バビロンまで何マイル?/川原泉
409 :バビロンまで何マイル?1 :04/05/10 21:49 ID:???
月森仁希(にき)は高校三年の図書委員長。明るく友人も
多いが女子高生としては多少現実的でロマンスやファンタジーに
疎く、指輪物語を知らなかったりクラスメイトの女子に
プロレタリア文学を勧めて怒られたりしている。その仁希の
幼なじみでやはりクラスメイトの真船友理(ゆうり)は生徒
会長を務め、法学部を目指す秀才であり、運動神経もよく
容姿も日本人離れしたハンサムという校内の有名人。
(容姿の点は友理の母の祖先が世界中を股にかけて国際結婚を
繰り返した結果だという)女子にも当然もてるが、特に決まった
相手はいない。仁希は家が隣同士ということもあり、そんな彼と
特別な意識もなく接している。
隣同士の友理の家は大邸宅だが、仁希の家はごく普通の家で、
母子家庭。企業勤めだった仁希の父は仁希がまだ幼い時に
過労死で死に、会社からは何の保障も得られなかった。友理は
知らないことだが、昔は森でバルタン星人とウルトラマン
ごっこをして一緒に遊んでいた仁希が遊ばなくなり、リアリ
ストになっていったのはその時からだった。
ある朝、仁希と友理は前の夜に夢を見たような気がし、なんと
なく森に行く。二人が見たのは小柄な老人が呼んでいる夢。
そして現れたのは幼い頃二人が森の池で溺れているのを助けた
グノーシスと名乗る小人の老人だった。彼は助けてもらった
お礼にノームの宝をくれると行って消えたのだが、それから
12年姿を現さず、仁希達はとっくに忘れていた。彼はこちらの
世界では時間の流れが違うことを忘れていたと謝り、あらためて
お礼に二人にお揃いの指輪をくれる。左手の中指にはめたその
金の指輪は持ち主にぴったり合うように作ってあるので絶対
外れないという。そして、ソロモンの指輪のニュータイプだと
いうそれは、どの時代のどんな言葉でもわかり、しゃべれる
ようになるということだった。

410 :バビロンまで何マイル?2 :04/05/10 21:50 ID:???
グノーシスは「指輪が赤く光ったら行って青く光ったらもどる」と
しか言わずに消えてしまう。なんのことだかわからない仁希達。
もっと詳しく教えてくれ、と追いすがろうとした仁希は池に
落ちて風邪気味に。
学校にはとりあえず指を怪我したふりをして包帯を巻いて行くが、
二人で包帯を外し相談しているところを友理の現在のGF町田
沙織に見られる。同じ指輪をしている仁希はやはり友理の
特別な相手だろう、と沙織が言っている時に二人の指輪が
赤く光り、二人は恐竜の天下の原始時代にワープした。
(友理の先祖など、たぶん今後二人が様々な時代に飛ぶという
前ふりだと思うのだが、実際にはこの恐竜時代と次のイタリア
ルネサンスの二つで終わっています)
数日二人で協力して生き延び、仁希も風邪を引きつつ元気。
みなしごの恐竜の子供と仲良くなったりしたがティラノ
ザウルスが現れ、恐竜の子供は殺されてしまう。仁希も体ごと
つかまれ、口元まで持っていかれるが友理に助けられる。
その後、来た時と同じように何の前触れもなく指輪が青く
光り、仁希達は元の場面に。沙織は友理に別れを告げて
去る。数日後、久々に友理の家で友理の母の手作りケーキで
お茶をする仁希と友理。偶然つけたTVでは恐竜絶滅の原因を
探る科学番組。仁希は隕石説か伝染病説を推し、伝染病
ではないだろうという友理に少なくとも自分の咳を浴びた
あのティラノは風邪を引いただろうと笑う。だが実際には
それで新型ウィルスに免疫のなかった恐竜達はそれで滅び
たのだった…というオチ。

411 :バビロンまで何マイル?3 :04/05/10 21:51 ID:???
(イタリアルネサンス編)
仁希と友理が学校の図書室で指輪の謎などについて話して
いるところに町田沙織の兄が現れ、妹の心を傷つけたと
友理を非難し、放課後に体育館の裏で話をつけようと言う。
友人達に仁希にも関係あるのだから一応様子を見に行けと
言われ、渋々物陰から見守っていた仁希だが、町田と友理が
つかみ合いを始めたので思わず止めに入る。その時指輪が
赤く光る。
二人が行ったところはどうやらルネサンス時代のバチカン、
サンピエトロ寺院のよく見える教会の中。若い金髪の女性が
柱の陰からこちらを見ていたが、怯えたりしている様子は
ない。話しかけようとしたところに二人の男が現れ、彼女を
拉致しようとする。二人は彼女を助けて連れ出す。聞けば
彼女ルクレツィアは尼になるためにアッシジに行こうと
していて、突然教会に現れた二人を天使だと思っている。
あてのない仁希達はとりあえず彼女と同行しようと旅立つが、
ローマを出る前に彼女の兄チェーザレ達に見つかってしま
った。そこで仁希達も彼らの素性がボルジア家の兄妹だと
わかる。チェーザレは仁希達を始末しようとするがルクレ
ツィアの命乞いでボルジア家の別荘の食客に。二人は
ジパングからの留学生ということにし、邪心の無さから
チェーザレにも気に入られるようになる。

412 :バビロンまで何マイル?4 :04/05/10 21:52 ID:???
弟殺しの噂もあるチェーザレは目的のためには手段を
選ばない人間。当時イタリアはまだいくつもの小国が
それぞれ自分の領地を広げようと争い、フランスや
スペインの目も注意しなければならない時代。
勢力争いのためルクレツィアは13歳の時に「白い結婚
(幼いので名義だけの結婚)」を前提に嫁がされるが、
その後状況が変わるとすぐに離婚させられている。
現在の二度目の夫アルフォンスも家の勢力が衰えている。
まだ19歳のアルフォンスに同情するルクレツィアは
なんとか兄の意志を変えようとするが、彼は予定通り
彼に謀反の濡れ衣を着せて殺してしまう。手駒として
自分を好きに扱う兄を憎みながらも愛するルクレツィア。
何も出来ないことを悲しむ仁希達の指輪が青く光り、
二人はようやく再び現代に。その後図書室で歴史の本を
読み、ルクレツィアがその後三度目の夫と平穏な生活を
したらしいと知り、安心する二人だった。