、谷底に落ちた。しかしワイアルドは「この先も同じような罠があるだろう」
と慎重論を唱える部下の頭を潰し、構わず突き進ませる。
逃げるガッツはゾッドや髑髏の騎士の言葉を思い出していた。逃れられぬ死が訪れるという。

山道には事前にいくつもの罠を仕掛けてあったが、ワイアルドは落石を拳で割り、
炎を払いのけて構わず突き進んでくる。だが何とか、コルカス達待機組のところへ辿り着いた。
黒犬騎士団の残りを前面激突。ガッツは再びワイアルドと対決する。
ワイアルドは何と太い木の棒1本でガッツの剣を捌き、互角に打ち合うのだった。
そんな中顔面に一刀を入れるガッツだが、歯でくわえて止められてしまう。
そのままガッツの馬を殴り殺すワイアルド。ガッツも両足で蹴りを入れて何とか逃れ、
両者とも地に足で立った。更に激しく打ち合う2人。
隠れて様子を見ながら、グリフィスは剣を握ろうとするが、腱の切れた手は動かなかった。

11 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/08/18 16:30 ID:???
やがて黒犬騎士団は総崩れで蹴散らされる。それを見たワイアルドは木をへし折り、
振り回して敗走する味方をなぎ払ってしまう。そして、ワイアルドは巨大な怪物へと姿を変えた。
巨大な類人猿のような姿で、その頭に当たる部分に人間の姿だった時の上半身がある。
その人間部分の腹の辺りと猿部分の両肩には巨大な目、その下には胸の幅いっぱいの口。
引っこ抜いた木でガッツを吹っ飛ばしたワイアルドは、キャスカに目を付ける。
皆が矢で援護するが、ゾッドの時と同じく効き目はなく、皆蹴散らされ、食われてしまう。
倒れているガッツを起こそうとしているキャスカを鷲掴みにしたワイアルドは服を剥ぎ、
胸の大口から長い舌を出す。(これが男性器にもなるらしい)イボだらけの異形のモノが
キャスカの股間に挿入されかけた時、起き上がったガッツの剣がそれを貫き、切り落とした。
キャスカを助け出すとガッツは、「こいつとはサシで勝負をつける」と立ち向かう。

ワイアルドの手足をかいくぐり、ガッツの剣が大猿の身体を切り裂く。倒れたところを
腹に剣を突き立て、裂くガッツ。だがワイアルドは倒せない。ガッツは捕まって
十数メートルも投げられ、更に巨体からの猛攻を喰らう。
切ったところもすぐに塞がってしまうようだった。しかしそんな中、人間部分の腹の
巨大な目を潰した攻撃は効いたようだった。その後の手の傷は塞がっていく。
ようやく、変身前の形と留めている部分が弱点だと気付くガッツ。しかしガッツは
剣にすがって立ち上がるのがやっとの状態だ。剣にもヒビが入り始めた。
ガッツは森の中で一端姿を隠し、見つけた敵の死体を木の影に貼り付けて囮にする。
ワイアルドがそれに攻撃したところを樹上から・・・だが、ワイアルドもそれを読んで
反撃の拳を入れる。砕ける鎧・・・の中は木の身代わりだった。ガッツは身代わりの後から
飛びかかる。その剣はワイアルドの掌に突き刺さって折れたが、ガッツは折れた残りを
ワイアルドの首に突き立てた。ワイアルドの巨大な手がガッツを叩くが、ガッツは離れず、
ワイアルドの首を絞め、ナイフを片目に突き刺した。ついに、血を噴いて倒れるワイアルド。

12 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:04/08/18 16:31 ID:???
ガッツの手当てをするキャスカと、傍らでグリフィスの治療をするジュドー。
その後ジュドーは、キャスカにグリフィスはもう立ち上がれないだろうと告げる。
とにかく国境を越える、と命令を出すキャスカ。だが、その後はどうする?
そんな中、まだ死んでいなかったワイアルドが再び起き上がり、襲来する。
「死んでしまったらあの渦の中で永遠に・・・」と、死を激しく恐れるワイアルドは
グリフィスを掴み上げ、「真紅のベヘリットで4人のゴッド・ハンドを呼び出せ」と迫る。

やがて、自分を包囲する鷹の団の者達にとってのグリフィスの存在の大きさに気付いた
ワイアルドは、嘲笑いながらグリフィスの切り刻まれた身体と、再起不能であることをを晒す。
だが同時に、グリフィスがベヘリットを持っていないことに気付いてしまう。
動揺するワイアルド。そこへ突如として、不死のゾッドが飛来した。
ワイアルドに角を突き刺し、頭に乗せるゾッド。「望むままを行う、それがオレ達使徒の
唯一の戒律のはず。こいつを殺したとしても文句を言われる筋合いはない。
たとえこいつが5人目だとしても」と言うワイアルド。それに対しゾッドは返す。
「そうだ。オレがここで貴様を引き裂いたとしても、それもまたオレの自由」
慌てるワイアルドだが、ゾッドは構わずブリッジをかけ、その身体を引き裂いてしまう。
そしてゾッドはグリフィスに「あれは必ずお前の手の戻る」と言うと、再び飛び去ろうとする。
「待て、聞きたいことがある!! 蝕って何なんだ!?」と叫ぶガッツ。
ゾッドは「まもなくわかる・・・・・・すぐに!!!」と言い、去った。
一方、横たわるワイアルドの腹から、人の形の崩れたようなものの群が蠢き出す。
それはワイアルドの身体を掴み、内部へ引きずり込んでいく。
その向こうに見えたのは――地獄の渦。巨大な怪物の身体は消え、後に残ったのは、
腹が裂け首に折れた剣の突き刺さった、小さな老人の死体だった。


215 名前:ベルセルク 投稿日:04/09/18 11:39:02 ID:???
国境近辺まで辿り着いた鷹の団一行。だが、グリフィスが再起不能であるという事実が
重くのしかかる。静かに終わりが告げられようとしていた。
ガッツと話す中で、残った連中を誘って盗賊でもやる、と言うジュドー。
彼はガッツが残ることは断り、更に「今度こそキャスカを連れて行け」と言う。
それは、キャスカを心配しての言葉でもあった。
そこへ集まる切り込み隊の隊員達。彼らはガッツを慕い、行く時は一緒に連れて行ってくれ、
と言う。「オレの居場所・・・ほんとはあったのかもしれないな」と改めて感じるガッツ。
けれど、グリフィスが無力に苦しみ、小さくなって震えているのを間近で感じてしまった
キャスカは「今のグリフィスを置いては行けない」と言い出す。
そしてガッツには「お前は自分の戦をするんだろ?」「お前がグリフィスの対等の者なら
行かなくちゃ」と送り出そうとするキャスカ。それを馬車の中から聞いていたグリフィスは、
駆り立てられるように馬車を走らせようとする。追うガッツ。仲間を呼びに行くキャスカ。
馬車は岩にぶつかり、グリフィスは投げ出される。水辺で起き上がると、右腕は折れていた。
自分の無力さを嘲笑い、側の尖った木に喉を突き当てるガッツ。しかしそれも首の横を
傷付け、血を流させただけだった。嗚咽するグリフィスの手に触れたもの、
それは城の地下道から流れ着いた、あの真紅のベヘリットだった。

グリフィスのところへ向かった鷹の団の一同は、行く手の太陽が日蝕で欠けていくのを見る。
更にグリフィスの向こう、湖の中や周辺の丘に、いつの間にか無数の人の姿があることも。
それは皆裸で、何か異様な雰囲気があった。ガッツはそれが「やばいもんだ」と感じる。
それでもとにかく、グリフィスに駆け寄るガッツ。しかしグリフィスはこれ以上ガッツに
手を差し伸べられることを拒絶していた。だが言葉に出すこともできず、ガッツの手が肩に
かけられた時――首から流れ落ちた血に触れて、ベヘリットが始動した。景色が変わる。

216 名前:ベルセルク 投稿日:04/09/18 11:39:39 ID:???
怪我人組で唯一生き残ったリッケルトは、行き会った旅芸人の一座に同行し、やはり
国境に到達していた。去り際に団長から「一座秘伝の薬」を渡されるリッケルト。
(ちなみにその薬とは例のエルフの粉で、この一座にいる妖精こそが後にガッツの
押しかけ相棒となるパック。ジュドーがかつていた一座も、多分ここと思われる)

辺り一面が“顔”だった。空には子供から老人、骨までの顔が流れ、地面も顔でできている。
更に顔が集まって顔の形の丘を作り、それが地平線まで延々と続いていた。
ガッツはグリフィスが持っていなかったはずのベヘリットを持っていること、
しかもそれは形が変わって目鼻口はちゃんと顔の形に並び、目を見開いて血の涙を
流していることに気付いていた。まさかこれが・・・と感付くガッツ。
キャスカはこんな状況下でも「わからないことは考えるな」と団員に喝を入れ、
陣形を崩さないように指示を出していた。
さっき集まっていた異様な裸の連中も、この世界に来ていた。その連中が一斉に
「216年に一度の宴の時、蝕が来た。4人の守護天使の降臨だ」と喝采する。
顔の形の丘の1つが女の身体を伴って起き上がり、やがて人間大に縮小する。
空の顔の1つが降りてくる。地面の顔が起き上がる。更に日蝕の黒い太陽が頭となって、
下に体が現れ、太陽から分離して降り立つ。4人のゴッド・ハンドが現れたのだ。
彼らはグリフィスを「因果律により選ばれし御子、鷹」「我らが眷属、渇望の福王」と呼ぶ。

「グリフィスは人間だ。てめえらバケもんと一緒にするな」と言うガッツに、
ゴッド・ハンドは説明する。眷属となる資格があるからこそ、ベヘリットを手にし、
それを使って我らを呼び出すことができた。ここにいる使徒達も皆そうだった、と。
そしてグリフィスの持つのはベヘリットの中でも、ゴッド・ハンドに転生することの
できる者だけが持つ真紅のベヘリット、覇王の卵。そして鷹の団の皆は、そのための生贄だと。
そう、この異様な裸の連中は、全員がゾッドやワイアルドと同じ“使徒”なのだ。
そしてそれらは一斉に、怪物の姿へと変身した。

217 名前:ベルセルク 投稿日:04/09/18 11:40:12 ID:???
“降魔の儀”の開始がゴッド・ハンドにより告げられると、顔でできた地面が盛り上がり、
腕の形の“祭壇”になった。掌にグリフィスを乗せるように。
グリフィスと一緒にいたガッツも落とされ、腕を滑り落ちる途中でナイフを突き立てて止まる。
ゴッド・ハンドはグリフィスにあるイメージ映像を見せる。
路地裏からいつも見上げる城へ行こうとして駆ける少年グリフィス。けれど気が付けば、
通ってきた道は全て死体でできていた。皆、自分が城に行きたいと言ったからついて来て、
そして死んでいった。その死体を積み上げた道をグリフィスは歩いてきた。
そして、もっと死体を積み上げねば、城には届かない。
あきらめたら、自分も死体の1つになってしまうだろう。

イメージ映像は終わり、ゴッド・ハンドは現実を告げる。今、路地裏の道は途切れた。
そして、仲間達、鷹の団の皆――「彼らはあなたを許すでしょう。そしてあなたは生きていける。
傷ついた身を彼らに委ねて。すべてを過去にかえて。夢の残骸に埋もれて」
「だがそれでも思い果てぬなら、お前に残されたすべてを、一言心の中で唱えよ“捧げる”と。
さすれば頂より天に飛び立つ漆黒に翼を授からん」
そう言って天使長ボイドは、手に生贄の烙印を出現させた。
「・・・げる」グリフィスがそれを受け入れると、祭壇は指を閉じてグリフィスを握りこみ、
ボイドの手の中の烙印は無数の光の筋となって飛び散り、鷹の団の皆の身体に刻み込まれた。
キャスカの胸に、コルカスの頭に、ピピンの腕に、ジュドーの手に、そしてガッツの首に。
それと同時に、使徒達が襲いかかって来た。団員が殺戮され、食われていく。
ガッツは最初、グリフィスを「助けようと」祭壇にナイフを突き立てるが、やがて
グリフィスが望んだことだと思い知り、やって来た使徒を迎え撃ちに出る。

218 名前:ベルセルク 投稿日:04/09/18 11:40:41 ID:???
その頃リッケルトは、巨大な竜巻のようなものを目にしていた。何が起こっているのか、
皆はどうしたのか、駆け寄ってみるとその前で、ゾッドとあの髑髏の騎士が戦っていた。
リッケルトは詳しいことなど知る由もなかったが、ゾッドは「らんちき騒ぎなどに興味はない。
求めるものは強者のみ」と言い、自ら「古き宿敵(とも)」と呼ぶ髑髏の騎士との
戦いを選んだようだった。

コルカスは眼前の事態を信じられないまま食い殺された。
ピピンが身を挺して使徒を食い止め、ジュドーはキャスカを連れて馬で逃げようとする。
今はキャスカが鷹の団の大将だから、生き延びるんだ。だが逃げようにもこの空間は
どこまでも続いている。結局使徒に追いつかれ、ジュドーもキャスカをかばって死んだ。
キャスカへの想いを口に出すことなく・・・
迫る無数の使徒は、生贄の紅一点であるキャスカを陵辱しようとする。
ガッツは戦った。ナイフで手近な使徒の長い牙を折り、それを武器にして。
戦って、祭壇から下に滑り降りると、一面の血の海に食い散らかされた死体が散らばっていた。
ピピンも内臓を食われた空の死体になっている。更に仲間の死体を持って、あらゆる方向から
迫る使徒達。その中には裸のキャスカを持ち上げ、陵辱する使徒の姿もあった。
ガッツは使徒達を蹴散らし駆け寄ろうとするが、1体に左腕を噛まれて止められる。
そしてその時、ゴッド・ハンドに転生したグリフィスが出現した。

ゴッド・ハンドの名はボイド・スラン(紅一点)・ユービック
(グリフィスにイメージ映像を見せた)・コンラッド、そしてグリフィスの転生した5人目、
フェムト。フェムトは舞い降り、ガッツを見下ろすと、キャスカを立ったまま犯した。
激しく交わる2人にガッツは駆け寄ろうとするが、腕に噛み付いている使徒のマツカサのような
鱗は硬く、剣(死んだ仲間――切り込み隊の部下のもの)も折れてしまう。
それでも折れた剣を自分の左腕に突き立て、切断して立ち向かおうとするが、
何体かの使徒に押さえ込まれる。なおも抵抗したために爪が突き刺さり、右目は潰れた。
最後に、放り出されて崩れるキャスカの姿を映して。

219 名前:ベルセルク 投稿日:04/09/18 11:41:24 ID:???
その時、日蝕の黒い太陽が割れて、馬に乗った髑髏の騎士が飛び込んできた。
髑髏の騎士は一度ボイドに斬り付けるが、空間を曲げて攻撃を返されると、そのまま祭壇を
駆け下りる。行く手の使徒を次々と斬り捨て、フェムトの攻撃もかわすと
ガッツとキャスカを拾い上げ、空中を駆けて再び太陽から飛び出していく。
これはゴッド・ハンドにも予想外だったよう(「時の接合点では予測できぬことが起こる」らしい)
だが、彼らは面白がる程度で余裕な様子。
この程度で流れはゆらぎはしないという確信があるようだ。

切断された腕を拾ってくっつけるゾッド。物陰から見ていたリッケルトは
ゾッドと互角以上に戦った髑髏の騎士にただ驚いていたが、そこに再び竜巻から
髑髏の騎士が飛び出し、リッケルトの前に降り立つ。
リッケルトの持つ妖精の粉を目にした髑髏の騎士は、ガッツとキャスカの手当てをさせる。
ゾッドがなおも髑髏の騎士に挑もうとするが、ガッツの姿を見ると生き延びたことに
感心し、一端勝負を預ける。一通りの手当てが済むと、髑髏の騎士は馬にリッケルト、
ガッツ、キャスカを乗せ、再び走り出す。


436 名前:ベルセルク 投稿日:04/10/26 18:30:54 ID:???
4日の眠りの後ガッツが目覚めたのは、この1年世話になっていた鍛冶屋、
ゴドーの鉱洞だった。起きたガッツを覗き込むのは、リッケルトとゴドーの幼い娘エリカ。
だが、もう一人命を取り留めたキャスカは記憶を失い、言葉も喋れない程に気が狂って、
ガッツ達にも怯えて暴れるようになっていた。あまりの現実に飛び出すガッツ。
当てもなく走り、これまでのことを回想している内に日が暮れる。
首筋の烙印に痛みを感じるガッツ。闇夜には無数の目が光、悪霊が押し寄せていた。
そこに髑髏の騎士が現れる。曰く、ガッツは闇の者への生贄に捧げられた。
その烙印が悪霊を呼び寄せるが、一方で烙印のためにガッツは異界との狭間に立つことになり、
悪霊も見えるのだと言う。
だがガッツは、髑髏の騎士から剣を受け取ると悪霊に果敢に斬りかかる。
ふと、悪霊が一斉に消える。もう一人の烙印の者、キャスカのところに向かったようだ。
髑髏の騎士はガッツの要望でガッツを馬に乗せ、鉱山へと向かう。

道中。髑髏の騎士は「やつら人外の者どもに仇なす者」とだけ名乗る。
あの鉱洞に2人を運んだのは、かつて妖精が住んでいたところで、大地の気により
闇の者から隠れるのに適した場所で、且つそういった場所の中では最寄りだったということで、
ガッツに縁があったのは偶然のようだ。ガッツとキャスカを鉱洞から出さないよう
リッケルト達に言ったのも彼だった。
またガッツが命を取り留めたのもやはりリッケルトが偶然所持していた妖精の鱗粉によるもの。
妖精と縁があるのかも知れんな、と言う髑髏の騎士。

437 名前:ベルセルク 投稿日:04/10/26 18:31:35 ID:???
丘の上のキャスカには悪霊がまとわりついていたが、キャスカに危害を加えてはいなかった。
ガッツが駆け寄ると、キャスカは腹を押さえてうずくまった。その股間から、異形のモノが。
ゴッドハンド・フェムトに犯されたことによって魔の取りついた異形の胎児。
それなから長きに渡って、ガッツを苦しめるものだった。
ガッツはすぐに踏み潰そうとし、髑髏の騎士も殺すよう勧めるが、キャスカは我が子を
抱え込んで守ろうとした。異形の子は見る間にそのままの形で大きくなり、キャスカに抱かれて
胸の烙印から流れる血を舐めていた。ガッツは取り上げようとするが、キャスカは必死で
守ろうと縋り付く。ガッツも殺せないでいると、朝日が昇り、異形の胎児は消えた。
髑髏の騎士は言う。「死んだのではない。光に追われ幽界の側でずれた」のだと。
更にそれがガッツとキャスカの子(それにグリフィス――フェムトの魔が取りついたもの)
であることを指摘し、「いずれまたお前達の前に姿を現す。子は親を慕うものだ。
魔は魔なりのやり方でな」と言う。そして、髑髏の騎士もどこへともなく姿を消した。

エリカにゴドーの作った武器の倉庫を案内されるリッケルト。かつて名工を呼ばれたゴドーの
多彩な作品を目にする。その中には、小柄なリッケルトの身の丈よりも遥かに大きな剣もあった。
その名も「ドラゴン殺し」ドラゴンを撃ち殺せるような剣を注文されてのものだと言う。
ただ巨大すぎて、扱える者がいなかった。
(ゴドーはそれで吊るし首になりかけ、城下を逃げ出してきたのだと言う)

438 名前:ベルセルク 投稿日:04/10/26 18:32:01 ID:???
回復したガッツは旅立ちを決める。リッケルトは何も話されていなかったが、ある程度の
察しはついていた。そしてキャスカは「安全のため」鉱洞に監禁されるのだった。
ゴドーの作品でガッツの装備を仕立てるリッケルト。
左手を補う義手は、磁石入りで剣を握ることもできる。更に仕込みが・・・
ゴドーから剣を受け取ったところで、ガッツは烙印に反応を感じる。
使徒の1体が蝕から、魔の残り香を追ってきたのだった。
戦うガッツ。だが業物の剣も、人以外のものを斬るようには造られていなかった。
剣は折れ、ガッツは切り裂いた腹から飛び出した内臓に絡めとられ、投げ飛ばされる。
その時リッケルトの言葉に従い引き金を引くと、仕込まれた大砲が発射、使徒の頭を貫いた。
更に、ガッツの飛ばされた場所は倉庫、そこで傍らにあったものでガッツは使徒を切り裂き、
止めを刺す。それは今まで扱えるもののなかった“ドラゴン殺し”だった。
闇に紛れるため漆黒の鎧を纏い、まさしく鉄塊のような剣を持って、黒い剣士は1人旅立った。

(これにて話は一区切り)

81 名前:ベルセルク 投稿日:04/12/07 17:39:34 ID:???
ここで法王庁の軍隊「聖鉄鎖騎士団」が登場する。主要メンバーを紹介しておくと、

団長ファルネーゼ・・・聖鉄鎖騎士団の団長は乙女が務める慣習で、それなりに美少女。
副長アザン・・・真面目で堅苦しいオッサン。
紋章官セルピコ・・・普段は軽いノリで、やる気なさげだが・・・

彼らは黙示録に従い探索を行っていた。そして預言書通り、蝕の跡――
血で染まり食い散らかされた死体の残骸が漂う“赤き湖”を発見した。
黙示録にはこうある。
「五度太陽が死せる時、新しき旧き名の都の西に赤き湖が現れる。
それはすなわち五番目の御使いが舞い降りし証し。
御使いは闇の鷹なり。罪深き黒き羊達の主にして盲目の白き羊達の主。
世界に暗黒の時代を呼ぶ者なり」

82 名前:ベルセルク 投稿日:04/12/07 17:40:00 ID:???
あれから2年。ガッツは旅を続けていた。(その途中でパックとの出会い等もあった)
ある日森で遭遇したのは盗賊の一団と、それに攫われた少女ジル。盗賊と諍いになるが、
そこに邪教徒が人を打ち付けたという因縁ある木があり、その悪霊がガッツの生贄に反応、
木が怪物に変身する。逃げ出す盗賊達、いつものように戦うガッツ。
助けられたジルだが、なぜかパックを見て悲鳴を上げる。
一方逃げた盗賊達は霧の深い谷に踏み込み、そこで妖精のようなものに遭遇していた。

何だかんだでジルを村(近くらしい)まで送り届けることになったガッツ。
村はひどく寂れていた。家に帰ると、飲んだくれの父親がジルを虐待する。
制裁とばかりに栗を投げつけるパックだが、その姿を見るとジルの父親も仰天し、
村中が騒動になる。エルフをひどく恐れ、憎んでいるようだった。
村人に囲まれるガッツだが、とにかく人を斬りはしないで逃げる。
ジルは謝り、壊れた風車小屋に隠れていて、後で食べ物を届ける、と言う。
夜には悪霊に襲われるガッツは、来るなら明け方に来い、と注意する。

夜、父親の飲んだくれ仲間がジルを慰み者にしようとする。ジルは怯えて部屋に籠もっていた。


83 名前:ベルセルク 投稿日:04/12/07 17:40:20 ID:???
明け方、食べ物を持って風車小屋を訪ねるジル。そこではガッツの周りに漂う悪霊が、
朝日に照らされて消えるところだった。ガッツは例によってそれと一晩戦い続け、
あちこちに傷を負って血を流し、ようやく眠ったところだった。
妖精を連れて自分の知らない世界から来たガッツに、憧憬を抱くジル。
夢魔に襲われてガッツが目を覚ますと、傍らでジルが眠り込んでいた。
その身体のあちこちには、虐待によるアザが。ガッツは妖精のことを聞く。
ジルによると、東に山を3つ越えたところに、1年中霧の漂っている「霧の谷」があり、
そこにはエルフが住んでいるという言い伝えがあると言う。だが数年前から、「エルフ」が
村を襲って作物を喰い荒らし、家畜を殺し、人をも殺し、子供達を攫っているのだと言う。
エルフがそんなことをするわけがない、と言うパックだが、その姿は小さな人型で
虫の羽のある、パックと同じような「まさしくエルフ」だと言う。
けれどジルも「どこか(エルフとは)違うと思う」と言う。
そこで烙印に反応を感じるガッツ。何かが大軍で飛来していた。

※この作中における「エルフ」とはトールキンの創作した人間大のものではなく、
 虫の羽のある小さな妖精。

84 名前:ベルセルク 投稿日:04/12/07 17:40:44 ID:???
列をなして空を飛んでいく大群のエルフのようなもの。しかしガッツは烙印からはっきり
感じ取っていた。あれは、エルフなどではない。
それらは家畜を食い荒らしてあっという間に骨ばかりにし、家に押し入って人をも喰らう。
再び村にやって来たガッツはドラゴン殺しの一振りでエルフのようなものを何匹か
叩き潰すと、行き逢った両親を食い殺された少年トマスを囮にし、大軍をおびき寄せる。
ボロ小屋に逃げ込むと、追い詰めたと思ったか、エルフもどき達はハチの怪物に姿を変える。
だがガッツは小屋の壁と柱を切り崩すと、火薬の瓶を投げ大砲で撃って自身は小屋を飛び出し、
まとめてエルフもどきを焼き尽くすのだった。
そこにボス格らしい、人間大の少女の姿のエルフもどきが現れる。

その“エルフの女王”と交戦するガッツ。だが相手は高速で飛んでガッツの剣もかわし、
腕に(頭にある、蛾の口器のような部分で)一刺しを与えていく。
そこでパックが戦いを止めに入る。「思念を感じる。あれは人間の子供だ」と言うのだ。
しかし“エルフの女王”はパックを「仲間はずれの“ピーカフ”」と呼び、襲い掛かる。
迎え撃とうとするガッツだが、身体の自由が効かなくなる。相手の鱗粉によるもののようだ。
だがジルが「ロシーヌでしょ!?」と叫んで止めに入ると、相手はエルフもどきを連れて去った。

ジルはガッツに肩を貸し、助けようとするが、村人達はトマスを囮にしたことを責め立てる。
しかも折悪しくその時、死んだエルフもどき達が人間の子供の姿に戻ったのだった。
子供の焼死体の山を見て怯える村人達。ガッツはジルの首にナイフを突き付け、
人質に取って村を出る。酒乱のジルの父親は恐れて物陰から様子を見ているだけだった。

85 名前:ベルセルク 投稿日:04/12/07 17:41:09 ID:???
村を離れてから「あの大きなエルフは昔行方不明になった私の友達かも知れないから」と言って
ガッツについて行こうとするジルだが、ガッツは突き放す。
夜になると、キャスカの産んだ異形の子が、さっき死んだ子供達の霊を連れてガッツの前に現れる。
一方ジルは既に「エルフの女王」に会いに行く決心を固めていた。
だが悪霊を斬りながら夜を過ごすガッツに再び行き会ってしまい、ガッツはジルをかばって
崖下に転落、そこで朝を迎える。ふとガッツはさっき聞いた「ピーカフ」のことを訊ねる。
ジルはそれに答えて、こんなおとぎ話を話す。

昔ピーカフという、赤い目を尖った子供がいて、そのためにいじめられていました。
両親が本当の親じゃないと思ったピーカフは、ある日妖精の住むという森に向かいました。
そして同じように赤い目と尖った耳を持つ妖精達に出会いました。けれど妖精は
「お前は私達の仲間じゃない。風に乗る羽がないじゃないか」というのです。
妖精の1人が言うには、昔人間の男女が病気で死にかけた赤ん坊を助けてもらおうとここに来た、
赤ん坊は妖精の魔法で助かったけれども、半分妖精達と同じような姿になってしまった、と。
ピーカフは慌てて村に帰ったけれど、その間に村では100年もの歳月が経っていました。
ピーカフは1人丘の上で赤い目を腫らして泣き続けました。

話し終えた後ジルは言う、ロシーヌ姉ちゃんはこの話が好きだった、
「私もピーカフと同じなんだ」と言ってた、と。

86 名前:ベルセルク 投稿日:04/12/07 17:43:31 ID:???
更にジルが語るにはロシーヌは4つ年上、本当のお姉さんみたいに一緒に遊んだと言う。
森や川で遊び、生き物を捕まえたりするのが好きだったと。そんな中でも大切に持っていた
宝物、それは顔のようなもののある卵型の石だったとも。
けれどロシーヌの父は娘が本当に自分の子か疑い、虐待している様子もあった。
自分をピーカフになぞらえ、妖精の国に本当の両親がいると夢想していたロシーヌは、
ある日霧の谷へ行くと言って消え、そのまま行方不明になった。
数日後、両親も姿を消した。宝物の中から、あの奇妙な石もなくなっていた。

パックにベヘリットを見せられたジルは、確かにロシーヌの石と同じだ、と言う。
ガッツは推測する。ロシーヌは両親を生贄に捧げたのだと。
そして「これはガキのおとぎ話じゃねえ」と再び突き放し去るガッツ。
だが1人(正確にはパックもいたが)になったジルの前に、再びロシーヌが飛来した。

174 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:05/02/01 16:33:39 ID:???
「昔言った通りこれが本当の私、エルフの女王様」と言い、ジルを霧の谷に来るよう誘う
ロシーヌ。だがジルを抱えて飛び立とうとした途端、魔を感じて駆け戻って来た
ガッツが斬りかかった。結局間一髪でかわされ羽根の端を切るにとどまったが、ロシーヌは怒り
反撃しようとする。しかしジルが「やめて」と言うとそのまま飛び去った。
ジルまで一緒に斬ろうとしたことに腹を立て、飛び去るパック。だがガッツは自分が
手加減してしまっていたことを感じ、戸惑っていた。

空から見下ろす景色をジルに見せるロシーヌ。そして「ジルも私達の仲間になれば飛べるよ」
と言う。そして「あの黒い剣士、霧の谷に辿り着けるかな」と言うロシーヌ。
霧の谷は決して子供を傷つけたりせず守ってくれる“本当の大人達”森の守護者(ガーディアン)
によって守られているのだと言う。

実際に霧の谷に踏み込んだガッツは、人間の死体が集まった塊を目にしていた。
そしてその中から出て来たのは、いつぞやのジルを攫おうとしていた盗賊達。
彼らは四つ足で這うように走り寄り、ボウガンで撃たれてもビクともせず、虫の怪物に変身した。
それを斬り捨てるガッツ。だが更に大量の虫の怪物が現れる。

175 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:05/02/01 16:34:00 ID:???
大量の子供達の焼死体を埋葬する村。そこに訪れたのは、法王庁の聖鉄鎖騎士団だった。
何があったのか聞かれ、妖精と黒い剣士のことを答える村の司祭。それを聞いた
団長ファルネーゼは、我々はその黒い剣士を追っている、という。
近年よく聞かれる魑魅魍魎の話、その幾つかに黒い剣士の目撃報告が共通して存在するので、
とにかく正体を突き止めようとしているのだと言う。
それを聞いていたジルの父親は、手柄欲しさに案内を名乗り出る。

大量の虫を斬ったガッツの前に、カブトムシをカマキリに変身する2人組が現れる。
カマキリのスピードとカブトムシの外殻、パワー。元は騎士というだけあって別格の強さの2人。
しかしガッツは大砲と剣を駆使してそれも片付ける。大量に出血して膝をつくが、
上手いことにカバンの中に薬になるパックの鱗粉が残っていた。

一方でパックは、たまたまながら霧の谷に到達していた。その奥に広がっていたのは、
秋だというのに花の咲き乱れる、一見のどかな湿原。そこではあの村を襲ったエルフもどき達が
遊んでいた。思わず釣られて紛れ込んでしまうパック。だが彼らがボールのように遊びに
使っていたのは、人間の目玉だった。固まるパック。
だがそこで「女王が戻った」との知らせ。エルフもどき達を追ってパックも行くと、
そこには確かに大木の上でジルを歓迎するロシーヌがいた。
ジルに「逃げよう」と言うパック。だが大人達に虐待されていたジルは、ロシーヌに
仲間になれと誘われて迷っていた。「あの子達より楽しそうなことが私には見つからないの」
側で歓声が上がる。エルフもどき――子供達が虫の角や羽、植物で武装したり、
虫に騎乗したりして、戦争ごっこをしているようだった。

176 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:05/02/01 16:34:53 ID:???
だが彼らは本当に相手を刺し、殺し合っていた。そして串刺しにした死体をパック達に
渡そうとして来た。悲鳴を上げはらいのけるジル。落ちた死体が、人間の子供に戻る。
他の死んだ連中も、人間の大きさに戻って行く。更にエルフもどき達が
贈り物を受け取らないから、「仲間違う?」と言い出し、変身し始めた。逃げ出すジルとパック。

ジルとパックは木から丸いものが無数にぶら下がっているところに通りかかる。
その丸いものから羽化するエルフもどき。人間の子供達をエルフもどきに変えているのだった。
エルフもどきになった子供達が殺し合っていたのは人間ごっこ、エルフになれば怖くなくなる、
人間の村では嫌なことばかりだったはず、ここには楽しいことが全部ある、と
ジルを誘うロシーヌ。ロシーヌの作り出す繭に捕われかけるジルだが、パックが呼び止める。
ロシーヌはパックを攻撃しようとして近くの繭を切ってしまい、中からエルフもどきに
なりかけた子供の、溶け崩れた体が。我に返り悲鳴を上げるジル。
そこでふと、炎が迫っているのに気付く一同。松明を持ったガッツが火を放っていた。
燃える木を切り倒し無数に飛んでくるエルフもどきを火に包むガッツ。
ジルの目には一瞬、ガッツの方が恐ろしい怪物のように映っていた。

一方その頃ジルの父親の案内で霧の谷にやって来た聖鉄鎖騎士団は、
死んで虫の怪物から人間の姿に戻った「守護者」達の無残な死体の山を目にしていた。


177 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:05/02/01 16:48:50 ID:???
(もうちょっと出来たんで続き行きます)

エルフもどきに全身に喰らい付かれても、炎に飛び込んで焼き、繭を切り裂いて
体液と内臓を浴び消火して戦うガッツ。木々が邪魔をしてロシーヌは速く飛べない上、
毒の鱗粉も炎によって舞い上げられてしまう。ロシーヌの触角を1本斬り、
仕留めかけるガッツだが、また間一髪かわされる。いや、外した。
自分の妖精の国を焼き尽くされ怒るロシーヌは、巨大な蛾の怪物への変身した。
突撃してその口器で貫こうとするのをガッツは何とかドラゴン殺しで防いだものの、
その速度は超音速、ほとんど見ることもできず通り過ぎた後に音が聞こえ、
体を引きちぎられそうな衝撃波が来る。
だがロシーヌも3回目はより正確に狙おうと思って速度を落としてきた、そこをガッツは
自分の腕を貫かせ、鋼鉄の義手で頭は守ってくっ付いて行く。
そのまま全速力で飛んでガッツを引き裂こうとするロシーヌだが、ガッツは義手の大砲で
ロシーヌの腹を撃ち抜く。空から落下する2人。
だがロシーヌは生きている。頭部の人間の少女の姿を留めた部分を撃ち抜けば殺せたであろうに、
自分の甘さに怒りながら、動かない手に剣を括り付けるガッツ。

炎に囲まれて絶望するジル。だが燃える木が倒れてきた時、ロシーヌがかばう。その時、
ガッツの剣がロシーヌの体を貫いた。ジルを助けるのを見越して、炎の中に潜んだのだった。
再び空への戦いの場は移るが、ガッツは蛾の口器に頬を貫かれながらも歯で噛み止め、
ロシーヌの体を完全に切り裂いたのだった。

ロシーヌは思い返していた。霧の谷で何日も待ち続けても、妖精は現れなかった。
そこに捜しに来た両親。殴りつける父。「霧の谷にこんなのがあっちゃいけない」絶望、
殴られて切れた口から落ちた血がベヘリットに付き、そして・・・

178 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:05/02/01 16:49:24 ID:???
落下したロシーヌところに駆けつけるジル。「ほんとうは、エルフなんていなかったんだ」
と言うロシーヌを、“本物のエルフ”パックが否定する。
「なぜかいなくなったけれど、ここは昔本当に妖精郷だった」と語るパック。
静かに息を引き取ろうとするロシーヌだが、そこに止めを刺しにガッツが現れる。

制止するジルをはねのけ剣を振り下ろそうとするガッツだが、その脇腹を矢が貫く。
撃ったのはジルの父親だった。満身創痍で聖鉄鎖騎士団に追い立てられ、
やむを得ず逃げるガッツ。一方ジルの父親は手柄欲しさに来たのに「そこで子供達を
見ていてやってくだされ」と止められ地団駄を踏む。
ロシーヌはまだ力があったのか急に立ち上がると、帰り着くことのない家路を飛び去った――

父を振り切りガッツを追うジル。騎士団に追われ岩陰に隠れているガッツを見つけると、
(パックが捜し出したようだ)「ここじゃないどこか遠くへ私を連れてって」と懇願する。
だがガッツは自分の周りにまとわりつく闇、悪霊達を見せ付ける。
「逃げ出した先に楽園なんてありゃしねえのさ」
ガッツが闇の中へ消えた後、夜が明け霧の晴れた空を見上げて、ジルは決意する。
「私はやっぱり剣士さんみたいに激しくはできないと思うし、ロシーヌみたいに逃げ出す
勇気も無いのだと思う。だけどせめて、泣いて叫んで噛み付いてみようと思う。
何かがかえられるかも・・・」
それを見届けたパックは「やっぱほっとけないじゃん」と再びガッツを追いかけて行った。


42 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:2005/03/30(水) 15:08:01 ID:???
すっかり焼け野原となった霧の谷に、髑髏の騎士が通る。
その跡から見えるガッツの戦いに思いを馳せた後、彼はロシーヌの使ったベヘリットを
探し出し、飲み込んだ。

ロシーヌ戦の傷は深く、満身創痍で剣に寄りかかって森の中を歩くガッツ。
辺りから悪霊が囁きかける。パックが発見した時、ガッツは倒れて悪霊にまとわり付かれていた。
悪霊をイガ栗で撃退するパック(あまり真面目にやっているようには見えない)
呆れて笑うガッツ。そんなところを遂に聖鉄鎖騎士団が発見、取り囲む。
剣を右手に括り付けているだけでまともに振るのも困難な重症でガッツは苦戦するが、
相手もほとんどが実戦経験のない貴族の子息のため(聖鉄鎖騎士団はそういうものだった)、
上手く避けて回って翻弄する。そして全力での一振りで、5人を斬り殺す。
不慣れな兵士に任せても被害が増すばかりと出てきたのは副長“鉄棍鬼アザン”だった。
ガッツもその名は幼い頃に聞いたことがあった。またの名を橋の騎士、橋の上で
怪我で立ち往生している老人をかばい、軍隊と道を譲るかで争ったという逸話の持ち主として。
(「老人を担いでいけばいい」という意見に対して彼が言うには「通すべきスジがある」
のだそうだ)
だが腕は確か、その怪力と正確で速い攻撃に苦戦するガッツ。

何よりこの怪我と消耗ではアザンを斬ったところで残った連中に捕まるのは目に見えている。
そう考えたガッツは頭のファルネーゼを狙うが、傷に触れてよろめいたところを
ファルネーゼが必死で突き出した剣に当たり倒れてしまう。
殺された仲間の仇を討とうと襲い掛かる騎士団の連中だが、「剣を帯びる者は自らも
剣によって倒されることを覚悟せねばならぬ。騎士の戦いを愚弄するな」とアザンが止める。

43 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:2005/03/30(水) 15:08:22 ID:???
武装を剥がされた上拘束されて尋問されるガッツ。その武装の山に加え、異教の神器ともとれる
ベヘリット。不審に見られるには十分だった。
だが「中身のない神さまを語る奴に言っても分かりゃしねえ」と取り合わず、挑発するガッツ。
更に「無理してるなあんた。神だの団長だの振りかざしたところで人望ってやつあついてきや
しないぜ。あんたはあんたの崇めてる置き物の神さまと同じ、中身すっからかんだ」と
言ったのが痛いところをついたのだろう、激しく鞭で打ち据えられる。
結局拘束されたまま、寒い中外の檻に放り込まれるガッツ。
だがそこへ檻の鍵を盗んでパックが現れる。パックに頭を下げさせられたりしつつも
無事脱出するガッツ。だが夜の悪霊はパックでも撃退できた昼のものとは段違いだ。
武装を取り返しに行って、自らを鞭で打ち据え神に懺悔するファルネーゼに遭遇するガッツ。
パックの能力もあってもまだ十分回復していないこともあり、ファルネーゼを人質に
逃げることに。ついでに馬の尻に火をつけ撹乱させ、自分も奪った馬に乗って。
混乱する中で真っ先に追いかけたのは、普段やる気なさげな紋章官セルピコだった。
だが彼はその中で見たこともないもの――悪霊の群が通り過ぎるのを見た。

一方パックは、ファルネーゼが自分を認識できないことに気付いていた。
何故か坊さんにはこういう、エルフを認識できない者が多いと言うパック。
旅芸人一座の占い婆さんに聞いた話では「堅い世界を持つ者には妖精は見つけられない」とか。

44 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:2005/03/30(水) 15:09:18 ID:???
悪霊の群を斬り捨てるガッツ。だが馬上で大剣を振り回したため馬が持たずに転倒する。
そんな中でとりあえずファルネーゼを助け、なぜ自分を狙うのか問うガッツだが、
悪霊に驚きファルネーゼは怯えつつも「背教者に話すことなどない」と逃げようとする。
しかしそこに野犬の群が出現、更に悪霊が取り憑き人面犬の集団と化してしまう。
「こんなものがいるはずねぇか? だから奇跡ってんだろ。オレはもう奇跡は間に合ってる」と
言い、いつものように斬り続けるガッツ。一時は逃げようとしたりしたファルネーゼも、
夜が白み始める頃にはただ呆然と見ているだけだった。そして痛感していた。
ただ逃げ惑い震えて縮こまっていただけ、神の御名すら唱えることのできなかった自分、
いやただ無力なだけでなく、ガッツを尋問と称して鞭打ち、自省と称して自分を鞭打つ時に
快楽を感じていた、暗い欲望しかない自分を。
そこに悪霊がつけ込む。

戦い終えて息をついているガッツに、取り憑かれたファルネーゼが全裸になってのしかかる。
動揺する間に首を絞められそうになるが、殴って正気を取り戻させる前に朝日が昇り、
照らし出されて悪霊は消えていった。
しかし正気に戻ったファルネーゼは、自分の姿に泣き叫ぶのだった。
そこにセルピコが迎えに現れる。「私の名誉のためにあの男を殺しなさい」と泣きながら
セルピコに命ずるファルネーゼだが、セルピコは「捕まえるのが任務だし、ぼくには無理です」
と言う、泣いて走り去るファルネーゼ。
だがそこで、様子見ながら剣を交わす両者。セルピコは実はかなりの実力のようだった。
とりあえずその場は剣を収めて去るセルピコ。ファルネーゼは去りながら、
「あの男を殺して口を封じなきゃ」と考え続けていた。


413 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:2005/05/18(水) 15:34:46 ID:???
疫病が蔓延し、災害に見舞われ、軍隊に蹂躙され、世界は闇に包まれる。
そんな中、光の鷹が舞い降りる。人々がそれが“求めしもの”であると直感した。
そんな夢を、ミッドランドの多くの人々が見た。

ミッドランドのラバン将軍は、荒れた山を見回っていて、流れ着いた死体から
疫病で滅びた町を見付ける。その町は疫病で死んだ死体の山と、それを食う鼠ばかりだった。
それは既に、国中の至るところで目にしてきた光景だった。疫病、飢饉、野盗の群れ。
そんな中、王は国を再建するどころか国軍の七割以上をグリフィスの探索に向けていた。
二年に渡って、狂人のような目で。
ラバンも夢を見て、想うところはあった。彼に限らずミッドランド国民にとって、
鷹を象徴するものは1つ。そこに救いがあるとすれば・・・
そんなことを考えている時、知らせが来た。国王が病に倒れたと言う。

一方ラバンが去り、誰もいなくなった病に滅びた町の奥で・・・鼠が集まり形をなして、
ゴッドハンド・コンラッドが降臨する。それは病魔を撒き散らし、去って行った。

414 名前:ベルセルク[sage] 投稿日:2005/05/18(水) 15:35:12 ID:???
王が倒れたとなれば後継者はシャルロット、その時摂政に任命されるのは誰か、と・・・
なおフォス大臣は、すっかり隠遁を決め込んだようになっていた。

国王は狂気に取り憑かれたまま息を引き取った。
その頃、象を連れた異国の軍隊がミッドランドに迫っていた。

「不死のゾッド」は、その時も傭兵として戦場にいた。だが所詮、人間が束になっても
相手にならない。死骸の山に腰掛けてゾッドは振り返る。使徒と戦ったことも何度かあったが、
なぜかそれでは満たされない。やはり、髑髏の騎士しかいないのか。
そこでふとあの烙印の剣士、ガッツのことも思い出す。
そこに、金色の鳥が舞い降りた。鳥は語りかける。「これはまどろみの中、夢と現の溶け合う領域」
ゾッドは相手の正体に勘付き戸惑うが、やがて自分の求めたものはただ1つ、絶対の強者のみ
ということを思い出し、挑みかかる。だが変身したゾッドの攻撃はすり抜けるようにかわされ、
角が切れ落ち、頭が見事に切断される。
そこでゾッドは目覚めた。夢か? だが足元には自分の角が落ち、額から血が滴っていた。
そして、お告げのようなものが聞こえる。「火の柱の立つ盲目の羊達の集いし聖地に天堕ちる刻、
求めしものは来たる」

ガッツの旅をする先も、どこも疫病に見舞われ何も残らず、死霊や夢魔がうろついていた。
「昔妖精を祭っていた遺跡のある丘なら夢魔も近付かない」とパックに言われ休息を取る
ガッツだが、夢を見る。キャスカが磔、火刑にされる夢を。
目を覚ますとあのキャスカの産んだ胎児の怪物が目の前にいて、
「アブナイ、急ゲ・・・」と警告してくるのだった。そして、こうも。
「火ノ柱ノ立ツ盲目ノ羊達ノ集イシ聖地ニ天堕チル刻・・・」