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561 名前:悪魔狩り・プロローグ[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:50:08 ID:???
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――かつて、未だ人が神を畏れ 世界に光と闇が混在していた時代
世の影に潜み…人々を脅かす人外の亡者達が夜の世界を支配していた…
人々はこの未知なる強大な破壊者に恐怖した
いかなる権力も、知識も、神の威光さえも
虚神の加護を得た彼の者達には及ぶところではなかった…
しかし…己が天命に導かれ…
この闇の眷属を屠ることを生業とする謎の一族が存在した
闇に生きる者達に神が遣わした処刑者か…それとも人々の苦悶が彼等を呼んだのか…
ただ一つ確かなのは、彼等がまるで獣が獲物を狩る様に
闇から魔を引きずり出し虐殺していったこと…
後の世、この闇祓いの一族を讃える者も蔑む者も等しく彼等をこう呼んだ…
悪魔狩りと…
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562 名前:悪魔狩り(マギー編) 1/4[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:51:00 ID:???
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世界各地を旅する若き天才名医マーガレット・ガルシア(以下マギー)は
10年ぶりの故郷・レイテルを目指していた。
ところがレイテルへの峠で土砂崩れが起き、定期馬車は一ヶ月以上運休、
徒歩で行くには山賊が出るらしく女一人ではとても無理。
憮然として滞在中の宿屋に帰ると、脇腹に傷を負った無愛想な青年ミカエル=ラージネスが患者として訪れていた。
治療中彼もまたレイテルへ向かう事を知ったマギーは
主治医として、また用心棒の雇い主としてミカエルと同行する事にする。
その頃レイテルでは10年前に封鎖された地下牢にて、
邪な魔法陣から力を得た死体が蘇っていた…。
「神よ…とうとうあなたは我が祈りを聞いてくださったのですね…
ならば私はあなたに捧げよう…13人目の生贄を!!」
美しいひまわり畑が続くレイテルに無事到着した二人。
食事中マギーはミカエルの全身の傷よりも深い、心の傷を感じ取り心配する。
ミカエルはそんな彼女に、7歳の時に初めて人を殺した事、
自分の弱さへの絶望、強さを求めた結果、感情が欠落してゆく己の過去を語る。
その時窓の外から何者かが強い魔力をぶつけ、店は半壊。
怪我こそ無かったもののミカエルは相手の魔力の高さに戦慄し、
マギーは死んだはずの養父・ガルシア神父の姿を見て動揺する…。
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563 名前:悪魔狩り(マギー編) 2/4[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:51:32 ID:???
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――回想――
満月の下、血溜まりに沈む女性。人外の光を放つ瞳、震える少年ミカエルへ差し伸ばした手…。
「私のミカエル…こっちへ…母さんの所へ…」
絶叫と共にミカエルは、母に、岩を振り下ろす…。
レイテル聖教会の主教が何者かに暗殺され、
司祭長は(病を患っていた主教の為に召喚する予定だった)マギーの素性を知り、
彼女を逮捕する命令を下す。
その日、マギーはミカエルと共に地下牢跡の廃墟を訪れていた。
マギーは幼い頃レイテルで起きた宗教派閥の争いに巻き込まれ、
死に掛けたところをガルシア神父に救われ、小さな孤児院で12人の兄弟達と暮らしていた。
しかし10年前、里親が決まっていた彼女以外の全員が邪宗徒として殺されてしまう…。
地下牢跡に花を手向けた後、ミカエルと別れたマギーは教会の兵士に逮捕されてしまう。
一方ミカエルは地下牢で12人の子供の死体と魔法陣を発見、
子供達を生贄にして復活を遂げていたガルシア神父と交戦するもボロ負け。
神父は自らの復活と引き換えにマギーを13人目の生贄として
闇の神に捧げる契約を交わしており、捕らわれの彼女がいる教会を強襲する。
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564 名前:悪魔狩り(マギー編) 3/4[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:52:03 ID:???
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―再び回想―
絶命した母の血で汚れた手、呆然と涙を流す少年ミカエルにその一部始終を見ていた男は語る。
「『魔』にすがる弱さの末路なんざそんなもんだ
『魔』に染まりこの俺にブチ殺されるか…それとも『魔』の力で『魔』と戦うか…
もしお前にその気があるなら…教えてやろう…『闇』を狩る術を…」
まさにマギーが司祭長の手で処刑される瞬間、
ガルシア神父の力で異形の姿に身を変えた烏の化け物が教会の人間を襲う。
司祭長は逃走、マギーは足が竦んで動けない所に、顔に特殊な文様を描いたミカエルが天窓から飛び込み、
剣から鋭利な鞭状の武器に持ち替え烏の化け物を一撃で屠る。
しかしマギーは神父に攫われ、鐘塔で惨殺された司祭長の死体を発見する。
司祭長の死体から流れ出した血が魔法陣を描き出し、「契約の刻」と神父はマギーに手を差し伸ばす。
その腕を切り落としミカエルが現れるも神父に再び圧倒され、何とマギーを人質にとる。
神父は12人の子供と共に彼女も闇の眷属として転生させるつもりであった。
自らも「悪魔狩り」として闇の力を得た結果、悪魔の命を糧にして生きる事となったミカエルは言い放つ。
「人間として生まれたら…人間として死ぬ…そういうもんだろう」
一瞬の隙を突いてミカエルはマギーを解放し、神父に致命的な一撃を与える。
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565 名前:悪魔狩り(マギー編) 4/4[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:52:36 ID:???
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瀕死の神父は再びマギーに手を差し伸ばし、マギーは一瞬怯える。
その光景にかつての自分の姿を見たミカエルはトドメの剣を振りかぶる。
が、マギーは涙を流しながらもその手をしっかりと握りしめるのだった。
「…マギー…幸せに…なるんだよ…」
微笑を浮かべ、神父の身体は崩れ去っていった…。
その様子を嘲笑うミカエルにマギーは激怒し掴みかかる。
しかしミカエルは満月を見上げ、涙をこぼしながらうわ言の様に呟く。
「また…俺を…嘲笑ってやがる そんなに俺は醜いのかよ…そんなに俺は…弱いのかよ…」
神父との戦いで重傷を負っていたミカエルはそのままその場に崩れ落ちる。
マギーは仇を前に悩むものの幼き日の神父との約束を思い出し、医者として決死の手術を行う。
3日後、意識の戻ったミカエルは初めて穏やかな笑顔を浮かべ、マギーに礼を告げると去っていく。
その姿を追って振り返った瞬間、マギーは一面のひまわり畑の中、
神父と兄弟たちが笑顔で旅立っていく姿を見、その場に泣き崩れるのだった…。
悪魔狩り・通称マギー編 終
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566 名前:悪魔狩り〜冠翼の聖天使篇 1/9[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:54:07 ID:???
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人は 何を求めて生きてゆくのか…
暗黒の荒野がそれを問う 天を貫く月の光がそれを問う……
ハーフエルフの盗賊少年ルッカ様は今日も今日とてビジネスタイム。
今宵は暴君の伯爵の館に忍び込もうと企んでいたが、胴体を切断された異形の怪物と、
異様な雰囲気を纏う青年ミカエルの姿を目撃する。
翌日、街では伯爵の弟が何者かに殺された噂で持ちきり。
一方お宝ゲットで浮かれるルッカは酒場でミカエルと遭遇。
ルッカから伯爵秘蔵お宝「冠翼の天使像」を(脅して)見せて貰ったミカエルは「見つけた…!」と低く唸る。
その後ミカエルから解放されたルッカは憲兵に天使像を見られ、敢え無く御用になり伯爵の館に連行される。
しかしそこで見たものは昨晩と同じ異形の怪物に変異した伯爵と、それを狩りに現れたミカエルだった。
「ガブリエルは…どこにいる…!!」
その額に描かれた文様を見て伯爵は驚愕する。
「それでは貴様、あのお方と同じ…冠翼の…聖天使…」
伯爵を斬り伏せ、ミカエルは邪悪に笑う。
1ヵ月後、ほうほうの体で警吏から逃げ出したルッカは、隊商のキャンプで憎きミカエルを発見。
彼に興味を持ったルッカは、曰く「ボコボコにするまで」つきまとうと宣言。
その夜キャンプをガブリエルが放った巨大な魔物が襲来、ミカエルはルッカを庇って重傷を負うも、
悪魔狩りの本拠地ジャイアントヒルよりガブリエルを倒すために引き抜いてきた
巨大な魔剣・堕天の剣をもって魔物を両断する。
その頃かつて退魔師として名を馳せ、現在は隠遁中の聖者ラハブの下に、
ミカエルの消息を尋ねるマギーの姿があった…。
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567 名前:悪魔狩り〜冠翼の聖天使篇 2/9[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:54:42 ID:???
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のどかな街で兵隊六人が、謎の青年に手も触れずに大火傷を負わせられる事件が起きる。
騒動に巻き込まれたルッカはメガネを落としたり怪我をしたりと散々な目に遭うも若い女性に助けられる。
女性は重傷を負った兵士達を助けるべく名乗りを上げる。
「私は…Dr.マーガレット・ガルシアです…」
無事兵士達の手術を終え、すっかりルッカと意気投合したマギーは町の中心に描かれた魔法陣を見て戦慄する。
果たして満月の光を浴びた魔法陣から炎の怪物が現れ、人々に襲い掛かる。
あわやマギーが炎に呑み込まれんとする直前、彼女を救ったのはミカエルだった。
魔力を啖う剣を振り、魔物を倒す度に邪悪な笑みを浮かべるミカエルに
マギーは戸惑いつつも一年ぶりの再会を喜ぶのだった。
ルッカに続いてマギーにもストーキングされて少々不機嫌なミカエルは
お祭で賑わう街で教会直属の退魔師団の男にガブリエル討伐の為に手を組まないかと持ちかけられる。
バッサリ断ったミカエルは男と戦闘になるも難なく打ち負かす。
しかしガブリエルがこの街に現れる事を教会が察知していた事を知り慌てて駆け出す。
その頃のん気にお祭を楽しむ二人はお互いにミカエルとの出会いを話し合う。
「アイツ常時無表情で、実は顔面神経痛なんだぜきっと」
「そうかなァ…ミカエル笑うと可愛いのに」
その会話を耳にした一人の青年が話しかけてくる。
「ミカエルは…元気にしているかい?」
満月を背に、穏やかな笑みを湛えた彼こそが、ミカエルの仇敵・ガブリエルであった…。
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568 名前:悪魔狩り〜冠翼の聖天使篇 3/9[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:55:29 ID:???
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『悪魔の崇める、偉大なる聖天使』ガブリエルと対峙するミカエル。
その剣を見て、ガブリエルはミカエルがジャイアントヒルに戻った事に気付く。
「根の優しい君のことだ…リリスのお墓にも行ってあげたんだろう?」
その言葉にミカエルの表情が凍りつく。
「とてもいい娘だった…でももういないんだ
ミカエルが…バラバラにしてしまったから…」
激昂したミカエルはガブリエルに襲い掛かるもその剣は何故かその首筋で止まってしまう。
ガブリエルはゆっくりと近づきながら質問を投げかける。
「君は何のために生きているの? 君は何を求めて生きているの?」
「手前を…虫ケラの様にくびり殺す為にな…!!」
その答えにつまらなそうに笑うとガブリエルも剣を抜き、一振りでミカエルは斬り捨てられる…。
倒れ臥したミカエルを見下し、ガブリエルは笑う。
「君は…そうやっていつまで地面を這っているつもりだい?
あの人達のように…盲目に生きるだけなのかい?
冠をかざすこともなく…翼を広げることもなく…
なんて…醜いんだろう… なんて…弱いんだろう…」
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569 名前:悪魔狩り〜冠翼の聖天使篇 4/9[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:56:07 ID:???
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ガブリエルは再会を約束すると満月を中央に空に巨大な魔法陣を描きその場を去る。
魔法陣からは大量の魔物が溢れ出し街は大混乱に陥り、魔物はマギー達にも殺到する。
その危機を救ったのはラハブの下にいた冠翼の聖天使の一人、ウリエルであった。
ラハブに匿われたマギーは懸命な手術でミカエルを何とか再び救い、
うわ言でリリスの名を呼ぶ彼の手を哀しげに握り締める。
その頃、ガブリエルの居る遺跡を突き止めた賞金稼ぎたちが我先にと殺到。
しかし魔物に敢え無く薙ぎ倒され、やれやれと同行していた一人の青年が頭巾を脱ぐ。
額の真紅の十字星、教会最強の闇祓い「退魔竜騎兵」の証を持つその青年、
ラファエル=ハウラーの登場に賞金稼ぎたちは竜騎兵のヤマに関わりたくないと逃走。
軍紀を破って先行したラファエルはガブリエルと邂逅。
彼をミカエルを煽るに相応しいと決めたガブリエルは再会を約束し、闇の中に消えて行く…。
ミカエルの意識が戻る前に、マギーはラハブから聖天使の話を聞かされる。
かつて三千年前に世界を席巻した「黄金の民」と彼等が神と崇めた「冠翼の聖天使」
黄金の民らは再び世界の覇権を握らんと三千年の時を費やし、
数百万の生贄を捧げ、遂に聖天使を自らの手で造り出したとされていた。
(※後述するが真の目的は実はまた別に存在する)
しかし13年前、その目論見を察した大陸中の闇祓いが黄金の民の聖地を襲撃し、
程なくしてガブリエルを始めとした四人の子供が聖天使として捕らえられる。
一人は当時の記憶を失い、今は教会の退魔竜騎兵に属するラファエル。
一人は後に教会を脱したラハブの下で育った退魔師の少女ウリエル。
一人はジャイアントヒルにて育った13代目悪魔狩り「神如き者(ミカエル)」…。
またガブリエルは決して欠けない、決して沈まない満月、
「不滅の月」を呼び出し世界の魔力の制御を乱そうとしていた。
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570 名前:悪魔狩り〜冠翼の聖天使篇 5/9[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:56:39 ID:???
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程なくして、ミカエルに意識が戻る。聖天使や不滅の月の話を知りながらも
「ミカエルはミカエル」だと言うマギーにミカエルは微笑む。
しかしガブリエルに手も足も出なかった自分に対してまた自嘲するのだった。
一方ウリエルもマギーとの触れ合いで彼女に死んだ姉アニエルの面影を見て、凍り付いていた心を震わせる。
一人外で佇んでいたウリエルに、暢気に村の人と談笑するマギーに教会から差し向けられた竜騎兵が襲い掛かる。
ウリエルは危うい所をラハブと協力して撃破、マギーは寸での所をミカエルに助けられる。
しかし村の少女を人質に取られた挙句、ミカエルは孫娘を助けようとした老人ごと竜騎兵を斬り殺す。
マギーは必死に手を尽くすものの老人を救う事は叶わず、ミカエルを激しく責める。
ミカエルは生き残る力の無いクズが一人余分に死んだだけとうそぶき、激怒したマギーはきつい平手打ちを浴びせる。
「…命の重さも判らないなら…クズ以下よ!」
(実はミカエルはあの際、最も犠牲が少ない最善の選択をしていたのだが…)
ミカエルと喧嘩をし、項垂れるマギーの前に突如ガブリエルが現れ、
彼の襲来をいち早く察知したウリエルの必死の抵抗も空しく、マギーは連れ去られてしまう。
ミカエル等はガブリエルの置き土産のアキレーと戦闘、斬ってもウリエルの魔法で吹き飛ばしてもアキレーは再生し、
また、本来巨人の末裔である悪魔狩りの剣の大きさが戦いの枷になり、
更に(冷静さを装うものの)マギーを連れ去られた事による動揺で苦戦する。
その頃マギーはかつて黄金の民が従えたという大量のキメラが居並ぶ、
ガブリエルの師であり、リリスの父親でもあるケセフの館に来ていた。
そこでガブリエルは彼女にも「君は何のために生きている?」と質問を投げかける。
「どんなにつらくても どんなに苦しくても どんなに悲しくても
精一杯生きるのが命あるものの義務だと思う」
そうまっすぐ答えるマギーにガブリエルは満足気に笑い、一つの賭けを提案する。
『ミカエルは罠を承知でマギーを助けに来るか否か?』
マギーは「来ない」と言い、ガブリエルは「来る」に賭ける。
「掛け金は…お互いの命、なんていうのはどうだい?」
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571 名前:悪魔狩り〜冠翼の聖天使篇 6/9[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:57:29 ID:???
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ミカエルはウリエルと協力し、アキレーを凍らせる事で勝利するが、
ガブリエルがわざと残した館への魔力の痕跡を罠だと、ミカエルはマギーを助けに行く事を拒否、
ラハブの勧めでブルードコーストという地域に居るガルムという闇祓いの元へ向かう事に。
ウリエルのたっての願いでミカエルを除いた三名はケセフの館へ。
ウリエルは単身正面突破で乗り込み、キメラを蹴散らしながら、
遂にマギーのいる広間に辿り着くものの、彼女を覆う結界に吹き飛ばされてしまう。
キメラに包囲され、壁際に追い詰められるウリエル。そしてその後ろの壁も開いてしまう。
しかし、そこから現れたのは壁の奥にいた大量のキメラの死体を背にしたミカエルだった。
ミカエルは自らの魔力を剣に啖わせる事でキメラを圧倒し、
マギーの前に立ち塞がるガブリエルに向かって駆け出す。
ガブリエルは武器を投げ捨て、無防備に両手を広げる。
が、ミカエルはその横を駆け抜け魔剣の力でマギーの結界を破ろうと試みる。
その頃こっそり通風孔から忍び込んでいたルッカが結界の中枢装置を盗った事で結界は魔剣が折れる直前に停止、
ミカエルはボロボロになりながらもマギーに駆け寄り、彼女を抱きしめる。
外にいたラハブとウリエルの魔法で4人は脱出、
ガブリエルはミカエルが自分よりもマギーを選んだ事に至極御満悦。
「聖天使の『鍵』たる者、その位の『霊格』が必要ということさ
いずれ彼女には今回の『掛け金』を支払ってもらう……リリスの様にね」
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572 名前:悪魔狩り〜冠翼の聖天使篇 7/9[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:58:11 ID:???
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不滅の月が現れてから一月。世界の各地で異常現象が多発していた。
事態を重く見た法王は竜騎兵団団長エリゴス=ハウラーとその息子ラファエルを召集、
ガブリエルの顔を唯一知るラファエルに特別任務を与える。
ミカエルはマギーを振り切り一人ブルードコーストへ赴きガルムを訪ね、
そこで13年前に聖天使降臨を試みた男ルシファーの闇に呑まれた成れの果ての姿を見る。
マギー達はラハブの隠れ里に滞在していたが、黄金の民抹殺を目的としたティアマトの一族の男が急襲。
13年前に殺されたはずのルシファーの生存の噂を聞きつけた男はその所在をラハブに問い詰める。
ラハブは当然の如く答える気は無く戦闘になり、その最中にミカエルが自分用に打ち直された剣を携え帰還、
ガルムから授けられた一対の短剣とティアマトの剣技で圧勝する。
医者として患者を引き止められないマギーは悩んだ末、
たまたまルッカが街の子供達としていたコイン当ての賭けをミカエルに持ちかける。
ミカエルはわざと負け、賭けに勝ったマギーは彼と一夜を共に……
…共に酒場で明け方まで(コップ半分も持たずダウン)飲んでクダを巻きましたとさ。
酔って散々弱音と本音を吐き出したマギーはミカエルを止めることを諦める代わりに
どこまでも彼についていこうと固く決心するのだった。
ミカエルはガルムから聞かされたガブリエルを倒す糸口があるとされる学術都市ナベリウスを目指す。
一方ラハブは秘密裏にエリゴス宛に一対の冠翼の紋章が施された剣を贈る。
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573 名前:悪魔狩り〜冠翼の聖天使篇 8/9[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 02:58:46 ID:???
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「永かった…とうとう来たぜ、オレの時代が!!」
厳格な父エリゴスに優しい母ヘレナ、そして生意気だが可愛い妹ルリアとの楽しい生活を送るラファエルは
先日法王から特別任務をもらって有頂天。訓練はサボるわナンパに明け暮れるわでどうしようもありません。
しかしガブリエルに会って以来、失われた5歳以前の記憶の存在が心の隅でくすぶり時折塞ぎ込みがち。
そんな息子にエリゴスは(ラハブから届いていた)剣を贈る。
その頃、極秘に法王と会見していたソードギルドの幹部グラシアは
ルシファーがガルムに匿われている事を報告。
また彼がかつて記したガブリエルすら殺す事が可能とされる魔術書がナベリウスに保管されていることを知る。
翌日エリゴス指揮下、ラファエルは悪魔と化した公爵討伐に赴き、
今回もまた独断先行するも公爵の麻痺毒に冒され危機一髪。
そこに奥から狩りにきたミカエルが現れ、スキを突いた二人は同時に公爵に剣を突き立てる。
しかし公爵邸へ侵入の際にミカエルは竜騎兵を数名斬殺していた為、
ラファエルはエリゴスとタッグでミカエルと立ち合う。
その頃勝手にいなくなったミカエルにプンスカ怒っていたマギーは
偶然大学時代の恩師サミジナ教授と出会い、彼の弟Dr.マラクスについて尋ねられる。
二人がかりでもミカエルに全く歯が立たず、ラファエルは頬を深々と斬られエリゴスは右腕を失う。
剣筋で相手が13代目悪魔狩りと悟ったエリゴスは彼を解放、ラファエルは圧倒的な力の差に打ちのめされる…。
その後、サミジナ教授の紹介で顔の傷の手当ての為マギーを訪ねると、一目見た瞬間フォーリンラヴ。
すっかりウキウキ気分になった所に最悪のタイミングでミカエルと鉢合わせ。一触即発のところをマギーが怒りの仲裁。
その様子から彼女のミカエルへの想いに気づいたラファエルは狂った様に訓練に打ち込む様になる。
エリゴスの右腕の縫合手術はサミジナ教授の手により成功するも引退は避けられない。
教授は血液型からラファエルと血の繋がりが無い事を指摘する。
エリゴスは13年前の戦でラファエルの実父を目の前で斬り殺し、その後記憶を失った彼を引き取った過去を話す。
父のお見舞いに行ったルリアは両親の話を偶々立ち聞きし、兄と血が繋がらない事実に衝撃を受ける。
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574 名前:悪魔狩り〜冠翼の聖天使篇 9/9[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 03:00:24 ID:???
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満月の夜、ジャイアントヒルの墓地でミカエルの師にして先代の悪魔狩りサルトルは
娘リリスの墓に花を供える30年来の戦友ケセフと5年ぶりに出会う。
ケセフはサルトルにミカエルの『鍵』になるであろうマギーの事と
30年前に二人で倒した悪魔エイラの近い復活を告げると去って行く。
そのエイラを追うミカエルはその新たな肉体を作っているマラクスという闇医者が
港町ブレストハーバーに居る事を知り、その研究所に踏み込む。
しかし一足遅くマラクスもエイラも引き払った後で、待ち構えていたガブリエルの僕・一つ目の男バルログと戦闘になる。
その頃ミカエルに追い払われたマギーは港でそのマラクス本人と出会い、とある昔話を聞かされる…。
20年近く昔、細々と生物や薬の研究をしていたマラクスの処に14歳の美しい微笑を湛えた少女マリアが訪れる。
『医師マラクスの助力を得、黄金に輝く聖地へ赴き聖なる御使いを産め』と
神託を受けたと言う彼女は(生娘にもかかわらず)確かに身篭っていた。
崇高な魂を持つマリアの言葉を信じ、マラクスは彼女と共に南にあるという「聖地」を目指す。
そして9ヵ月後の満月の夜、予定より早く陣痛が始まる。しかしマリアは恐怖からもがき叫ぶ。
「お願い!!殺して!!私の中に悪魔がいる!!」
必死の手当ても甲斐なく、苦しみの末マリアの心肺は停止。マラクスは帝王切開に踏み切る。
しかし、取り上げた赤ん坊は…明らかに人間ではなかった…。
満月の下、横たわるマリアの遺体を囲む魔法陣。そして満月を見上げる、額に冠翼の紋章を戴く赤ん坊は…
「………嗤っていた…」
マラクスは発狂しマリアの亡骸と赤ん坊を残しその場から逃走、
その後闇の社会に身を落とし命を弄ぶ闇医者の生活を続ける。
十数年後、彼の処にマリアと同じ微笑を湛えた少年――ガブリエルが訪れるのだった…。
人の心を読む千里眼を持つバルログに対し、ミカエルは自身の心を闇に染めることで勝利する。
マラクスの手で既に死んだ肉体を持つバルログは脳と左半身を削られながらも撤退し、
ナベリウスでの再会と再戦を誓う。
悪魔狩り〜寂滅の聖頌歌篇に続く
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575 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 03:02:31 ID:???
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取り敢えずこれで悪魔狩りの前半終了です。
冠翼の聖天使篇がやや中途半端な所で終わっているのは
所謂エニックス御家騒動による雑誌移転のせいです。
キャラ紹介や用語解説については寂滅の聖頌歌篇の後に行います。
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